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花達の詩…

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「風がすごいね。」

「、、、、、そうですね。」
「やっぱり嵐が近づいてるんだ。」
「、、、、、。」

子供達がいるのは広い丘の上
緑が豊かで空がとってもよく見える広い丘の上

「、、、、あっ、お花の水やり忘れてた、、、。」
「ごめんなさい。 もう、僕帰らないと、、、、。」
「いいよ。 それじゃあ、又ねエリリス。」
「───────!!」
「えーー何ーー? 聞こえないよーー。」

気が付くと丘の上には私だけ。

(飛んで帰ったな、、、、、。)

そう、エリリスにも私にも不思議な能力があるの─
役に立ったり立たなかったり─
まあ、私にとってはあってもなくても同じね─

「風が、、、あっ、帽子!」

とばされた帽子を追いかけルナラはどこかに消えた
誰もいなくなった丘の上には静かな風が吹き抜ける

「さて、早くお水を、、、、。」

エリリスは焦りながら蛇口をひねった

「、、、、、、、。」

風の音と水の音が重なり一つの歌に聞こえる

『生命は皆必ず一つ、自分の歌を持っているのよ、、、、。』

そう教わったのは母さんからだ。
母さんは、とても優しく綺麗で、、、とても強い人だった、、、。
いろんな事を教えてくれた。
大好きだった。

唯一の、、、心を開ける存在だった。
でも、、、、、あの人はもう、、、、。

「んっ、、、、、、。」

エリリスは水の重みで体がふらついていた
水はじょうろから今にも溢れそうだ

「、、、、、、水、、、止めないと。」
「、、、、、!」

風が強くなってくる。
嵐が本当に近づいてきているんだろう。

「早く、、、、お水上げよっと、、、、。」
「ごめんね。 お花さん、、、、今度からはちゃんと時間を守るよ。」

─あ、、、り、、、、がと、、、、、─

「?! 今、声が、、、、。」
「、、、、空耳、、、、かな?」
「、、、、お水もあげたし、、、、家に入ろうかな。」

─ま、、、、、、って─

「? 又だ。 何だろう?今、呼び止められたような、、、、。」
「、、、、、、、。」

その夜も何度かエリリスにはあの不思議な声が聞こえた
次の日、まるで昨日の事が嘘のように静かだった

「、、、、、、嵐はどうしたんだろう? まあ、いいか。」
「エリリスーーーー。」

その声の主は一人の少女
とても優しくて元気で、、、、あの人によく似た少女。
名前はルナラさん。

「こっちにおいでよーー 空がとっても綺麗だよーー。」
「はい。 お花のお手入れが終わったらすぐ行きますーー。」
「それなら、丘の上で待ってるからーー。」

「、、、、あっ、、、。」

目の前のプランターの中に一輪、折れている小さな花がエリリスの目に入った

「、、、、、ちょっと待ってね、、、、お花さん。」
「今すぐに、治してあげるから、、、、。」

そう言うとエリリスの手からは琥珀色の淡い光が溢れはじめた
花はその淡い光りに包まれた、、、、

「、、、、、、、これで、もう大丈夫だね、、、。」

折れていた小さな花は嘘のように元気になっていた

「エリリスーーーー。 まだぁーーー?」
「あ、、、もうこんな時間、、、、急がないと、、、。」

ルナラの声を聞きエリリスは急いで仕事を終わらせる

─私、、、たち、、は、、の事、、は、、いいから、、、─
─はや、、、く彼女、、、の所、、、へ、、、行ってあげ、、、て、、、─
─ 今日は、、、、特別な、、、日、、なの、、、─

(又だ、、、、誰? 特別な日って? 、、、、、でも、凄く綺麗な声。)

「母さん、、、みたい、、、。」
「あ〜ら、何が母さんみたいなの?」
「うわぁぁ?! ルナラさん。 どうして、ここに? いつ来たんですか?」
「たった今、あの丘の上から飛んできたのよ。」
「だって、エリリスいくら呼んでも来ないんだもん。 待ちくたびれちゃった。」
「、、、、、。」
「、、、、ごめんなさい、ルナラさん、、。」
「あっ、、、あまり気にしないでいいよ。 おもしろいものも 見せてもらったし、、、。」
「おもしろいもの?」
「今の光り、、、。 エリリスの力でしょ、、、綺麗ね。」
「うらやましいな、、、、、。」
「、、、、そうですね。 僕には、もったいない力かも、、、。」

「十分よ。」

「えっ、、、、?」
「まぁ、いいじゃない。 それよりお仕事終わったんでしょ? 早く、丘の上に行こう。」
「はい。」

ルナラはエリリスの手をにしっかり握り、丘の上に走っていった
丘の上へ着くとルナラは小さなベンチに座りエリリスを見上げた

「さっ、いつもみたいに歌って。 エリリスのあの歌を聴かせて。」
「あっ、、、、、、、。」

今、思い出した。
誰かが言ってた、特別な日の意味、、、。

「どうかしたの、エリリス?」
「いえ、、、、。」

『花達は、私達が忘れている特別な日を歌で教えてくれるのよ。』

これも、大好きな母さんから昔聞いた大好きな話。

「何でもありません、、、、じゃあ歌いますね。」

(ありがとう。 お花さん。)


今日も又、あの丘の上から優しい歌声が聞こえる
でも、今日はいつもより長く、、、いつまでも聞こえてたって
まるで、永遠よりも長く長く感じるくらいに




だって、今日は特別な日だから。
大好きな、母さんと彼女の誕生日だから。


【END】


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