人生右往左往〜すいたの日記〜出雲・奈良・京都・大阪


目次
  • 総括
  • 出雲
  • 奈良
  • 京都
  • 大阪
  • 旅行総括編
     10月12日から15日まで旅行した。
     行き先は次の通り。  団体行動が苦手な上に出不精なので出張や帰省ついでの観光以外の旅行など久しくしていないので不安も多いが愉しみも多い。 今回の目的は「観光」で、神社仏閣の「神社」に中心をおいている。 元々は「平城京遷都1300年」に合わせて奈良に行きたいと思ったのが発端で、 そこから「畿内一宮めぐり」に広がり、更に行った事のない出雲大社、言うまでもなく「縁結びの神」にお祈りしようと 範囲と旅程が広がっていたのである。
     計画については私にしては綿密に行ったのだが、結論から言えば「机上の空論」であり、 全てが上手く行った時だけ初めて成立しえるものだった。よって予定はしていたが回れなかったり、 下調べはしたもののも見つけられなかったり、旅に不慣れな事と生来の計画性のなさが露骨に出た結果となった。
     予定と違う展開もまた旅の愉しみとは言うものの、まだそこまで悟りきれずに残念な思いをした事が多かったと思う。 とは言え基本出来には大いに愉しみ、初めて詣でる神社、再訪した所、それぞれに興味深く回る事が出来た。 回りきれなかった所に悔いが残る事もあり、いずれも再訪をしたい。
     いずれにしても、旅嫌いになることもなく、「よしまた行こう」と私らしくもない前向きな気分になったので、 出費は出費で痛かった部分もあるけれど、よいリフレッシュになった休暇・旅行であったと思う。

    平成二十二年十月十二日 出雲編
    出雲編目次
  • 旅の始まり〜出雲への道
  • 八雲なる地を銀輪で〜出雲大社とその周辺
  • 夜を守る社と夜を照らす灯〜日御碕神社と日御碕灯台
  • そして畿内へ〜見下ろす夜景

    旅の始まり〜出雲への道
     今日は旅行初日である。出張や私用の「ついで」ではない、純然たる旅行は何年ぶりだろう。 私らしくもなくスケジュールを立て、大移動の連続となる訳だが中々に心がときめくのを感じる。
     出掛けに自宅の神棚・仏壇に手を合わせ、近所の神社で旅行と留守中の安全を祈願する。とても日本人らしい行動である。
     大荷物を抱えてまずは空港に向かう。

     大荷物になった理由は私の荷造りの下手さもさる事ながら、 移動に折りたたみ自転車である「蒼の稲妻」号を持って行くからでもある。 かねてより輪行を志していたので良い機会と言う訳だ。土地勘も無い場所ではあるが、 一部を除きその土地の交通機関にも不案内でもあり、それならいっそ自転車でと言う事もある。 空港で荷物として預ける際に些か緊張したけれど、 免責事項に署名…自転車は壊れるかもしれないのでこういう手続きが必要との事…した以外、特に問題は無し。 しかし今回は生まれて初めて「飛行機の乗り継ぎ」をするので、 その時にちゃんと荷物が着くのか?と違う緊張感を抱えてしまったのは何の因果か。 しつこい位に係の人に「大丈夫ですよね?」と尋ねてしまいちょっと迷惑をかけて反省。
     そうこうしていると時間となり、飛行機に乗り込む…のだが、プロペラ機とは!
     プロペラ機なんて何年、いや何十年ぶりか。これまた少し緊張したが、 結論から言えば特に問題は無し。まあ当たり前だが。思ったより音は静かでゆっくり眠る事が出来たので良しとすべきだろう。
     そうこうしていたら中継地となる伊丹空港に到着。
     羽田とかと比べると人少ないな、と思ったがローカル路線のせいかもしれない。 時間があるので先日購入の無線LANルータを使い、iPodTouchでネットに繋げて遊ぶ。 便利だが電池が不安になる。気が小さい事だ。
     定刻に出雲への飛行機へ乗り込み。またもプロペラ機!
     しかも更に小さい!大丈夫か!と思ったのだが出雲までは無事に辿り着いた(当たり前)。 ただ小さいだけに小回りが利くのかやたらと旋回したり、揺れたりするのには参った。 あと30分乗ってたら酔ったかもしれない。乗り物に弱くて困る。
     初めて降り立った出雲の地。
     「縁結び空港」と言う愛称がついていた。それに肖って良縁に出会えればいいのだけれど。
     さて、出雲での目的地は言うまでもなく「出雲大社」であり、「日御碕神社」である。 まずは「大社」に向かう事にするのだが、直行バスは30分以上待つ事になる…東京からの到着便待ちらしい…ので、 大荷物を少しでも軽くすべく、また元々境外社も出来るだけ回る心積もりもあったので一旦、「出雲市駅」に移動する。
     いかにも「大社」と言う感じの駅舎であるが、もう少しこじんまりしたローカル駅かと思っていたので少し戸惑う。
     それはそれとして、荷物をロッカーに放り込み…ロッカーは割と埋まっていた。同じような事を考える人が多いのか?…、 いよいよ「蒼の稲妻」号の出番である。出雲の地を走る!

    八雲なる地を銀輪で〜出雲大社とその周辺
     出雲大社。言わずとしれた「大社」である。本殿とその境内もさることながら、境外摂社・末社も数多い。 実の所、今回の旅程を考えた時、計画の段階で全てを回るのは困難であると判断していたものの、 それでも出来るだけ回りたいと考えていた。そこで敢えて大社への直行でなく、駅へのバスに乗った訳だが、 走り始めて1〜2分で「大丈夫かなあ」と言う漠然とした不安の襲われる。 何しろ土地勘も無い初めての土地で道に迷ったりパンクしたりしたら目も当てられない…と言う不安である。
     とは言え始めてしまったからにはやらねばならぬ、と言う事で出雲の地を走る。走る。走る。 走り始めてしまえば道も悪くなく、良い意味での田舎道で中々楽しい。その先で行き会ったのは妙な白いドーム。

     「出雲ドーム」と言うらしい。神の坐す地に予想外の構造物があり驚いた。何の施設課はさっぱりわからなかったけど…
     「島根ワイナリー」を横目に…寄ってみたかったが諸般の事情でパス。残念!…してまず辿り着いたのは「阿須伎神社」。
     出雲大社境外摂社であり式内社。阿遲須伎高日子根命を始め多くの神々を祭る。 「摂社」とは言え相当に立派な社であり、由緒によるといくつかの「阿須伎神社」がまとまったものとかなんとか。 境内にはいくつもの境内社があり、全体に派手さこそないけれど木々に囲まれた雰囲気のある社である。
     西方に向かい、次に出会うは「出雲井社」。
     岐神を祭る出雲大社境外摂社。阿須伎神社とは打って変わったこじんまりした社である。 国道の脇道に入り、私道と見まがうような道を通ると突然出現する。 住宅地の中ではあるが、神社のエリアはまた独特の雰囲気がある。
     少し南下して「乙見社」こと「大穴持御子玉江神社」。
     高比売命を祭神とする社で出雲大社境外摂社。これまでに二社と違い、唐突とも思えるほどに住宅の隣に建っている。
     更に南下して「湊社」の途中で「旧出雲大社駅」を見学。
    出雲市駅は近代的な佇まいであったが、こちらはなんとも古風で格調高い趣がある。 大社線廃止後何故残したのかと疑問もあったが、これは残したくなるな、と思う。立派な駅舎に長いホームで中々の偉容。 ホームから見える大社の大鳥居がまた風情を感じさせる。
     そして「湊社」
    櫛八玉神を祭神とする出雲大社境外摂社。公園かと思える木々に囲まれた神社である。
     次の境外社に行くつもりで地図と時計を見たのだが、この時点で一時間押し。 計画の甘さを痛感する事となり、地理的要因で当初から無理と判断していた「伊那西波岐神社」は別として、 近隣の境外社「命主社」「三歳社」「上宮」「下宮」「因佐神社」「大歳社」に行くか、日御碕を諦めるかの二者択一を迫られる。 そして選んだのは出雲大社への道。元々式年遷宮の途中で境内社のいくつかも回れないので…と自分に理由づけ。 仕方ない。平成二十五年以降、改めての参拝を期す。
     迷いの末にようやく「出雲大社」。
     鳥居でかい!木々に囲まれた参道を進む。当然「蒼」は折りたたみ。ちょっと重いが仕方ない。 後から考えると駐車場とかがあったので、そこに駐輪しておけばよかったのだが…土地勘と計画性がなかったので仕方ない。 次回への反省材料である。 それはそれとして、境内を進むが雰囲気が良い。立派な神社であるなあ、と思う。これは参拝者が多い訳だ。 「祓社」を手始めに境内を順次参拝する。
     御祭神は言わずと知れた大国主命。 子供の時の絵本に始まり、古事記、日本書紀等に言及された大国主命の社、出雲大社に到達できた。うれしい。感慨深い。 感動を胸に一頻り境内を散策。空気が良く立派だ。「神様のお宿」があるのが出雲大社らしい、と言うべきか。 それにしても本殿や神楽殿のしめ縄(と言うのか、あれ?)がすごい。 賽銭突き刺さってるし。これもまた名物なのだが、もしできなかったら…という恐怖に負けて実行せず、 普通に賽銭箱に向かい良縁を願う。 ちなみに本殿改修中の為、近傍の「御向社」「天前社」「筑紫社」と東西の「門神社」には参れず。またの機会に参ろう。 今回は式年遷宮と知って来たのだが、本殿が覆われ、 恰も工場のようになっている姿も二十余年に一度しか見られないのでこれはこれで貴重。
     回れる所は回って、さて御朱印を受けよう、と思ったのだが社務所や授与所には御朱印帳が無いとのこと。焦る。 土産物屋さんにあるというので大鳥居そばの所に行くがなく、結局は駐車場そばの土産物屋さんにあったので購入したが、 こういうのは社務所とかにおいてほしいと思う。時間がなくて焦ったのですな、これが。
     ともあれ無事に御朱印を頂き。一安心。
     どうでもいいが、「縁結び」のご利益が一番に挙げられる(であろう)大社なのだが、 どうみて「縁があった」ような組み合わせの人々も多数見受けられた。 私のように「縁がない」人にとっては羨ましい話であるが、「お礼参り」か何かなのだろうか? いや、本当に羨ましいね。縁のある人たちは…

    夜を守る社と夜を照らす灯〜日御碕神社と日御碕灯台
     時計を見ると、日御碕に向かうバスが出る時間。慌てて切符を買ってバスに乗る。 地図を見ると出雲大社から日御碕まではそう距離がなく、あわよくば自転車で行けるか、と考えていたのだが、 実際には高低差がかなりある上、海岸沿いの急なカーブの道で歩道などある訳もなく、 とても自転車など無理だった。危ない危ない。
     そして辿り着いたは「日御碕神社」。

     「日の本の夜を守れ」 との「勅命」を受けた神社だそうな 割合に素朴な出雲大社…と言ってもかなりの偉容を誇るのだが…に比べ、 朱塗りの社殿、楼門、回廊がきらびやかだ。下の本社(日沈宮)や上の本社(神の宮)を含め、構造が興味深い。境内社も多く、とても雰囲気がある。 「夜を守る」神社と言う知識があるせいか、日が沈みかけた時刻に訪れたせいか、なんとも良い景観を拝めたと思う。
     バスの時間まで少しあるので日御碕灯台へ。
     白亜の灯台は立派。灯台はいくつか見たことがあるけれど、日本海に面した灯台は初めてで雄大な景色である。 告白すれば「ただ、突端にあるだけの灯台ではないか」と思っていた予想外に良かった。すばらしい。
     近隣の神社を回り、バス停に戻ったのだが…日御碕神社の「順式社」「稲荷社」は回りきれず。  場所に気付いたのがバスが出る直前だったのだ…無念。ここもまた訪れねばなるまい。

    そして畿内へ〜見下ろす夜景
     出雲大社を経由して出雲市駅へ。渋滞にはまりかけたようでかなり焦るがどうにか定刻に駅に到着。 ロッカーから荷物を引き取り土産物などを物色。 「出雲らしい」ものが何なんのかわからず、とても無難なものに落ち着いてしまった。まあ私らしいか。
     バスに乗り込み空港へ。 真っ暗で回りが見えないけれど、時間が刻々と進む。間に合わないと困るな…と思っていたがどうにか無事到着。 バスの降車場に違法駐車している不作法者が居て困る。神々の国で何をやってるのか。空気読め、空気を。 と言うかそれ以前に法律守れというレベルか。
     チェックインして荷物を預け、しばし待ち時間があったのだが、その時点で「ああ昼食摂ってないわ」と気づく。 出雲と言えば出雲そばだが寄ってる暇なかったし…と言う事で、空港のスタンドでそばを食べる。

     空港とは言え出雲で食べるのだから出雲そばだよね…と自己暗示。 とは言え、空港の簡易的な施設で供されるそばにしては割合においしかった。少し感心。さすがそば所。
     飛行機は来た時と(多分)同型。揺れるねえ…と思いながら眠る事にする。 しかし途中で目が覚めて見下ろす下界の美しさにしばし時を忘れる。
    光ある所に人が住むとするなら都会は人の住む所。川の流れの如き車のライトと街の明かりが人の営みを感じさせる。 そして光無き所は夜の世界。暗黒の恐怖とともに心ひきつけられるものがある。 私が詩人なら美しい言葉を紡げるのだろうが…芸事の神様は私にそういう才能は割り振ってくれなかったようだ。 分相応と言う事もあるし、残念とは思うがまあこんなものだろうと思う。
     そして伊丹空港到着。荷物を受け取りバスターミナルへ急ぐ。気づいてなかったが飛行機が遅れていたのだった。ぎりぎりで滑り込み、一路京都へ。 高速道路は特筆すべき事はないのだが、隣の出張中のサラリーマンと思しき人から京都の地理について質問されたのには焦った。 「知らない」と言うのも芸がないので分かる範囲で答えたけれど、四条とか烏丸とか言われても田舎者にはよくわからんよ。
     そうこうしていたら京都駅八条口に到着。予約してたホテルに投宿。荷物を置いてから夕食と朝食の確保に出歩く。 京都駅を通り抜けると「せんとくん」。
     本来は「奈良」なのだが、なんとなく「来たぜ関西!」と言う感じが出ている気がする。
     そして京都タワーを見上げ、東本願寺の威容に驚き、四条あたりまでうろうろと。
     結局、「餃子の王将」でご飯食べる。 些かなりとも「京都らしい」所を探したつもりだが、時間が時間なので選択肢が少なかったのだ。まあ「王将」も京都だしね…
     ホテルに戻り、湯を浴びて服を選択して、旅行初日は終了。 初日から計画を達成できずに残念なものがあったけれど、まあ突発の計画変更も旅行の愉しみでもあり、 明日以降も出来るだけ楽しみたいと思いつつ寝るのであった。ぐぅぐぅ。
  • 平成二十二年十月十三日 奈良編
    奈良編目次
  • 鉄路は続くよまほろばへ〜京都から奈良
  • 八雲なる地を銀輪で〜出雲大社とその周辺
  • 夜を守る社と夜を照らす灯〜日御碕神社と日御碕灯台
  • そして畿内へ〜見下ろす夜景

    鉄路は続くよまほろばへ〜京都から奈良
     二日目。気持ちよく目覚めたはいいが余裕で一時間寝過ごした。二日酔いでない頭痛に襲われる。
     気を取り直して出かける。時刻表や経路をネットで再検索する事になったが簡単に見つかった。改めて便利だなと思う。
     近鉄奈良線に乗るのだが、京都駅が始発なのでいい場所に座れる。近頃は通勤に電車使わないので忘れていたが、 始発にはメリットが大きい。半分寝ながら電車に揺られて一回乗り換えて辿り着いたは桜井駅。 ここで「蒼の稲妻」号の出番となり、今日の巡回を開始する。日中はいざ知らず、朝方は肌寒い位で自転車には丁度良い。出遅れたけれど幸先の良さを感じる。
     まあ結局の所、出遅れが後で悲しみを招く事にはなるのだけれど…

    大神の坐す所〜大神神社
    大神の坐す所〜大神神社  奈良の道は割と走りやすいな、と思ったが住宅地で道に迷う。小道が多くて分かりにくいわ…と思った時にたどり着いた 「大神神社」。

     粟殿と言う地区の神社で公民館が併設されていた。今回の旅の予定には入っていないがこれもまた何かの縁だろう。 目的に大神神社を勧請したのだと思うが、扁額には「春日大明神」「蔵王権現」の文字も見える。 こじんまりとはしているが、伊勢神宮遥拝所もあるきれいな神社であった。
     更に進むと大鳥居が目に入る。
     でかっ!!!大和国一宮は伊達じゃねえ。 出雲大社の鳥居も大きかったがここもまた…地方にだけいると分からないものがあるなあ、と思う。 鳥居に感心しつつ、まずは「綱越神社」に参拝。
     「祓戸大神」を祭る大神神社摂社。別名「おんぱらさん」。 祭神を見るに大手神社によくある「祓戸神社」なのかもしれないが、大神神社に関しては別に祓戸神社があるしな…ともあれここの境内から見上げる大鳥居も圧巻である。
     大鳥居をくぐり、大神神社にたどり着く。なんとなく神聖な感じのする参道を歩き「祓戸神社」等に手を合わせる。
     そして拝殿。
     大物主大神と大己貴神、少彦名神を祭る。良く知られた事だがこの神社に「本殿」は無い。三輪山自体がご神体なのである。 実際の所、ここだけでなく大和の山々を見ると「なにかいる」という感じがするのだ。 霊感皆無で鈍感な私ですらこう思うのだからそういう力のある人たちにはすごい場所なのかもしれない。 それはそれとして、神職や地元(だと思う)の方々の掃き清めている中お参りする。 拝殿は派手さはないがなんか「すごい」。語彙が少なくていい言葉が出てこない。感心しつつ御朱印を頂いたりする。
     一頻り拝殿周辺を回ったので摂社・末社回りを開始する。 大神神社の境内・境外社には回る順番というものがあるらしいのだが、これは後から知った事なので今日の所は「回れる所から回る」事になる。 いいのかなあ、こんないい加減な事で。
     まずは「神宝神社」「天皇社」「三輪成願稲荷社」。
      神宝神社

      天皇社

      三輪成願稲荷社
     拝殿脇の小道の先にある。「三輪成願稲荷社」に関しては厳密には大神神社ではなく、大神神社の神宮寺の鎮守らしいが、これまた何かの縁と言う事で。 稲荷神社は稲荷神社らしく「赤い」けれど、他の二社は落ち着いた佇まいである。
     大神神社参道を挟んで北側に移動。「活日神社」「磐座神社」へ。
      活日神社

      磐座神社
     狭井神社へ向かう道の途中にある祠。磐座神社は社殿はなく「磐」があるのみ。
     更に進んで「市杵島姫神社」。
     狭井神社の鳥居をくぐったすぐ横の池を背景にした神社である。観方によっては池に浮かぶようにも見える。
     その先には「狭井神社」こと「狭井坐大神荒魂神社」がある。
     大神神社摂社ではあるが、式内社狭井坐大神荒魂神社。地方ならかなり大きいと言える神社であり、御朱印もいただける。 ここには三輪山への登山口があり、実際に山へ向かう人達もいた。私も…と思ったが、時間的制約(二時間位かかるらしい)と、 寧ろ此方の方が問題だが職場から何度も電話がかかるので気が萎えたのと、二つの理由で今回は遠慮申し上げる事とした。 次は次こそは登山して御山と「高宮神社」に参りたいものである。
     境内だか境外だか最早よくわからない…そもそも境内が破格に広いのだ…けれど参道を歩いて「神楽殿」に出会う。
     これはまた立派な…宝物殿もあったがこちらはまた次の機会と言う事で。先に進んで「久延彦社」。
     久延毘古命を祭る神社。久延毘古とはいうまでもなく古事記に登場する神であるが、「なんでも知ってる」と言う事で 学生さんの参拝が多いようだ。確かに若者でなければ息が上がるようなきつい階段もあるし。 こちらにも神職の方がおられて御朱印を受ける事が出来る。摂社末社にも神職常駐というのがいくつもあるのはすごいな…
     参道を歩いていると展望台にたどり着く。
     大和の地を一望出来るが、やはり鳥居でかいな!
     「大直禰子神社」または「若宮社」に到着。
      大直禰子神社

      琴平社

      御誕生所社
     大物主命の直系にして三輪氏始祖にあたる「大直禰子(大田田根子)」を祭る神社。元は寺だったともいうが勉強不足で詳細不明。 社務所で聞こうかと思ったら引っ越しをしていた。神職の人も「転勤」があるのだろうか?
     中央参道を挟んで南方へ移動開始。ほぼ確実に境外を回る。いよいよここからが「蒼の稲妻」号の出番となる。
     まずは平等寺そばの「神坐日向神社」。
     大きくはない社だが式内社である。民家の裏通りみたいな細い道を進むと空地(のような所)にぽつんと立っている。木々に囲まれ厳粛な気配がある。
     平等寺方面に戻り、少し奥まった所に入ると「大行事社」がある。
     祠としてはそれなりの規模だが祭神に「八尋鰐」があるというのが面白い。山の中なのに。
     更に奥に進むと、三輪関連ではあるが直接的に大神神社に関連があるのかないのかわからない祠に遭遇。
     小さい滝のようなものがあったのでその神様かもしれない。地元の方らしい人達がいたのだが聞ける雰囲気でも性格でもなかった。 ただここで勇気を出していればこの近くにあったはずの境外社「春日社」「事比良社」「金拆社」等の場所がわからなくて 参れないという事態は避けられたかもしれないなあ、と後に悔む事になるのではある。 まあこの時点で境内の「御炊社」にすら辿り着けてなかったのだけれど…
     更に南下する。「志貴御縣坐神社」に出会う。
     ここは大神神社の境外社ではないが、崇神天皇の皇居跡とも言われる場所にある神社で「大己貴神」を祭るそうである。  昼なお暗いという鬱蒼とした木々に囲まれたある種の雰囲気のある社だ。
     そろそろ気温が上がってきたな、と思いつつ進んでいると「玉列神社」に到達する。
     大神神社摂社にして式内社玉列神社。昨日までお祭りをやっていたらしい。残念だが静かに参る事が出来るのでよしとする。 ここにも神職の方が駐在しており御朱印が頂ける。お祭りの片付けの最中なのに少し申し訳なかったがありがたい。
     隣の阿弥陀堂
    にも参ってから「八阪社」へ。
     わかってみればどうと言う事はないのだが、道に迷ってしまい、相当焦った。 なんとか見つけたら見つけたで細い道に路上駐車している車で通るのに苦労するし…。 それはそれとして三つの本殿を持つ立派な社である。前述のようにその割には見つけにくいのだが。 祭神は「素盞鳴命」なので「八坂神社」だと思うのだが「坂」の字が「阪」。何か意味があるのだろうか。
     一路北上。この時点で昼はとうに過ぎて居るが気にしない方向で。
     大神神社関係ではない(と思う)が、「素戔鳴神社」と言うか「薬師堂」に行き当る。
     白山神社やいわくありげな岩もある。石碑には「祇園社」とあるのだがどちらが「本名」なのだろう?謎。
     先に進んで「神御前神社」に到着。
     「倭迹迹日百襲姫命」を祭る大神神社摂社。住宅地の真ん中に突然出現する。普通の社ではあるが由緒ありげである。
     更に進んで「富士社」「厳島社」。
     此方も住宅地にあるのだが、一つの敷地に二つの社殿と言うか社殿自体が双子のような形で面白い。 祭神はそれぞれ「木花咲耶姫命」「市杵島姫命」。記紀の記述だけでみるとこういう形で並立するような女神にも思えないのだが、 何か謂れがあるのだろうか?
     三輪山の方面に戻り「貴船神社」。
     参道にひっそりとした佇む「淤加美神」が祭神の大神神社末社。住宅地の社を見慣れてから来るとまた違った感動がある。
     檜原神社に向かう途中に出会った「[雨龍]神神社」([雨龍]は上半分が「雨」、下半分が「龍」の字)。
     大神神社に直接関係のあるような由緒書きはないけれど、「日本最古社」の銘有。 「龍」の字はあるものの弁財天や不動明王など仏教的な感じもする。池を挟んで対岸に本殿があるようだ。 このあたりの神社はどこも雰囲気があるが、ここはまた少し違った雰囲気があった。
     舗装もされてない道を延々歩いて…自転車乗ってられなかった…ついに「檜原神社」に到達。
     「天照大神若御魂神」「伊弉諾尊」「伊弉册尊」を祭る大神神社摂社で式内社卷向坐若御魂神社。 境内に「豊鍬入姫宮」がある。
     摂社ではあるがここも規模が大きい。古代の平窯等の遺跡もあり、いい雰囲気である。御朱印を頂く際、 神職の人に「玉列(神社)さんにもいかれんたんですか。中々レアなものを」と感心されてしまった。そうかあれはレアだったのか。 なんだかんだで三輪山を半周(3/4周?)していた訳でそれにも感心された。物好きは少数派らしい。
     いくつか回れなかった社があるけれど、桜井市内の大神神社関係はここで一段落として、近くの茶店というか休憩所で昼食。
     三輪というなら「そうめん」だが、時期的に「にゅうめん」しかなかった…まあ仕方ない。「めん」は「めん」だ。 昼下がりになったからか参拝者の方が結構いた。「蒼の稲妻」号を半折りたたみ状態で置いていたら、 年配の方々に妙に人気者になった。折りたたみ自転車の形が珍しかったらしい。あと九州の田舎者と言うのも珍しかったのか?
     檜原神社から向巻駅に着いたのだがタッチの差で電車は出ていた。まあ次の電車を…と時刻表を見たら30分に1本しかない。 地元のローカル線並か…仕方ないので三輪駅方面に移動する。一旦駅についてから、少し時間があったので駅近くの「三輪坐恵比須神社」に参拝。
      三輪坐恵比須神社

      琴比羅神社
     エビスさんとコンピラさんが仲良く鎮座しているここは、「日本最初市場」海石榴市だったらしい。由緒あるなあ。
     そして時間になったので三輪駅から電車に揺られて奈良に移動する。のんびりローカル線の旅。天理市等を経由して奈良市へ。 到着したJR奈良駅が随分と変わっていたので驚いた。
     昔はローカル線の駅っぽかったのになあ。それはともかく駅内の「せんとくん」に期待が高まる。
     気を取り直して(?)、「率川神社」こと「率川坐大神御子神社」へ。
     奈良市内にある大神神社摂社、式内社率川坐大神御子神社。桜井市の諸社と違い、朱塗りの目を引く社殿である。 社務所らしき建物はあったのだが神職の方が留守だったのか御朱印は頂けず。まあ仕方ない。
     これにて今回の大神神社系は完了となったが、回れなかった所がいくつもあり、またいつか参拝出来る機会が作れたらうれしい。 そのためにももう少し人生真面目に生きてみるか。

    鹿たちの奈良公園〜春日大社とその周辺
    鹿たちの奈良公園〜春日大社とその周辺  「率川神社」に参拝してから奈良市内を東方に向け走る。目的地は言うまでもない、奈良公園、春日大社である。
     参道と言うか奈良公園への道は観光客が予想外に多く、自転車での走行には気を使う。更に途中からは坂になりきつい。 登れない坂ではないけれど、桜井市での走行が脚に来ている。取り敢えず春日大社にたどり着いた。

     かれこれ二昔前に訪れているが随分と久しぶりだ。出雲大社もそうだが、二の鳥居あたりまで行ける脇道があるけれど、 折角なので自転車を折りたたんで参道を進む。鬱蒼とした森の中の参道を歩くわけだが、 奈良公園名物、鹿がわらわら出て来る。
     鹿といえば「バンビ」を思い起こす訳だが、冬毛に生え変わる途中なのか、 随分荒々しい感じの「野良」ではない「野生」の雰囲気がありあり。正直な所かなり怖かった。
     鹿に怯えつつ参道を進んで、二の鳥居を過ぎ…このあたりに駐車場があるので「蒼」を駐輪…て「祓戸神社」。
     更に進んで「榎本神社」。
     これは式内社のようだ。建物の中に建物がある感じで面白い。
     そして楼門くぐって拝殿に到着。
     本殿には四つあり、「第一殿 武甕槌命」「第二殿 經津主命」「第三殿 天兒屋根命」「第四殿 比賣神」を祭る。 しっかり拝む。本殿では結婚式をやっていた。こういう大手で出来るのはすごいね。私にも良縁があればよいのだが。
     御朱印を頂いてから境内散策。本殿付近には数多くの摂社・末社がある。
      風宮神社

      内院末社(八雷神社・栗柄神社・海本神社・杉本神社・佐軍神社)

      椿本神社

      多賀神社

      岩本神社

      青榊神社・幸榊神社・穴栗神社・井栗神社

      回廊と灯篭
     回廊は中々神秘的。朱色と金色が異界のようにも思える。
     一通り本殿付近を回って十五社めぐりと言うのを実行。十五の境内社を回るものでお札が必要らしいがよくわからないので 取り敢えず順番にお参りすることとする。

      本宮遙拝所

      一童社(三輪神社)

      兵主神社・南宮神社

      若宮神社

      広瀬神社・懸橋社(葛城神社)

      三十八所神社

      佐良気神社

      金龍神社

      元春日枚岡神社遙拝所

      春日明神遙拝所

      宗像神社

      伊勢神宮遙拝所

      紀伊神社

      夫婦大国神社
     「夫婦大国神社」はその名の通り、「夫婦」向けらしいが、寂しい私にも異性との「縁」を恵んでくれるととてもうれしい。
     更に回廊外の神社を更に巡拝。こちらにも鹿がいっぱい。
      船戸神社

      一言主神社

      総宮神社

      水谷神社
     一言主神社と総宮神社の間が物凄く不思議。何の説明もないが、一体何だったのだろう?気になるな。
     一通り…と言うのはおこがましいが…真綿後、まだまだ春日大社には境外にも多くの多くの摂末社があるのだが、今回は時間の余裕がないので境内だけで勘弁していただこう、 と移動を始めたらいきなりあった。
      聖明神社

      愛宕神社

      天神社

      浮雲神社
     これも縁か?良縁であればよいのだが。いや、寧ろ良縁を望んでますよ。いうまでもないことだが。
     奈良公園と言えば春日大社に並ぶ大手、東大寺がある。当然ここにも行くつもりで参道を進むが…人多すぎるわ。 入るまでの時間とかを考えたら、ここに行くと平城京が厳しくなる。断腸の思いで今回は見送る。 春日大社も含め、再訪を期す事にする。
     代わりと言うわけではないが付近の「奈良氷室神社」に参拝。
     「闘鶏稲置大山主命」「大鷦鷯命」「額田大仲彦命」を祭る立派な神社。相当な風格がある。こういうのが普通にあるんだなあ…奈良すげえ。
     少し進んだ先には「拍子神社」。
     春日大社の外院十七社の一つ。それなりに縁は頂けているのか?

    せんとくんに会いに〜平城京跡、そして京都へ。反省
     奈良を西方に向かい走る。慣れない道なのでおっかなびっくりではあるが、特に迷う事なく平城京跡に到着。 駐輪場があり…野原と言うか道端だけど…、スポーツ自転車用の台もあるのに感心。流石奈良。ちなみに駐輪場から遠く大極殿が望める。

     朱雀門に到着すると人だかり。なんだろうと思ったら「閉門」の儀式が始まった。
     どうも16時過ぎにはイベントは完了らしい。聞いてないよ<調べとけ。
     取り敢えず大極殿近くまでは行けるというので見に行く。
     …が、朱雀門から遠いったらない。流石都の中枢は並じゃない。 てくてく歩く踏切。近鉄が通っているらしい。
    現在と過去が入り組んだ何とも言えぬ光景である。 どうでもいいが、JR桜井線はローカル線並だというのに近鉄は本数多いね。
     そして大極殿。
     デカイ。立派。すげえ。既にイベント終了の為に入る事は出来ないし、各パビリオンは終了しているので何となく寒々しい。 せんとくんには会えないし何しに行ったのか。まあ夕方近くなって見上げる大極殿は雰囲気良かったけれど…。
     その後、奈良駅近傍に戻り、電車で移動。快速に乗り損ねたので各停で京都に向かう事になるが遅い…。 ただ、その分空いていて、「蒼の稲妻」号を普通に置けたのは良かったか。
     一時間以上かかり、京都到着。途中、宇治や黄檗とか伏見とかいろいろ寄ってみたい所を通り過ぎる。
    平城京や東大寺もそうなのだが、こちらの調査不足と寝坊の為、満足には程遠いがまあ時間設定が甘かったので仕方ない。 出雲もそうだが、もっとじっくり楽しまないとだめだよね。まあそれがわかっただけ良しとしよう。
     一旦ホテルに戻り、食事がてらに京都駅近傍の家電量販店へ。 ギリギリで助かったのだが、カメラの電池が切れそうになっていたのだ。丸一日持たんとは不覚である。 予備バッテリーを購入し、これで明日以降も安心となった所で酒買って食事。
     おばんさいと湯豆腐のセット。柄にもなく豪勢過ぎて食べ過ぎた。更に店員のおねえさんが「(ビールの)おかわりは」と言われたので二杯も飲んじゃった。意思弱いわ。
     残さず食べてから宿に戻って本格的に休息。自転車で徒歩で相当疲れていたが、取り敢えず洗濯して酒飲んで寝る。明日は、明日こそは予定通りに…
  • 平成二十二年十月十四日 京都編
    京都編目次
  • 都の空の下を駆ける日〜京都
  • 舞台から見るか舞台を見るか〜清水寺
  • 朝の祇園は静かにて〜八坂神社
  • はるか昔のパビリオン〜平安神宮
  • 糺の森を彷徨いて〜下鴨神社
  • 鴨川をさらにさかのぼり〜上賀茂神社
  • 牛さんがいっぱい〜北野天満宮
  • 朱塗りの鳥居の先にある社〜平野神社
  • 北山に煌めく御堂〜鹿苑寺(金閣)
  • 金から銀へ
  • 緑に包まれる東山〜慈照寺(銀閣)
  • そして京の夜…

    都の空の下を駆ける日〜京都
     予定時刻に目覚めたのだが外を見ると真っ暗。真夏でもないのに流石に朝4時はきついか。と言う事でいきなり予定修正して寝直し。
     二時間程して完全起床。軽く食事を摂ってから「蒼の稲妻」号で出かける。実は天気を心配していたのだが特に問題なかった。良かった。良かった。
     まずは京都駅から祇園方向へ。「京都は碁盤の目のようだからわかりやすい」と思い込んでいたが、 八条口あたりは線路の関係か少しわかりにくかった。更に清水寺あたりでは筋を間違え道に迷った。 あのあたりは道が東西南北とは少しズレているようなので困る。どうにか「産寧坂」あたりにたどり着き、 地図を確認していたら外国の人に「Where is KIYOMIZU-Temple?」とかなんとか言われて、自転車に乗ったせいではない汗をかく。 私は現地人じゃなくて寧ろこっちが道に迷ってんだが…と思いつつ、外人から見れば日本人なら広い意味で「現地人」だな、と思い直す。 自分が進もうとした方向を指さし、「This way.Probably,you can reach KIYOMIZU-Temple」とか適当な英語 …字に起こすと滅茶苦茶だな…で答えたらその外人は素直にその道を歩いて行った。 私もそれに続くように…途中で抜き去ったが…清水寺を目指す。幸いにも道は間違ってなくて安心した。 間違ってたら教えてあげないと外人さんに悪いなあ、とか思っていたので本当に良かった。

    舞台から見るか舞台を見るか〜清水寺
     京の初めは清水寺である。今回の旅行はどちらかと言えば神仏の「神」を中心にしていたが、 別に「仏」を軽んじている訳ではなく、たまたま行ける範囲を考えたらそうなっただけなのだが、それはそれとして清水寺である。 坂…京都は場所によっては結構高低差厳しいな…を上がった先に楼門と五重塔が見えてまず感動。「山」だね。

     朝早いせいか人が少なくてすがすがしい。自転車抱えて参道を進んでいると先程の外人に追い抜かれた。 別に焦る必要もないのでゆっくる回ることとするが、「えんむすび観音」とかが見えたからには参らないわけにはいかない。
     営業時間がもう少し後だったらしいので取り敢えず拝むのみ。
     拝観料を支払い本堂へ進む。
     朱塗りで煌びやかな楼門と五重塔と異なり、本堂は落ち着いた色使いである。 まずご本尊の観音菩薩…十一面千手千眼観世音菩薩だったか?…にお参りし、本堂自体とそこからの景観を楽しむ。 一般的には「舞台」である本堂を見る事が多いが、ここからの景色もなかなか。
     本堂を出て進んでいくと「地主神社」に到着。
     例の「目を閉じて岩と岩の間を歩き通せたら」と言う奴を実行。案の定大きく左にそれてしまった。 私らしいが少し狼狽したのは秘密だ。ダメだったものは仕方ないので真面目にお参りする。「神縁鐘」も叩いたよ。
     更に清水寺を回る。
     やはり舞台を眺める位置からの景観が素晴らしい。そこから向きを変えて京都市街を見下ろす景観もまた素晴らしい。 流石立派な寺であり観光地は違うな、と思った。
     それはそれとしてここでは僧侶の人よりも地元のボランティアっぽい人達が清掃活動をしている姿が目立った。 我々のような観光客には「観光地」でも地元の人には別の思いがあるのかもしれない。

    朝の祇園は静かにて〜八坂神社
     清水寺から八坂神社へ移動。所謂「祇園」界隈なのだが朝なので普通の街と変わりない(ように見える)。 通勤時間帯に入り、人や車の通りも多くなったので注意しながら走る。
     しばらく走ると楼門が見えてくる。

     立派だなあ、と思いつつ周辺で駐輪場を探す…ない。仕方ないので折りたたんで境内に入る。
     八坂神社は言うまでもなく全国の八坂神社の総本社。既に言及している楼門だけでなく、祇園造りの本殿などが 朱塗りで美しい。摂末社も基本的には朱塗りで統一感があるというか、全体に煌びやかに見える。 とは言え、午前中なので何人かの修学旅行生(多分)や通学路にしている(らしい)地元学生らの姿の他は割と静かであった。 人が多くないのをいいことにゆっくり境内を散策する訳だが、 「美御前社」では取り敢えず肌がきれいになる水を試してみていたりする。中年なのでお肌が気になるのだ。 実際にきれいになったかどうかは確認していないがまあ経年劣化以上に悪くならなければいいな、と。
     当然のように御朱印は頂いたのだが、ここでは御旅所や摂社の分もいただけるらしく、境外の回ってない分も いただいてしまった。後で回るつもりにしていたが、結果としては一つ行けてない。 これもまた再訪を期しつつも「ごめんなさい」と謝るほかはない。全く不勉強は許しがたいなあ。
     それはそれとして、八坂神社のそばには円山公園があり、枝垂桜で有名と聞くが、季節外れでもあり時間もないので そちらの散策はあきらめた。桜の季節にまたくる事が出来ればうれしいな。

    はるか昔のパビリオン〜平安神宮
     次は平安神宮。京都を舞台としたドラマ(特に二時間ドラマ等)で割とよく出てくるガンダムより大きい大鳥居が目に入る。

     平安神宮は明治中期に「平安遷都千百年」を記念して造られた、いわば「パビリオン」で 後に桓武天皇、孝明天皇祭る神社となった。
     応天門や大極殿を模した造りで、昨日見た「平城京」にも似てるがどちらも「都」なので当たり前か。 随分と広い境内で、これでも5/8程度に縮小されているというのだから恐れ入る。  どうでもいいが女学生の一団が居て、中にやや大柄な外人さんが混じっていたが地元の人か修学旅行生かどうかは分からなかった。
     平安神宮エリアは京都国立近代美術館等、色々な文化施設があり、こちらも興味深いのだが円山公園と同じく、 時間の関係であきらめる。言うまでもなく広壮な神苑にも行っていない。泰平閣とか興味はあったんだけどね…

    糺の森を彷徨いて〜下鴨神社
     平安神宮を出て、一旦鴨川方面に出る。鴨川沿いには自転車道(みたいなの)があると知っていたので そこが通りやすいだろうという判断だが、この時点で京都の人達の割合に「フリーダム」な交通マナー …「あ、京美人かな?」と思ったシュッとした女性が堂々と信号無視していたりした…に驚いていたので その回避と言う意味もないではない。結果から言えば、路面が必ずしも良くはなく、「蒼」でもきついかと言う判断で 川沿いの車道を走ったのだが、「銀」なら余裕だったな…
     それはさておき、一、二度道に迷いかけながら、下鴨神社に到着。

     あっさり駐輪場が見つかったので安心。
     糺の森を進み、境内を散策する。
     糺の森は本当に「森」で昼なお暗い木々に囲まれた空間であるが、奈良公園よりは明るく、 なおかつ鹿などがいないのでより整理された雰囲気がある。 地元の人達らしい方々が歓談したり写生している姿が散見されるのが印象的である。
     森を進んだ先に本殿がある。多くの摂末社と共に順次参拝を開始する。 大炊殿の公開もしていたので当然そちらも見学する。写真も自由とか鷹揚と言うかなんというか。
     戻る途中で河合神社にもお参りする。
     境内には「方丈記」で有名な鴨長明の「方丈の家」が展示されている。立って半畳寝て一畳と言う見本のような家屋だった。

    鴨川をさらにさかのぼり〜上賀茂神社
     下鴨神社から同じく「山城国一宮」である上賀茂神社へ向かう。 想定していたより距離があり焦ったがなんとか無事到着。

     昼近くになったせいか人が多いなあ。それも若い人が、と思ったら、近くに京産大があるらしい。そりゃ若者多いわな。
     守衛さんがいて駐輪場があることを確認してから境内参拝を開始。
     拝殿に行くと特別に本殿そばまで入れてくれるらしいので参加する。 神社の由来などを神職の方から説明を受けてから通行証代わりの首から掛ける帯状のものを装備…写真撮っておけばよかった…して 本殿近くを見学する。楼門や拝殿に比べ、檜皮葺の本殿と権殿は割合に渋い感じがした。いずれにしても雰囲気がよろしい。
     境内には川が流れ、木々の木陰と相まって涼しげである。摂末社を巡拝していると、稲荷神社があり当然こちらも参拝。
     後から知ったがこちらは直接的な摂末社ではないようで、更に聞く所によるととあるスポットとして有名らしい。 言われてみれば独特の雰囲気があり、上賀茂神社拝殿あたりは人が多いのにこちらは人っ子一人いなかったなあ… と思ったが、霊感皆無の私は何も感じる事もなかったりもする。見える人には見えるのかもね。
     アウディ提灯にちょっと笑って境内を後にする。昼過ぎてたので近所の茶店でそばを食う。観光地だねえ。色々な意味で。

    牛さんがいっぱい〜北野天満宮
     賀茂エリアから北山方面に走る。下鴨と上賀茂の間というレベルではない距離を走り、なおかつ土地勘がないので 色々迷いながらの走行である。車道を余裕で逆走してくる自転車やウィンカーも出さず確認もせず幅寄せしてくる車とか トラップが多すぎて怖い。決して可愛い京美人に目を奪われていたからではない。
     どうにかこうにか北山付近に到着し、まずは北野天満宮に詣でる。

     近所に「天神様」があるので天満宮系には親しみを覚えざるを得ない。大宰府には何度も行っているが、こちらは多分初めて。
     太宰府もそうだが、こちらも摂末社が膨大過ぎるレベル。膨大と言えば、「牛」の像がいたるところにあり、  鳥居そばにぽつんといるだけの太宰府と印象が異なる。こちらの方が「牛」の本場なのだろうか。 鳥居や社殿は太宰府も重厚だがこちらもそれに勝るとも劣らない。違いは色合いで、こちらは随分と渋い色合いである。 ここまで回った中では随分地味な印象ではあるが、 防府天満宮がどうなっているのかも気になるところだ。
     天満宮といえば「学問の神様」なので修学旅行生が散見された。がんばれよ、若者たち、とか思いながら、 絵馬を眺めていたのだが、随分と「痛い」絵馬がめだった。「けいおん」の「聖地巡礼」とか…ほどほどにせいよ。

    朱塗りの鳥居の先にある社〜平野神社
     北野天満宮からほど近い所に平野神社がある。

     皇大神とも称される官幣大社である。大鳥居は朱塗りながら本殿、拝殿は割合に落ち着いた色使い。 近隣の北野天満宮もそうだったが、これが北山エリアの地域色なのだろうか?
     本殿は大きく二つあり、それぞれがまた二つの棟になっている面白い造り。 どうやったらきれいに撮影出来るかいろいろ試したけれど結局はあまり上手く行かなかった。撮影は難しい。
     境内猿田彦社には、「猿」にかけてか猿のぬいぐるみが多くて笑った。

    北山に煌めく御堂〜鹿苑寺(金閣)
     京都には観光地が多すぎて神社仏閣だけでも数えきれないけれど、 その中で群を抜いて有名なもののひとつは金閣寺こと鹿苑寺であろう。 京都に来たからにはこれは外せない。と言う事で平野神社から足を延ばした。

     四半世紀以上も訪れていない金閣であるので入場料が御札だったりすることも忘れている。 まずは駐輪場…ちゃんとある。素晴らしい…に「蒼」を止めて境内に入る。 流石に金閣寺、平日昼下がりだが国籍問わずに人が多い。写真撮るのにも一苦労だ。 順路を進み、絵葉書にあるような金閣を楽しむ。天辺の鳳凰の上に鳥が止まっていたのはご愛嬌として、 やはりなんというか「派手」である。すごいな、金ぴか。足利義満の力は相当なものだったのだ、と現地に来て改めて思う。 とはいっても現代の金閣は再建されたものだけど。
     時間のせいか完全に観光客と修学旅行生でごった返しており、前に進むも一苦労。こういうのは清水寺のように 朝早くないとゆっくりは楽しめないらしい。良い教訓を頂いた。

    金から銀へ
     気が付くと都の太陽は早中天より西に傾き始めていた。 京都に限らないが多くの神社仏閣は午後四時から五時あたりで営業(?)が終了してしまうので、私にとって京都の一日は事実上その時間で終了となる。 時間的に考えて、どこかあと一つ、と思った時、「金閣」と来たら「銀閣」と考えるのはまず当然だと思う。
     と言う事で京の最後は銀閣と決めた。
     土産物など買ってから北山から東山へ移動を試みる。 時間がないので焦っているが安全には代えられないのでもどかしいったらないが、事故を起こしては洒落にならないので慌てず落ち着きもっと飛ばせとばかりに自転車をこぐ。
     基本的にに西から東へ一本道なので道に迷いようがないはずなのだがそこは何しろ私のこと、 京都御苑=京都御所に迷い込んだり、憧れの京都大学を通ったり色々とトラップに掛かっていたりする。 どこも時間があればゆっくり回ってみたかったが…
     誘惑を振り切り東山。日はすでに傾き、最早「夕方」の気配が迫る中、どうにか参道に到着した。
     どうでもいいが途中通り過ぎた役所かなにかの看板に笑う。本当に「けいおん」なんだ…

    緑に包まれる東山〜慈照寺(銀閣)
     京都と言えば観光地と土産物屋で参道に林立する土産物屋を華麗に通り過ぎて観光するのが私のスタイル! などと考えていた。しかし今日回った所は「参道の土産物屋」と言うものがあまりなく、 記憶違いかなあ、などと考えていたのだが、最後の最後、銀閣の参道はその記憶の通りの土産物屋通りであった。 なんだかちょっとうれしい。
     それはそれとして銀閣寺こと慈照寺に到着。到着してからえらい近くに駐輪場がある事を知り軽く落胆しつつも 御札代=入場料を払って入場。既に16時を回っていたがそれでも結構な人がいた。

     金閣に対しての銀閣と言えば、「地味」「小さい」「足利幕府の衰えがわかる」など歴史の時間に散々言われたもので、 私もそう考えていた時期もある。だが実際に見てみると、確かに金閣に比べて地味で小さいけれど、 庭の造形との調和を見た時、銀閣はその存在感を見せつけるのではないかと思う。 建物だけではなく、全体が一つのシステムとなっていると言えばいいのだろうか。 季節的に紅葉には早すぎたのだが、緑に包まれた銀閣もまた一興。 ここで月見をしたら素晴らしいだろうな、と思わせてくれる庭園であった。
     多少駆け足ではあったが庭園を隅々まで鑑賞してそれなりに満足した所で土産物買うか、と売店に入ったらBGMが「蛍の光」。 ホントに17時営業終了なのね…

    そして京の夜…
     銀閣からの帰り道、夕闇は一気に空を浸食し、途中土産を買っていたりしたせいもあるけれど、 ホテルに着くまでには完全に夜となっていた。
     昨日に引き続き、走るだけ走り、歩けるだけ歩いたので結構な疲労を覚えていたのだが、 食事もせねばならないし、「夜の京都」を見てやろうという気もあったので外出する。
     取り敢えず食事と言うことで地下鉄に乗って移動。る○ぶに掲載されていたとある豆腐屋さんで湯豆腐。 湯葉うめえ。しばらくしたら外人さんが入ってきたので怖くなって退散。別に柄悪い外人さんと言うのではなく、単に外国語が怖いだけ。
     それはそれとして、食後にさてどうしよう、と思ったのだが、 京都の繁華街と言えば「四条河原町」くらいしか知らないし、 そもそも知識で知っているだけなので何がどう繁華なのかわかってないので困る。 元々夜遊び出来る程人間出来てないので、右往左往した挙句、「劇場版機動戦士ガンダム00」を観に行く事にしたのであった。 まあとても私らしいが何やってんだか、と思わないでもない。
     映画自体は結構楽しめたのだが、映画終わってから街をうろうろしていても、営業終了となった店ばかりで 「夜の京都」を楽しむような感じでもなかった。後から聞いたがエリア的には間違ってないけれど、通りが違うとかなんとか。 …気づくかそんなもん。先斗町とか祇園とかで芸子さんだか舞子さんだかの写真撮りたかったよ。残念。
     少し残念な気持ちを抱きつつうろうろしていたら、「冠者殿社」に行き会う。

     これも「縁」か…なんだかちょっとうれしい。夜なので失礼とは思いつつ参拝。その後更に進むと「大政所御旅所」。
     これまた縁かな。八坂系は全部回れなかったけれど、こういう形でいくつかは回れたのでよしとすべきなのであろう。
     そんなこんなで宿に帰りつき、洗濯しつつ荷物の整理。宅急便で土産等を送る手配をしてから寝る。ああ疲れた…
  • 平成二十二年十月十五日 大阪編
    大阪編目次
  • チェックアウトして大阪へ
  • 平日なのにお祭り〜枚岡神社
  • 最寄駅は「鳳」〜大鳥大社
  • 橋を渡ってお参りを〜住吉大社
  • オフィス街に囲まれた社〜坐摩神社
  • そして空港へ〜帰郷

    チェックアウトして大阪へ
     予定の時刻に目覚め、身づくろいをしてチェックアウトする。休暇も今日で終わり。本当に「楽しい時間」はすぐ終わる。
     宅急便で土産等は送ったものの、それでも大荷物なのは反省材料であるが、取り敢えず電車に乗り込み移動する。 割と混んでいた…通勤時間帯だった…けれど始発駅なので座る事が出来たので助かった。 車窓から五重塔が見える。教王護国寺、通称東寺。ここも行きたかったな…
     乗り換えたりして近鉄枚岡駅にて下車。今日最初の目的地である枚岡神社の最寄駅である。

    平日なのにお祭り〜枚岡神社
     枚岡神社は河内国一宮で式内社。「元春日」の名があるように、春日大社の勧請元であり、祭神も同じである。 実の所旅程の会計でここに来るのは難しいと考えていたのだが、一昨日春日大社にお参りした縁か、 上手くスケジュール修正する事が出来たのである。

     駅を降りるとすぐに鳥居で一の鳥居は少し離れた所にあるらしいがそこまで回っている余裕がないのかいかにも残念である。 ともあれ小高い丘の上にある神社に向かう訳だが、今日は平日の朝だというのになんだか人が多い。 参道には露店が出ているし鳥居そばには山車がいる。なんだろう?と思ったら今日はお祭りだった。 平日だというのに子供達の姿もあり、普通の神社ならお祭りを休日に合わせるというのに流石一宮は違う、と変な感心をする。 荷物と自転車を抱えてようやく本殿へ。最後の階段がきつかった。
     今日はお祭りなので参道ががやがやしているが、そうでない時はかなり静謐なのであろう、と思わせる木々に囲まれた社である。 四つの社殿からなる本殿は春日大社のような朱色ではないが、渋めの色合いが山と木々に調和して美しい。 摂末社や本宮などもあったようだが、時間がない上神職の方々もお忙しいそうなので邪魔にならないよう早々に退散する。
     前述の通り、本来の予定になかった参拝であったが、予想以上に良い社だった。梅園が有名らしいので 出来れば梅の季節に再訪したいものだ。

    最寄駅は「鳳」〜大鳥大社
     枚岡から鶴岡、鶴岡から天王寺、と乗り換えて鳳駅に到着。 この間一本電車を乗り間違えたがまあなんとか辿り着いた。
     鳳駅は和泉国一宮、大鳥大社の最寄駅である。大鳥大社は日本武尊、大鳥連祖神を祭神とする神社で、 全国の白鳥神社系の本社とのこと。駅から「蒼の稲妻」号で進むこと数分で神社に着いた。

     後から気づいたがここはいわば「裏口」であり、このあたりに計画性のなさが露骨に表れている。 「裏口」とはいえ立派な参道を進むと境内社があるがまずは本殿に参拝する。
     「大鳥造り」という様式が珍しい。だが個人的には賽銭箱等に記された「鳥」のマークに目を引かれる。 さすが「大鳥」。御朱印を受けてから境内をぶらぶらする。
     境内社の大鳥美波比神社は大鳥五社の一つであり、隣の稲荷神社もそうだが中々立派な構えである。 この他、よくわからない石の祠などあり、中々雰囲気がある。由緒書も特にないのだが何か謂れがあるに違いない。
     その後、「蒼」で堺市内、高石市内を順次走って「大鳥五社」めぐりを敢行。
     まずは大鳥北濱神社。住宅地にどんと存在する。規模としては普通の神社なのだが何か雰囲気がある。 道に迷うかな?と思ったが案外あっさり見つかったので驚いた。
     更に進んで大鳥羽衣濱神社。
     JRでなく南海沿線と言う事で地図に従って進むが、距離感が分からず難渋する。 立派な森に囲まれているのでなんとかわかったけれど。
     こちらは規模も大きく、境内社も抱えるレベルの神社である。由緒書には「金比羅宮」があるというが 最初分からず困る。よくよく見ると灯篭がそれだったわけだが…素人には難しいだろ。色々な意味で。 こちらには神職の方が駐在しているようなのだが御朱印が頂けるかどうか聞く勇気がなかった。弱いな。
     「五社」と言う事であと一つと言う所で時間がなくなった。最後の一つは堺市の中心部近くにあるらしく、 ここにいくと他が回れなくなるので泣く泣くあきらめる。いつか行ってみたい。

    橋を渡ってお参りを〜住吉大社
     大鳥五社めぐりをした…一つ回れてないが…関係で南海「羽衣」駅から移動。 「鳳」とか「羽衣」とかこのあたりの駅は優雅な名前が多い、とか感心していたのだが、 南海線は地元の電車並に電車がないので驚く。しかも住吉大社駅は快速止まらないとか…想定外だった。 ここで大幅に時間をロスしてしまうが仕方ない。
     11時ごろになって住吉到着。この時点ですごく焦っている。
     それはそれとして住吉大社。全国の住吉神社の元締めの一つである。

     こちらには以前来たことがあるので再訪となる訳だが、その時回りきれてないので今度こそ、と思っていた。 しかし飛行機の時間を逆算するとここに来る事すら危ないレベル。 それでも何とかお参りせねばという使命感に駆られての訪問である。まあこちらの都合なので神様に失礼なだけではあるが…
     有名な反橋(太鼓橋)を渡り…今回はコケなかった!…本殿に詣でる。 住吉鳥居(角鳥居)を眺めていたら神職の人が横切った。面白い。面白いと言えば手水舎は兎さんだった。亀とかなら分かるけれど兎は珍しいね。 そしてその先にはいよいよ本殿。住吉作りの四つの本殿は久しぶりにみたがやはり美しい。
     本来なら境内をくまなく回る所だが、前述の通り「時間がない」ので本殿とその付近の境内社に回りきれない無礼をお詫びする。 ここもまた来ないと。

    オフィス街に囲まれた社〜坐摩神社
     住吉大社駅から大阪は本町に移動する。住吉大社駅は快速が止まらないので30分待ち…焦る気持ちを必死に抑える。 本町は地下鉄御堂筋線の駅なのだが、ここで出口が分からずに困る。時間がないのに…とおろおろする。 大阪は土地勘ないから仕方ないが、予定より時間をロスして坐摩神社に到着。
     坐摩神社は「いかすりじんじゃ」と読むが普通に読むと「ざまじんじゃ」であり、実際通称はそうなっているらしい。 このあたりは大阪の中心部であり、いわゆるオフィス街である。 周りはビルに囲まれており、昼なお暗い、と言う表現が当てはまる面白い場所。 東京にもこういった神社がいくつかあるが、やはり田舎者から見ると都会の異様さを示す景色にも見える。 今回も何故か「裏口」にたどり着いたので順次参拝する。 オフィス街の神社とはいえ境内は中々広く、大阪府神社庁が併設されているせいか整然とした綺麗な神社である。 神職の人も多く、と言うか大阪府神社庁の職員の人かもしれないが、対応も親切である。 前述の通り、面白い雰囲気の神社で普通のサラリーマンやOLの人とかが普通に通っている「日常」がまた興味深い神社である。

    そして空港へ〜帰郷
     坐摩神社参拝後、本町駅へ。梅田で乗り換え空港に向かう。 地図上で見ると、坐摩神社から梅田駅までは指呼の間であり通常なら自転車で向かうべきなのだが、 何しろ時間がない上、土地勘のない所で何が起こるかもわからないということで安全策を取る。 今回の旅行全体を通して言えるが結局計画性が無くてこうなるんだよね…
     ともあれここまでくれば乗り換えも問題ないだろうと思ったのだが 梅田駅で地下鉄から阪急に乗り換えるまでの距離が遠くて閉口する。東京駅と大手町駅じゃあるまいし離れ過ぎだろ。
     宝塚線で蛍池まで行き、モノレールに乗り換え。 大阪のモノレールは初めてで、駅が東京のものより「未来っぽい」のに感心する。やるな、大阪。
     空港に到着してチェックイン。荷物預ける際に「重すぎるから次から減らせ。事によったら追加料金とる」と言われる。 20kgが一つの閾値らしいのだが、自転車だけで12kgはあるから中々難しいな、と思う。手荷物とうまく分散するしかないのか。 次からは気を付けよう。
     ようやく昼食にありつけ、適当に土産買ってから飛行機へ。 前と同型のプロペラ機で、最早慣れたのか取り敢えず寝る。ぐぅぐぅ。
     定刻より少し遅れて地元空港へ到着。自転車がなかなか出てこない一気に疲れが出る。家族が迎えに来てくれたので助かった。 その後、ばたばたと帰って飲みに行ったりはしたのだが、ともあれ無事に到着できてよかった。



  • Author : atius