超簡易版マジックルール集Ver. 3.0.0  使用上の注意  これは,マジック・ザ・ギャザリング(Magic; the Gathering;以下「マジック」と略)のルールをごく簡単にまとめたものです.  マジックをやりたいと考えるプレイヤーにルールを教えるとき,あるいは友人とマジックをはじめようかとしているものの,よくルールがわからない際などに活用ください.多分,一人で熟読するよりも,何人かでカードを見ながらプレイして,わからなくなった場合には参照する……という読み方のほうが,マジックのルールに早く慣れられると思います.  途中,私の独り言を挟んであります.「《》」で囲んだものがそうです.ルールの説明には一切関係ないですので,目障りであれば読み飛ばしてください.  この文章の著作権を放棄します.自由に再構成・配布を行っていただいて結構です.ただし,再配布者は,その利用者から疑問が出た場合にはそれに解答を与える義務と,誤りや疑問点などを発見した場合に,筆者に報告する義務をもつものとします.  できるだけ正確さを期するよう努力いたしましたが,それでもなおこの冊子の記述に誤りがある場合があります.もし誤りなどを発見した場合には,筆者のほうまでご一報のほうをお願いいたします. 《ついでに,「ここはこう説明したほうがよりわかりやすくなるよ」「ここがちょっとわかりにくい」という意見も募集しております.こちらも連絡いただけますと幸いです.》  それでは,よいゲームを. (初版;1999.5.26  改定;2003.3.29) 野村和信 nomra@terra.dti.ne.jp 超簡易版マジックルール集目次 0.最初に  0−1.ゲームの目的 1. カード  1−1.土地(01/11/23)  1−2.使い捨てのカード(『ソーサリー』と『インスタント』)  1−3.場に残るカード(『クリーチャー』,『アーティファクト』,『エンチャント』) 2. ゲームの進め方  2−0.ゲームの前に  2―1.ゲームの流れ  2−2.ターンの進行(00/2/29) 3. 呪文と能力の使い方  3−1.『対応』  3−2.『打ち消す』  3−3.『破壊する』(と『再生』) 4.クリーチャーに関するルール  4−1.『召喚酔い』(と『速攻』)  4−2.『先制攻撃』  4−3.回避能力(『飛行』『渡り』)  4−4.『プロテクション』  4−5.『トランプル』 0.最初に  0−1.ゲームの目的  ようこそ,「マジック・ザ・ギャザリング」の世界へ.  このゲームは,さまざまな世界を渡り歩き,魔法の探求を行う偉大な魔法使い同士の戦いを題材としたカードゲームです.  ゲームの流れはごく単純なもので,カードとしてあらわされるさまざまな魔法や魔獣を駆使して,おのおののプレイヤーが最初に持っている20点のライフ(RPGでいうHPのようなものだと考えてください)を最初に0点まで削りきったプレイヤーが勝利します. 《しかしこのゲームを他の一般的なカードゲーム(トランプなど)よりも魅力的なものとしているのが,そのカードの種類の多さと,「デッキ」という概念です.  「マジック」のカード(つまり,プレイヤーが扱える魔法の種類)は非常に膨大なもので,通常のゲームに用いられるものだけでも1000種類以上にも及びます.これにより一般的なプレイヤーには「まだ知らぬ魔道書を探求する魔法使い」と同じ興奮を共有させ,よりテクニカルなプレイヤーにとっては「さまざまな魔法の組み合わせを考え,より複雑で高度な戦いの感覚」の楽しみを供給しているのです.しかも4ヶ月に1回ほどの間隔で新たにカードが追加され,これがマジックの環境を非常にダイナミックで刺激的なものにしています.》  通常のカードゲームでは,すべてのプレイヤーが1つの山札を共有するのが一般的です.「どのカードを引くのか」というのは単純にそのプレイヤーの運の勝負であり,その原則を変えることができません.しかしマジックでは(特殊な遊び方をする場合除き)山札は共有されず,それぞれのプレイヤーが「自分自身のための,自分だけの山札」を持ってプレイを開始します.この山札のことを「デッキ」と呼びます. 《この「デッキ」に含まれるカードの種類はそれぞれのプレイヤーによって異なっており,(コピーでもしない限り)完全に同一のデッキが存在することはありません.マジックのゲームは常にカードに基づいてプレイされるため,ゲームの勝敗の大半はこの「デッキの作成」が鍵を握っているといって過言ではありません.繰り返しになりますが,デッキは「自分自身の,自分だけのもの」です.この「自分だけのデッキ」に含まれるカードを入れ替え調整することによって,「より強いデッキ」の作成を目指すことが,実際のゲームとならぶ,マジックの大きな魅力となっています》 1.カード  マジックのカードは,まず『土地』とそれ以外に分けられます. 《ここから先の文章は,できれば実際にマジックのカードを手に持って読んでください.》  1−1.土地(01/11/23)  背後が薄いベージュ色で,カード右上部に何もマークがなく,カードの左中央に「土地」と書いてあるカードは,「土地」と呼ばれて他のカードとは区別されます.  このカードは,何のコストを支払うこともなく,自分の『ターン』の間に1枚だけ直接『手札』から『場』に出すことができます.  このカードを『タップ』する(カードを右に90°傾ける)と,通常は『マナ』がでます.この「マナ」を使うことによって,土地以外のカードを使うことができます.  「マナ」は 「山が生み出すマナ:赤マナ(炎のマークで示される)」 「森が生み出すマナ:緑マナ(樹のマークで示される)」 「平地が生み出すマナ:白マナ(太陽のマークで示される)」 「島が生み出すマナ:青マナ(水滴のマークで示される)」 「沼が生み出すマナ:黒マナ(骸骨のマークで示される)」  の5種類に分かれていて,それぞれ土地以外のカードの背景色に対応しています.また,この5つのマナ以外に,「無色マナ」というものがあります.  土地以外のカードの右上に書いてある分のマナを,土地をタップさせるなどして準備すれば,そのカードが使えるようになるわけです.  たとえば,カード右上に「緑緑」(緑色の円に囲まれた樹のマークが2つ)と書かれたカードが手札にある場合,場に置かれている「森」のカードを2枚タップさせて緑のマナを2つ得ることによって,そのカードを使うことができるようになります.  カード右上に,灰色地に数字というマークがある場合,「何色でもいいから,その数分のマナを出せば,それが使える」ということを示しています.「灰色の丸にX」なら,「何個分でもいいから」という意味になります.  たとえば,カード右上に「3緑」(緑マナのマーク1つと,灰色の丸に囲まれた3という数字)と書かれたカードが手札にある場合,緑マナを最低1つ,そのほかに色は限定されませんが3つのマナを得ることによって,そのカードを使うことができるようになります.このマナは,緑マナが3つでもかまいませんし,赤マナ3つでも,緑マナ1つ・赤マナ2つでもかまいません. 《一般に,より多くのマナがいるカードのほうが得られる効果も大きいのですが,その分使えるターンが遅くなる,などの問題点を抱えています.また,必要とされるマナの色の種類も多いほうがより多くの状況に対応できるようになるのですが,その分必要とされる土地がこない,などの困った事態が生じやすくなります.そこあたりのバランスのとり方も,マジックの楽しみのひとつです.》  なおタップさせてマナを出せるのは,通常は自分が場に出した土地だけです.  このように,マジックでは「そのカードを場に出したプレイヤーは誰か」ということが問題になることが多々あります.  自分が場に出したカードは通常,自分が『コントロール』(=支配)しています.  相手が場に出したカードは通常,相手が『コントロール』(=支配)しています.  カードテキストに特殊な記述がない限り,自分は自分のコントロールしているカードのみを使う(=タップさせる,など)ことが可能です.  カードテキストに特殊な記述がある場合に限り,カードのコントロールは移動します.  さらに,土地以外のカードは使った直後に捨て札になる「使い捨てのカード」と,「場に残るカード(『パーマネント』)」の二種類に分けられます.  土地以外のカードには,「1ターンに使える枚数」という制限はありません(01/11/23).1ターンの間に何回でも使用可能です.  1−2.使い捨てのカード(『ソーサリー』と『インスタント』)  「使い捨てのカード」は,さらに2種類に分類されます.「ソーサリー」「インスタント」です.  それが「ソーサリー」であるのか「インスタント」であるのかを区別するためには,やはりカード左中央を見てください.  カード右上のマナを支払うと使用することができ,すぐに効果をあらわしてそのまま捨て札の山(『墓地』と呼ばれます)に落ちます.  ソーサリーは自分のターンにしか使うことができませんが,インスタントは相手のターンにも使える,というのがこの2つのことなる点です. 《相手のターンに呪文が使えるといいことがあるのか,というのを疑問に感じるかたもいるかと思いますが,これをすることによって「相手の出方を見てから,自分の行動を決定する」という優位を得ることができるわけです.そこらへんの相手の手の読み合いも,マジックの面白みのひとつです.もうひとつ,インスタントの違いがあるのですが,それはのちほど.》  1−3.場に残るカード(『クリーチャー』,『アーティファクト』,『エンチャント』)  「場に残るカード」もさらにいくつかに分かれます.  ソーサリーなどは使われた後には「墓地」に行ってしまって何も残りませんが,これらのカードは場に残り続けて効果を発揮します.  これらのカードは通常,それを場に出したターンにだけマナを支払えばオッケーです.それ以降には特にマナを支払う必要はありません.  これらはソーサリーのごとく,自分のターンの間にしか使うことはできません.  こちらも見分け方としては,カード左中央を参照ください. ・クリーチャー(古いカードで「〜の召喚」)とあるのもこのカードです)  「生き物」「魔獣」というほどの意味の,もっとも一般的なカードです.他のカードとは違い,カードの右下隅に2つの数字(『パワー/タフネス』)があるのが特徴です.  「パワー」とは,そのクリーチャーの持つ攻撃能力を,「タフネス」とは,そのクリーチャーの持つ防御力・耐久力をそれぞれ示します.  クリーチャーは,戦闘することができます.自分のターンに1度,プレイヤーは自分の持っているクリーチャーを使って,相手に襲い掛かることができます.  相手も殴られてはかないませんから,自分の持っているクリーチャーで守りにつこうとします. ※攻撃したクリーチャーが,相手のクリーチャによってブロック(迎撃)されなかった場合. →攻撃したクリーチャーのパワーの値の分だけ,防御側プレイヤーのライフ(=HP)が減少します. ※攻撃したクリーチャーが,相手のクリーチャによってブロック(迎撃)された場合. →そのクリーチャー同士でそれぞれのクリーチャーの持つ「パワー」分のダメージを与え合います.  「タフネス」を超えるダメージをクリーチャーが1ターンのうちに受けた場合には,死亡してしまいます.このときそのクリーチャーは,墓地に行ってしまいます.このダメージは,ターンの終わりに自動的に回復します.次のターンにクリーチャーへのダメージは持ち越されません.  タップしているクリーチャーは,攻撃にもブロックにも参加できません.また,クリーチャーは攻撃したときに自動的にタップしてしまいます.ブロックのときにはタップしません.さらに,クリーチャーを場に出したとき,そのターンの間はそのクリーチャーを攻撃させることができないので注意してください.  クリーチャーに関するルールはその他にもいろいろ特徴がありますが,それはあとに説明します. ・アーティファクト  「魔法の工芸品」というほどの意味で,茶色の地を持つカードです.  必要とされるマナの色を選びませんので,どのようなデッキにも入れられるのが強みです.  『アーティファクト・クリーチャー』といって,クリーチャーでもあるアーティファクトもあります.その場合,そのカードはアーティファクトのルールとクリーチャーのルールの両方に従います. ・エンチャント  「強化魔法」というほどの意味のカードです.  他のカードに取り付けたり,場に直接置いたりして,取り付けたカードやプレイヤーを強化したり,逆に弱体化させたりすることができます.  カード左中央に「エンチャント(場)」とある場合,それは場に直接置かれて効果を発揮します.  エンチャントのあとの()に何か別のことが書かれている場合には,その種類のカードに取り付けることができます.たとえばエンチャント(クリーチャー)は,クリーチャーの上に取り付けてそのクリーチャを強化します.  取り付けられる側のカードが手札や墓地などに移動した場合,その上に取り付けられていたエンチャントは墓地に行きます.  1つのカードに取り付けられるエンチャントの数に上限はありません.何枚でも取り付けられます. 《「デッキを構成するカード」の比率には,初心者がわかりやすいものとしては,「土地」「クリーチャー」「それ以外のカード」がそれぞれ3分の1ずつになるようにする,という目安があります.60枚のデッキであればそれぞれ20枚ずつということになります.これはあくまで「目安」ですから,なれて来るに従って自分の好みなどにあわせて変えていくのがいいでしょう.一般的には,これより土地の枚数を増やしたほうがデッキとしては動きやすくなるはずです.またクリーチャーが半分(30体)以上のデッキや,クリーチャーが1枚も入っていないデッキというのもよいものです.》 --------------  クリーチャー・アーティファクト・エンチャントという「場」にあるカードのうち,自分がコントロールしているものは,プレイヤーがインスタント呪文を使うのとちょうど同じように,そのカード自身の持つ能力を使うことができることがあります.  場にない時,手札や墓地にある場合には能力を使うことはできません.  カードテキスト上に「:(コロン)」マークがあるものがそれでにあたります.この「:」の左側にあるマナなどを支払うことによって,カードの右上のマナを支払ったときのようにその「:」の右側にある効果を得ることができます.  なお「:」の左側には,「マナ」以外に「曲がった矢印」が書かれていることがあります.  この場合,土地を「タップ」するのと同じように,そのカード自身を右に90°傾けてください.この行為も,土地の「タップ」と同様に「タップ」と呼ばれます.  それ以外に,『「XXを生贄に捧げる(いけにえにささげる,と読む)』とある場合には,自分がコントロールしている,場にある「XX」を墓地に落としてください.  この「自分がコントロールしている,場にある「XX」を墓地に落とす」という行為は一般に,「生贄に捧げる」と呼ばれます.  相手のコントロールするカードを生贄に捧げることはできません.  マナ・タップ・生贄など,これら「:」の右側に書かれているものをすべて支払うと,インスタントを使ったときのようにその効果を得ることができるわけです. 2. ゲームの進め方  2−0.ゲームの前に  まず,ゲームをはじめる前に,自分のカードをかき集めて,『デッキ』というものを作ります.デッキには60枚以上のカードを入れなくてはなりません.61枚や,758枚のデッキを作成することはできますが,59枚や8枚のデッキを作成することはできないということです.  また「山」「森」「平地」「島」「沼」という名前を持つ5種類のカード(「〜の森」などの名前を持つカードは不可)は1つのデッキの中に何枚でも入れることができますが,それ以外のカードは4枚までしかいれることができません. 《この「自分だけのデッキ」をいかに強く,自分にふさわしいものに育て上げていくか,というのがマジックの最大の楽しみのひとつです.どこぞから強い人のカードリストを引っ張ってきて,それをそのままコピーして遊ぶ,というのはすぐにつまらなくなるのでやめておきましょう.「どういうデッキが強いのか」「自分のデッキとはどういう風に違うのか」という研究のためにコピーデッキを使うのはお勧めできますが…》  このデッキを2人のプレイヤーがそれぞれ1つずつ作成します.(幾つも作っていいのですが,1回のゲームで使用できるデッキは,1つだけです)  2―1.ゲームの流れ  そのデッキが出来上がったら,2人のプレイヤーで机に向かい合って座り,自分のデッキをよくシャッフルし(きり混ぜ)ます.  で,それを相手に差し出して『カット』してもらいます.「カット」というのは,いかさまを防ぐために,相手のデッキを上と下の2つにわけ,その順番を入れ替える行為です.その後,自分のデッキを相手から返してもらいます.  その次にじゃんけんなどをして,先攻と後攻を決めます.  自分のデッキの一番上から(それ以外の場所からは不可!)7枚カードを取ります.これが「手札」になり,残ったデッキは『ライブラリ』と呼ばれる山札になります.この山札はプレイヤー1人につき1つだけできます.1人のプレイヤーが2つ以上のデッキを使用したり,複数のプレイヤーで1つのデッキを共有したりはしないので注意してください.  その手札がどうにも気に入らなかった場合には,『マリガン』と言ってもう一度それを山札に戻してシャッフルするところから繰り返すことができます.ただし,次にカードを引く枚数は6枚です.さらに気に入らなかったらさらにマリガン…という風に何度も繰り返すことが可能ですが,そのつど開始手札が1枚減っていくことに気をつけてください.  そして,『ライフ』を20点互いに得ます.これが0点をになった瞬間に,そのプレイヤーは敗北することになります.  ここまで読んだら,とりあえずはマジックをプレイすることが可能です.  次の「ターンの進行」を眺めながら,プレイを開始してください.わからない用語が出てきた場合には,そのカードの指示に従うか,このルール集のほかの部分を参照してください.  2−2.ターンの進行 ・アンタップステップ  自分がコントロールしているカードをすべて『アンタップ』(タップされていない,直立した状態にすること)します.相手がコントロールしているカードはアンタップされません.(場に何もカードがなければ何もしません) ・アップキープ(維持)ステップ   「アップキープに〜」と書かれていることを処理する時間です.そう指示されたものは,このステップが開始した時点で処理してください. ・ドローステップ  このステップを開始した時点で,そのターンを進めているプレイヤーは山札(「ライブラリ」)からカードを1枚引きます(ドローします).  ただし先攻プレイヤーは,1ターン目にはカードを引くことはできません.2ターン目から引きます.  このステップの間など,「カードを引く」とルールやカードの記述で指定されたにも拘わらずライブラリが空でカードが引けない場合,そのゲームに敗退します. ・第1メインフェイズ  インスタント以外の呪文は,自分のターンのこのフェイズの間にだけ使えます.土地を置くのも同様です.そういった呪文は,自分のターンであっても他のステップでは使用できませんのでご注意ください. ・戦闘フェイズ  1ターンに1回,このフェイズの間にクリーチャーは戦闘を行います.  このフェイズの間,インスタント以外の呪文を使用すること,土地を場に置くことはできませんが,インスタントや場にあるカードの能力であれば自由に使用することができます. ・第2メインフェイズ  戦闘フェイズの終了後,ゲームは再びメインフェイズに戻ります.  このメインフェイズでは,戦闘フェイズの前のメインフェイズと同じく,インスタント以外の呪文を用いることが可能です.また第1メインフェイズにまだ土地をおいていないのであれば,土地カードを置くことも可能です. ・ターン終了ステップ  「ターン終了時に〜」と書かれていることを処理する時間です.そう指示されたものは,このステップが開始した時点で処理してください. ・クリンナップステップ  このステップが開始した時点で,自分の手札が8枚以上である場合には,7枚になるように手札を減らします.  そして,敵味方関係なくすべてのクリーチャーに与えられていたダメージがすべて0になります. 3. 呪文と能力の使い方  3−1.『対応』  インスタント呪文,および場にあるカードの持つ一般的な(「:」のある)能力は,他の呪文に「対応」して使うことが可能です.  ある呪文が使われた場合,それに「対応」して他の呪文を使用することができます.「対応」呪文を使った場合,それはもとの呪文よりも早く効果を表します.  たとえば, i)相手が自分のクリーチャーに対して2点のダメージを与える呪文を唱えてきて,そのままではそのクリーチャーが死んでしまう場合, ii)その呪文に対応してそのクリーチャーのパワーとタフネスに対して+3/+3 の修正を与える呪文を使えば, iii)ダメージを与える呪文よりも先に修正を与える呪文が効果を発揮し,そのクリーチャーを生き残らせることが可能になるわけです.  何かに対応した呪文に対して,さらに対応することが可能です.その場合,最後に唱えられたものが真っ先に効果を発揮します.  そのあと,対応した呪文や能力が解決されたあと,再び別の呪文や能力を新しく使用して対応を行うことが可能です.  ソーサリー呪文の使用や,クリーチャー・アーティファクト・エンチャント呪文を使用する場合などでは,対応を行うことはできません.  3−2.『打ち消す』  なにかの呪文に対応して使うことで,その呪文を「なかったことにする」効果です.  その呪文は(たとえクリーチャーなど場に残る呪文であっても)墓地に落ち,なんら効果を発揮しません.それに用いられたマナなどは失われたままになります.  3−3.『破壊する』(と『再生』)  「破壊する」,と書かれたカードの影響を受けたカードは,墓地に置かれます.  1つのターンの間に呪文や戦闘などでタフネス以上の合計ダメージを受けたクリーチャーも,同様に墓地に落ちます.  「再生」は,「クリーチャーが破壊されることを防ぐ」能力です.クリーチャーの持つ「再生」能力を使用した場合,1回だけその破壊をキャンセルすることができます.ついでにそのターンの間にそのクリーチャーが受けたダメージはすべてなくなり,そのクリーチャーがタップ状態でない場合にはタップされます.(タップ状態の場合にはそのままです)  この「キャンセル」の有効時間は「ターン終了時まで」です.それ以降の破壊は防ぐことができません. 4.クリーチャーに関するルール  4−1.『召喚酔い』(と『速攻』)  クリーチャーが場に出た場合,次に自分のターンが回ってくるまでは,攻撃を行ったり,「:」の左に曲がった矢印のある能力を使用することはできません.これを「召喚酔い」といいます.  クリーチャーでないアーティファクトや,土地などはこの影響を受けません.  「速攻」を持つクリーチャーもその影響を受けず,出したそのターンに攻撃を仕掛けることができます.  4−2.『先制攻撃』  戦闘に先制攻撃を持つクリーチャーが参加した場合,まずはじめにそのクリーチャーだけがダメージを与えます.それでクリーチャーが死んでしまった場合には,死んだクリーチャーはダメージを与えることはできません.  4−3.回避能力(『飛行』『渡り』)  飛行を持つクリーチャーを,飛行を持たないクリーチャーでブロックすることはできません.  飛行を持つクリーチャーは,飛行を持たないクリーチャーをブロックすることができます.  ブロック側が,『〜渡り』の『〜』に書いてある土地を1枚でも場に出していた場合,その土地を渡ってやってくるクリーチャーをブロックすることは不可能です.たとえ,おなじ渡りの能力を持つクリーチャーがいたとしても,です.  4−4.『プロテクション』  プロテクション(XXX)を持つクリーチャーは, 1)XXXのカード(呪文,能力)の『対象』にならない. 2)XXXのカードからのダメージをすべて軽減する. 3)XXXのクリーチャーにブロックされない. 4)XXXのエンチャントをつけることができない.  1番の能力により,カードに「対象」という文字がある場合,そのクリーチャーに影響を与えることができません(第6版ルールブックには,完全に「影響を受けない」とありますが,これは誤りです.文章上に「対象」という文字のない呪文などの場合,やはり影響を受けます).  4−5.『トランプル』  普通,攻撃したクリーチャーがブロックされた場合,そのクリーチャーはプレイヤーに対してダメージを与えることができません.  しかし,攻撃クリーチャーがトランプルを持っており,そのクリーチャーをブロックしたクリーチャーのすべて殺すだけのダメージを与えることができる場合,そのクリーチャーはプレイヤーに余ったダメージを与えることができます.  トランプルは,ブロックを行うときにはなにも効果を発揮しません.