| Waiting for You |
| 好きな人は「姉」という存在 正真正銘、血のつながった「姉」 世間でそれを「罪」ということも、分かる年だけれど 好きな気持ちを偽ることは出来ない ・・・偽りたくない それが、俺の想い 恋人になれない存在だと、友達には言われた。 「芽衣、今度の日曜は絶対映画な?」 「えーー。あたし、買い物行きたかったのにーー。また勝手に決めて。」 「いいだろ、買い物つき合うからさ。な?」 「・・・下着買いに行くのよ。無理でしょーが。」 「え?芽衣の下着?一緒に行って選んでやるけど?」 「・・・・馬鹿。」 言った途端、軽くパンチが飛んできた。 ・・・真剣に言ったんだけど。別に、下着くらいたいしたことじゃないし。 俺が冗談で言ったワケじゃないことを感じ取ったらしい。 「あーー、もーーーっ!!」 芽衣はうめくと、顔を上げていった。 「しょーがないわね、煉ってば。わかったわよ、映画つき合うわ。」 笑って言う芽衣は、可愛くて仕方がない。 「サンキュ。」 「ほんとにもう、いい加減、姉離れしてよね?」 そう言われても、たぶん、無理だ。 好きだから。 芽衣が。 姉だけど、好きだ。 姉だからこそ、好きになったのかもしれない。 わからないけれど・・確かなのは好きだということ。 俺が、守りたいんだ。芽衣を。 ・・・・・・・・ 日曜の映画の約束は、結局果たされることはなかった。 いつも芽衣の学校まで、帰りは迎えに行っていたけれど、その日だけはいけなくて。 そして、芽衣はいなくなった。 この世界の、どこにも。 探しても探しても、見つからなかった。 いつまでたっても、戻ってこなかった。 いなくなって、もうすぐ3年。 毎日、芽衣の学校まで行って、俺は待つ。 芽衣の帰りを。 いつか、きっとひょっこり帰ってくる。 「ごめーん、ちょーっと迷子になっててね。」 そんな風に、笑いながら帰ってくる。 帰ってきてくれるに、違いない・・・ 姉弟として出会えたことを、いつも感謝していた。 誰よりも芽衣の側にいて、一生「血」の絆でつながっていられると。 それは、ただ恋の絆でつながった恋人同士よりも強いと思っていた。 一生、側にいられると思っていた・・・ 「芽衣・・どこにいる?」 いつか、絶対。もう1度。会えるよな? 俺は、待ってるから。ずっとずっと、待ってるから。 だから。帰ってこい。俺の元へ。 帰ってこられないなら、俺を、呼べ。 俺は、いつまででも・・・姉貴の騎士なんだからさ・・・・ 〜END〜 Everything comes to him who waits! |