VOL.12 2000.6
TOPIX
ベテランママに変身
 
  佐藤クリニックで出産した後、入院中はいつもそばにベテランのナースがいますから、沐浴のこと、おしめ換えのこと、赤ちゃんのことや授乳のことなど、わからないことはすぐ尋ねることができます。でもいったん退院した後、もしわからないことができたらどうすればいいのでしょう。実家のお母さん(すなわち新米おばあさん)に尋ねても、「もう20年以上の前のことで、忘れてしまったわ。病院でどう教えてもらったの?」と、逆に聞かれてしまったなんて話もよく耳にします。至れり尽くせりの入院生活から自宅に帰ると、何でも自分でしなくてはならず、赤ちゃんとの生活の中で、いろいろなわからないことやこれでいいのかなと思うようなことが次から次へと出てきます。新米ママは迷ってしまって、ブルーな気分になることもしばしば。マービークラブの会員の目標は、「楽しい妊娠、楽しい出産、楽しい育児」なのです。佐藤クリニックでは、楽しい育児を応援するために、さまざまなプログラムがあります。それをちょっぴり紹介しましょう。
   
  電話訪問
退院後、最初のプログラムが電話訪問です。佐藤クリニック から退院し、自宅で育児を始めて2、3日目、ベテランの助産 婦やナースから皆さまのところへ電話があります。何か困ったことはないか、ママや赤ちゃんに異常はないかなど、どんなことでも相談にのってくれます。原則として全員の方に電話訪問があります。
 
  2週間検診
次にあるのは2週間検診です。これは、希望した方だけですが、出産後2週間目くらいで、佐藤クリニックに行って、赤ちゃんの体重測定などで発育状態のチェックを受けます。またママと赤ちゃんの個別 相談もあります。「赤ちゃんの体重が増えているか」「母乳が足りているのか」といった、オッパイ関係の質問や、「赤ちゃんの顔に湿疹ができた」「おむつかぶれがある」など赤ちゃんの身体の変化についての質問、さらに「着せている服の枚数はこれでいいか」「布団はこれくらいなのか」といった生活面 の質問など、実にさまざまな質問が飛び出します。子育てに奮闘しているママ達の切実な質問に、熱気むんむん。ベテランスタッフにアドバイスをもらって問題解決。育児疲れもあって、くじけ そうになっていた新米ママ達も、気分リフレッシュ。また今 日から頑張ろうと、ちょっぴり自信がわいてくるのです。
  2週間検診での赤ちゃんの体重測定。お兄ちゃんものぞき込んで、確認中です  
 
  1ヶ月検診
そしてその約2週間後、1ヶ月検診があります。このときは、赤ちゃんに関しては、体重や身長のチェックのほか、小児科医師の診察を受け健康状態の確認を受けます。ママも産後の回復状態の診察を受け、異常なければ、これで産科検診も卒業となります。でも、育児に関してはようやく一歩踏み出した段階です。この後赤ちゃんも日に日に大きくなり、表情も豊かになって、ドンドンかわいくなっていきます。その一方で、赤ちゃんの身体の変化もさまざまで、個性も出てきますし、育児書通 りには行かなくなってきます。そこでまた、さまざまな疑問が出てきます。「果 汁やお茶を飲まない」「哺乳びんをいやがる」「便秘」「でべそ」「夕方になるとぐずる」「頭の形がいびつ」「指吸いをするのでおしゃぶりを使っていいか」「上の子がいるので毎日外に連れ出しているが大丈夫か」等々。
 
 
  マービーミーティング
そこで佐藤クリニックでは、「マービーミーティング」といって、出産後3ヶ月目の集いがあります。先ほどの疑問点は、このときに出たものの一部です。これらに対して助産婦さんの育児アドバイスがありますし、栄養士さんからは離乳食の話などがあります。毎回8人くらいから20人くらいの参加者で楽しい情報交換の場となっています。また、一ヶ月検診以来初めて化粧をし、よそ行きの服を着て「お出かけ」することができてうれしかったという意見もよくあります。わいわいとおしゃべりしつつ、ストレスを発散して、楽しい育児が続けられるようになりますよ。いかがですか?出産後うまく育てられるだろうかと心配しているあなたも、必ずベテランママに変身できます。マービークラブの目標は「楽しい育児」ですからね。
  マービーミーティングの時になると、赤ちゃんもこんなに大きくなりました。  
 
院長から一言
ここでは、入院されたお客さまに書いていただいた感想の一部を紹介しています。
 
  ・人生の中で「おめでとう」と言われるのって、数少ないので、こうやって皆さんに笑顔で「おめでとう」と言ってくださるのって、すごくうれしいです。子育てがんばります。
・ここのクリニックで出産させていただき3回目です。前よりも本当に診察の待ち時間も短く、楽に出産まで通 院できました。
・早朝、赤ん坊の夜泣きや授乳でボケーッとして授乳室に行って、ナースの方の元気な「おはよう」を聞くと、「今日もがんばらねば!」と、すっきりした気分になれました。それも一人一人顔をのぞき込んで。ありがたいです。
・分娩1日目のシャンプーしていただけたのがすごくうれしかったです。入院中とはいえやっぱり女ですからネ・・・
 
院長から一言
 
  私は20年前の自動車を愛用しています。自動車もこれくらい年数がたつと、整備するにもそれなりの技術が必要になります。そのため、私は、わざわざその自動車の整備を大阪の会社に頼んでいます。そこは社長を筆頭に、スタッフがみんな根っからの「職人」なのです。職人には手抜きはあり得ないので、安心して任せられるからです。この「職人」と呼ばれるひとに、私は敬愛を感じます。「職人」とは、その仕事が大好きで、最良のものを作り上げるために、厳しい修行を通 じて技術を磨き、工夫をし、手間を惜しまず、毎日努力している人なのです。こういう厳しい修行と努力というのは、最近、あまり受け入れられなくて、職人が少なくなっているような気がします。私は、医師の世界も職人の世界だと思っています。私自身、例えば手術の時など、先輩の手術をたくさん見学し、技術を目で盗み、また実際に自分が手術を執刀するときには、失敗は許されませんから、指導者である教授や助教授などから厳しく指導されつつ(怒られつつ)必死で行い、技術を身につけていきました。基本技術が身に付くと、次はいかに「美しく」執刀するかを自分なりに工夫します。目に見える皮膚の部分をきれいにするだけではなく、本当は目に見えないおなかの中をいかに「美しく」仕上げるかが腕の見せ所だと考えているのです。見えないところに技術が光る、これが職人の世界なのです。医師になって22年目を迎え、医師という職人の道を究めるにはまだまだ奥が深いと感じ、修行と努力と工夫の毎日が続いています。
 
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