父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2005/5月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
   

ゴールデンウィークも過ぎ、5月もなかばだというのに寒い。ストーブ、ホットカーペット、コタツ、電気毛布のお世話になっている。
暖かかった時季に畑に植えた茄子の苗は達者でいるだろうか。

 

5月11日      

10日ほど前、路線バスに乗って高崎へ買い物に出かけた。高崎へは東京に出かけた帰りにたまに立ち寄ることはあったが、わざわざ家から出かけるのは初めてだ。買い物が済むと喉が渇いていた。夕方だったのでコーヒーを飲むのは止めにして、ビールを飲むことにした。バス停からあまり遠ざからないよう、高崎駅周辺を歩きまわった。キリンビールの看板のある居酒屋をみつけ、お店の人の薦める“ごぼうの唐揚げ”をツマミにした。おいしかった。

●ごぼうの唐揚げ

後日、ニチレイの
冷凍食品に“ごぼうの唐揚げ”があることを知った。そういえば、あの店で次に頼んだツマミはいかにも冷凍食品という味だった。ビール1杯のつもりだったが、芋焼酎のロックまで飲んでしまった。徐々に暗くなってゆくなかを、ほろ酔い加減でバスに揺られて帰るというのもオツなものだった。

 

5月12日      

ゴールデンウィークの終わりに、いとこの結婚式があり、仙台へ出かけた。
集合は午前9時。普段ならこれから眠ろうかという時間でもある午前2時に起き、3時に出発。車に乗り、暗い道をひたすら東へと進む。佐野(栃木県)まで来たら、明るくなってきた東北道をひたすら北へ。小林旭を聴きながら ♪ヤッコラヤノヤ〜 と進む。
結婚披露宴後は親戚一同と松島に一泊だ。初めての松島に驚いた。写真で見ていたものをはるかに超える美しさだ。赤い橋が効いている。カモメの鳴き声がさらに風景を美しく感じさせる。やっぱり生はよいものだ。目、空気、音で感じさせてくれる。
披露宴の洋食も松島の海の幸もたいへんおいしく、大満足だった。
が、群馬へ帰ってきてつくづく感じるのは“野菜の旨さ”である。
今日はご近所の農家からセロリをもらった。見た目は貧弱だが、味には野菜の力強さがあり、体が目覚めるようだった。

●セロリとタコのマリネ

 

5月13日      

松島では遊覧船に乗った。乗客が与えるエサを目当てに遊覧船を追っかけてくるカモメの群れが圧巻だ。たくさんのクリーム色が迫ってくる。ずっと見ていると脳みそがどうにかなりそうになる。興奮する。必死に飛ぶ鳥を至近距離で真横から見るのも初めてだ。面白い。あまりの楽しさに夢中になり、寒風吹きすさぶ中、遊覧時間50分のほとんどをデッキで過ごした。体の芯から冷え切った。

本日は庭から採れる山の幸。

●ふきの青煮
●たけのこの木の芽和え

 

5月14日      

こう寒いと創作意欲も減退する。描きかけの画面をじっと見つめては何もしないでいる時間が多い。
体が冷えると脚がだるい、肩が凝る、頭がぼーっとする。風邪でもひいたのだろうか?
今夜は湯豆腐だ。

●わかめ湯豆腐

 

5月21日      

引き続き創作意欲は溢れている。とはいっても、決して制作がはかどっているわけではない。むしろその逆だ。何故だか“これまでとは違った描き方をしよう”としている。だから今はまだ、形が作られていくこと、キャンバスに触れることがただただ楽しいというような状態だ。
群馬に越してきたばかりの頃は、 日々目に入ってくる光景(自然の力強さ、生長の速さ)にたじろいでしまっていたが、しだいにそれらが愛おしくなってきた。その頃は“そんなのは無理だ”と思っていた、日々目に入ってくる光景を、どうにかして描きたいぞ! と思うようになってきている。(でもそれらは日々生長してゆくので、私の筆は追いつきゃしない。難しいぞ。)
これまでは触れられるものを触れながらじっくりと描いていたけれども、触れられないものでもさらっと描いてみたい気持ちだ。日記を書くような感じで。
…なんていう気持ちでいるのだが、描きかけの作品を見ている夫には「今までとどこが違うの?」と言われている。意識だけはずいぶん違うのだけれど。

●ふきの豚肉巻き(参考●ふきのラム肉巻き焼き

 

5月24日      

嬉しい日になった。ギャラリーから電話がかかってきた。個展が決まった。11月だ。やったー! わくわくした気持ちだ。この個展がどうなるのだろうと思うと胸が高鳴り、やや興奮。11月はまだまだ先なので「落ち着きなさい」と自分に言いたいところだが、個展が決まる瞬間のこの感覚は、何度体験しても変わらない。光が差したような感覚なのだ。

●ゆでキャベツの梅肉和え

 

5月26日      

小林旭の『マイトガイトラックス Vol.1〜3』(各2枚組)が発売された。映画を音源にしているので音質はやや悪いのだが、映画を音源にしているから生々しい息づかいを感じる。ハガネのように輝いているアキラさんの姿が目の前に見えるようだ。涙さえ出てくる。今日はまるで仕事が手につかなかった。たまにはそんな日があってもいいだろう。が、今日入荷したのは『Vol.3』のみ。まだ『1』と『2』があるのだ。しばらくアキラ漬けになるのだろう。きっと。

●明太子スパゲッティ

 

5月27日      

いい風が吹いているので、S家の裏の竹藪を掃いた。そこへ、いつものようにS家の庭で飼っている猫がやってくる。掃除の邪魔をするように掃いた葉にたわむれたり、竹箒の先にじゃれるのだ。とてもかわいいのだ。
カエルが一匹鳴き出すと、次々にほかのカエルも鳴き出し、しだいに合唱になる。なんていい音なのだろう、しかもあんなに小さな体から…と感心していると、雷が鳴り、夕立が降り出した。そんな季節がやってきたのか。近頃はこのような日が多い。
今年は5月らしい晴れ渡った爽やかな日が少なかった。それについては残念だ。

●オクラの豚肉巻き

 
 
 
こんな日が少なかった