あてのない
        Love letter

  水ぬるむ季節。我が家の庭では、梅の花は今が盛り。
  すももや啓翁桜はつぼみを膨らませ始めました。
  お元気ですか?

  落ち込んだ誰かさんの電話。

  社会人になってまだ一年ほど。
  仕事上の役割の中で、自分のイメージするように動けず
  理想の姿と自分とのギャップにじれったい思いをしている、と。

  そう、そんなときはつらいよね。
  だけどね、と私。

  理想と自分とのギャップがわかっている、ということは
  地図でいえば目的地と現在地がわかっている、ということ。

  今、歩いている道は急な上り坂で、一歩進むのも大変で
  必死になっても思うように前に進まないのかもしれないけれど
  迷子になっているわけじゃないのだもの。
  ゆっくり深呼吸しながら、一歩ずつ歩いていけば大丈夫。

  もう少したつと、今の自分より、目的地に近づいている自分に
  きっと逢えるよ。
  
  それにね。
  仕事をしてわずか一年足らずで、自信たっぷりに慢心しているより
  自分の足りなさを自覚して、もがいたり落ち込んだりしている君は素敵だよ。
  うん。そういう落ち込みって、すごく良いと思う。
  それに、そんな君を手助けしてくれる周りの人がいるのだもの
  そんな人たちと一緒に仕事ができて良いね。
  そんなふうに助けてもらえる君であることも、とっても良いね。

  そういうと誰かさんは、
  「そうか、そうだよね。まだ一年目だものね。
   今回、今まで見えていなかったこともちゃんと見るようにして
  それを来年に生かせば良いんだよね。」

  声が少し元気になった誰かさん。
  君に話しながら、私も大事なことを思い出せました。
  私に話してくれてありがとう。
  私の話を受け止めてくれてありがとう。

  あたたかな春は、もうすぐそこだね!

   2011年3月6日    
穏やかな日差しに心まで温まるような日曜日に






豊後梅の花とつぼみ 
誇らしげに咲いた花をつぼみたちが、次は私だよ
と見ているような気がします