あてのない
        Love letter

  歩みの遅かった今年の春は、今頃になって駆け足を始めたようです。
  お元気ですか?
  新入生のにぎやかな声や
  少し大きめの制服を照れくさそうに着ている姿に出会い
  思わず笑みがこぼれる嬉しい季節です。

  すっかりご無沙汰してしまいました。
  多くの人たちにもそうであるように
  私にとっても、暮らし方を少しずつ変えたほか
  人とのつながりの有り難さを改めてかみしめる一年でした。
  
  不安や、無力さで心がいっぱいになりそうな日々が過ぎ
  できることを少しずつやっています。

  そして…
  今までにも増して、自然の小さな変化や
  小さな鳥たち、花たちをいとおしく思っています。
  
  毎年春には、庭に出て過ごす時間を
  いつもの季節よりも多くとれるのですが
  今年はいつも以上に庭にいる時間が増えました。

  部屋の中でひとり、考えたり調べたりする仕事が多いので
  木々や花を見ると気晴らしになる、ということもあります。
  でも、それだけではなくて
  たくさんの芽吹きやつぼみからエネルギーをもらえる気がするし
  花や木々の世話をしていると、ほんの少しだけ命たちの成長の
  お手伝いをさせていただいているような気持ちになれるからかも
  しれません。
  
  昨日、小さなかわいらしい花を買いました。
  その花を植える場所を作るために草をむしりながら
  「雑草という名前の草はない」という言葉を思い出し
  勝手にいらない雑草だと決めてごめんね。と
  心の中でつぶやいたりもしています。

  「自分にとって、今、必要ではないからといって
  そのものに価値が無いわけではない。」
  あたりまえだけれど忘れてしまいそうなことを
  色々なスタートがあるこの時期
  もういちど胸にしっかりととどめておきたいと思います。
   
  あなたのスタートも希望に満ちたものでありますように!

   2012年4月9日 
   
 ようやく訪れたあたたかな
 春の陽射しがとても嬉しい午後に






宿根カスミソウ 
高さ数センチ、淡い色の小さな花たちのかわいさに
ひと目ぼれして庭に仲間入りしてもらいました。