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朱の流星…

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「あった!」


草むらから少女が飛び出した
顔も手足も泥だらけでにっこりと笑っていた

「シフォンさん、見て見て!」

少女の名は知由
大切そうに何かを手でくるんでいた
知由は嬉しそうに木陰で休む誰かに駆け寄っていった

「シーフォンさん。」
「、、、、、、。」
「あれ?」

知由は不思議そうにシフォンの顔を覗き込んだ

「、、、寝てる。」
「待ちくたびれて寝ちゃったのかな?」
「、、、、、、。」
「シーフォンさん?」
「、、、、、、。」

シフォンと呼ばれる少年は完全に熟睡していた
寝息1つ立てず、静かに眠っている
少しつまらなそうに知由はシフォンの隣に座った

「折角、見つけたのにぃ、、、、。」
「あ、でも、あたしが悪いかも。」

知由は手に持っていた何かを空にかざした
その何かは石のようで、かすかに朱の光を発していた

「、、、、綺麗だなぁ。」

知由はその石をぼんやりと眺めていた
少し眠そうに目を擦り、そのまま草むらに寝転がった

「これ、流れ星なのかなぁ?」
「朱色で光ってて、、、、一体なんだろう。」

この石を最初に見つけたのはシフォンだった
空から一筋の光が下りてくるのを見たらしい
知由はその話を聞き、シフォンの手を引きこの草むらにやって来た
他の誰かにとられてはいけない、と急ぎながら
探すこと2時間、知由はようやく朱の石を見つけたのだ

「、、、、知由さん?」
「はひ? シフォンさん、、、。」

知由の目の前には、シフォンが不思議そうに立っていた

「やっと起きた、、、、シフォンさん。」
「寝ていたのは知由さんの方ですけど、、?」
「へ?」

起きたばかりでまだ頭がぼんやりしている知由は、状況が全く把握できなかった

「、、、、そうかぁ、あの石見ててそのまま寝ちゃったんだ。」
「あの石?」
「そうそう、これシフォンさんに見せたかったの!」

知由はシフォンの前に手を差し出した
すると、シフォンは不思議そうに知由を見た

「これって、、、?」
「え? だって、ほらこれだよ、これ。」

知由は起きあがり、自分の手元を見た

「あれ? ない、、、?」
「ああぁぁ!! 石がないぃ!!!」

知由は大声を出し、その場から飛び上がった
シフォンはきょとんとし、しばらく知由を見ていた

「どうしよう、寝てる間に落としちゃったのかなぁ?」

辺りを探し回る知由を尻目に、シフォンは何かを拾った

「、、、あの、石ってこれのことですか?」
「へ?」

シフォンは知由に目線を会わせ、石を見せた

「違いますか?」
「あーーーーーーー!!」

シフォンは突然の大声に吃驚し、その場に座り込んだ
知由は目を光らせて喜んでいた

「あった、あったぁ。」
「ありがとぉ、シフォンさん。」

知由はシフォンの手を握り、上下に振った
シフォンは、相変わらず吃驚したままだ

「そうだ、これシフォンさんにあげるよ。」

シフォンはようやく我にかえり、知由を心配そうに見た
知由はただにんまりと笑っている

「そんな、、、知由さんの見つけた大切なモノなんでしょう?」
「うん、でも一番最初に見つけたのはシフォンさんだよ。」
「私は、ただ光を見ただけで、、、。」
「それでも、立派に見つけたんじゃん。」
「この石を見つけたのは知由さんなんですよね。」
「だから、これは貴方のモノです。」

シフォンのその一言に反応した知由は、しばらく何か考え事を始めた
時々、眉間にしわを寄せ神妙そうな顔をしていた

「、、、やっぱり、わかんない。」
「何がです?」
「ううん、何でもない。」
「ねぇ、もう真っ暗だし帰ろうよ。」

そう言い、知由はシフォンの手を取り立ち上がった

「あの、、、。」
「ん? なに、シフォンさん。」
「これ、流れ星ですよね?」
「あ、ああ、、、、多分ね。」
「すいませんが、やっぱり貰って宜しいですか?」
「え? 別に、いいよ。」
「でも、なに? 願い事でもするの?」
「はい。」

『・・・・・・・・。』

シフォンは手を組み、石に向かって小声で何か言った

「、、、、今なんて言ったの?」
「秘密です。」

シフォンはにっこりと知由に笑いかけた
知由は顔を膨らませ、不機嫌そうにしている

「教えてくれたっていいじゃん!」
「ダメです〜。」
「減るものじゃないし、ねえ教えてよぉ。」
「人に願い事を教えたら、叶う確率が減っちゃうんですよ。」
「あ〜〜! 余計、気になるぅ!!」

シフォンは小走りで逃げていった
知由は負けずとシフォンの服を引っ張り、追いかけた

「もう一度、あの朱の星が落ちてきたら教えてあげます。」

シフォンはそう言い、知由に朱の石を渡した
知由は少し諦めたか、シフォンの服を離した
その代わりに手をとり歩き始めた

「いいもん! あたしはあたしで、この星に願い事するからね!」 
「『あの朱の星が落ちてきますように』って。」
「その必要はありませんよ。」
「、、、、何で?」

知由は不思議そうにシフォンの顔を見た
シフォンは少し苦笑いをし知由に言った

「秘密です。」

知由は又、不機嫌そうに顔をしかめた
シフォンはふと足を止め、空を見上げた

「、、、あ、見つけましたよ流れ星、、、。」
「それ、ホント?! どこどこ??」
「あっちの方向に、、、。」
「わあ、あっちは人が沢山の街じゃん。」
「でももう夜中だし、家に帰らないと。」
「でもでも、急がないと先にあの星見つけられちゃう〜。」

シフォンは知由の顔と街のある方向を交互に見ていた

「、、、行きましょうか?」

知由の顔を覗くようにしてシフォンは言った
すると、知由はシフォンの言葉に返事もせず、走っていった
家とは反対の方向の、にぎやかな街に向かって
しっかりとシフォンの手を握りながら


【END】


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