迫る吹奏楽の大会
アイツの言ったひと言が明らかになる!


『アイツが禍の種を蒔いた』 part3

    同僚の男性教師にだけ告げられた言葉。

吹奏楽部、指揮者は一体誰には?









  


男が重い口を開いた。「アイツ、本当は山になんか登ってない。病気と闘っているんだ」。教師たち、驚きを隠せない。「病気って?」「はっきりとは言わなかったが、多分白血病だろう」。 ひとりの教師が思い出した。確か、忘年会二次会で歌わなかったアイツへの罰ゲームがあったような……。泥酔した教師たちに罰ゲームを強要されたアイツがついたささやかな嘘。それが……。 指揮棒をもって、エア指揮に興じる男性教師。やはり、結局はこの男が……?








   






吹奏楽の大会当日。同僚の女性教師の結婚式に出席する教師たち。 そして、男性教師。実は、今日の花嫁とかつて恋愛関係にあった某教師が元の吹奏楽部顧問だった。ここはもう、彼しかいないと、みんなで口説き落としたのだ。 ひとつ、問題が残った。アイツの罰ゲームの処理は誰が?悲しきは、誰にも言わず秘密を守り通してきたこの男性教師。願う刃アイツの早い復帰か。