=ウィーン=

[辻音楽]          

午後3時間ほど自由な時間があった日に、一人で歩行者専用道路を歩いてみました。
さすが音楽の街ウィーン。夕暮れになると、大学生くらいの二人がバイオリンとチェロで
アイネクライネナハトムジークを弾いている。楽器ケースには、聞き手からのコイン。
立ち止まって聞いているとお金をあげなければ悪いので、聞きながらゆっくりと歩く。
彼らの演奏が聞こえなくなりはじめると、こんどはギターの音色、そしてそれが聞こえ
なくなると、オペラのアリアを唄う盲目の青年。
実に絶妙な間隔で、互いの邪魔をしないように、それぞれが自分の音楽を道行く人に
聞かせています。それを楽しそうに聞いている中高年のカップル。
そういえば、若いカップルもたくさんいたけれど、中年、老人のカップルもたくさんみかけました。

[犬]

 100M歩く間に犬を連れた人に2〜3人出会う、といった位、犬を連れている人が多い。
それも、日本でいえば銀座の歩行者天国のような所で、です。
よくしつけられていて、みんなおとなしく飼い主の横を歩いていて、人や他の犬に飛び付いたり
吠えたりしない。
でも、フンの始末のマナーはなっていない。
そのためなのか、ウィーンは街中に美しい公園があるのだけれど、ほとんどの公園が犬立ち入り禁止です。

          
                王宮庭園の一角。ここは珍しく犬連れ可です。
                犬と飼い主の社交場?

[煙突]

 ウィーン郊外には煙突のある共同住宅が多いが、ほとんど使われていない理由は、石炭で公害がおきるから。  
 そのため、火力発電や焼却場の余熱で各戸の暖房用にお湯を流すシステムがある。
公害防止のため、その余熱利用の暖房に改築する家には助成金を出すそうです。

[車の追い出し]  

ウィーンの中心市街から車を減らそうと、地下鉄、バスの公共運輸機関は共通で、一方方向に向かうなら
ひとつのキップで乗り継ぎができる。
定期は買った本人でなく、だれが使ってもいいし、年間で買うと10カ月分の料金で買える、などかなり便宜を
はかっています。
実際に地下鉄とバスを乗り継いでみましたが、私は正直にキップを買ったけれど、改札も検札もないので
ただ乗りしようと思えば、いくらでもできそうです。  
 車は減らず、公共交通機関の売り上げも伸びず、なんてことはないのでしょうか。
きっとそうしたモラルは守られているのでしょうね。

[ウィンナーコーヒー]

 あたりまえのようだけれど、実はウィーンのカフェで、ウィンナーコーヒーと言っても私たちおなじみの
あのコーヒーは出てきません。(日本で日本茶といえば緑茶が出てくるのに、とちょっと理不尽に思うけれど)
アインシュペナーというのだそうです。
アインシュペナーというのは、一頭立ての馬車という意味で、御者が馬車を走らせながら飲んでも
こぼれないようにと、生クリームでふたをしたことからできたコーヒーだとか。  
ちなみに私は、ザッハケーキも、アインシュペナーも口にすることなくウィーンを離れてしまったのでした。

          
               ザッハホテル ザッハケーキで有名ですね

[辻馬車]  

ウィーンの街中は、観光客用の辻馬車が、車の間を器用にすりぬけて走っている。
わたしも乗ってみたくて、夕方王宮広場に行ってみた。日も暮れかけていたので、最後の一台だった。
いくらか訪ねると、20分で約5000円、40分で約10000円とのこと。せっかくだから、高いけど20分コースを
頼もうとすると、4人連れのフランス人が40分乗りたいという。
御者のお兄さんがそのフランス人になにやら交渉している、そのおじさんは、嫌だ、としばらくかぶりを
振っていたけれど、そのうちに承諾した様子。
御者さんが戻ってきて言うには「彼らで座席がいっぱいになってしまうし、ここであなたが40分待つのは
気の毒なので、御者席でよければ40分で、彼らと料金を割勘にして乗らせてあげるがどうだ、悪い話では
ないだろう?」
私も、それもおもしろいかな、と承諾。
思いがけず、バスの屋根くらいの高さの御者席に乗り、しかも値引き料金を頭割りしたので約1600円で
40分も乗ることができた。御者のお兄さんの観光案内もすぐ隣で聞けたので、英語でもなんとかわかったし
いい経験ができて得した気分です。

           
             辻馬車。 二頭立てだからツヴァイシュぺナー?   

[木馬]

 本場でアドベントカレンダーを買いたいと、3時からの自由行動時間を利用して、おもちゃやさんや
本屋さんを探してはのぞいて見ました。
 残念ながら、まだ少し時期が早くウィーンではアドベントカレンダーはお菓子屋さんでチョコレート
入りのがあっただけでした。
 でも、ある小さなおもちゃやさんで素敵な素朴な木馬を発見。
 馬が好きなので、小さな馬の置物を見ると買いたくなる私は、喜んで買ってしまいました。
小さいといっても高さ20cm位。たてがみとしっぽは本物の
うさぎの毛を使っていて、日本円で700円ほど。
 (日本で後日同じようなのを見つけたら3000円近くしていました。)
 1500円くらい出すと、高さ40cm弱のものが買えたのですが、これからの視察のことを考えて
あきらめました。
 おもちゃやさんはそんな素朴な手作りのものから、キャラクターものまであったのですが、日本ほど電子機器を
使ったおもちゃは置いていなくて、家族や友達と一緒に楽しむカードゲームやパズルといったものの方が目に付きました。

        
                        木馬