〜花HANAKOTOBA言葉〜
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                            「私、帰ります。」
 
                    
 
 
                            「神子殿・・・・。」
 
 
                私は、止めなかった・・・。私には止める権利が無かったから。
 
                        私は、主の命令にしか従わない。
 
                  主が「帰ります。」と言ったら、私は「分かりました。」
  
                         ・・・・と言うしかないのだ。   
 
 
                
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                              桜が、散っている。
    
                        神子殿が帰って、何ヶ月経つだろう・・・?
 
                     「あの方が去って行った時も、桜が咲いていたな。」
 
                     いつしか、神子殿とこの桜を見に行った時があった。
 
 
 
 
                桜を見上げ、その鮮やかさを見つめ、柔らかく笑っている神子殿・・。
 
            その横顔を、気づかれないように密かに見とれながら、頼久も、桜を見上げた。
 
 
                       「頼久さん、桜の花言葉知ってます?」
 
                         「は、はなことば・・・ですか?」
    
       「はい。花に与えられた花詞・・です。だから、この桜にも花言葉って言うのが有るんですよ。」
 
                桜を見ているよりも、優しい笑顔・・この笑顔が、心の支えだった。
 
      「桜の花言葉は、優れた美人、精神美・・・って言うんですよ。この花言葉のいわれは、
           ある男の人に裏切られた美しい女性が、憎い男の命をたって欲しいと願をかけたの。
             この願いを聞き入れなかったら、神様の大事な桜を燃やすって、言われた神様は,
               仕方なく、その女の願いを叶えちゃったの。
            神様の大事な桜は、満開になれば、たった1本でも、美しいから
                      桜の花言葉には「優れた美人」って言うのが付いたんですって。」
          
                           頼久は、あかねの言葉一つ一つを、聞き逃さないように、真剣に聞いていた。
            
       「でも、この女性は、男の人が、裏切ったから上様の木を燃やすとか言ったんだったら、
                    最初からこの人、男の人を信じてなかったんだ・・・って、私は思ったの。」
 
                   あかねの言葉は、何故か、儚き声になったいた。
  
                           この桜のように・・・・・。
 
         「私だったら、本当に好きだったら、そんな事はしない。無論、大切に思って、
                                          最後まで、信じ続ける・・。例えば・・頼久さんとか・・。」
 
                私は驚いた。 そんな言葉など、聞けるなど予想もしなかった・・。
 
                              「神子殿・・・・」
 
                        嬉しかった・・。何よりも嬉しかった。
 
                                しかし・・・
 
                「だーい好きっ!この空よりも、この大地よりも、だーい好きっ!」
 
                             腕を大きく振って
 
                             私の方を見ると
 
                             「頼久さんは?」
 
                      無邪気な笑顔を、振り向かせて聞いてきた。
 
                              「私は・・。」
 
              その時、頼久の脳裏に、あの忘れもしない悲しい光景が映し出された。
 
                   大切な人を失ってしまった、光景が一瞬に描かれてきた。
 
                  私は、大切な人を守れなかった・・。 私の目の前で・・・っ。
 
                     その時みたいに、こんな風になってしまったら・・。
 
 
                              もう、失いたくない
 
                           なにもかも・・・・失いたくない
 
                失うぐらいなら、最初から、恋愛感情や真の友なんて作りたくなかった・・。
 
 
 
 
 
                           無残な言葉を佩いてしまった。
 
                                       
 
 
 
                 「すみません。神子殿のことは、そのような対象では見られません。」
               
                  
 
 
 
 
 
 
                           「・・・・そうですか・・。」
 
                      
 
 
 
 
 
 
 
                           これで、失うものは何も無い。
 
                              これで良いのだ。
 
 
                         もう、自分は傷つかなくて良くなった。
 
 
 
                                 でも、
   
                                神子殿は?
 
                                                     
                        私は、傷つかなくてすんだが、神子殿は・・
                                   
                                   
 
 
 
                              傷ついたはずだ・・。
 
                                                           失う変わりに、傷つけてしまった。
 
                             
                           
                         あの優しい笑顔を傷つけてしまった。  
 
                          あの儚い涙を傷つけてしまった。
 
                        あの感情で沢山の心を傷つけてしまった。
 
                            
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                             傷つけてしまった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                       
 
 
 
 
 
 
 
 
                              池を覗いていた。
 
                        池には、大きな、いかにも武士という
 
                          オーラーが出ている、男が居た。
 
                             
                              「神子殿・・・。」
 
                          もう居ない・・・・・、当たり前だ。
 
                          私が傷つけてしまったのだから。
 
                              
                              確りしなくては・・。
 
 
 
 
 
 
 
                             「あれ?頼久さん?」
 
                                                      
 
 
 
 
 
                              「・・・神子、殿?」
 
                             
 
 
                        
 
                           確かに、頼久の前に居るのは
 
                                神子殿だ。
 
                              いや、あかねだ。
 
     
 
                             「あかね殿ッ・・!」
 
                       失うぐらいなら、傷ついても良いと思っていた。
 
                              でも、やっぱり
 
                             側に居て欲しい・・。
 
 
 
 
                        もう、決して、失わない・・、離さない。
 
                            何があろうと決して・・・。
 
 
 
 
 
 
                   「すみません。あかね殿・・。私は嘘をついていました。」
     
                                「う、うそ?」
 
                     「はい。自分の気持ちに、嘘をついておりました。」
 
                              「気持ち、に・・。」
                                                                                    
     「好きです。お側にいささせてくださいますか?そして、私を許してくださいますか?」                    
 
                        「頼久さんっ!私は、前、言いましたよ?」
 
                                 「えっ?」
 
 
                               
 
 
                          『最後まで、信じ続ける』って・・。
 
                          
 
                              もう、失うものは・・・
 
                                 何も無い。

  

こんにちわ〜
オペックです・・・っ!
なんか、いややわ〜ってカンジッすか?
なんか、慌てて書いたって感じですね。(そうです。)
メールアドレスに、ドシドシ、メールくださいね。
ご感想・ネタ(自分で考えろ)・・・などなど、送ってください。
待ってマース。
                                              (オペックさんよりv)