父、母、夫、私の4人家族。
昼食と夕食を作るのは私の役目だ。
畑でできる野菜やご近所の農家からいただいたく野菜が大量に集結することがよくある。
また、うちは牛の畜産農家なので大量の牛肉が冷凍庫に待ちかまえていることもしばしばだ。
70代の味には保守的な両親である。いろいろと味の冒険をしてみるわけにもいかない。
今日はどうしようと頭を悩ませるが、そんな制限があるところも面白いと思う。
 
 2002/3月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
3月6日   ひる   冒頭にも書いたように、うちの両親(義理の)は畜産家だ。朝早くから夜まで365日休みなく働きまくっている。70才を越しているというのに。それはほんとうに神々しい姿だ。
しかし、 狂牛病で牛が売れない。
農協のすすめる「消費拡大」で牛肉を大量に買い(買わされ)冷凍庫には牛肉がまだたくさん残っている。牛肉は「塩こしょうでシンプルに炒める」のがもっともおいしいと思うのだが、そればかりだとおいしいとはいえ、さすがに飽きてしまう。牛肉を使った料理を日々考えている。
●フライパンで作る肉じゃが
うちの畑から山のようにたくさんのブロッコリーが採れた。 ブロッコリーって買うとけっこうしなかったっけ? ふと一年前までの東京時代を思い出す。山のようなブロッコリー。「宝の山」のように感じる。ぜいたくだ。
●ゆでブロッコリー
●みそ汁(大根・しいたけ・万能ねぎ)

●お母さんの漬けた白菜漬け
●お姉さんのおみやげの松前漬け
 

    よる   お母さんが畑から大根を採ってきた。うちの畑ではこの冬最後の大根だ。もっと大きくなるだろうと期待して畑にずっと放っておかれた大根だが、期待がはずれて小さいままだ。寄せ集めて父さんの好きな煮物にした。案の定、ペロッとたいらげてしまった。
鶏肉と大根の煮物

新鮮な大根には新鮮な葉っぱがついてくるからありがたい。
大根の葉っぱと揚げとしらすの炒めもの
●ゆでブロッコリー

お母さんはふきのとうも採ってきた。春だ。冬眠から目覚める味と香りだ。冬眠明けの熊もまずはふきのとうを食べるらしい。
みそ汁(豆腐・舞茸・にんじん・ふきのとう!!)
●お母さんの漬けた白菜漬け
●お姉さんのおみやげの松前漬け

3月7日   ひる   いつもより5分遅れで台所へ行くと「今日は1時にお客さんが来るから早めにね」とお母さん。簡単に済ませなくては。ということで冷凍食品を揚げるだけにした。
メンチカツ

油ものにはさっぱりしたものを。畑から採れたキャベツがこれまたゴロゴロ転がっている。使おう。
キャベツとみつばの酢の物
昨日の夜と今日の朝用に作ったみそ汁もけっこう余っている。利用しよう。
みそ汁(豆腐・舞茸・にんじん・大根・しいたけ・ふきのとう!!)
●小松菜のおひたし
●お母さんの漬けた白菜漬け

●お姉さんのおみやげの松前漬け
 

    よる   昨日はごぼうとねぎもたくさん採ってきた。冷蔵庫には今日が賞味期限のちくわがある。
牛肉とごぼうとちくわのすき焼き風
まだまだあるキャベツを使いたい。お母さんが「おいしいねぇ」と云ってくれた。これを作ろう。
キャベツのマヨネーズサラダ
みそ汁(にんじん・しめじ・わかめ・麩)
●小松菜のおひたし
●お母さんの漬けた白菜漬け

●お姉さんのおみやげの松前漬け

3月8日   ひる   春めいてきたとはいえ「北側に面していてだだっ広い」我が家の台所は極寒だ。今日も毛糸の帽子とマフラーをつけて、いざ昼ご飯。
白菜と豚肉の重ね焼き
またみそ汁が余っている。
みそ汁(にんじん・わかめ・しめじ・しいたけ・ふきのとう)
●小松菜のおひたし
●お母さんの漬けた白菜漬け

●お姉さんのおみやげの松前漬け
 

    よる   夕方、台所から漂ってくるいい匂い。先日たくさん採れたごぼうを使って、お母さんがきんぴらごぼうを作っているのだ。うちではきんぴらごぼうを作るのはお母さんの担当なのだ。
お母さんのきんぴらごぼう
我々がここへ越してくる前から、お母さんが「農協のふれあい食材」というものをとっている。週に3回、簡単に調理をするだけで食べられるものが4、5種類冷凍で届くのだ。農協の全国津々浦々のネットワークを活用しているのだろう、魚も肉も調理済み製品もおいしいのだ。今日はその中から、
かつおのたたき
手打ちうどん
を選んだ。「ふれあい食材」は2人分。心もとないので
中華卵
も作ってみる。
みそ汁(じゃが芋・しいたけ・にんじん)
うどんのつゆ(しいたけ・にんじん・ねぎ)
●小松菜のおひたし
昨日の残りの牛肉とごぼうとちくわのすき焼き風
●お母さんの漬けた白菜漬け

3月9日   ひる   またまたたくさん採ってきたブロッコリーとまだまだたくさん残っている牛肉を組み合わせることにした。
牛肉とブロッコリーの炒めもの
毎日とても忙しい母。後日楽なように、きんぴらごぼうを作るときは一度に大量にだ。
お母さんのきんぴらごぼう
そしてこれまた春めいてきた近頃になって、たくさん採れるふきのとう。みそ汁に散らすだけではなくならないので、お母さんに教わって作ってみた。
ゆでふきのとうの醤油和え
みそ汁(じゃが芋・しいたけ・にんじん・キャベツ)
●小松菜のおひたし
●お母さんの漬けた白菜漬け
 

    よる   去年の秋に里芋の収穫を手伝った。恥ずかしながら里芋を掘るのは初めてだった。力をこめて掘っていたけれど、お母さんにコツを教わったら、するすると無駄 な力を使わずに掘ることができた。何事にもコツというものがあるものだ。そして、長いことそれをやっていた人には知恵がある。この先もきっとまだまだ知らないいろいろな知恵をさずかることになるのだろう。
里芋の煮物
白髪ねぎをのせて、酢醤油で食べたらおいしかった、
さばの塩焼き
ゆでふきのとうの醤油和え
みそ汁(豆腐・舞茸・にんじん・ごぼう・ねぎ)
小松菜のおひたし
お母さんの漬けた白菜漬け

3月10日   ひる   きょうは牛市場の日。お父さんがなんと「ヒレステーキ肉」を買ってきた。
悶絶するほどの素材の旨さに、私なんかの出る幕なし。
●牛ヒレ肉のステーキ
●ブロッコリーのサラダ
●みそ汁(豆腐・舞茸・にんじん・ごぼう・ねぎ・しいたけ)
●小松菜のおひたし
●お母さんの漬けた白菜漬け
 

    よる   夕方に父が「ステーキを焼いて」と云う。確かにあと1回分ヒレステーキ肉があるのだ。父にステーキを焼く。残りの3人はステーキの連続には畏れ多さを感じてしまう。
●鶏肉の照り焼き

キャベツとみつばの酢の物
お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(しいたけ・にら・溶き卵)
小松菜のおひたし
お母さんの漬けた白菜漬け

3月11日   ひる   白髪ねぎを作ると残ってしまう、ねぎの芯や青い部分をとっておいてある。かなりたまってきた。そうなったらこれを作るのだ。
●豚肉のしょうがゆで焼き
ブロッコリー。アレンジを変えてみる。
●ブロッコリーのごま和え

お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(にんじん・舞茸・わかめ・ふきのとう)
小松菜のおひたし
お母さんの漬けた白菜漬け
 

    よる   今日は両親が畑にじゃが芋を植えつけてきたらしい。じゃが芋を切り分けて土に埋めるのだ。土間に埋めきれなかった「切ったジャガ芋」を発見。こういうものは、はやく使ってしまわねば
●じゃが芋とこんぶの酒・醤油煮
●かじきまぐろの塩焼き 醤油かけ

キャベツのマヨネーズサラダ
みそ汁(にんじん・しいたけ・麩・小松菜)
小松菜のおひたし
お母さんの漬けた白菜漬け
それにしても醤油味ばかりだ。夜中に空腹になると強く思うのだ。あぁ、スパゲッティーが食べたい! トマトソースが食べたい! アンチョビ味が食べたい! バジル味もいいな。シャンツアイをむしゃむしゃ食べたい!! などと。S家の食卓ではそれは無理だ。次回の東京行きが待ち遠しい。東京ではこういったものを食べるのだ。

3月12日   ひる   なんと私のパソコン<Power Mac・8500>が起動しなくなってしまった。再起不能だ。午前中にあわてて電気屋へ行く。<iBook>を取り寄せる手配をする。
そんなこんなで、昼食の準備に間に合わなかった。老夫婦と若夫婦は別々に昼食をとることにした。我々は迷わずスパゲッティー屋に入った。「願い」ははやくも叶ったわけだ。
ちなみにS家の食卓では
●牛ヒレ肉のステーキ
を食べたそうだ。
 

    よる   朝食に使ったベーコンの残りを冷蔵庫にしまうのを忘れていた。使ってしまわないといけない。今夜は醤油味から脱却してみようか。
●じゃが芋ベーコン カレー味
●ふれあい食材のハンバーグ
●ふれあい食材のグラタン

畑で採れたあぶら菜。苦くておいしい。あぶら菜をゆでて、水に放ってみて驚く。あぶら菜って、ほんとうに油があるんだ。水に油膜が広がっている。
●あぶら菜のおひたし
●こんぶ豆
●みそ汁(豆腐・大根・舞茸・しいたけ・ねぎ)

3月13日   ひる   台所へ行くとお母さんがきんぴらごぼうを作っている。
お母さんと2人で台所に立つことは珍しいことだ。いつもは私が台所にいるときには席を外し、こたつに入っている母だ。「女が2人台所に立つ」という状態をよくないことだと知っていて、気を遣ってくれているのではないかと思われる。さっぱりしていて、かつ思いやりがあり、アッパレな母である。
料理を作るのには集中力が必要である。台所で誰かに気を遣ったり、気を取られているのはよくない。
4-1-2=1。ヒレ肉が1切れ残っている。4人で公平に分けるとしよう。

●ヒレ肉入りもやし炒め
●お母さんのきんぴらごぼう
●あぶら菜のおひたし
●みそ汁(大根・舞茸・しいたけ・わかめ・ふきのとう)
 

    よる   朝食の鮭の塩焼きが1切れ残ったままだ。4人で公平に分けるならば。
●鮭とわかめの酢の物
●ふれあい食材のトンカツ、メンチカツ

●お母さんのきんぴらごぼう
●あぶら菜のおひたし
●小松菜のおひたし

●みそ汁(にんじん・しいたけ・ごぼう・油揚げ・ねぎ)

3月14日   ひる   何を作ろうか。まるきり思い浮かばない日もあるものだ。こうしようという強い意志もないまま視界に入ったものを使っていく。無我の境地。
●牛肉ときのこの炒めもの

●お母さんのきんぴらごぼう
●小松菜のおひたし
視界に入ったもので、そろそろ使い切らなければならないものを使っていく。根菜のみそ汁に溶き卵を入れてみた。ごぼうのアクで溶き卵が汚くなってしまった。失敗だ。
●みそ汁(にんじん・しいたけ・ごぼう・溶き卵)
 

    よる   豚臭い。台所の向こうに豚を飼育している農家がある。牛は植物性のものしか食べないのでにおいはそれほどでもないのだが、豚は魚粉なんかも食べるらしく、強烈なにおいなのだ。仕事なのだから仕方がない。しかし、このにおいに包まれて食事を作るなんて、めまいがしそうだ。でも、におってくるのも気温の上がった「春の訪れ」と思うことにする。
●上州・手打ちうどん
●上州・手打ちうどんのつゆ

うどんをゆでるのに湯を沸かす。ゆでるのがうどんだけではもったいないので、何かゆでるものを作ってみる、というのも知恵。
●根みつばとしらすの和え物
●うどの酢みそ和え

●厚揚げのしょうがあんかけ
●小松菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう

3月15日   ひる   今日から数日、S家をあけることになる。そういうときは、申し訳程度にだが何かを作っておくことにしている。今日は大きな鍋に大量 の豚汁を作っておくことにした。
●豚汁
昨日、酢みそ和えを作って残った、うどの皮を使って、これを作る。
●うどの皮のきんぴら

●小松菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
あと片付けが済んだら、台所の配置換えだ。私が留守をしている間、お母さんが炊事をすることになる。道具など、お母さんの使いやすいようにしておくのだ。
 

3月19日   ひる   数日、S家を留守にしていた。何日か台所に立っていなかったので頭や体が鈍っているような気がする。
冷蔵庫の中にゆでてある小松菜と根みつばを発見。留守中にお母さんがゆでたものだ。献立のヒントを得た。
●小松菜と根みつばの酢醤油 おかか味
あとは冷蔵庫の中の使ってしまわなければならないものを組み立ててゆく。
●ふれあい食材のポークソテー
●ゴーヤーとしめじの炒めもの
●お母さんの里芋の煮物
●みそ汁(舞茸・にら・溶き卵)
 

    よる   このたびの上京で実家の母に教わった「東京かぶれ」な一品を作ってみる。
●まぐろと根みつばのナンプラー味
ナンプラーはS家では受け入れられないだろう、絶対に! ということでこれも作っておく。
●まぐろのわさび醤油・とろろかけ
お彼岸だ。この時期のきんぴらごぼうには、にんじんを入れないものらしい。赤い色だからだそうだ。
●お母さんのきんぴらごぼう
根みつばをお隣の野菜農家からたくさんもらった。たしか、去年は4月上旬にもらったのだが、やはり今年は暖かいのだろう。

●小松菜と根みつばの酢醤油 おかか味
●ゆでふきのとうの醤油和え
●お母さんの里芋の煮物
●みそ汁(にんじん・しいたけ・油揚げ・キャベツ)

3月20日   ひる   目覚めはさわやかだというのに一日中眠くてたまらない。春だからだろうか。ぼーっとした頭で台所へ降りていくと、少しずついろいろなものが残っている。
●さんまの塩焼き(二人分)
●鶏肉の照り焼き
(二人分)
●小松菜のおひたし
●根みつばのおひたし

冷蔵庫の中にも少しずついろいろなものが残っている。これで色とりどりのサラダを作ってみる。暖かくなってきたのでサラダを食べたくなるのだ。
●サラダ(トマト・うど・ゆでたいんげん豆・ゆでたもやし・大葉・小松菜の菜の花 )
●うどの皮のきんぴら
●お母さんのきんぴらごぼう
なんとみそ汁まで残っている。ごぼうを足す。
みそ汁(にんじん・ごぼう・しいたけ・油揚げ・キャベツ)
 

    よる   今、台所の土間にある、うちの畑で採れたあぶら菜、お隣からもらった根みつば、どれもコクがあってはっきりした味がする。ゆで加減をみるために食べてみるときに感動してしまう。こういうものを食べることができるなんて、なんとぜいたくなことだろう。感謝。
●あぶら菜のおひたし
●根みつばとわかめとじゃこの酢の物

そんな菜っぱ類に父は大量の唐辛子と大量の醤油をかけて食べるのだ。さすが一日中肉体労働をしている人だ。運動不足の我々若夫婦にはできない技だ。
さばは塩焼きにして醤油をかけて食べるのがいちばんおいしい。と私は思っているのだが、なんだか醤油味ばかりで変化がないと思い、味噌煮を作ってみることにした。キング・オブ・おふくろの味。
●さばの味噌煮
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(豆腐・えのき茸・しいたけ・舞茸)

3月21日   ひる   春分の日。私の記憶によると春分の日は毎年天気が悪い。今日の群馬は曇っている。どうせだったら雨が降ればいいのに。ここのところ雨が降らないので、乾燥している。風ばかり強く吹くので、部屋の中まで砂でじゃりじゃりしている。
「畑にまいた種も芽を出さない」とお母さんが嘆いている。
お彼岸には「おこわ」。どうやらそういうものらしい。おこわを作るのもお母さんの担当だ。どんなものかというと…赤飯の赤くないものを想像してみてほしい。赤い色のあまり出ない豆を使っているのだ。きんぴらごぼうのにんじんもだが、お彼岸にめでたい色である「赤」は禁物のようだ。
●お母さんのおこわ
冷蔵庫に今日中に使ってしまいたい鶏肉がある。土間には使い切れずに残っているキャベツがある。この組み合わせ、どこかで見たような…そうだ。先日、東京で食べた「ダッカルビ」なるものに挑戦してみよう。記憶をたどりながらの作業だ。
●ダッカルビ

家族とはいえ40才ほども年上の人に「初めて作る料理を食べてもらう」ということは緊張をともなうものだ。そんな心配をよそに、けっこう食べてくれた。また作ってみよう。(ほんとうの作り方をご存じの方、お知らせください)
●だし巻き卵
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(にんじん・油揚げ・にら)
 

    よる   S家には曜日に関係なく労働が待っている。しかし、祭日である今日、空の下にはのんびりとした空気が漂っている。そんな空気に身をまかせてしまい、今日は絵筆が進むことなく夕方が来てしまった。台所へ行こう。4つの胃袋が待っている。
2週間ほど前に畑から採ってきたごぼうがしおれてきたのでバケツに水を張って入れてある。こうなったら、どんどん使わなければならない。
●牛肉とごぼうとしめじの炒めもの
またまた目についた野菜でサラダを作る。空気が乾燥していてのどが渇くのか、サラダがひじょうに恋しいのだ。
●サラダ(トマト・いんげん豆・きゅうり・大葉・豆腐)
●鮭の塩焼き

●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(じゃがいも・玉ねぎ・わかめ)

3月22日   ひる   今日も朝から曇り空。春のどんよりとしたこの感じもいいものだ。窓から見える神社の桜のつぼみも「もうすぐ咲くぞ」という勢いでうっすら赤くなっている。
「牛肉をもらったから、ねぎと一緒に煮ておくれ」と母。そう「煮る」のだ。「炒める」でなく「煮る」のが両親の好みなのだ。こんなに上等な牛肉は塩こしょうでさっと炒めたらさぞかしおいしいだろう、と思うのだが…。リクエストに応え、牛肉を煮る準備にとりかかる。
●牛肉とねぎの煮もの
土間に山積みの白菜。お母さんがもう一度、漬け物にしようかと云っていたのでそのままだが、少し拝借してしまおう。
●白菜の中華風サラダ
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(にんじん・舞茸・しいたけ)
 

    よる   月に一度、となりの村から「もつ煮」を売る車がやって来る。郷愁をそそる笛の音を流して。ちなみに今月は「ケンタッキーの我が家」を流してやって来た。
●永井食堂の「もつ煮」
ちりめんじゃこの賞味期限がとっくに切れている。加熱すればまだ大丈夫だろう。
●冷や奴(みつば・ちりめんじゃこ・にんにく)
畑からグリーンアスパラガスが収穫された。でも小さいのが4本だけ。サラダに入れよう。
●サラダ(グリーンアスパラガス・トマト・きゅうり・いんげん豆・もやし・大葉・絹さや・あぶら菜)
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(ごぼう・しいたけ・麩・みつば・絹さや)

3月23日   ひる   昨日の夜、待ちに待った久々の雨が降ってきた。雨上がりの庭を見下ろすと花や木が輝いているように見えるのは気のせいだろうか。
●もやし炒め
●豚肉とキャベツのさっぱりしたしょうが炒め
最近、行きつけのスーパーの店頭から「大粒納豆」の姿が消えている。小粒ではおいしくないので、納豆とはごぶさたしている。時代は「小粒」なのだろうか。「大粒」の復活を願う。
●納豆
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(しめじ・にんじん・ねぎ・わかめ)
 

    よる   友人の結婚式のための絵を依頼された。パステルを使ってみたり、クレヨンを使ってみたり、アクリル絵の具を使ってみたり、油絵の具を使ってみたり、いろいろ試している。なかでも「これから描くぞ」というときに頼りになるのは「粘土いじり」だ。粘土をこねて、かたちを作り、つぶして、またこねて、かたちを作る…のくりかえし。粘土でなにかを作るというわけではないのだが、手の中でかたちが出来ては壊されてゆくことや手で粘土という物体の手応えをストレートに感じるということが頼れる感じを抱かせるのだ。
粘土をこねながら「最近、うどん作っていないなぁ」と思い出した。
●上州・手打ちうどん
●上州・手打ちうどんのつゆ

●うどの酢みそ和え
●うどの皮のきんぴら
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
さばはいつもフライパンで焼くのだが、ちょうどしょうがの切れはしが目にとまったので、スライスして一緒にフライパンに入れてみた。さわやかな香りだ。
●さばの塩焼き

3月24日   ひる   おととい、牛肉とねぎを「煮て」いるのを見た夫が「え〜っ、こういうのは塩こしょうだけで炒めるのがいいんだよ。次はそうしてくれ。」と云っていたのでリクエストに応える。
●牛肉としめじの炒めもの(塩こしょうのみ)

キャベツとみつばの酢の物
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(ごぼう・にら・溶き卵)
 

    よる   夫から「一人運転の許可」が出たので車を運転してスーパーへ行く。夫を助手席に乗せて運転していると「たたみかけるようないちゃもん」がつくのだが、一人での運転は快適だ。鼻歌を歌いながらの運転だ。
このスーパーは、食品のスーパーとちょっとしたホームセンターのようなスーパーと100円ショップと靴屋と洋服屋とラーメン屋と回転寿司屋と美容院とマクドナルドが一体化しており、「ここはアメリカか!」と思わせるような大きな規模なのだ。
もちろん駐車場もアメリカみたいにだだっ広い。
今日は日曜日だからか混んでいて、食品のスーパーからいちばん遠い場所にしか空きがなかった。食品のスーパーがものすごく遠い。予想しなかった時間のロスだ。料理を作る時間が削られる。
そんなときにはこの手を使う。
●刺身(まぐろ・かんぱち・たこ)きゅうりの千切りと新しょうがの薄切りとわかめも同じ皿に盛りつけた。
農協の「ふれあい食材」で 煮物セットが届いている。がんもどきとしんじょうが冷凍されているものだ。これに、油揚げとさやいんげんとにんじんを加え、和風のお総菜を作ってみる。
●がんもどきと油揚げとさやいんげんとにんじんの煮物
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(ごぼう・舞茸
・にんじん・ねぎ)
そろそろこれを読んでいる人は不思議に思っているかもしれない。「ここんちのみそ汁にはいつもにんじんが入っているではないか」と。それには訳があるのだ。あるとき、お母さんが「初めてにんじんの入っているみそ汁を食べたときに、あぁ、なんておいしいものなんだろう、と感激したものだよ。」と云っていたからである。それを聞いて以来、みそ汁を作るときにはついついにんじんを刻んでしまう私である。飽きないように切り方を変えて。

3月25日   ひる   昨日にひき続き、今日もまた寝坊してしまった。気まずい思いで下に降りていく。昨日はお母さんに「おそようございます」と云って笑ってもらえたけれど、今日はもう通用しないかも。
白菜と豚肉の重ね焼き
あぶら菜の茎の部分だけがたくさん残っている。おひたしだとどうしても柔らかい葉っぱの部分ばかり食べてしまうものだ。茎を寄せ集めて、炒めてみることにした。こうすればみんな食べるだろう。
●あぶら菜の茎としめじとベーコンの炒めもの
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(
にんじん・しいたけ・にら・もやし)
 

    よる   S家の建物は100年ほど前に建てられた大きな木造の建物だ。その頃、この辺りは養蚕が盛んであったので、この建物も養蚕農家用に建てられた建物だ。人は1階に暮らし、2階はおカイコを飼育するための部屋だったのだ。
その2階を改造して我々若夫婦は暮らしている。人が住むために作られていないので2階の物音は1階に筒抜けだ。夜、静かになって集中力も増してくる時間だが、8時には寝静まってしまう両親がすぐ下にいる。絵を描く作業はおもいのほか「とっぴな音」を出してしまうもので、夜に絵を描くことははばかられる。このようなパソコンでの作業は音が出なくて好都合ともいえる。
●鶏肉とこんぶとごぼうの煮物
●サラダ(トマト・ きゅうり・小松菜のつぼみと花)

●小松菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
みそ汁(じゃがいも
・にんじん・わかめ)
●ふれあい食材の漬け物

3月26日   ひる   庭のすだちの木にまだ実が残っていた。今日の牛肉炒めはすだちを使ってさっぱりといこう。
●牛肉炒め・おろしポン酢
今月はじめに収穫されたねぎは大量で、車庫の片隅を占領している。どんどん使わなければならない。ねぎをたくさん使う料理はないものかと思いついたのがこれだ。
●ねぎの味噌煮
買ってきた大根に葉っぱがしっかりついている。これを見ると作らずにはいられない
大根の葉っぱと揚げとしらすの炒めもの
●小松菜のおひたし
みそ汁(大根・なめこ・にんじん・わかめ)
●ふれあい食材の漬け物
 

    よる   急に冬に逆戻りという感じの気候だ。明日は雨になるらしいので、お母さんが畑に行っていろいろ収穫してきた。キャベツはパンと張って水々しい。
「ふれあい食材」で本物の冷凍のカニが届いている。キャベツ、カニといえば、これだ。
キャベツのマヨネーズサラダ
●ポークピカタ
●厚揚げのしょうがあんかけ
●小松菜のおひたし
みそ汁(にんじん・ごぼう・舞茸・ねぎ)
●ふれあい食材の漬け物

3月27日   ひる   やはり今日は雨。かなり激しく降っている。
●永井食堂の「もつ煮」
行きつけのスーパーにはあいかわらず小粒納豆しか置いていない。少し値が張る「黒豆納豆」というのが唯一の大粒だ。これは旨い。コクがあってしっかりした香ばしい味がする。
●黒豆納豆
●小松菜のおひたし

みそ汁(しいたけ・もやし・にら)
●ふれあい食材の漬け物
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    よる   午後になり雨が上がり、一瞬ものすごい突風が吹いたかと思うと急に太陽が強く照りだした。気分が晴れ晴れとする。
スーパーで少し高価なおいしい豆腐が半額近くになっていた。今日はドンと一人一丁分の冷や奴だ。

●冷や奴(みつば・ちりめんじゃこ・にんにく・のり)
両親はおろししょうがとねぎで食べるのが好みのようなので2種類作った。
●冷や奴(しょうが・ねぎ・のり)
●鮭の塩焼き
●サラダ(トマト・ゆでたキャベツ・ゆでたもやし・大葉)

●小松菜のおひたし
みそ汁(じゃがいも・にんじん・しいたけ・わかめ)
●ふれあい食材の漬け物

3月28日   ひる   常備しておくとなにかと便利なかまぼこがそろそろ賞味期限だ。豚肉とこんぶで煮る沖縄料理を作ってみよう。
●クーブイリチー
父が最近「歯が痛い」と云っているので、炒めものを酒蒸しして柔らか〜いものを作ってみることにした。
●しめじとにんじんとピーマンの炒め酒蒸し
●鮭の塩焼きの残り
●小松菜のおひたし
●みそ汁(大根・なめこ・ねぎ)
 

    よる   散歩に出かけた。こちらでは今、桜が8分咲き。近所の神社で花見をしつつ、その近くの商店でまぐろのブツを買ってきた。
●まぐろのブツ
刺身なので、大根の桂むきを作ってみようと挑んでみたものの、薄く切れずに失敗。急きょ、サラダに変更する。
●大根ときゅうりと大葉のサラダ
つい先日作った、この味が忘れられなくて、また作ってみた。

●ねぎの味噌煮
●鮭の塩焼きの残り
●小松菜のおひたし
●みそ汁(にんじん・えのき茸・万能ねぎの根元・わかめ)
●こんぶのつくだ煮

3月29日   ひる   餃子は我が家でも人気がある。老若男女、ペロッとたいらげる。ほんとうは自分で作りたいところだが、スーパーで生餃子・10個入りが128円で売っている。これがかなりのいい味だ。この味でこの値段だと、自分で作る気持ちはどこかへ飛んでいってしまう。
●焼き餃子
餃子にはさっぱりとしたゆでたキャベツのサラダが合うでしょう。
●ゆでキャベツのサラダ

●小松菜のおひたし
●みそ汁(大根・舞茸・にんじん・えのき茸・わかめ)
●こんぶのつくだ煮
 

    よる   なんと両親が映画を見に行くという。『郡上一揆』という映画だ。降りしきる雨の中、二人は車で出かけて行った。
夫はここぞとばかりに自慢のJBLのスピーカーからとても大きな音でジャズを聴きはじめた。私は階下の台所でそれを聴きながら「こうなったらスパゲッティーだ!」と我々の大好物ではあるが両親は好まないのでS家の食卓には登場させられないスパゲッティーを作りはじめる。
スパゲッティーはここへ越してきてからは作っていない。つまり一年以上作っていないことになる。 ホールトマトの缶詰、あぁなつかしい。月桂樹の葉っぱ、見るのは一年ぶりだ。オリーブオイル、ずいぶん使っていないけれど大丈夫かな。アンチョビの瓶詰め、とっくに賞味期限が切れているが、まぁいいや。
醤油とみりん味から解放された、特別な「S家の食卓」となった。

●しいたけとみつばのスパゲッティー・アンチョビ・レモン味
トマトソースを作ろうにも急なことなのでたまねぎが無かった。けれど無理矢理断行。
●トマトソースのスパゲッティー
●サラダ(トマト・キャベツ・きゅうり・大豆)

●小松菜のおひたし
しかし、それだけではないのだ。
両親が帰ってきたら食べられるように、うどんも打っておくのだ。
●上州・手打ちうどん
●上州・手打ちうどんのつゆ
スパゲッティーのソースとうどんのつゆを並行して作るという
荒技をやってのけるのであった。