父、母、夫、私の4人家族。
昼食は両親を交え4人での食事。 夕食は夫婦のみの食事である。
昼食は忙しい農作業の合間にサッと食べる、味には保守的な両親のことを思った料理。
夕食は夫婦でゆっくりと酒を呑みながら食べるので酒の肴でもある料理だ。
二つの台所を行き来し、二つの食事の傾向を行き来している。
 
 2006/7月
●色のついた料理の名前をクリックすると作り方のページに進みます    
 
7月1日      

あれ、もう7月。信じられない気がする。

ここ数日で急に気温が高くなったせいか
、バテ気味である。やけに眠気が強いと思っていたら、熱が出ていた。
晩酌時にあさりの土鍋蒸しを食べてみた。暖かさが気持ちよい。あさりの滋味が体にしみわたる。ここのところ冷たいものをよく食べていたのでバテたのかもしれないと反省する。

●あさりのそのまま蒸し(参考→→4月の『きょうの料理』

あさりの土鍋蒸しを2日連続で食べたところ、体に活気が出てきた。

 

7月3日      

見事に晴れ渡ったかと思うと急に激しい雨が降り、道路には川のように水が流れている。と思ったら、ふたたび晴れる。… その繰り返しの変化に富んだ天気だ。躍動感があって楽しい空模様である。
雨が降ると眠くなるが、
晴れると何事にもやる気が起きる。ここは目に見える空の面積が広いから、空模様に体調気分が影響されやすいのかもしれない。

●もやしのソムタム風サラダ

 

7月4日       これぞ7月、アッパレというほど晴れ渡った暑い日。気分爽快である。竹やぶや田んぼの脇の道を歩くのが気持ちよい。田舎に住んでいることを幸せだと感じる瞬間である。
田んぼをのぞき込んでみると、驚くほどの数のオタマジャクシが泳いでいるのに気がつく。これがみんなカエルになるのかと思うと笑いがこみ上げてくる。
   
 
S家の畑から玉ねぎが収穫された。母からすると失敗作であるピンポン玉くらいの小さな玉ねぎを寄せ集めて、玉ねぎを丸ごと入れるポトフを土鍋で作った。
今日は昼間は暑かったが、夕方から急に風が吹きはじめ、ぐっと涼しくなった。温かい土鍋料理が体にしみた。

●ポトフ

7月5日      

一日中雨降りで肌寒い。朝にはストーブを点けたほどで、昨日までの暑さとの差に驚く。過ごしやすい気温で何事もはかどりそうだが、いざ絵を描いていると部屋の暗さが気になった

●生トマトとツナとオリーブのスパゲッティ

庭に生えているフェンネルを思う存分ちぎって入れたらとても美味しかった。

 

7月6日      

雨も降らず太陽も照っていない今日、午後からじゃが芋を掘った。
前日にたっぷり降った雨で土が重たくなっていることに気づいた瞬間、「明日にするんだった」と後悔した。掘った土がベトッとスコップにこびりつくのだ。それをたびたび足でこそげ落とさなければならない。地下足袋を履いていてよかった。
土の中からコロッと
じゃが芋の姿が現われると嬉しくなり、体が動く。そして、体を動かしているうちに体の動きが止まらなくなってくるのだ。
汗をたくさんかいた。ペットボトルのお茶を1リットルも飲んだ。心地よい疲れがやってきた。
日頃の運動不足を痛感した日でもある。

ほかにピーマン、きゅうり、茄子を収穫。

●茄子の煮びたし

 

7月7日      

畑から採れた野菜、近所の商店から買った活きのいい野菜、家に野菜がたくさんあると嬉しくなり、気分が高揚する。
ポテトサラダは母や夫に好評で、目を離したすきに皿から消えてしまう。近頃はベーコンの代わりに、かに風味かまぼこを入れている。あっさり仕上がり、和食に合う。

●ポテトサラダ

 

7月11日      

東京にて、ちょっとした取材を受けた。その後出かけたギャラリーでは、何年も前から私の作品を見てくれている作家さんと偶然出会い、しばしお話しした。日頃は田舎にこもりがちなので、作品制作や生活について話すことは貴重なことだ。
質問に答えながら話していると、話しながら気がつくことがあり、ありがたい。私には私の独特があるのだな。私ならではの感じ方や私ならではのやり方。(それは当たり前に人それぞれにあるもの
だが)それをやってゆくのがいいのだな、やってゆかなくちゃ、と思った。
人の作品を見ていてもそう思う。自分ならではの表現を、とことんやっている作品は面白く、あぁ見てよかった、と思うのだ。

 

7月13日      

道の途中のクルミの木

たった4日ほど群馬にいなかっただけなのに、田んぼの苗や畑の作物が生長しているのに気がつく。緑の分量がぐんと増えているのだ。
S家へ向かう道を歩きながら田んぼや木々の緑を見ていると「やっぱり夏は田舎に限るゼ」と思う。(冬の寒さの厳しさをすっかり忘れてしまっている)
今日はとても暑かったので、クーラーをつけた。それほど利かせずに、やや汗ばむ程度の冷やし加減だったのだが、長時間つけていたせいか、夜には具合が悪くなった。明日からは気をつけようと心に誓った。

●ポテトサラダ

 

7月14日      

太陽の光がギラギラと眩しい夏の日だ。7月も半ばだ、もうそろそろ梅雨も明けるのだろう、とわくわくする。
午後には今年初めての蝉の声が聞こえてきた。いよいよ嬉しくなってくる。
昨日はクーラーで具合を悪くしたので「今日は絶対にクーラーをつけるものか!」と我慢した。あまりに暑いので、何度もシャワーを浴びたり、水風呂に浸かったりした。それでも暑さは厳しく、夕方には頭痛までした。
前橋では37.2℃あったらしい。
我慢もほどほどにしなければならないと反省した。

●アボカドとクリームチーズのわさび醤油和え

クリームチーズに代えてカッテージチーズで作るとさっぱりしてよい。

 

7月16日       ノウゼンカズラが咲きはじめている。
暑い時期に、ぽっぽっぽっぽっ…と咲くこの花が、私のいちばん好きな花である。遠くから全体を見ても、近くで花だけを見ても、大好きな佇まいだ。
この花の咲きようを描けたらいいなぁと、昨年から思っている。が、難しいのだ。
   
 
          今日は雨。毎年恒例の近所に住む親戚が作った枝豆が大量に届いた。
雨降りで畑へ行けない母が、豆を枝から
もいでおいてくれていた。
あとは塩でもんで茹でるだけだ。(もんだ後、塩の付いたまま鍋に入れ、少しの水で蒸すように茹でる)
旨い!

●もやしのソムタム風サラダ
 

7月17日      

雨。数日前の高温の日と比べると気温が10℃以上も下がっている。S家の台所にいると足が冷えてしまうので、食後はコタツにどっぷりつかって足を温めた。
高温の日を体験したせいか、適度な気温で過ごしやすく感じる。物事がはかどる。

●まぐろとアボガドのサラダ

 

7月18日      

雨の日が続いている。量もたっぷり降っている。我が家のすぐそばを流れる用水路の水量も増えている。家の中から聴く雨の降る音と用水路の水が流れる音は“こんこん……”と聴こえる。なかなかいいものだ。洗濯物がたまっているのが気になる。

畑から茄子がたくさん収穫される。近頃は『煮びたし』にするのを好んでいる。くたくたに柔らかく煮れば、父も母も喜んで食べてくれる。
今日はふと思いついて、庭の山椒の葉を刻んで加えてみた。ちょっと高級な香りが漂って、いい風情だ。

●茄子の煮びたし

 

7月19日      

今日も朝からしっかり雨が降っていた。
昼頃に外が少し明るくなり、鳥の鳴き声が聞こえてきた。「これは晴れるぞ!」とあわてて洗濯機を回した。4日ぶりだ。洗濯物を干すことができるのは実に嬉しい。… とはいえ、すぐに陽は陰ってしまった

例年では明日(7/20)あたりが梅雨明けの時期だが、今年は遅くなりそうだ。

●ポテトサラダ

 

7月20日      

今日も朝からしっかり雨が降っていた。
近頃、眼の疲れがひどい。
眼がチカチカして、体は疲れていないのに、疲れた気分になるのだ。それをいちばん強く感じるのは、商品のたくさん並んだ大型スーパーへ出かけたときだ。照明が明るすぎるのだろうか。次は絵を描いているときだ。意外なことにパソコンに向かっているときはそれほどでもない。
眼の疲れには、鰻やレバーがいいらしい。
今日は眼のチカチカするスーパーへ出かけて鶏レバーを買ってきた。鶏レバーに塩をふって、ガスレンジのグリル(または焼き網)で焼く。焼けたら適当な大きさに切って皿に盛る。七味や山椒をふって食べる。これが鶏レバーのいちばんおいしい食べ方だ。

●茄子の煮びたし

 

7月21日      

今日も朝からしっかり雨が降っていた。用水路の音はさすがに“どぼどぼ…”になってきた。

8月に新潟で行われる展覧会に出品する作品を発送した。またひとつ“しめきり”を終え、次に進むのが楽しくなってきた。

●上越の空と世界の空をつなぐメッセージアート展
 8/1〜8/10(10:00〜18:00)
 大島画廊
 新潟県上越市本町3(025-524-2231

 
展覧会の詳細はこちら

●アボカドとクリームチーズのわさび醤油和え

 

7月23日      

梅雨が明けない。夕方になると秋に聞くような虫の音が聞こえてくる。今日はトンボの姿も見た。まるで秋の光景だ。虫たちも季節がわからなくなっているのだろうか。

大相撲名古屋場所は千穐楽。結びの朝青龍×白鵬戦は、見終えた後にどーっと疲れが出るような見応えのある大相撲だった。感動のあまり涙が出てきた。

やはり白鵬は西がいい。正面から映しているテレビカメラで、立合いの後、左で相手の廻しを取れたかどうか(←これが白鵬のいい形だ)がすぐに見られるからだ。来場所からは西の横綱だぁ! … と期待していたが、昇進は見送られてしまった。残念だ。

本日は土用の丑の日。

●うなぎ

 

7月24日      

毎日、昼寝は欠かさないようにして、少しずつ制作している。体にも画面にも、春先にあった固さやぎこちなさがなくなってきて、描いていて気持ちがいい。
描いているときに気持ちのよい作品がよい作品に見えるが、どうなのだろう。
そんなふうに断言すると、そこで固まって止まってしまうので、なんとなくそう感じる程度にしておこう。

今日も茄子は『煮びたし』だ。去年までよくやっていた、油で揚げたり炒めたり… をする気にならない。
なんて思っていると、次から油で揚げたり炒めたり… しだすのかもしれない。

●茄子の煮びたし

 

7月25日      

久しぶりに晴れ間が覗いたので畑へ出かけた。長く続いた雨のせいで、かわいそうに木に実りかけたまま腐っている茄子やきゅうりやピーマンがいくつかあった。
漬け物にするため、採ってきたばかりの茄子に包丁を入れた瞬間、パキッと鮮やかな音がした。包丁を握る手に伝わってくる張りが力強く爽快だ。こんな感触を味わえるのはありがたいことだ。
久しぶりに大汗をかいた。鬱陶しい気もするが、気分がよい。

●いんげん豆のごま和え

 

7月28日      

数日、雨の降らない日が続いている。
晴れた日は絵を描くのに適しているが、久々の晴れ間にはそうもいかない。
雨降りの間にできなかった、畑の作物の収穫、草むしり、庭の手入れなどをしなくてはならない。田舎の夏はなんとも忙しい。
今日は畑や庭でたっぷり働いた。


●じゃが芋と茄子とピーマンのカレー炒め

   

7月29日      

8月におばあちゃんの米寿のお祝い会のために島根へ行く。今回は車を使えないので、どのようにして行くかを検討している。飛行機か寝台特急か夜行バスか電車乗り継ぎか… 時間や料金をあれこれ調べる。途中でどこに寄ろうか… などと思いついては調べだす。
 寝台特急・サンライズ出雲のノビノビ座席は楽しそうだ…
 伯備線の途中にある備中高梁はあの名作のロケ地だ…
 やはりここの出雲そばは食べておきたい…
 おー、ちょうど花火大会があるんだ…
そんなことをネットで検索しているうちに一日が終わった。ようやく旅の骨格があらわれてきた。チケットの手配などはまだだ。できれば行きあたりばったりの旅をしたいものだ。

●茄子の煮びたし

 

7月30日         我が家では年に一度“よしず”を新調する。
「梅雨が明けたら」と思っていたが、今年はなかなか梅雨が明けない。
一年間風雨にさらされ、ボロボロになっている“よしず”を見るに見かねて、新調した。
 
 
新しい“よしず”が設置された光景は美しく、しばし見とれていた。
気持ちのよい風が吹き、蝉の声が聞こえる。緑の分量がますます増えている。用水路を流れる水の音も活発だ。すばらしい夏の風情だ。
そして、今日梅雨が明けたことを知った。


最寄りの駅のみどりの窓口に行った。もう売り切れているだろうと覚悟していた“寝台特急・サンライズ出雲のノビノビ座席”が1枚だけ残っていた。なんというしあわせ。がぜん旅が楽しみになってきた。

●ポテトサラダ

夜には打ち上げ花火の音が聞こえてきた。自転車で見晴らしのよい場所へ行くと、遠くに小さく、立派な花火がたくさん見えた。いよいよ夏だ。