父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2005/11月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 

 

 

 

11月になった。急に寒くなった。
もうすぐ個展だ。
今回もまた、私と私の作品は、いろんな人と出会うのだなと思うとわくわくする。

 

11月1日      

先日の河内音頭のビデオに出演していた数人の音頭取りのなかでも、キテレツで最もかっこよかった、江州音頭の桜川唯丸(先代)のCD『ウランバン』を夫が持っていた。
翌日、朝からさっそく聴いてみた。
うねるような唄と音。かっこいい! 楽しい! 力が湧く! そして、しんみりするせつない曲もある。魅力溢れるアルバムだ。唄のなかにもあるように、“これがこの世の極楽じゃ”。
あの日から4日間、部屋でも車の中でも、ず〜っとこれしか聴いていない。
そして、油絵の具の乾きを待って、版画を刷っている。

●ほうれん草のおひたし(ごまだれポン酢)

 

 

 

 

個展がはじまった。
今回の個展の会期は3週間。先週1週間はずっと会場にいて、いったん群馬へ帰ってきた。

そして、今週末から会期終了までずっと会場にいます。

個展 ◆〜11/26まで ギャラリー&バーKajima にて

 

11月13日      

「あぁ、深酒がしたい」これが制作が佳境に入ってきた頃からの私の夢だ。制作からいったん開放された喜びとともにお酒を堪能したい。
しかし、今回の個展会場はバー。お酒はたくさんあっても、当人である作家は当然酔うことはできないのだ。
会期のはじめの1週間が終わった昨夜、東京で宿泊している実家の近所の店にたどり着いてから、やや開放された気持ちで飲むことができた。でも、『まだまだ』な感じだ。お酒を楽しみたい意気込みよりも疲れの方が勝ってしまった。
あと2週間。ホッとした気持ちで、できたら万全の体調で「深酒」できる時の到来を楽しみにしている。

いったん群馬へ帰ってきた今日、ぐっと冷え込んできた。こうなったらもう「鍋」にかぎる。

●鶏の旨み鍋

 

11月14日      

今週に入って急に寒が強まっている。
寒さで体に力が入るせいか、久々の厚着で動きづらいのか、肩が凝ってだるいような日々。
昨夜の土鍋は洗わずそのままに、本日はカキ鍋だ。

●カキと豆腐とごぼうの味噌鍋

 

11月15日      

搬入の前から、次にやってみたいことのイメージが湧いている。とくにうつらうつらと眠っているときに、ぽっぽっぽっ…とそれらは現れてくる。起きてはスケッチしていた。
なので今日は早速、失敗したキャンバスを塗り潰す作業をした。早くまた描き始めたい。

●タコとオリーブのマリネ(参考●セロリとタコのマリネ

 

11月16日      

気がかりだった畑に残っている里芋を、一気に掘った。前回の里芋掘りから約一か月。その間に土の中で里芋は3〜4倍ほど大きくなっていた。
掘り始めるまでは体がだるかったのだが、畑で動いていたら体も気持ちもスッキリした。
ほかに大根、ほうれん草、ねぎを収穫した。


●モツ煮込み

 

11月17日      

突然やって来た寒さにまだ体が慣れていないようだ。やたらと体に力が入ってしまっている。肩が凝るし動きが鈍い。さまざまなことを片づけるのがおっくうで、気がつくとストーブの前にへばりついてじっとしている。なんとか、暖かく柔らかく、そして、しっとりと冬を快適に過ごしたいものだ。

●かぶのとろ煮

 

 

 

 

明日からふたたび東京だ。
こう寒くなってくると、人と光の溢れる東京の街が恋しくなる。
ちょうどよかった。

 

 

 

 

個展が終わった。
このたびの会期は3週間。長〜い長い旅をしてきたようだ。
気持ち充足。体ヘロヘロ。心地よい疲労。
ご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
私の作品と私はいろいろな人と出会った。いろいろな話をした。
とてもありがたいそれらを咀嚼して、そして、それらを置いて、また、あたらしい旅に出るように進んでゆきたい。ぐんぐんと進むか、うろうろ歩くか…。

 

11月29日      

群馬へ帰ってきた翌日から、S家に庭師さんが入っている。今年は2人。昼ご飯は合計6人分を作るのである。根菜の煮物は前日から仕込む。お盆に煮物や焼き魚やおひたし、漬け物、ご飯にみそ汁…の皿を並べて、旅館や定食屋のような光景。こういう作業は楽しいのである。

●ごぼうの黒ゴマ和え

 

11月30日      

個展に、スペインで暮らす友人が来てくれた。彼女と会うのは実に10年ぶりだった。
より一層、はつらつと生命力に溢れる彼女と会えて嬉しかった。
スペイン生活の写真を見せてもらった。分厚いファイルに収まった数々の写真には、丁寧に付箋紙でキャプションが記されていた。こんなところにも、変わらない彼女らしいバイタリティを感じた。「スペインは、陽の光が強く鮮やかなんだな」…と感心して見ていたなかでも、もっとも興味を持ったのは、彼女のご主人のお母さんが作った鶏肉料理の写真だった。その場ですぐに作り方を教わった。
今日はさっそくそれを作ってみることにした。

●鶏肉のパプリカ蒸し焼き

彼女にシェリー酒をおみやげにいただいた。香り高くキリッとしていて、ほどよい甘さ。寒さと疲れに心地よく、もう一口もう一口、と早い時間から飲んでしまう。「料理に使って…」と言われたのだが、料理に使う間もなく飲酒用でなくなってしまいそうだ。