父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2004/10月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
   

もう10月下旬だ。山や空の様子からは、もう冬がすぐそこに近づいていることを感じる。
8月末から飲みはじめた漢方薬の効果が徐々に現われてきたようで、体が“明るく”“鮮明に”なってきたような気がする。体についてこのような表現をするのはおかしいのかもしれないが、これ以上ふさわしい言葉がみつからない。
制作や食事作り、自転車での買い物、たまに足を運ぶ畑での収穫など、日常生活にはだいぶ活気が出てきた。

 

       

ここ数年続いていた体の不調。「いつも快活でいたい」とか「いろんなことをやりこなすことがいいことなのだ」とばかりに、ちょっとした疲れを楽しいことでごまかし、体にカツを入れて動き続けていたことがいけなかったのかもしれない。ちょっと疲れたらしっかり休み、もっとダラダラすることに重きを置いてもよいのだ、と思い知った。
より心地よいダラダラと深い睡眠を!と、イタリア製“マニフレックス”のマットレスを通販で買った。快感を味わう間もなく朝になっている。つまり、深く眠っているということだろうか? 今のところ、目覚めがとてもよい。
●生トマトとツナとオリーブのスパゲッティ

 

        11月の展覧会の展示場所はショーウィンドウだ。一年ほど前から、そこには紙に描いた作品を展示したいと思っていた。そして、描き始めているのだが、どうにもうまくいかない。しっくりこないのだ。「こりゃぁいけない」と、念のために油彩画も描き始めている。紙を相手に苦労しただけあり、キャンバスに油絵の具で描き始めたら、楽しくて仕方ない。頼もしい感じがする。
手応えが柔らかい。木枠に張ったキャンバス地の向こうに空気があるのを感じるからだろうか。太い筆を使うのが爽快なのだろうか。油絵の具と油とキャンバスが「待ってました〜」とばかりに喜んでいるように感じる。それは、描いている私が「待ってました〜」と喜んでいるからなのだろうが。


だいぶ寒くなってきたので、自然に任せていると油絵の具の乾きが遅い。それでははかどらないので、部屋ではストーブをガンガンに焚いている。クラクラするほど暑い。季節はずれに汗ばんでいると、今年の夏のひどい暑さを思い出す。あの暑い夏、私は体調を崩して眠ってばかりいた。ああいう気温の高い時に油彩画を描いていたら、さぞかしはかどったのだろうな。あの暑さを取って置いて今使うことが出来たら、と思う。
だいぶ寒くなってきたので、豆腐を蒸してみる。
●蒸し豆腐
中心まで熱く蒸し上がったら、塩とコショウをふり、オリーブオイルをかける。この食べ方は友人から教わったのだ。
 

       

無駄に部屋を暖めてばかりでは、と、ストーブの熱を利用して、牛すじ肉を煮込む。
牛すじ肉は安いし旨いし、お肌によいコラーゲンを得ることができるので大歓迎なのだ。しかし、柔らかくなるまでには2時間ばかりも煮込まなければならない。都市ガスと違い、プロパンガスのガス代は高いので、群馬へ来てからは煮込み料理をするのは避けたい気持ちだったのだが、これで問題解決だ。そして、部屋中に牛の甘い香りが漂い、幸せな気持ちになるのだ。
●牛すじ肉とごぼうの煮込み

 

        私が飲んでいる漢方薬は甘苦くておいしいのだ。お医者さんによると、漢方薬は「おいしい」と感じた人には効くのだそうだ。反対に「この味どうしてもダメ!」と飲むの苦痛な人には、その薬は体質に合わず、効かないのだそうだ。
この漢方薬を初めて味わったときから、やってみたかったことに挑戦してみる。鶏肉とゴボウとねぎとクコの実を漢方薬入りのスープで煮るのだ。もちろん、ストーブで。
●鶏鍋・参鶏湯(サムゲタン)ツムラ41番入り)
 

       

12月にグループ展に参加することになった。例年、この寒くなってくる時期は体調がすぐれず、創作意欲を失いがちだ。よって、展覧会のお誘いを断ってしまうことがほとんどだ。でも、今回は引き受けてしまった。描きたいのにもかかわらず、体の不調で何もできなかった時期があったせいか、描いていることが嬉しいのだ。
とはいえ、調子に乗ることなく、ちゃんとダラダラする時をもって過ごしてゆこう。

だいぶ寒さが増してきた。もうマフラーと毛糸の帽子なしには外を歩けない感じだ。
誰もが寒さを我慢することなく生活できる時が一瞬でも早く来ますように。