VOL.13 2000.8
TOPIX
陣痛促進剤ってどんなもの?
 
  佐藤クリニックでの分娩は、ソフロロジー法での自然分娩を行うことにしています。ほとんどの人は、この方法でスムーズに出産されていますから、陣痛促進剤を使うことはほとんどありません。しかし、中には何らかの理由で、自然に分娩が進まず、陣痛促進剤を使用することがあります。陣痛促進剤はとても効果 のある薬なのですが、「使っても大丈夫なの?」とか「とても心配」という方も多いでしょう。陣痛促進剤の誤った使用による事故が、新聞やテレビなどのマスコミに取り上げられ、危険な部分だけが強調され問題視されているからでしょう。しかし陣痛促進剤により、無事に誕生できた赤ちゃんのほうが多いのは事実です。陣痛促進剤に限らず、どんな薬でも、人によって効果 や副作用が異なり、同じ量の投薬でも人によっては効きすぎて害になることがあります。陣痛促進剤による事故は、その薬が問題なのではなく、不必要に使用したり、投薬量 が多すぎて、過強陣痛を引き起こした使い方に問題があったのです。誤った情報に左右され、不安を残したままお産に臨むのではなく、正しく薬を理解しておきましょう。陣痛促進剤はあくまでも母子の安全のために使用するものです。
 
  陣痛促進剤って どんな薬?
陣痛促進剤というのは、子宮を収縮させる薬で、オキシトシンという点滴薬とプロスタグランディンという内服薬または点滴薬の2種類あります。両者とも本来妊娠中の女性の体に自然に存在し、妊娠末期に増加し、子宮収縮つまり陣痛を起こす働きがあります。これらを人工的に抽出し合成したものが子宮収縮剤です。お産の時、弱い陣痛を強める場合を「陣痛促進剤」、全く陣痛のない時に陣痛を起こす場合を「陣痛誘発剤」と言い方を変えます。一般 的には、「陣痛促進剤」という言い方が使われています。佐藤クリニックではオキシトシンを主として使用しています。この理由は使用を中止したとき、比較的早く陣痛が消えるため、陣痛のコントロールが行いやすいからです。
 
  どんなときに使うの?
では、どのような場合陣痛促進剤を使用するのでしょうか。例えば、(1)子宮口も開き、赤ちゃんも降りてきているのに、微弱陣痛といって、赤ちゃんの生み出すよい陣痛がないときや、一度発来した陣痛が途中で弱くなったときなどです。微弱陣痛と言っても、そのたびに母体も胎児もストレスを受け、体力を消耗するわけですから、いたずらに分娩時間を長引かせるのはよいことではありません。この場合、陣痛促進剤の助けを借りることが有効な手段です。また、(2)破水して時間がたっても自然陣痛が起こらず、このままでは胎児などに感染症を起こす心配があるとき。(3)母体に妊娠中毒症などの合併症があり、このまま待っていると母児が危険になるとき。(4)胎盤機能が低下して胎児が危険になる過期妊娠(妊娠42週以後)や、過期妊娠の予防(妊娠41週0日〜41週6日)。このような時は陣痛誘発剤としての使用が効果 的です。
 
  どんなふうに使うの?
陣痛促進剤には内服薬と、点滴がありますが、主として、点滴を使用しています。点滴の方が、使用量 の微調整が行いやすいからです。また点滴も、薬の使用量が厳密にコントロールできるように必ず輸液ポンプ(写 真左)を使用します。使い方で最も大切なことは、必ず少量から始めて、徐々に増量 していくことです。また陣痛の強さをはかり適量かどうかを判断するために必ず分娩監視装置(写 真右)をつけます。胎児が元気であることをチェックできるのもこの器械です。
 
  陣痛促進剤を使うと言われたら
陣痛促進剤を使用する場合、妊婦さんに黙って使用することは絶対にありません。母体や赤ちゃんの状態が、今までの臨床経験から「このまま何もしないで経過を見ていても、これ以上よい方向には進まない」という判断がなされた場合、必ず医師から「なぜ使う必要があるのか」、「使わなければどういう状況になると予想されるのか」の説明があります。それを聞いた上で、納得できなければ、使用を断ってもかまいません。またお産の途中では、妊婦さん本人はパニックになっていたり、心身共に疲労していて正常な判断ができないこともあります。その場合ご主人や家族に一緒に説明を聞いてもらい、相談して決定すればいいでしょう。陣痛促進剤は、妊婦さん自身と家族がそれを使用する必要性を理解し、使うことを了解していることが使用の条件なのです。
 
院長から一言
 
  食物繊維ってどんな食品に多く含まれているかと聞かれたら、どんな食べ物が思いつきますか?さつまいも、ごぼう、こんにゃくなどが多いと思われがちですが、1回に食べる量 で比べてみると、大豆類、海草類には何倍も多く含まれています。食物繊維には、果 物に多く含まれる水に溶けるもの(ペクチンなど)と、キノコやゴボウに多く含まれる不溶性のもの(セルロースなど)があります。これらは炭水化物でありながら、体内 で消化吸収されにくく、体を動かすエネルギーにもなりません。そのまま便になって出てしまう食べ物のカスみたいなものです。でも食物繊維は、便秘、肥満、高血圧、動脈硬化、糖尿病、大腸ガンなどの予防に役立ちます。ですから、タンパク質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素にならび、第6の栄養素として注目されています。8月5日のマービーキッチンでは食物繊維たっぷりのメニューで皆さまの参加をお待ちしています。
 
      
 

五目とろろそば(4人分)
    1人分:カロリー373kcal 食物繊維6.0g
(1)しいたけ80gは軸を除いて千切りにする。しめじ80gは、石づきをとって裂く。にんじん40gは1cm角の薄切りにする。
(2)とりもも160gを細い千切りにする。
(3)鍋にだし汁1カップ、しょうゆ大さじ1.5杯、酒2杯を入れて煮立て、(1)、(2)を入れて湯がく。
(4)山芋400gをすりおろし、(3)の煮汁を少しずつ加え、のばし、具も混ぜる。
(5)だし汁2カップに、しょうゆ、みりんを各大さじ2杯加え、煮立て、かけつゆを作り、冷やす。
(6)そば200gをたっぷりの湯に入れ、湯がき、冷水にとり、さます。
(7)器にそばを盛って、かけつゆをかけ、(4)の山芋汁をかける。中央に細く切ったネギとキザミのりをおく。

 
  茄子の和風サラダ(4人分)
      1人分:カロリー74kcal 食物繊維2.6g
(1)なす320gに切り目を少し入れ、オーブンで焼く。かぼちゃ120gは5mmの厚さにスライスして湯がく。
(2) (1)のなすの皮をむき、へたをとって5cmの長さに切る。
(3)酢大さじ1.5杯、しょうゆ大さじ2杯、ごま油大さじ0.5杯、生姜汁少々を混ぜ、ドレッシングを作る。
(4)皿になすとかぼちゃを盛りつけ、(3)のドレッシングをかける。その上に白ネギの千切り、白ゴマをのせる。
 
院長から一言
 
  「痛いかも」という思いから、なかなか足が向かなかった歯医者さんに、とうとう行かざるを得なくなってしまいました。20年ほど前に治療を受け、歯に詰めてあったものが、突然ポロッととれてしまったのです。ぽっかり穴の空いた奥歯は、特に痛くはなかったのですが、放置しておく訳にはいかず、意を決して10数年ぶりに歯医者さんに行って来ました。元来私は、痛みにからっきし弱く、小学校の中学年くらいまで、すりむいた傷を消毒しなければならないときなど、「痛いのはいやだ」と大暴れして逃げ回っていました。結局押さえつけられて消毒されるのですが、その時など、向こう三軒両隣よりも広い範囲に響き渡るくらい大声で泣き叫んで、近所の人が何事かとのぞきに来るくらいでした。さすがに高学年になるとじっと我慢できるようになってきましたが、痛みに対して弱いのは今でも続いています。とにかく歯医者さんに行ったのですが、奥歯の穴の中を削るためのあの高周波の音がしている間、ハンカチをギュッと握りしめ、体は硬直状態でした。幸い、この歯の治療は2回で終了し、いまではすっかりよくなっています。でも数年前より斜めに生えた親不知も、虫歯にならないかと気になっていましたので、この際、清水の舞台から飛び降りたつもりで、抜いてもらいました。抜くときは麻酔をしていましたので、全然痛くなかったのですが、その後、痛くって、1週間は鎮痛剤をべったり服用していました。もう2週間になりますが、未だに痛いような気がします。また、抜いた後が大きな穴になっていて、ご飯粒がすっぽり3,4粒はまってしまい、食後それを取るのに苦労したりして、ブルーな毎日です。歯が悪いのっていやですね。
 
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