2007/3月
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3月になった。
毎日毎日、強い風が吹き荒れていて呆れる。閉口。実際に口を閉じていないと口の中に砂が入ってジャリジャリとするのである。

 
 
3月5日  

予約していた漢方診療所へ行く。先生は志村喬を彷彿とさせる佇まいで、なんだか夢でも見ているようなありがたい心もちになる。問診、舌診、腹診、そして足の表面の温度を測る。足先は24℃とかなり冷えていた。私の体は漢方で言うところの“水の滞っている状態”で、冷えに弱り、力が落ちているのだそうだ。漢方薬2種類を処方してもらう。さあ、手応えはいかに。

あいにく昼過ぎからひどい頭痛に見舞われ、街の旨いものめぐりは断念して帰宅。
食事を作る気力もなく、

●ほっかほか亭の鶏竜田揚げ弁当

 
 
3月8日    

相変わらず、父が刺身を買ってきてくれる。その心遣いは胸にしみるほどありがたいのだが、刺身そのものには食傷気味である。きっと寒いので生ものを食べる気が起こらないだろう。
今日はブリの刺身に塩をふって、さっと焼いて、おろし生姜とともにちょろっと醤油をたらして食べてみた。実に旨い。

 
 
    

少し体調が回復してきたのか、午後には少しだけ絵を描くことができた。晩酌時には、大好きなアルバート・アイラーのアルバムを3枚聴いて、ごきげんである。

●ほうれん草のおひたし(ごまだれポン酢)

 


(1963年)

 
 
3月9日    

20日ぶりに、S家へ食事作りに出かけることができた。めでたい。

●炒め納豆

 
 
3月12日  

昨日から大相撲春場所が始まった。初日の昨日は、3大関と横綱が黒星という大荒れ模様であった。
我が家では相撲放送を録画しておいて、晩酌時に鑑賞するのだが、体力の落ちている今、結果を知らないままドキドキしながら晩酌をすることに耐えられる自信がないので、勝敗結果だけを先に知ることにした。
大相撲のサイトを開いて目に飛び込んできた[朝青龍:0勝2敗]という文字に愕然とする。私の体調よりも横綱が心配である。

底冷えが厳しい。火を通したものを食べたい。鴨肉と豆腐をフライパンで炒め、めんつゆで味をつけ、最後に水菜を加える。火の通った豆腐を食べると暖まる。ありがたい食感である。

●ほうれん草のおひたし(ごまだれポン酢)

 
 
3月14日  

漢方薬を飲みはじめて9日目。気のせいかもしれないが、調子が良い感触だ。
久しぶりに近所の商店まで買い物に出かけてみる。
あぁ、それがいけなかったのか! 帰宅後、体調を大幅に崩す。そういえば、冷たい風が強く吹いていたもの。
体がつらければ、早めに床につけばいいものを、録画した大相撲放送を苦しみながら見届ける。

●れんこんの梅煮

 
 
3月15日  

漢方薬を飲みはじめて10日目。昨夜の苦しさが嘘のように、今日は目覚めた瞬間から調子が良い。
今日だって昨日のように冷え込んでいるのだが、体への悪影響はない。春の訪れと健康は、一進一退である。

母が庭からふきのとうをたくさん採ってきてくれた。

ゆでふきのとうの醤油和え

 
 
3月16日    

冷えに絹の5本指靴下と絹のレッグウォーマーがいいらしい。

私はいつも、普通の5本指靴下、厚手のウールの靴下、タイツ、足首が特に冷えるので足首ウォーマー、そして膝ウォーマー、時には、足首と足先に貼るカイロ… と、着替えの時に「こんなに着けていたのか」とため息の出るほどの重装備はしているのだが、友人が教えてくれたサイトを見てみると、肌に触れる部分には絹がいいらしいのだ。
サイトから絹の5本指靴下と絹のレッグウォーマーを注文した。そして、今日の朝、早くもそれが届いた。
すぐに着けてみた。足先の冷えはまだまだ手強いが、絹のレッグウォーマーは「何事か!」 という感触だ。今まで着けていた化繊の膝ウォーマーが寒く感じるほどに、絹は暖かく気持ちよいのだ。いゃー、ありがたい。

●もやしのごま和え

 
 
3月17日  

私がこの世でかっこいいと思うものの一つは、高見盛と対戦するときの安美錦だ。
人気の高見盛の取組にはたくさんの懸賞が付くからなのか、同郷同期の高見盛に対してライバル心が強いからなのか、普段は無表情に近く“かったる”そうな様子で仕切る安美錦だが、この時ばかりは小憎らしいほどに闘志を燃やすのだ。そんな安美錦の姿を見るのがとても楽しみなのである。
が、今日の相撲放送は、アナウンサーもテレビカメラも始終高見盛に注目していて、安美錦の仕切りの姿は映らなかった。ヒジョーに残念である。
取組は、しつっこーく攻めた安美錦の勝ち。だが、テレビ画面に映るのは、負けても高見盛。

   
 
 

友人がコリアンタウンで見つけたという“漢方足浴剤”が今朝届いた。足湯のバケツに投入する茶色い塊だ。むせかえるほど強烈な漢方の香りは効きそうだ。それよりも楽しいのは、きっと自動翻訳機で翻訳されたであろう、おかしな日本語の説明書き。日本語は難しいのだなぁ。

本日も、呆れるほどの強い風の吹く一日だった。もううんざり。

●あさりのそのまま蒸し

 
 
    

彼岸も過ぎ、春場所も最後はあっけなく終わってしまい、もう3月も終わろうとしている。

 
 
3月30日    

近頃は夜中に幾度か目が覚める。昨夜はずいぶんたくさんの雨が降ってる音を寝床で聞いた。乾ききった地面が、ゴクゴクとありがたそうに雨を飲み込んでいるように聞こえて、嬉しくなった。

午前にS家へ向かう道中、驚いた。昨日までと風景が一変していたのである。地面も山も水気をたっぷり含んでいるようで、きめ細かく美しく輝いている。赤城山とその周辺の空は、まるで夏のような色合いになっている。空気も澄んで美しい。

●ニラと干しエビのキムチ和え

 
 
3月31日    

東京では桜が満開だそうだが、こちらはまだまだだ。そのうえ、今日は驚くほど冷え込んでいる。寒くなると体調はいっぺんに悪化する。夕方まで昼寝だ。
夕方からはまた雨が降る。湿り気がありがたい。冬の間の砂埃を洗い流しておくれ。

●ピーマンとちりめんじゃこの煮びたし