映像作品感想記録(1999-06)


05-Jun-1999

【TVA】「星方天使エンジェルリンクス」第9話「良禽択木」
 元アインホルン帝国作戦参謀、現エンジェルリンクス作戦参謀ヴァレリアの元に かつての同僚がやって来る。帝国に戻らないかという彼の提示した、 かつての地位への復帰への条件はエンジェルリンクスの機密であった… というあらすじで、いってみれば「よくある話」なのだが、 結構面白くみることができた。
 前回が作画・演出レベルがあまりによくなかったせいかもしれないが…
 「オラクルキャノンの射程」や「エンジェル号の死角」など、 おいおい准将にもなってそんなことも気付かんのかい。 アインホルンってのは無能者の集団か!? という突っ込みいれたくなったけど、元同僚の准将の声が若本規夫さんで ヴァレリアの田中敦子さんとのかけあいがよかったのでよしとしよう。
 どうでもいいがサブタイトルは「良禽択木」より 「割れ鍋に閉じ蓋」のほうがいいような気がするのはぼくだけだろうか?

【TVA】「デュアル!ぱられルンルン物語」第9話「エスケープ」
 「ヒミコ」に「ジンム」…「卑弥呼」と「神武」だろうなぁ、やっぱり。
 今回は作画がパワーダウンしまくっていて、 いまいちインパクトが弱かった。 一樹の乗った「神武」の強さというか「不気味さ」というかが 表現しきれてなかったのが痛い。 話的には、 羅螺おやじが一兵卒に格下げされて<黒幕>鮎子が前面にでるようになったりとか、 ミス・ラーこと羅螺みつきが洗脳(「マインドコントロール」だっけ?)されて 戦場にでたりとか、とどめに羅螺みつき+4人が亡命(?)してきたりとか、 結構なターニングポイントで、 その他こまごました演出等も悪くなかった分だけ余計に作画の粗さが気になった。
 それにしても、すっかり「手駒」のなくなった羅螺軍はどうするのだろう? 実は「羅螺鮎子≡真田鮎子」だったりしてそれをもって真田三月をとりこんで… なんてやったら結構笑えるような気がするけど。


09-Jun-1999

【TVA】「星方天使エンジェルリンクス」第10話「遺されし者たち」
 美鳳の祖父の旧友の連れていた孫娘、マーシャはアンドロイドだった。 彼女と出会った美鳳は自らの過去の欠落に気づく…
 今回を含め残り4話ということで、美鳳ともう1人の正体が発覚した。 どちらもこれまでの伏線で驚くようなことはないが、 ここでバラしてしまって残りをどう乗り切るのかいささか気がかり。 どうも演出が散漫なのとなにより作画がひどくて、いまいち乗れない。 どうせビデオ発売が決まっているのだから、もうちょっとマシな作画はできないものだろうか? それにしてもマーシャ=林原めぐみは気づかなかったなぁ。


10-Jun-1999

【TVA】「デュアル!ぱられルンルン物語」第10話「リパトリエート」
 螺羅おかあさんは「こっち」の鮎子さんとは別人だったか… 最近この手の予想は外れてばっかり。
 前半はすっかり「天地無用!」的な、よくいえば「ハーレム」 悪く言えば修羅場な世界。まあAIC作品なんで、 こういうぬるま湯というかきっぱりしないラブコメといのもよかろう。
 今回は三月先輩の「嫉妬」が面白かったが、これは「ヒロイン」(多分)の特権か。
 弥生さんが随分あっさり懐柔(?)されたのと、 Dの感情表現があまりに急激なので、全26話だったらもうちょっとじっくり …3〜4話かけて作るとこなのだろうが、13話のため「無理矢理つめこんだ」印象が強い。
 後半は螺羅おかあさんの陰謀が炸裂してて、話が急展開。 最後の最後で異世界ものの「お約束」である「現世復帰」になったようだが…
先週に引き続き作画レベルがダウンしたのが痛い。 もうちょっとなんとかならなかったのか…


11-Jun-1999

【映画】「007オクトパシー(original title:Octopussy)」 1983年イオンプロ作品
 殺害された009の持っていた偽のファベルジュエッグの謎を追う 007=ボンドは本物の「エッグ」を落札した大富豪カマル=カーンに不審を抱く。 カマル=カーンはソ連のタカ派オルロフ将軍と結託し、 ソ連の軍事的影響力を拡大しようとしていたのだった…
 007第13作。例によって例のごとく、007大活躍というお話なのだが、 みてて肩もこらないし、字幕にさえ集中しておけば気楽に楽しめる作品。 敵が「アフガンの貴族」だというのはともかく、 その相棒がソ連の将軍というのが時代を感じさせる。 なにしろ「ベルリンの壁」がでてるんだもんなぁ。
今から15年も前の作品になるのだから当然といえば当然だが、 この時代スパイは仕事に事欠かなかったのだ、と改めて実感する。 ボンド役のロジャー・ムーアは次作「美しき獲物たち(View To A Kill)で ボンドを降板するわけだが、そのわりには結構飛んだり跳ねたり (ほとんどはスタントマンだけど)しているような気がする。
 前半の舞台インドの風景が美しく、そのあたりも見る価値があると思う。
   それにしてもいくら「タコの権威」だからって 自分の娘に「オクトパシー」とつける親ってのもなぁ… 外国じゃ普通のことなんだろうか?


12-Jun-1999

【映画】「裏窓(original title:REAR WINDOW)」
 何度見たか忘れたほど何度も見ている、ヒッチコックの有名な作品。
 6月の初めの深夜枠で2ヶ国語版をやっていたので録画しておいたのをやっとみた。 話はすっかりわかっているが、徐々に盛り上がっていく緊迫感が良い。 最初のほうはちょっとタルいが、グレース・ケリーが美しいからすべてOK。
 原語がわかればいいのだろうが、 やっぱり気楽にみるには吹き替え版がいいなぁ。


16-Jun-1999

【TVA】「星方天使エンジェルリンクス」第11話「0と1の狭間で」
 まず最初にレオン=豪竜の秘書2人組の名前が「セクとレタリー」って、 「昔のマンガ」かい!
 でも声優は高山みなみ…脇役や1回限りっぽい役は声優充実してるなぁ、 この番組。
 前回「生体アンドロイド」であることが発覚した 美鳳が悩む話。 前回までの作画があまりにも…だったが今回は少々復活しており、 結構見やすかった。 ただし話的には「随分あっさり立ち直ったなー」という印象。 残り話数がないので仕方ないのはわかるのだが、 どうやって「何もしなければ何も解決しない」 という結論に到達したのかが分かり難い。 これが話のキモだと思うのだが、これがお座なりなのはちょっと問題か。 最終決戦への導入はありがちだが、悪くない。 但し、その「導入」になった原因をみて、 「子どもがウィルス感染してるのに誰も気づかなかったんかい。 宇宙船の衛生管理はどーなっとんじゃあああああ〜」 という突っ込みしたくて仕方なかったぞ、っと。


17-Jun-1999

【TVA】「デュアル!ぱられルンルン物語」第11話「リアル」
 敵の砲撃の閃光か消えた時、一樹の居たのは「元の世界」だった…
 異世界モノのお約束、「元の世界への帰還」の話。 親しい顔、見知った顔も他人の顔をする「私たちの本来の世界」… 第2話「マイ・ホーム」と対になる話ということだろう。 AICらしく、そつのない作りで、 いうなればデュアル!版「東京上空」といったところか。 元の世界に戻って一樹を独占するのが楽しそうで、 できれば一樹を「あの世界」に戻したくないけれど、 忸怩たる想いを拭い切れない三月の描写が良い。 しかし、一樹が「あの世界」に戻るに際して「枷」となるべき両親との絡みが ないので、そのあたりが軽く見えてしまったのはマイナス点。 せめて三月さんに「どうして戻らなければいけないのっ」 と激昂させるくらいはあってもよかったのではないかとおもう。
 絵的には初期のクオリティはないものの、止め絵を多用することで、 なんとか最低ラインは保持している模様。 あと残り2話はなんとか初期のレベルの絵をみせてほしいとおもう。
 交錯を始めた2つの世界。敵に捕らわれた三月。 全ては収束へ向かって走り始めた。 「お約束」な世界ながら、それだけにラストは読めない。 あと2回楽しませてくれそうだ。


23-Jun-1999

【TVA】「星方天使エンジェルリンクス」第12話「All My Soul」
 弥生を危機に陥れた豪竜と最後の決戦を挑むべく、 豪竜のいう「おまえなら知っている」場所へ向かう美鳳。 そこは全ての始まりの場所だった…
 「誰も巻き添えにしたくない」と仲間たちをおいて、 一人小惑星ミステルに向かう美鳳と、そんな彼女を放っておけない仲間たちを描く 「よくある話」なのだが、仲間が美鳳をそこまで思いやるのにいまいち共感できない… おそらくこれまでの演出でそいう感情移入するような要素を 盛り込んでおかなかったためであろう。 本来最終回直前の話は、そういう感情移入を盛り上げるところで、 ある意味一番面白いエピソードのはずで、今回は悪くはなかったが 盛り上がりに欠けるという感じ。 次回の最終回でいよいよすべての謎が明かされるのだろうが、 次回予告を見る限り「絵」が不安だなぁ…


24-Jun-1999

【TVA】 「デュアル!ぱられルンルン物語」第12話「アーデント・デザイア」
 羅螺軍に捕らわれた三月を救うため、一樹たちはパリへ向かう。 しかし一樹は身体の不調を覚える。そしてそのとき凱旋門に自由の女神が…
 前回から暗示されていた「2つの世界の交錯」が本格化してきた。 このままでは2つの世界はともに滅びてしまう…というのに 嫉妬モード炸裂…これまた巧妙な「マインドコントロール」か…で 敵に寝返って完成体HIMCのパイロットをやってしまう三月が笑える、と思っていたら、 なんだか雲行きが怪しくなってきた。 次回最終回だが、これにどうオチをつけるんだ? 「ヒロインがラスボス」っていうとGガンダムを思い出すが、 「お前が好きだぁあああああ〜」とはいかないだろうなぁ。


25-Jun-1999

【DVDソフト】 「DVDウルトラセブン」VOL.1 ビームエンターテインメント
第1話「姿なき挑戦者」
第2話「緑の恐怖」
第3話「湖の秘密」
第4話「マックス号応答せよ」の4話及び 特技監督、高野宏一氏のインタビューを収録。
「ただの風来坊ですよ」「地球人の男性はかわいい女の子に弱い」だの いまでもしっかり覚えている話の数々。やはり良い物は何度観ても面白い。 DVD版になって画面および音声がクリアになったのもうれしい。 DVDに移行を考えていて興味ある人は買うべし。

【DVDソフト】 「DVDウルトラセブン」VOL.2 ビームエンターテインメント
第5話「消された時間」
第6話「ダーク・ゾーン」
第7話「宇宙囚人303」
第8話「狙われた街」の4話及び 監督、満田禾斉氏のインタビューを収録。
地球と衝突するペガッサ市。そのいずれかしか救えないとき、 それぞれに属するものたちとその間に挟まれるセブンの立場を描く 「ダーク・ゾーン」もいいのだが、 この巻はやはり 「我々人類は今、宇宙人に狙われるほどお互いを信頼してはいませんから」の 「狙われた街」だろう。 見所はやはり四畳半の卓袱台でダンと語り合うメトロン星人だ!

【DVDソフト】 「DVDウルトラセブン」VOL.3 ビームエンターテインメント
第9話「アンドロイド0指令」
第10話「怪しい隣人」
第11話「魔の山へ飛べ」
第13話「V3から来た男」の4話及び 制作デスク、梅本正明氏のインタビューを収録。
何を隠そう、子供の頃はチブル星人が恐かったのだ。 ウルトラシリーズではウルトラマンなどと格闘する必要上から 人型ないしそれに類する「きぐるみ」が多いのだが、 セブンではクール星人やチブル星人などのような非人型の宇宙人も多く、 子供の頃はその造形がかなり恐かったものである。 それはそれとして本来ならこの巻に「第12話」が収められているはずだが… やはり今になっても収録できないらしい。残念


26-Jun-1999

【DVDソフト】 「神秘の世界エルハザード 第一夜〜第四夜」 パイオニアLDC
 謎の遺跡に眠っていた美女の力で 「エルハザード」と呼ばれる異世界に飛ばされた水原誠たちは、 人間=同盟軍と昆虫型生物=バグロムとの争いに否応なく巻き込まれる。 最終兵器「神の目」を巡って、聖なる山への冒険、幻影族の暗躍、 そして伝説の鬼神の復活…
 '95年から発売されたOVAシリーズのDVD版。
  第一夜「混戦の世界エルハザード」
  第二夜「美女の世界エルハザード」
  第三夜「温泉の世界エルハザード」
  第四夜「鬼神の世界エルハザード」の前半4話を収録。
昔レンタルビデオでみただけだったが、さすがに画質は上々。 特筆すべきは「音声」パートで、通常の日本語版は当然として、 5.1ch音声版は新録(去年だったか一昨年にBOX仕様で再版された時のVersion。 主役の声など一部キャストが違う)で、さらに英語版をも収録されている。 最初の発売当時1話あたり5800円であったので、 再版であることを考慮しても今回の4話入り6800円はかなりお得である。 やるな、PioneerLDC。
 ここまで充実してるとなると、 LD持ってるけど「天地無用」(OVA版)も買っておこうかなぁ。

【DVDソフト】 「デュアル!ぱられルンルン物語」Vision001 パイオニアLDC
 高校生、四加一樹はロボットの幻…Visionがみえることで有名だった。 ある日彼に声をかけてきたのは学園のマドンナ的存在、真田三月であった。 彼女に引き合わされた彼女の父、自称「異次元専門物理学者」真田賢の作った装置の 閃光に包まれた次の瞬間、 彼の居たのは現実にロボットの存在する世界だった…
 WOWOWで放映中の作品のDVD化。初回限定BOX仕様。
  第1話「ライフシンパシィ」
  第2話「マイ・ホーム」を収録。
 現時点で12話(最終回の1話前)までみているが、 見直してみると、しっかり伏線というか それぞれの人間関係がしっかり描かれているなぁ、 という感想。 とくに人間関係の描写は話が進につれて微妙に変化しているので、 さすがAICの作るアニメ、そつがないな、というところか。
 それはいいが、まあ、この作品に限った話ではないのだけれど、 旧作のDVD化はかなりお得な価格で販売をしているのに、 新作とはいえTVシリーズのソフト化は2話入り5800円というのは いささか高いと言わざるを得ない。 せっかくDVDにするのだから同じ値段で 3話ないし4話収録するとかしてほしいところである。

30-Jun-1999

【TVA】「星方天使エンジェルリンクス」第13話(最終話)「天使のかけら…」
 異星文明船で宿敵豪竜と対峙する美鳳は…
 まずはなんといっても「おいおい最終回までこの作画かい」。 ストーリー的には展開が唐突過ぎるというのが感想。 これまでの12話で個々のサブキャラの描き込みが足りないので、 彼らが美鳳を信じる根拠が良く分からないために彼らのセリフが上滑りしている。 また、ラスボスまでの障害を仲間が押さえてその間に自分は先に、というお約束な展開も 中途半端なものだったので「だからなんなんだ」という感じ。 とどめはなんといってもいきなり「良い人」になってんじゃねーぞ、豪竜 というとこか。ここまで来たら徹底的な悪に徹してほしいところであったが、 突然、美鳳をかばったりするものだから、結局こいつは何だったんだとしか思えない。
 豪竜が半端なら主役の美鳳も半端で、 自分の秘密を知ったときの落胆から11話時点で吹っ切れたはずなのに、 なんだかうじうじとしてシリーズ前半の「美鳳」らしさのかけらもない。 それに最後の最後で「やっと手に入れた自分の人生」でああいう生き方選ぶとは どうしても思えない。 最後の瞬間まで自分の仲間と過ごすことを選びそうなものだが…。
 前半までの「らしさ」が後半から急激に変更され、 いろいろなエッセンスを詰め込んだ挙げ句にどれも失敗してしまったのではなかろうか。 いっそギャグならギャグ、シリアスならシリアスで一本筋を通しておけばここまでなかったろうに… 話数も多くないのだからそのあたりの構成をもうちょっと考えてほしかったところ。
 最後のゲストの声が小山茉美さんで、つくづくゲスト声優豪華な作品だったな、 というのがせめてもの救いか。

Author : suita@terra.dti.ne.jp