2001年にBSデジタル放送の枠で放映された「まほろまてぃっく」アニメ版のDVDです。 放送局が放送局だったので全く観ることができず、買おうかどうしようか迷っている間に第2シリーズのリリースまで始ってしまい、 「出遅れた」わけですが、まとまったところで一気に観ることになりました。 基本的には中山文十郎+ぢたま某の原作に沿ったつくりで、絵も演出も特に奇を衒ったものはなく、 手堅く普通に作っているという印象を受けました。 ある程度は原作が出揃っている上、話数が少なめ(12話)のため、良くありがちな「アニメオリジナル」なエピソードというのはなくて、 演出や小ネタに多少アニメスタッフの独自性が出ているのみなので、「漫画と同じ」といってしまえばそれまでですが、 逆に「安心して観ることができる」という感じもします。 ただカットされた小ネタがない分、多少物足りないという気がしますが。
 まほろが優のところに来てから、かつての宿敵リューガとの決戦までがエピソードとして収録されていますが、 比較的ほのぼのな前半はともかく、「過去に追われる」状態になった後半の暗いエピソードにあまりあっているとはいえない エンディングはちょっと…と思うところがあったりします。
 声優については最近の人はあまりしりませんが、まあこんなものかと思います。 ただ、優の同級生の女の子3人は微妙…慣れの問題かもしれませんが。 原作でもまほろの「三つのしもべ」のひとつ…アニメには言葉だけで実際には1つしか出ませんが…のスラッシュは デザイン的にまんま「ロデム」ですが、声も「ロデム」だったのがちょっと面白かったです。 ベテランがこのようなものに普通に出ていると少し浮いてるような気もしないでもないではないですが、それはそれで悪くないです。
 最終話の時点で第2シリーズがあるかどうかは不明だったのか、それとも決まっていたのかはわかりませんが、 最終話があまり最終話らしくない(それなりの盛り上がりはあってクールごとのまとめ程度ではあります)ので 少し物足りないところはありますが、結果として第2シリーズが出来ているのではこれはこれでいいのかなあ、と思わないでもはありません。
 ともかく、手堅いつくりで特に肩肘張らずに普通に観るには良い作品だと思います。

 「まほろまてぃっく」の第2シリーズです。 ヴェスパーでもセイントでもない、地球人の組織「管理者」から脱走したサイボーグ370号がまほろと優の前に現れたことから 話が始ります。原作で言えば単行本の5巻からとなりますが、どうも「悪」っぽくない異星人、セイントに対して、 過去の時代より世界を裏から操ってきたという「管理者」が露骨に「悪」であって、まほろの過去など多少暗いところもあった のですが、一応ほのぼの系であった作品が原作と同様、少し暗い雰囲気をまとうようになります。 このシリーズも話数が少ないようなので、原作のエピソードを追っていくようですが、 第2シリーズとなるとスタッフも慣れて、原作のエピソードを追いつつもそれに独自の解釈・演出を入れる余裕が出てきたのか、 3話・4話、特に4話は原作をベースに似ても似つかない話にしてきています。 ただ、正直なところ、原作とは違う展開にしたメリットがないというか、はっきりいえばいまいちな感じは否めません。 4話は原作では全く別の女子高(式条先生の妹がいたりしますが)に潜入して、 束の間の女子高生活と別れがあったりしてリリカルな部分もあったのですがアニメではその部分をばっさりカットして 外すだけ外しています。声優の都合とかがあって、まほろと優以外はまったく別キャストにするというのはやりにくいのでしょうが、 だからといってここまで外したエピソードにするのはちょっと…。 第1シリーズが比較的手堅かったのに比べると第2シリーズは出だしから少々不安をはらんでいますね。

 1989年に終了した「聖闘士星矢」の続編、「ハーデス編」の第一幕、聖域十二宮における死闘を描く第1話です。 「ポセイドン編」の終了とともにTVシリーズは終了しましたが、「ハーデス編」(の前半)はデジタルCSのPPVとして配信されることとなり、 かつてのファンをターゲットに絞っていると予測され、時の流れを感じることしきりです。
 時の流れといえば、さすがに新作だけあってかつてのTVシリーズでは考えられないCGを多用し、デジタル彩色になった画面にも それを感じてしまいます。絵は綺麗なのですが、かつての太い線の少し荒れた「味」というのが整理されすぎてるので、 バトルの部分が綺麗過ぎて少し迫力に欠けるような気がします。
 「冥王ハーデス十二宮編」では黄金聖闘士が中心になりますが、その一人、牡羊座のムウは TV版では塩沢兼人氏でしたが、鬼籍に入られたために、このシリーズでは山崎たくみ氏となっています。 塩沢氏の独特のしゃべりの印象が強い(TV版のDVD観なおしたばかりなので)ため、 少し違うなあ、と思うのですが、最初予測したほどでもないので、いずれ慣れるでしょう。 この他、次の話から出てきますが、サガ・シュラ・カミュあたりもTV版の声優さんとは別の人になってるらしいので、 このあたり大丈夫か、と不安と期待を抱いております。 ただ、主役の星矢ら基本はTV版と同じキャストなのでそのあたりはうれしいところです。
 どうでもいいですが、ムウを平伏させる「謎の人物」…といっても原作知ってる人には正体バレバレですが、 この人の役名が「ボロ布」ってのはあんまりじゃないですか?>スタッフさん。
 話の内容は原作に沿っていますが、結構削って展開を急いでいる印象です。 つかみとしては悪くないですが、それはあくまでTVないし原作を知ってる人についてで、 少し盛り上がりに欠ける気がしないでもありませんが、原作もこのあたりはこんなもんだったので、 今後の展開に期待するしかありません。 OP・EDは悪いとは思いませんが、せめてOPはもっと勢いというか熱さが欲しいところです。 「ペガサス幻想」のノンテロップ版が収録されてるからなおさらそう感じます。 早く「無駄に熱い」バトルものとして蘇ってほしいものです。
 本編の他、30分弱でTVシリーズをまとめた総集編付き。圧縮したら30分で説明できるんですね。