父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2005/9月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
   

8月末に、急に打診があり、グループ展に参加することになった。
また版画を刷っている。刷って!刷って!刷っている。
作品を造るということは本当に楽しい。制作していると活気が体から湧いてくる。夢中になって我を忘れる。…かと思うと、いろんなことに気づいたりする瞬間がやってくる。不思議である。

 

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10数年来のつきあいである「美学校・造形基礎」の愉快な仲間たちと【Shop42】という展覧会をひらきます。
「造形基礎」で美術を通じて共に学んだ数々の仲間は、今、美術に限らず、皆それぞれに“表現”をやっている。
単なる美術作品展にとどまることない展示になりそうな予感がするのだ。
 表現することは『もっと色々なこと』であっていいのです。
 ものを造ってゆくということは、わくわくする楽しいことなのです。
 そして、それらに触れることは、わくわくする楽しいことなのです。
というような展覧会になることでしょう。
どうぞ、お気軽に遊びにいらしてください。
【Shop42】
 ■ 9月7日(水)〜19日(月)
 ■ 11:00 - 20:00 〈火曜日定休〉
 ■ 高円寺・Studio Zone
   東京都杉並区高円寺南4-5-7
   tel./fax. 03-3313-0633
   http://www.studio-zone.jp/

私はミニサイズの版画(超お手ごろ価格!)を用意しています。

 ■ 出品者
   阿達志都/石井須麿子/伊藤由里/島田光男/立石有美/塚原和宏/
   直井陶子/仲丸毅/鍋田庸男/樋田広幸/樋口ユウジ/宮本由加子 ほか

 

9月4日      

もうすぐ選挙の投票日。投票日あたりは忙しくなりそうなので、期日前投票へ行って来た。
選挙戦が始まってからの各党、各候補者の言葉にこれといった手応えを感じない。たったの数日で自分をアピールする宣伝の言葉なのだから、仕方のないことだ。
私は普段の国会中継をたまにだがテレビやラジオで聞き、グッとくる、冴えた質問をするところに入れるようにしている。(どこに入れたか判ってしまいそう…)
期日前投票は、とても簡単に済んだ。投票日に投票場に行けないはっきりとした理由がなくても、期日までの気の向いたときに期日前投票へ行ってみるのはおすすめです。みなさん、投票を忘れずに。

 

 

 

 

展覧会が始まった。搬入からオープニングパーティのある日まで5日間、ずっと東京にいた。毎日ギャラリーに通った。毎日毎日いろんな人と会い、いろんな話をした。
今回の展覧会は、全体の光景がとてもよい。それぞれの作品に喜びが満ちている。ピチピチと活きがよい。
作品を展示する人数は全部で14名になった。なかには作品を展示することが初めての人もいる。そのうちの一人とある時、喫茶店に入って話をした。突然目の前に締め切りが迫り、集中力を発揮して作品をつくり、展示して、人に見てもらうこと、その喜びと興奮を、喜びと興奮をもって話している彼女を見て、私はとても嬉しくなった。そうなのだ、ものをつくってゆくということは、わくわくする楽しいことなのだ。

 

9月9日      

友人宅に泊めてもらった翌日の昼食を作ることになった。彼女の家は工房でもあり、職人さんたちと私を含めて4人分の昼食だ。
かつて住んでいた西荻窪の街を自転車で走り、食材の買い出しをする。懐かしい店の品揃え、懐かしい町並み。ほんの数年前の日常がよみがえり、せつなくなってしまった。
久々に『S家の食卓』らしい記述をしてみよう。

●れんこんの梅煮
●さんまの生姜煮
●ゆでブロッコリーのごまマヨネーズ醤油和え
●冷や奴(オクラ、みょうがのせ)

 

9月10日      

オープニングパーティもあり、人が集う。
作品を見に来てくれた、久々に会う主婦の友人が、最近つくり始めたという布を使った作品を楽しそうに見せてくれた。今後の構想を嬉々として話している姿が美しい。
ものをつくってゆくということは、わくわくする楽しいことなのだ、と再び感じた。
私のローテク・シルクスクリーンによる作品について、本格的にシルクスクリーンをやっている人から言葉をいただき、ありがたい。ローテクな手法でも、まだまだやれそうなことはあるな、と意欲が湧いた。
楽しく愉快なたくさんの人たちと出会う日々だ。こうしていると、やっぱり東京はいいなぁ、と懐かしく、うらやましくなる。
そして、普段いかに人と会っていないか…と思い知る。この数日、喋ってばかりで喉がガラガラだ。選挙運動をしている人みたいだ。

 

9月11日      

展覧会の醍醐味は、作品をつくって展示することだけにあるのではなく、会場に居て、その空気を味わうことにあるのだ。だから、ずっと会場に通いたいのだが、そういうわけにもゆかず、いったん群馬へ戻る。

驚きの選挙結果。今回選ばれた人たちが決める法案は、郵政民営化法案だけではないのだぞ、と思うと恐ろしくてならない。
大相撲秋場所が始まった。みんな元気がない。足腰が弱い。
今場所は、中日(なかび=八日目のこと)に国技館へ観に行ける機会に恵まれているのだが、その日まで千代大海は相撲を取っているのだろうか…、また休場力士が多く出るのだろうか…と心配になり、胃が痛くなる初日だ。秋風が吹くよりも、実りの秋になるといい。

 

9月13日      

思いのほか厳しい残暑だ。気温は35℃。
久しぶりに畑へ出かける。9月なかばだというのに日射しは強く、気温も高い。しかし、作物の姿を見ると、あぁ秋だなぁ、と感じてしまう。
茄子、きゅうり、オクラ…の木枝はずいぶんと衰えている。やることはやりつくし、疲れの出てきた初老の様子だ。この夏、お疲れさまでした。美味しい味をありがとう。

 

9月14日      

前歯の差し歯の治療がやっと終わった。なんと3か月と17日もかかった。仮歯から解放され、食べ物を安心して美味しく食べられるようになった。この3か月の間、麺類を噛み切れないのと滑舌が悪いのに困った。これで食欲の秋を楽しめる。ハヒフヘホも発音できる。

 

 

 

 

展覧会に作品を展示して、家に戻り、個展のために描いていた制作途中の作品と向き合うと「あれ、これでいいんだっけ?」と思う。描きかけの作品は、今回展示したものとはまるで別の作品だが、展覧会に作品を展示すると、意識が変わるのだ。
大袈裟な言い方だが、作品を展示するたびに、作者は生まれ変わるのだろう。
また仕切り直しだ。個展まであと50日。また、締め切り前の興奮を味わうのだろうな。

 

   


シルクスクリーンによる作品

 
 
shop 42展 にいらしてくださった皆様、ありがとうございました。
 

 

 

 

約2週間にわたった展覧会が終わった。
素晴らしい旅をしてきた気持ちだ。出会った、見つけた、気がついた。そんな感触がある。
そして今は「旅から戻った」というよりは「また新たな旅に出発し始めた」というような爽快な気持ちだ。

個展を間近に控えてはいたが、展覧会に参加してよかった。あの、つくる喜びに満ちた、活き活きとした空間に出会えたことは、私にとってはとても影響が大きい。
個展まであと40日ばかり。実は少しだけ、ほどよく焦っている。旅の余韻を味わう暇はなく、また旅に出るのだ。

 

 

 

 

展覧会の会期中だったが、中日(なかび=八日目)に大相撲を見に行った。
午後1時に国技館に到着。この時点ですでに興奮。歌舞伎座のように華やかな御茶屋街を通り抜け、指定の枡席に着く。予想よりも土俵が近い。興奮が増す。まずはビール。そして館内をうろちょろ。幕下の贔屓力士の取組をタマリ席にて観戦。決して色白の力士ではないが、しこ名を呼び出された瞬間に肌の色が紅潮したのがわかった。再びうろちょろ。屋外の喫煙所付近にて力士の国技館入りを観察。普段テレビで見ている力士達がすぐ目の前を通る。冷静なふりをして興奮。当たり前だが、でかい。そして鬢付け油の甘い香りが漂う。
十両の取組あたりから照明が一気に明るくなる。あまりの華やかさにクラクラする。さらに興奮。ここから先は、土俵上の取組を凝視する。そして、贔屓の力士のしこ名を叫ぶのだ。おとなしくなんて見ていられない。

 
 

あれよあれよという間に結びの一番、横綱の登場。客席のいたるところでカメラのフラッシュが焚かれ、それがまるで宇宙のようで美しい。

横綱になった朝青龍を生で見るのは初めてだった。居るだけで熱い圧倒的な力を感じる。昔から「横綱はカミサマだ」と言われていることを、身をもって感じた。

夢のような時間があっという間に過ぎた。本当にここに5時間もいたのだろうか…と思った。 国技館はワンダーランドだ

 

9月24日      

朝早く起きて、一日中制作。こういう時間の使い方をする日は久しぶりだ。とにかく爽快で、夕食時にはどっと疲れた。が、その疲れも爽快だ。
少し前に巷ではヂンギスカンブームだったらしく、近頃ではこのあたりのスーパーでもラム肉をよく見かける。肉と一緒に「ヂンギスカンのタレ」もパックされているのだが、そのタレは使わないのだ。ご飯に合うものよりも、酒に合うものを作りたくなるのだ。

●羊肉とししとうのにんにく炒め

 

9月25日      

S家にてコタツのセッティング、我が家にてホットカーペットのセッティング。冬支度である。「えっ、もう?」と思われるのだろうが、この地は朝晩にはぐっと冷え込むのである。これから先は、寒さと埃との闘いの日々だ。
大相撲秋場所は千穐楽。最後の最後までわからない優勝の行方に、この数日は久しぶりにドキドキした。テレビを見ながら太田胃散を何度も飲んだ。結局、優勝したのは横綱・朝青龍だった。今場所は朝青龍にとっては厳しい場所だったらしく、表彰式直前に涙ぐみそうになっている姿がテレビに映った。そんなもの見てしまって、私の涙腺は決壊した。
モンゴルから日本へと確か16才という若さでやってきた朝青龍。慣れない生活習慣に苦労もしただろう。今、こんなにも大相撲を沸かせてくれて感謝である。ありがとう。

 

9月26日      

今日はお彼岸の墓参りの日だ。昼食後、墓に供えるだんごを作り、花と水と線香を持ち、200メートルほど離れた墓へのんびりと歩いて行く。墓参りをするのはいつも私と母。よくよく考えるとこの二人はS家とはなんにも関係のない(←血がつながっているかというような意味で)二人なのだ。そう思うとおかしくて笑ってしまう。
今日のだんごには、だんごの粉が足りなかったので小麦粉を加えてみた。とてもおいしかった。お供え物だというのにこっそりいくつも食べてしまった。

やや鮮度の落ちたきゅうりはこの食べ方で。
●きゅうりのゴマキムチ和え