父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2003/4月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
4月1日   ひる  

4月になった。S家の近所でも桜が咲き始めた。これから満開まできっとあっという間なのだろう。
まだまだたくさん野菜があるというのにご近所からあぶら菜や大根をもらった。そのうえ、お父さんが牛ヒレ肉を買ってきてくれた。やはり牛ヒレ肉は極上のおいしさで、食卓では家族みんなが恍惚とした表情になっていた。食後しばらくの間、台所には牛肉を焼いた甘〜い
香りが漂っていた
●牛ヒレ肉のステーキ(塩コショウ、にんにく風味)
●ゆでブロッコリー
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのきんぴらごぼう
ゆでふきのとうの醤油和え
●ごぼうの甘酢漬け

●みそ汁(しめじ・ごぼう・にら・溶き卵

 

    よる  

もらったあぶら菜を茎と葉に分けて茹でた。葉の部分は市販のにしんの黄金漬け(にしんとししゃもの卵、にんじん、昆布、赤唐辛子などを甘酢で味つけしたもの)と和え、茎の部分はサラダに入れてみた。
●にしんの黄金漬けあぶら菜の葉を和える
●サラダ(トマト・ゆでエビ・あぶら菜の茎・レタス・ブロッコリー・さやえんどう
こう暖かくなってくると大根を煮込むという気にもならないのでサラダにしてみることにした。
●ホタテと大根ときゅうりのホワイトサラダ
ゆでふきのとうの醤油和え

●揚げ麩の卵とじ


4月4日   ひる  

●ヒレカツ・ササミフライ・鮭のクリームコロッケ
●ポテトサラダ
●塩トマト
●あぶら菜のおひたし
●お母さんのらっきょう
●みそ汁(しめじ・ごぼう・にら・溶き卵

 

    よる  

東京にいた頃にはよく作っていたのだが、この2年間その存在をすっかり忘れていた「豚の角煮」。2000年に「バーギャラリーとき」で個展をした時には、私の作った「おつまみ」までもいくつか出したのだった。その時のなつかしいレシピだ。
大根と豚の角煮
●あぶら菜のおひたし
●ポテトサラダ

●サラダ(トマト・ゆでいんげん豆・レタス・ブロッコリー


4月5日   ひる  

●ホッケの塩焼き
●あぶら菜のごま和え
ぬか漬けを始めることにした。実をいうと私は「米ぬかアレルギー」で、米ぬかに触れると我慢できないほどのかゆみがやってきて湿疹ができてしまうのだ。そのかゆみと湿疹は数時間は治まらない。よって、米をとぐ時はゴム手袋をはめているありさまだ。ぬか床となるとゴム手袋のヘリに付いたほんの少しのぬかが皮膚に触れただけでたまらないかゆみと湿疹がやってくる。だから、おいしいとはいえども、ぬか漬けにはなるべく触れないでいたいと思っていた。 だが、友達から素晴らしく手頃な容器をもらってしまったのだ。瓶仕込みの芋焼酎の入っていたその容器は陶磁器でフタまでついている。そのうえ、数日留守をする際にも冷蔵庫にすっぽり収まるようなほどよい大きさなのだ。かゆみに負けず、毎日かき回すことに飽きず、いつまで続けられるのだろうか…。
●ぬか漬け
●みそ汁(しいたけ・油揚・万能ねぎの根元)

 

    よる  

まだまだ寒いけれども、茄子がおいしそうに店先に並んでいるのでつい買ってしまった。油をたっぷり吸った焦げ目のついている茄子はなんておいしいのだろう。
●茄子とベーコンのトマトソーススパゲッティ
●クラゲときゅうりの酢のもの
●サラダ(トマト・あぶら菜の茎・レタス・さやえんどう


4月6日   ひる  

純和風の昼ご飯。
●銀むつの西京漬け焼き
●あぶら菜のおひたし

●納豆
●ぬか漬け
●みそ汁(しいたけ・いんげん豆・油揚

 

    よる  

夜も和食だ。
●しめサバ
●しいたけの肉詰め焼き
●クラゲときゅうりの酢のもの
●サラダ(トマト・あぶら菜の茎・レタス

●ぬか漬け


4月7日   ひる  

●エビ餃子・豚餃子
●ゆでブロッコリー
●あぶら菜のおひたし
●塩トマト
●お母さんのらっきょう
●みそ汁(しめじ・にんじん・ごぼう・いんげん豆)

 

    よる  

S家の両親は肉牛の畜産家だ。近頃、お父さんが市場へ行くたびに牛肉を買ってくる。
今日の午後、お父さんがこのところ疲れきっている彼の友達を元気づけようと、土間にガスコンロと畳半畳はあろうかという大きな鉄板を持ち出して焼き肉大会を始めた。午後の3時に牛ヒレ肉のステーキだ。フラフラになって現れたそのお友達は、牛肉を食べて、たくさん喋って、みるみるうちに顔に色つやを取り戻して帰っていった。
牛肉とブロッコリーのオイスターソース炒め
●サラダ(トマト・あぶら菜の茎・レタス

●ぬか漬け


4月8日   ひる  

お父さんが買ってきた牛肉、今日は牛の横隔膜をタレに漬けこんであるものを使おう。
●牛肉とあぶら菜の炒めもの
●ゆでブロッコリー
●あぶら菜のおひたし
●ごぼうサラダ
●お母さんのらっきょう
●みそ汁(ねぎ・油揚・わかめ)

 

    よる  

2週間ほど前に東京の定食屋で食べた豚のしょうが焼きのおいしさが忘れられず、何度か挑戦しているのだがうまくいかない。今日こそはレシピを完成させるつもりでいたが断念。もう少し研究せねばなるまい。完成をお楽しみに。
●豚のしょうが焼き
●トマトとにら入り厚焼き卵
●茄子の揚げびたし
●サラダ(トマト・あぶら菜の茎・レタス

●ぬか漬け


4月9日   ひる  

今日の風はとても強くうるさい。せっかく晴れたので外に出て庭の手入れをしようと思っていたが、やめた。強い風に吹かれていると大したことをしていなくても疲れるからだ。
今年はあさがおを栽培し、日よけや目隠しになる垣根を作ろうと計画している。夜更かしで朝が遅い我々夫婦は、もしかするとせっかく咲いたあさがおにお目にかかることができないかもしれないので、ゆうがおの種も用意してある。
今日はみんな出かけているので一人での昼食だ。あまりに肉が続いたので胃がもたれている。よって梅干しで簡単に済ます。

●梅干し茶漬け

 

    よる  

こってりとした料理が続いたので、今夜はさっぱりとしたものにした。
●しめサバ
●トマトサラダじゃこ和え

●水菜とわかめの酢のもの・酢みそかけ

●梅肉と高菜と岩のりのチャーハン
●ぬか漬け


4月10日   ひる   揚げ物をカラリと仕上げるのには温度差が決め手となるのだ。冷たいものを高温の油にいきなり入れる。すると、その温度差に小麦粉やパン粉などのでんぷんが反応し、カラリと仕上がる。だから油で揚げる直前まで冷蔵庫でしっかりと冷やしておくとうまくいく。とかつて飲食店で一緒に働いていた先輩に教わった。だからなのだ。冷凍食品の揚げ物はうまく揚がる。
大手の冷凍食品メーカーのものはお菓子のような味がしてご飯には合わない気がするが、生協の宅配の冷凍フライは肉や魚や野菜の味を強く感じ、なかなかの旨さだ。とくに気に入っているのが、中にチーズが入っているササミフライだ。4センチ角くらいの揚げやすく食べやすい大きさでチーズの効果か冷めてもおいしい。お弁当に入っていたら嬉しいだろうな。

●ササミフライ・みそカツ・大葉巻きフライ

●ゆでブロッコリー
●塩トマト
●あぶら菜のおひたし
●みそ汁(しめじ・ごぼう・いんげん豆・わかめ
 

    よる   ●豚肉と茄子のしょうがゆで焼き(みそ味)
●にらの小判焼き
●千切りじゃが芋のカレー炒め
●トマトと玉葱のバルサミコ酢サラダ
●ぬか漬け

4月11日   ひる  

S家のお父さんは新聞を5紙ばかり取っている。S家での昼食の後、時おり拾い読みしている。県内の細かい情報が中心の新聞、農作物の情報が満載の新聞など。
新聞販売店とのつきあいで仕方なく取っている某大手大手町新聞の社説に、米英がイラクで起こしている戦争について「ほ〜ら、やっぱりやって良かったでしょ」「日本も賛同して良かったでしょ」という内容のことが書いてあった。日頃読んでいる某大手築地新聞の記事に慣れているので驚いた。
●ちらし寿司(鮭・イクラ・菜の花・のり)
●ポテトサラダ
●小松菜のおひたし
●ゆでブロッコリー
●みそ汁(しめじ・しいたけ・にら)

 

    よる   ●茄子とベーコンのトマトソーススパゲッティ
●鮭のクリームスパゲッティ
●レタスと紫たまねぎのサラダ

●ぬか漬け

4月12日   ひる   焼きそばを作るとき、たくさんのしょうがを麺と共に炒め、コンソメで下味をつけソースの量を半分にすると活き活きとした味になる。今日はレタスをたくさん入れた。より活き活きとした味となった。
●焼きそば
●目玉焼き
●みそ汁(ごぼう・にんじん・豆腐・万能ねぎ)
 

    よる   S家周辺では桜が満開だ。あいにく今日は雨降りで花見はできなかった。ならば「桜肉」を食べよう。
●馬刺
●にらの小判焼き
●ポテトサラダ
●ぬか漬け

4月13日   ひる  

今日は晴れわたり暖かい。桜が満開の近所の神社ではお祭りが行われている。
お祭りなのでS家ではお母さんが赤飯を炊いている。

●お母さんの赤飯
●にらの小判焼き
●小松菜のおひたし
●ゆでブロッコリー
●お母さんの煮豆
●お吸いもの(しめじ・しいたけ・にんじん・わかめ・とろろ昆布)

 

    よる  

午後、畑に収穫に行った。足を踏み入れたとたんに戸惑った。畑には2、3日前に行ったばかりなのに光景が違っていたのである。昨日一日中降っていた雨と今日になって急に高くなった気温のせいで作物が急成長していたのだった。
「S家の食卓」に近頃よく登場するブロッコリーは、店でよく見かける株のブロッコリーを収穫した後に同じ株から生えてくる直径5センチくらいのとても小さなブロッコリーで、その存在は群馬に来て初めて知った。くっきりとした味がして柔らかい。おいしいうえに次から次にたくさん生えてくるものなのでこれも商品にしてはどうかと思うのだが、商品になっている姿を未だに見たことがない。
●カキと茄子のトマトソース炒め
●にら入り厚焼き卵
●サラダ(レタス・ブロッコリー)

●お母さんの煮豆
●ぬか漬け


4月18日   ひる  

東京の定食屋で食べておいしかった豚肉のしょうが焼きに何度か挑戦しては失敗していたが、今日は思わぬ方法でかなり近いものを作ることができた。めでたくレシピの完成だ。
●豚肉のしょうが焼きキムチマヨネーズソース
●ゆでブロッコリー
●塩トマト
●水菜とじゃことわかめの酢のもの
(参考●根みつばとわかめとじゃこの酢のもの
●ぬか漬け

 

    よる  

『おもうこと』に書いた近所の商店に、仙台から入荷したという見るからに旨そうなさつま揚げが数種類並んでいた。その中から、ごぼうとにんじんがふんだんに詰まっているもの、こみっちり枝豆の入ったもの、エビとひじきが溢れんばかりに覗いているものを買ってきた。グリルで軽くあぶって、すりおろしたしょうがをつけて食べた。期待どおりの旨さだった。
●さつま揚げ

●ポテトサラダ
●餃子
●こんにゃくとキクラゲと小松菜のにんにく醤油炒め

●トマトと玉葱のバルサミコ酢サラダ
●ぬか漬け


4月21日   ひる  

昨日一日中降っていた雨が上がった。気温もぐんと上がり、S家の周辺の風景に緑の分量が一気に増えたようだ。来週はもうゴールデンウィークだものなぁ。
●いかのしょうが醤油焼き
里芋の煮もの
●ゆでブロッコリー

●塩トマト
●小松菜のおひたし
●みそ汁(しめじ・にんじん・キャベツ・わかめ)

 

    よる  

サヤ付きの空豆が手に入ったら、剥いたサヤの内側に空豆を並べて塩をふり、ガスレンジのグリル(上からの火)で焼いてみる。香ばしく、茹でるよりも断然おいしいと思う。
サヤから出した豆はすぐに固くなるので、調理する直前に剥くようにしよう。

●空豆の塩焼き
●豚肉と野菜のしょうがゆで焼き(みそ味)

●トマトと玉葱のバルサミコ酢サラダ
里芋の煮もの
●ぬか漬け


4月23日   ひる  

S家の裏の竹やぶに今年もたけのこが姿を現し始めた。雨がたっぷり降った後なので次から次へと生えてきそうだ。
●豚肉とたけのこのオイスターソース炒め
●塩トマト
●小松菜のおひたし
●みそ汁(しめじ・溶き卵・万能ねぎ

●ぬか漬け

 

    よる  

白身魚というと煮魚にしてしまいがちだが、焼き魚にするのもおすすめだ。魚に塩をふって30分おき、魚から出た水分をふき取り、グリルか焼き網でほどよい焦げめがつくように焼く。香ばしくておいしい。どうやら甘みも増すように感じる。
●銀むつの塩焼き
●蒸し茄子・中華だれ
●山芋の千切り
●たけのことわかめの煮物
●ぬか漬け


4月24日   ひる   3月の終わり頃にご近所から根みつばをもらった。食べるために切り落とした後の残った根を庭に植えておいた。あれから一ヶ月、新しいみつばの葉が生えてきた。今日はそれを使って「鶏肉の卵とじ」を作ることにした。
●鶏肉の卵とじ
●小松菜のおひたし
●ゆでブロッコリー
●キャベツときざみ昆布の酢のもの
●お母さんのらっきょう

●みそ汁(じゃが芋・にんじん・キャベツ・わかめ
 

    よる  

近所の桜はとうに散ってしまった。今年は桜を堪能する間がなかった。このまま来年の桜の時期まで待つのでは心残りなので、伊香保方面まで車を走らせて桜を見に行った。夕方ののどかな田舎道を山に向かって走る。登ってゆくにしたがって桜の花の量が増えてゆくのを見てわくわくした。伊香保の手前の水沢観音の周辺は桜が満開だった。ちょうど花びらがはらはらと散りゆくところでやさしく柔らかな風景だった。
桜を見ておめでたい気分になったので、寿司を食べたくなった。
●鮭とイクラのちらし寿司
●しいたけの肉詰め焼き
●たけのことわかめと菜の花の煮浸し
(参考●たけのことわかめの煮物
●塩トマト
●ぬか漬け


4月25日   ひる  

●メンチカツ
●キャベツの千切り

●小松菜のおひたし
●たけのこの煮もの
●お母さんのふきの煮物
●納豆
●みそ汁(大根・里芋・にんじん・うど・しめじ

 

    よる  

暗くなったばかりの時間にチャルメラの音が聞こえてきた。屋台のラーメン屋がやって来たのだ。財布を持って家の前に出て待ちかまえる。ほとんど外灯のない暗闇の中、暖かそうな黄色の明かりがゆっくりと近づいてくる。屋台といっても横浜ナンバーの軽トラックで、この辺には一ヶ月に一度くらいのペースでやって来るのだ。 醤油ラーメン700円。あっさりしたスープでぶ厚いチャーシューがしっとりしていてなかなかのおいしさなのだ。まだ夜になると寒い暗闇の中、屋台の周辺に湯気がもくもくと漂い、いい風情なのだ。
夕食前のおやつにちょうどよかった。
醤油ラーメン


●カキと茄子のトマトソースからめ
(参考●茄子とベーコンのトマトソース
●冷や奴(みつば・シャンツァイ・ちりめんじゃこ・にんにく・のり)
●サラダ(トマト・レタス・エンドウ豆)
●卵と高菜のチャーハン
●ぬか漬け


寝る前に空腹になってしまったので夜食を作った。寒い冬の間にすっかり食欲が落ち胃が小さくなっていたが、近頃は復調の兆しがみえる。
●ねぎたっぷりの焼きそば


4月30日   よる   生協の宅配カタログには興味をそそる商品が載っている。『浅草・ヨシカミのメンチカツレツ』とか『日本橋・たいめいけんのポテトコロッケ』、『両国・寺尾のちゃんこ鍋セット』、『大阪・自由軒の混ぜカレー』、『サッポロビール園のジンギスカンセット』などなど。そういうものは少々値が張るので普段は注文はしないのだが、『大龍の北京ダックセット』というのには心を動かされた。北京ダックは法事やお祝い事の時でもないと食べることのできない憧れの料理だ。たまにはいいか、と奮発して注文した。それでも10個分で1,380円だ。
●北京ダック
さらに中華気分を満喫するために、トウチ醤(中華黒豆味噌みそ)を使う料理も控えている。
●しじみのトウチ炒め
「しじみのトウチ炒め」を平らげたあとに皿に残っている汁を卵かけご飯にかけて食べる。旨い。環境にもよい。
●卵かけご飯
●さつま揚げ
●ぬか漬け