その薄暗い部屋はかつて日当たりが良く、居心地の良い居間だったのだろう。
今では窓際に積み上げられた本や箱が林立し、
壁という壁はガラクタの詰まった棚に遮られて見ることはかなわない。
部屋の中央に置かれた椅子とサイドテーブルの周りは、奇跡的に床が見えている。
その椅子の上に、どこから入りこんだのか小さな黒猫がうずくまっている。
猫はこちらを見ると、招くようにちいさく鳴いた。
2003/02/23 管理者からの伝言です。「ヨロシク」と……
いや〜、新年の目標をいきなりブッチしてしまいました(しかも二ヶ月近く!)。大変申し訳ありません。
そこで今回、言い訳と今後のこのサイトの展開を少々。
現在、私の住処は親の家に間借りしている状況です。「自分の家」と言わないのは私が次男坊で、そもそも独立することを前提にしているからです。
当然、いま利用しているWebへの接続回線は両親の電話回線なのです。親は自分の回線契約に訳の分からないオプションをくっつけたがらず、おまけに自営業なのでISDNにより2回線分を利用しているのです。
いろいろ自分の言い分もありますが、しばらくはこうしたダイアルアップ接続で、かつ親の回線使用料に自分の分を含ませようとする『ダメ人間』でいるようです。<他人事のように言うな!
常時接続のヒトのようにリアルタイム、かつ高速でデータをやりとりするのは困難なのでサイトの更新頻度はおろか、ネットへの接続頻度もおそろしく少ないのが現状です。
おまけにスランプというほどではないのですが、「書評」などで自分の中にある想いが上手く表現できていない気がしていたのです。
ただ、表現などについては「自分の内にあるモノ」と「他者に見せられるモノ」の速度差、データ量のボトル・ネックは解消できないものの、それでも「外部へ表現」することで内圧のガス抜きと経験の蓄積をねらって始めたこの「天秤堂」です。それをいま、なし崩しに閉鎖しても何もならないので、「やりたいこと」を出来ることから再スタートしようかと思います。
今後の展開は――
「掲示板を設置する」(BBSの開始、運営)
「他のサイトにリンクさせてもらう」(リンクページの開始)
→ついでに「オンライン書店にリンクする」
「自作のへっぽこな小説を公開してみる」(自虐趣味の開眼<ンな事は無い)
「現在の内容を継続する」
そして、更新頻度に関してはオフラインの「でんパ」本体の経済・社会的な状況の改善(笑)がなされない場合は、
「早くて週イチ、遅い場合は月イチの更新」
――まで後退してしまいます。(掲示板を開設したら、もう少し手間がかかるかもしれないとビクビクしています)
全体として「独り善がりな色を薄める」方向性で行ってみようと考えております。
本当は、全体の構成内容、色などのデザインもガラッと変えたかったのですが、そんなことはもっと手を動かしてからすることにします。
以上、こんな見にくいサイトの管理者として、見に来てくれる(見に来てくれた)ヒトへの伝言です。
改めて、今後ともよろしくお願いします。
2003/02/09 観察記
JR浜松町駅。山手線と京浜東北線が併走する区間内の「ふつうの駅」です。
もっとも、国内の空路のターミナル「羽田空港」へつながる東京モノレール線との乗換駅であり、世界に散らばる「貿易センタービル」の『最初の点』でもある「東京国際貿易センタービル」の隣接駅でもあります。
だが、ある種のニンゲンにはもっと重要なランドマークがあるのです。それは――、
「都立産業貿易センター」、通称『都産貿』。
休日、祝日になると、日本各地からある種のつわものどもが集う建築物である。
いえ、ぶっちゃけ「同人誌即売会」が都産貿でよく開催されるという話なんですけどね。
ムスリムのメッカにも似た「コミックマーケット」開催地である『東京ビッグサイト』。日本の歴史の重要な転換点である巣鴨プリズン跡地の『サンシャインシティ(主に文化会館)』。国内の技術力の集積地である大田区の『大田区産業プラザPIO』……。
そうした数多の関東圏内にある即売会会場の中でも、『都産貿』のイベント(即売会)開催頻度は高いのです。裏付けをとったわけではないですが、話を全国レベルで考えても異常な頻度です(笑)。
で、例に漏れず、本日もそうでした(笑)。
私も都産貿には毎月一回くらいは行っているような気がしますが、山手線を中心にした乗り降り自由のJRトクトクきっぷを利用しているニンゲンには非常に便利な場所(追加の交通費が発生しない)なのです。
ただ、交通の便があるにしても『都産貿』周辺はいささか「寂しい場所」(by ダーレス)な趣があるのですが、ほんの数十メートル離れた場所には「竹芝埠頭公園」があります。
そう、本日のお題は『都産貿』ではなく、「竹芝埠頭公園」が主題だったのです! って、そこまで力む必要はないのですが。
この公園は夜になると恋人たちが、蛍光灯に誘われる羽虫のようにやってくるのでしょうが、そんなことコッチの知ったことじゃねェです。昼間、この公園に独り身でやってくる自分には関係ナイナイ、まったく無い(泣)。
昼間、この公園にやってくると自分的にはいろいろ興味深いものが見れるので気に入ってます。それは小笠原諸島や新島などへのフェリーだったり、海上レストラン船だったり、はたまたそれらの係留や搭乗に使用される港湾施設だったりするのですが、意外に楽しいのが『鳥の観察』です。
港に隣接しているということで、カモメが独特の形状の翼で頭上を滑空しているのもよいものです。(普段、見慣れていない鳥ですから)
それ以外に接岸しているフェリーを眺めていると、その後方の海面に浮いている水鳥がいます。種類は分かりませんが、鴨とかアヒルくらいの大きさの暗色系の羽毛をもっているようです。
よく見ようと目を凝らすと、いきなり水中に潜ってゆきます!
いえ、鵜飼いの鵜を考えれば、そういう鳥が少なくないのは分かりますが目の前で予備動作もなく潜っていく様は新鮮と言うより感動に近いものを覚えましたヨ。
その後、同じ種類(と思われる)の水鳥がいたので、潜るところを見ようとしていましたが、なかなか潜ってくれません(泣)。おまけにどれぐらい潜っていられるのか、水中での移動距離、水面に戻ってくるときの動作などを見たかったのですが、まるで「海の泡」になってしまったように確認できませんでした。
他には、ニンゲンの作り出した環境に適応した野鳥――というか「街の鳥」がいっぱいいます。鳩、カラス、スズメですね。
鳩は公園にきた人がまくお菓子などをねらって、人のそばをうろうろ歩いています。浅草の鳩よりは落ち着きがあるようなので、スナック菓子を持っている老夫婦に襲いかかることはないようです。
その鳩の間をぬうようにスズメたちがチョコチョコ飛び跳ねています。カラスさえも数は多くないものの、人から離れたところに重々しく舞い降りてきます。
そして、鳩やスズメなどはある一羽がでかい餌の固まりをくわえていると、周りの鳥がそれをうばおうと追いかけ回したり、逃げ回ったりでなかなかに見物です。
しばらく見ていると、傍若無人な人が通りがかると鳥たちは空に飛び立ちますが、スズメはこの公園に植わっている松の木を寝床にしているようです。
考えてみれば、鷹などの猛禽はいないもののカラスなどに襲われるかもしれないので、尖った葉が密集している松はシェルターにちょうど良いのかもしれません。大自然の知恵なのか、他に適当な梢がないためかはわかりませんが。
それにしてもこの公園は帆船を模しているらしく、公園の広場中央にはデカいマストが立っています。海に面した方は二段構成になっており、上記の鳥たちを観察するには見晴らしの良い「2階デッキ」へ。
鳥ほどのアタマしかない人間の群を観察したければ、ぜひ『都産貿』に。
2003/01/23 健康人間X-23号
風邪気味なので咳が止まらないのですが、たばこを吸うとすこし咳が落ち着くような気がします。
布団にもぐり込みながら、たばこに火を点けます。
たばこを吸うニンゲンなのに、自分の部屋がたばこクサいのはいやなので、換気のために窓を開けて吸います。
たばこの銘柄は「中南海 LIGHTS」。中国産のたばこです。
箱には『HERB BLEND』と書かれています。確か、漢方薬になる成分を混ぜてあるたばこです。
身体に悪いと知りながらたばこを吸うはずなのに、タールやニコチンを制限したたばこ。
肺に刺激を与えないために着けられたチャコール・フィルターを通して煙を吸うので、より肺ガンになりやすいたばこ。
――たばこを吸い終えたのと、部屋がずいぶんと寒くなってきたので窓を閉めて、肩まで布団に引き上げて眠ることにします。
自分の行動がいろいろ矛盾しているので、それらを考えながらひとり悦に入って眠ります。
お休みなさい。
2003/01/15 ただしい問は、答と等価である。
今日、すれちがった男子中学生の会話。
「――この星に生まれてきて、良かった?」
うむ、じつに良い問である。
この彼の問に友人がどう答えたか聞こえなかったが、君たちより若干年を経たニンゲンである私も、即答できぬ。
だが、キミの声が笑いを含んだ明るいものだったので、私はこう答えよう。
「是!」
しかしお兄さんは、君たちがどういう経緯でそんな会話をしていたのかを訊いてみたいのですが。
2003/01/06 「究極超人あ〜る」というマンガをご存じでしょうか?
ゆうきまさみが週刊少年サンデーで連載した作品です。すでに連載終了から10年は経っていますが。
連載当時の高校生の写真部に所属していたニンゲンは、何かしらこのマンガの影響を受けているとみて差し支えないです。(断言)
なぜ、いきなりこんなことを言い出したかというと「鍋」がキーワードです。
鍋物は冬の季節になると家庭の食卓にひんぱんに現れるようになります。原因はさまざまあるでしょうが、その原因追究はココではしません。ただ、その鍋物という料理の多様性に思いを馳せていただきたい。
秋田の鍋物といえば「きりたんぽ」が付き物です(調査はしていませんが……)。きりたんぽというのは、お米を餅のように粒をつぶして作られます。
そう、きりたんぽは「米」なのです。
そろそろ「あ〜る」を読んでいた方には分かっていただけるのではないでしょうか?
あ〜るの話の中に、おかゆをライスにかけた「おかゆライス」という料理が出てくるのです。
結論。
なんかきりたんぽ鍋が夕飯のおかずとして食卓にのせられると、自分があ〜るくんになったかのような錯覚を覚えます。
皆様はどうでしょう?
2003/01/02 あけましておめでとうございます
さあ、新年です。
信州に住んでいる友人が実家に戻ってきたというので、新年早々にアキバ詣デス。
まあ、「アキバ詣」というのはナンですが、秋葉原に集合、そのまま神田明神にて初詣。その後は「肉の万世」地下1階にて昼食をとるのがここ3年ばかりの恒例行事であります。
神田明神で一年の計を占うのも恒例です。
今年は――
神田明神おみくじ(19番)
末吉
山深み猶影さむし春の月
空かきくもり雪はふりつゝ
願望 叶う。されど無理な願いはよせ
待人 遅けれど来たる
失物 長引けど出る
旅行 あせらぬが吉。
商売 後程利益多し
方角 北東の方よし
学業 人にたよるな。自分でなせば叶う
争事 よくよく見定めよ
転居 さわりなし吉
出産 思いの外かるし
病気 危き様なるも癒ゆ
縁談 良縁ありまとまる
――と、出ました。『良いことがあるけど、時間がかかる。いままで為してきたことの結果が見れそうだ』という卦のようです。
自分としては願望の「叶う。されど無理な願いはよせ」がお気に入りです。(笑)
無謀な願いではなく、地に足の着いた望みを追うべし、と諭されているようで。すなわち壁サークルの限定アイテムではなく、いつものサークルの本を買っている方がよいということでしょう。<コミケボケ
他の項目も総合の卦に沿った内容のようですが、方角が鬼門を指しているようで、ニヤリ。
病気の「危き様なるも癒ゆ」というのも、ニヤリ。
こういう卦が立ちましたので、このサイトの更新もいきなりハイテンション、かつ頻繁な更新をしないでいつも通りに、のんびりゆこうかと思います。
今年の目標
・サイトを閉鎖しない。
・本の紹介は、最低月一冊のペースで。
・日記は週一回。
・雑文は……もうすこし勢いを付けた方がよいでしょうね。コレは。
こんな所ですか。
それでは本年もよろしくお願いいたします。
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