あてのない
        Love letter

  のんびりした歩みだった秋が駆け足で通り過ぎようとしています。
  朝晩、急に冷え込むようになりました。
  お元気でお過ごしでしょうか?

  母の骨折による入院、それに伴う様々なあれこれに
  気持ちと時間をたくさん使う日々がようやく過ぎて
  仕事や生活に自分のペースを取り戻せるようになってきました。
  
  10分ほどの会話の中で、60年間の時空を
  自由にさまよいながら話す母。

  認知症になると、自分が一番輝いていた時期を思い出すのだと
  思うのですが、母の語ることは、母自身が子どもだった頃や
  私が子どもの頃の日常の小さなことばかり…
  社会のための重要な役割を担って
  エネルギッシュに働いていた日々の事はひとことも出てきません。
  不思議でした。いえ、不思議です。

  そんな母とのやりとりを繰り返すたびに
  私が今、生きていることや
  これから先、生きていくことの意味や過ごし方を
  色々と自分に問うことばかりの日々でした。

  答えはもちろん出ません。
  ただ、ひとつ、明確に願うことができました。

  母のように記憶が時空をさまようようになったとき
  私が誰かと話すことは
  楽しいかったこと、優しくしてもらえたことを笑顔で話したい
  ということです。

  だから、笑顔で関わった出来事を
  なるべくたくさん覚えておこうと思います。
  そのためには、私も相手を笑顔にできる時間を
  少しでも多く持ちたいと思います。
    

   2012年 11月1日  
  
  優しい方たちの
  健康を願いながら…

   
    
   
   ご近所の生け垣の山茶花  
  
   垣根の曲がり角で落ち葉焚き・・・は
   残念ながら見られない風景になりましたね。