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PIKAPIKA…

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冷たい雨が降り注ぐ真っ暗な夜
私は子供を持って帰った


仕事帰りに急に雨が降ってきて
ほんの少し雨宿りと思い
人気がないとはいえ私はその洋館に無断で立ち入った

その洋館は
周りの建物より比較的新しいのに埃被っていて
まるで一度も使わぬまま忘れられた玩具のようだった

重い扉を開けると子供が独りぽつりといて
大きな椅子に座り、異国の歌を歌っていた

「綺麗な声ね。」

私がそう言うと、子供はびくっと肩をふるわせた
子供は洋館を見回す
目の前にいる私に気が付いていない

「誰?」

子供はよたよたと椅子から立ち上がったが、すぐに倒れてしまった

「ちょっと、大丈夫!?」

慌てて子供を抱き起こすと、あまりの高熱に手を引っ込めかけた

私はひとまず、外に出て洋館の周辺を見回した
洋館の周辺には医院らしきモノは全く見当たらなかった
それよりも周りの民家さえ人気を感じなかった
ただ雨音がむなしく響く

そうしているうちにも子供の熱は益々上がり、とても苦しそうにしている

「、、、、っ!」

やむをえず、私は子供を抱え自分の家に帰ることにした
そう、この時私は洋館から子供を持って帰った

家に帰り、子供をベットに寝かせ、氷水で冷やしたタオルを何度も額にのせた
そうしていると、子供が目を覚ました
私は子供の顔に手を当て、熱を見た
さっきよりは大分熱が下がったみたいだ

「冷たくて気持ち良い。」

子供はそう言い、私の手に小さな両手を当てた
温かい子供の熱がじんわりと手に伝わる

「お腹は減ってる?」

子供はこくりと小さく頷いた

「はい、口あけて。」

まだ湯気の立つあたたかいスープをスプーンにすくって子供の口元に持っていった
子供は口をあけ、私はそこにスープを流し込んだ

「美味しい?」

子供はにこりと笑って頷いた
そうして、何度も何度も小鳥に餌を与えるようにして子供にスープを飲ませた
すると、あっという間にスープの皿は空になった

「ありがと、、、えっと。」
「私の名前は鷹葉よ。」
「たかは、、、ありがとう。」

赤と青のそれぞれ色の違う両目を細め、子供はまた笑った
私は子供の頬に手を当てた

「本当きれいな色ね、あなたの目。」
「私が昔見た星みたいにぴかぴかしてる。」

子供は首を傾げる

「たかは、ほしってなに?」
「星はね、夜空を照らすランプなのよ。」
「大きかったり、小さかったり、赤かったり、青かったりしててね。」
「あなたの目のように、とってもとってもきれいなの。」

「たかは。」

子供は無邪気に笑い、口を開く

「いつか、たかはと一緒にほしを見たい。」

私は子供の頭を撫でた

「そうね、私もあなたと一緒に星を見たいわ。」
「水鶏。」
「くいな?」
「あなたの名前よ、私が勝手に付けちゃったけど。」

子供は私に抱きつく

「ありがと、たかは。」

水鶏はそういうと、静かになった どうやら眠ってしまったらしい
水鶏をベットに寝かせる

「おやすみ、水鶏。」

付いていた明かりを消し静かに部屋を出ていった


星の輝かぬ夜
私はまだ名も無き星を見つけた
どの星よりもきれいで
どの星よりもぴかぴかした
赤と青の星を

私はそんな星に水鶏と名付けた

名前の由来は

赤と青の星の話の絵本ばかり書き上げる
私が大好きだった絵本作家の名前から


窓を開けると少し冷たい夜風が吹き抜けた

「この際だし、明日の分の仕事少し終わらせようかしら。」

そう言い、珈琲メーカーに電源を入れる
珈琲が出来るまでぼんやりと明日のことでも考える

天気のこと
仕事のこと
食事のこと

それともう1つ

明日も星は光るか、どうか

ねぇ
ぴかぴかって

【END】

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