★まだまだ子供★





      
「た〜いちょ〜〜〜さ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」
 
 
 
 
 
 
空から自分を呼ぶ声がする。できれば空耳と信じ自分の世界へと逃げたいがそういうわけにも行かない。ゆっくりと上を見上げると・・・・・・・・
      
「たいちょ〜さんにアタ〜〜〜〜ック!!!」
 
 
 
 
 
ゴ・・・・・・・ッ!!!!!
 
 
 
 
 
 
あまりの速さに「真剣白刃取り」する間のなくおでこに直撃!!しかし、毎度毎度同じ攻撃を食らっているおでこは伊達じゃあないらしい。ドン位すごいかってぇと「形状記憶合金」と同じくらいタフである。
あまりのタフさにメイもぶっ飛んだ。
 
・・・・・・・・なかなかコメディな人達である。
 
「メイ。私が学習力のない人間に見えるか? 対応策くらい考えているとは思わんかったのか?」
 
避けられねーくせに・・・・・・
 
と、捨て台詞のような言葉をつぶやきながら
 
「おでこ鍛える時間があるなら箒避ける特訓でもすれば? たいちょ〜さん!」
 
などという・・・・どっちいってもあまりかわらん言葉をぶつけた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「隊長。お昼の休憩がそろそろ終わりますが・・・」
 
一歩間違えればいらぬ火の粉を浴び駆らぬ所へ入ってきた者のことを人は勇者と呼ぶであろう。
そんな勇者の名は「シルフィス」。いかにも漫画に出てきそうな美形キャラである。
 
「ああ・・・今行く」
 
メイに突っ込まれたところをどう言い訳しようか考えていたところに現れたシルフィスの後ろにレオニスは天使の翼を見た。
まあそんなことはどうでもいい。レオニスは九死に一生を得た気持ちでその場を離れる。
 
その場を離れる
 
離れる
 
 
 
 
「メイも一緒にどうですか?」
 
レオニスの周りの温度が軽く30度下がった。
今この場が湖だったらスケートができていただろう。
 
レオニスは見た
 
シルフィスの背中にある純白の翼を。
 
レオニスは観た
 
シルフィスのさらに背中にドスイよどみがあることを
 
こいつの先祖は悪魔だったに違いない。
 
言ってることがさっきと違うじゃんと、突っ込みたくなるようなやつである。
 
「え!ほんと!?うれし〜〜vvvでもキールがうるさいからもう戻らないと」
 
今も抜け出してるし
 
「そうですか・・・・それではまた・・・・・・イッ??!」
 
またの機会に―――――
と、言うのを阻止された。
 
レオニスである。(というより他に誰が阻止するというのだろうか)
 
レオニスはシルフィスを担ぎ込み
世界陸上2001に出る気か貴様?
というくらい秒速、いや瞬速、
脱兎のごとく逃げ出した。
近くで見ていた客人はタイムを計ったとか計らなかったとか。
明日は陸上競技のスカウトが来るだろう
と、内心で思いながらもレオニスは自宅に帰した。
(シルフィスは?訓練は??)
 
 
 
 
 
 
 
「う〜ん。まだまだか〜」
メイはポケットから
生徒手帳を取り出し今日の日付にばつをつけた。
 
「いつになったら私がたいちょ〜さんのこと好きだってきずいてくれるかな〜〜??」
 
今の言葉を本人が聞いたらワーランドから出て行くだろう。
 
「よし!明日もガンバロ〜〜〜!!」
 
もうちょっとかわいい愛情表現ができないものだろうか?
しかし、メイはこっちでは成人しているがまだまだ子供。
 
昔からよく言いますし?
 
 
「好きな子ほどいじめたくなる!!」
 
 
そんなメイの思いが届いたのかどうかは分からんが
翌日レオニスは風邪を引いた。
そしてポストには陸上競技のスカウト用紙が
あふれんばかりに入っていたとか。
 
 
 
                               おわり?