父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2003/8月
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梅雨が明けるか明けないかという日、自動車を運転して斑尾高原へ出かけた。
ここ群馬県の中心部から吾妻渓谷を通り草津を抜け、温泉臭と霧の立ちこめる白根山を越えて長野県へ出る。志賀高原を通り過ぎ、新潟県の一歩手前に斑尾高原はある。
ここ斑尾高原で開催される野外ジャズフェスティバルを見に行ったのだ。 お目当ての、初来日だというTHE BAD PLUS(ピアノ、ベース、ドラムのトリオ)の力強くも繊細な演奏を堪能した後、“雰囲気もの”のジャズの鳴るなか芝生の上で昼寝をしてしまった。
目覚めた後は来た道を帰る。途中、草津温泉に浸かり、車内に硫黄臭を漂わせながら帰ってきた。
高速道路を使わずに片道3時間もの道のりだった。が、6月下旬に納車された新しい車はタイヤが地面に吸い付いているかのようにしっかりと走り爽快だ。走行中の車内が静かなことにも驚く。音楽をかけると以前の車では騒音にかき消されてしまっていた繊細な音までじんわりと聴こえてくる。
この日、群馬県は雨降りだったが、白根山を越えた長野県は晴れ渡っていた。今から思うとこれがつかの間の夏の日だった。

 

8月4日   よる  

8月2日にようやく梅雨が明けた。シーツや布団カバーの洗濯、野菜の収穫、庭の手入れなど、久々に訪れた晴天の日々はやるべきことがたくさんあり忙しい。
午後は納屋の日陰に陣取り、枝葉と豆のサヤを分ける作業をした。親戚の農家から大量の枝豆をもらったのだ。乾燥させて牛に食べさせる枝葉は「子連れ狼」の大五郎が乗っているような台車に2台分、人間が食べる豆はタライに1杯分になった。この作業には2時間も費やした。
畑の恵みのたくさんの枝豆、じゃが芋、茄子を使っての夕食だ。肉や魚はまるでなし。野菜づくしである。

●ゆで枝豆
●ピリ辛枝豆
●じゃが芋の香味焼き
●焼き茄子とオクラの酢醤油びたし

 

8月5日   ひる  

●豚肉と茄子とピーマンのしょうがゆで焼き(みそ味)
●ゆでいんげん豆
●ゆで枝豆
●ぬか漬け
●みそ汁(じゃが芋・にんじん・舞茸・わかめ)

 

    よる  

じゃが芋の冷たいスープ「ビシソワーズ」に挑戦した。枝豆もあるので茹でてからミルサーでペースト状にして加えた。白いビシソワーズに枝豆の鮮やかな緑色が混ざり、涼しげで美しかった。
●ビシソワーズ(じゃが芋の冷たいスープ)枝豆ペースト入り
●ピリ辛枝豆
●北京ダック
●焼き茄子とオクラの酢醤油びたし


8月7日   ひる  

一ヶ月ほど前からミルサーを導入している。それまでは市販の粉末いりこだしを使っていたのだが、最近は煮干しをミルサーで砕いたものを粉末だしとして使っている。他にも干したオレガノや梅と一緒に干した赤しそを粉末にしたりと、とても便利だ。無くても生活できるものなので買うと決心するまでに時間がかかったが、こうなってみるともっと早く買っておけば良かった。
残り物のご飯をしょうが、みょうが、大葉、水菜、ちりめんじゃこ、梅肉
という和風の組み合わせで炒めてチャーハンを作った。皿に盛ってからふと思いたち、和風だしで味をつけて焼いた卵を上にかぶせ、オムライスにした。黄色、白、緑と見た目も味もさわやかで好感触だ。
●和風オムライス
●きゅうりの塩もみ+梅肉味噌
●お吸いもの(舞茸・ねぎ・わかめ・しょうがの千切り)

 

    よる  

ご近所からもぎたてのとうもろこしをもらった。牛肉もある。七輪に炭をおこし、本日の夕食は縁側で楽しむことにした。屋外での食事は開放感があり気持ちがよい。ついつい酒も進む。
焼くものが無くなり腹一杯になっても、まだ炭は燃え残っていた。しばらくは焼酎を飲みながら、赤く燃える炭を飽きることなく見つめて過ごした。ついでに花火もした。

●とうもろこしの炭火焼き(山椒入りの醤油ダレ)
●茄子の炭火焼き(山椒入りの醤油ダレ)
●しいたけの炭火焼き(醤油としょうが)
●牛肉の炭火焼き(にんにくとコチュジャンのタレ)
●ゆで枝豆

●スイカ


   

お盆前に東京へ行った。帰途、秩父の山の中を走る列車「八高線」に乗ってみた。渋谷駅や東京駅、上野駅の人混みに遭遇せずに帰ってきたかったからだ。西荻窪→拝島→高麗川→高崎→新前橋、乗り継ぎの時間も含め3時間弱だ。車内は空いている。そのうえ車窓からの景色は鬱蒼とした緑の中を進むのが気持ちよく、密かに興奮気味になった。できれば晴れ渡った夏空の下を進みたかったのだが、あいにくの雨模様だった。

 

8月14日   ひる  

お盆である。
昨日8月13日は「盆の迎え」をした。家の敷地の入り口でワラに火を焚く。線香と花と水ともう一束のワラとを持ってお墓へ行く。お墓の入り口でもワラに火を焚き、線香に
火をつけ、石塔にお参りをする。ワラの火で提灯に火を灯し家へ帰る。家の仏壇のロウソクに提灯の火を移し、仏壇に線香を捧げる。これで仏さんの到着だ。
雨の降る寒いお盆だ。S家では例年梅雨明けのときにしまうコタツをしまい忘れていたが、それは正解だった。みんなでコタツに足をつっこんで「気持ちいいねぇ〜」とホッとしている。
●まぐろの刺身
●焼き茄子とオクラの酢醤油びたし
●上州・手打ちうどん
●上州・手打ちうどんのつゆ

●モロヘイヤのおひたし
●とろろ芋
●ぬか漬け

 

    よる   ●銀むつの塩焼き
●ポテトサラダ

●スモークサーモンのマリネ
●ゆで茄子
●塩トマト
●ぬか漬け

●みそ汁(豆腐・にんじん・しめじ・オクラ)

8月15日   ひる  

昨夜ふとんに入ると床から冷気が伝わってきた。これはいけないと、ホットザブトン(ザブトン大のホットカーペット)をふとんにしのばせた。暖かさにホッとし事なきを得たが、今は8月ではないか。
●いかの明太子和え
●がんもどきの煮もの(とろろ芋とモロヘイヤかけ)
●お母さんの寿司(太巻き・いなり)
●ぬか漬け
●お吸いもの(茄子・にんじん・しいたけ・とろろ昆布・しょうがの千切り)

 

    よる  

毎年8月15日は前橋の花火大会が開催される。会場は6,7キロ離れた利根川べりだ。自動車で行くと必ず渋滞に巻き込まれる。そして酒も飲めない。夫と私は自転車にビールと枝豆とチーズと ●ブランボラーク を積んで出かけた。
途中、夫のお姉さんの家に立ち寄ると「中止になった」との無惨な知らせ。「自転車で来ているなら、飲んでゆきなよ」と優しい声をかけてもらい、持参したビールとつまみと共にゆうげに合流した。酢ダコに冷や奴、もぎたてきゅうりの漬け物、もぎたてトマト…。お兄さん(お姉さんの夫)がモツ炒めを作ってくれた。 花火大会の中止は残念だったが、楽しいゆうげだった。


8月16日   ひる  

今日は「盆の送り」の日だ。提灯に火を灯し、線香とワラと花と水と卒塔婆と団子と里芋の葉に載せた茄子で作った牛を持ってお墓参りをする。提灯の火はお墓で消して帰ってくる。盆を終えた仏さんはお墓へ帰っていったのだ。
●牛肉とねぎのすき焼き風煮もの
●刺身の盛り合わせ
●塩トマト
●ゆで枝豆
●ぬか漬け
●みそ汁(にんじん・茄子・しいたけ・オクラ)

 

    よる  

昨日の前橋の花火大会は正確には中止ではなく、今日に順延されたのだ。しかし今日は昨日よりも悪天候である。肌寒い雨降りのなかを自転車で出かける気合いはおきず、「ぐんまテレビ」の中継を見て我慢することにした。哀しく寂しい夏である。
●ブランボラーク
●鯛の香草詰め塩焼き・にんにくオリーブオイル味
●チーズ
●とろろかけご飯


8月17日   ひる  

●豚しゃぶのポン酢かけ
●きゅうりの塩もみ
●酢ダコ
●卵入りとろろ芋
●ぬか漬け
●みそ汁(じゃが芋・にんじん・茄子・しいたけ)

 

    よる  

長かった梅雨が明けたかと思えばすぐに台風が襲来し、夏らしく晴れた日は2日程度。ここ数日は梅雨時よりもしつこい雨の日が続いている。
夏が好きな私の気分も沈みがちだが、太陽の光と熱が頼りの農作物を作っている方々やビアガーデンに携わる方々…を思うと胃が痛む。
野菜が自慢の近所の商店に並んでいるトマトも、日照不足のせいでまるで桃のように薄い色づきである。
●塩トマトにんにくのせ
●いかの明太子和え
●ピーマンと挽き肉のカレー炒め
●和風オムライス


8月19日   ひる  

少し前まで嬉しくて笑いが止まらなくなるほどたくさん収穫されていた茄子が、このところの低温であまり実らなくなってしまった。残念である。
しかし、この低温はじゃが芋の保管には好都合のようだ。
●牛肉とじゃが芋とねぎの煮もの

(参考
●牛肉とねぎのすき焼き風煮もの ●フライパンで作る肉じゃが
●ツル菜のおひたし
●ぬか漬け
●みそ汁(にんじん・いんげん豆・しめじ・しょうがの千切り)

 

    よる  

茹であがったスパゲッティの麺に、レモン汁をふりかけてからトマトソースをかけてみた。サッパリしていて食が進んだ。
●ホタテとエビのさっぱりしたトマトソーススパゲッティ
●ブランボラーク
オクラは茹でずに生のまま、タテ方向に長く切る。歯応えのある食感が新鮮で目の覚めるような思いだ。
●トマトとオクラのサラダ