2007/5月
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3月から通っている漢方医へ通うのも4回目になった。体調は見違えるほどに良くなっている。が、昨秋から出始めた口角炎がなかなか治らない。胃弱が原因であろうと、胃を治す漢方薬に変えた。これまで飲んでいた漢方薬も美味であったが、今回の漢方薬も美味である。茴香の香りがさわやかで気持ちよい。

5月になり、気温も体調もちょうどよい。ようやく私の一年が始まりだしたような感覚だ。

 
 
5月1日  

夫が高血圧の診断を受けてしまった。これまで酒のツマミめいたパンチのある味つけの食事を多く作ってきたことを反省する。味つけに気をつかう日々である。

S家の庭にふきが生え揃ってきた。

●ふきの青煮

 
 
5月2日  

山間部に住む親戚から山菜(こごみ、こしあぶら)をもらった。
こごみはだし汁と醤油でさっと煮た。こしあぶらは「ぜひとも天ぷらで」と薦められたので、天ぷらにした。天ぷらを揚げるのは実に久しぶりだったが、旨い天ぷらが出来上がった。ほのかな苦味が素晴らしい。こういった野趣あふれるものに巡り会えるのは幸せなことである。

●根みつばとわかめとじゃこの酢のもの

↑に、干ししいたけを戻してスライスして加えた。もちろん、戻し汁もだ。干ししいたけはコクがあるので、味つけが薄くてすむ。

 
 
5月3日  

S家の裏の竹やぶでは、次々に筍が姿を現わす。

●たけのことわかめの煮物

   
 
ふきの傘をさしているような筍 →
 
5月4日    

暖かいというよりも暑い日だ。衣替えを行う。
久々に袖を通してみたTシャツが、去年よりもさらに似合わなくなっていて、落胆する。Tシャツは若さの象徴なのだなぁ。ハサミで切ってウェス(絵の具や油を拭くのに使う)を大量に作る。それでも未練がましくハサミを入れられない数枚が残る。

ご近所から、山椒の葉を大量にもらう。ソフトボール大に丸めて冷凍してあるものを2つもだ。解凍してそのままで食べてもおいしいが、これを作るのにもってこいである。

●長芋の木の芽和え

 
 
5月5日  

山椒の葉をすり鉢ですりおろし、砂糖、酢、味噌を加えて山椒味噌を作り、皿に盛った ふきの青煮 の上にかける。見た目も美しく、味や香りも体にしみわたる。春の味覚は気持ちよい。

 
 
5月7日  

大関・栃東が引退。さみしい。我慢我慢の渋い取り口も好きだった。
夫が「もうあの相撲も見られないのか…」とつぶやいたとたん、二人で頭を低く付けての“おっつけ”(栃東の形)を同時にしてしまった。

ご近所から大根を5本もらう。久しぶりに大根の煮ものを作ってみることにした。
作りながら、甘い味の好きな母の顔が浮かび、つい砂糖を加えてしまう。煮進めているうちに、濃ーい味つけの大好きな父の顔が頭をよぎり、つい醤油をドボッと加えてしまう。塩分ひかえめを望んでいる夫には申し訳ないような、こってりとした煮ものが出来上がった。
普段は食の進まない父がものすごい勢いで食べていた。嬉しい。

●豚肉と大根の煮もの

 
 
5月8日  

ビールによく合う

  大根の葉を使うために 炒め納豆 を作る。
生姜のみじん切り、挽肉、ミックスビーンズ(枝豆・白インゲン・紅インゲン) 、納豆、大根の葉を炒めてこんな出来栄え。

大根を太めの千切りにし、さっと茹で、水気を切り、酢醤油で和えて冷やしておく。なんてことない簡単なものだが、ひじょうに旨い。

 
 
5月9日  

5月はほんとうに気持ちのよい時季だ。
寒くもなく暑くもなく、埃っぽくもなく、湿度もちょうどよい。
萌えだした若葉は眩しく、爽やかな風が吹く。
蚊はいないし、ハエもまだ少ない。カエルの鳴き声が聞こえてくる。ツバメが地面すれすれをかっこよく飛ぶ姿も見かけるようになる。

午前中、干した洗濯物が風に揺れるのを眺めながら、安東ウメ子さんのCDを聴いた。なんとも心地よく、幸せな時間だ。

安東ウメ子さんの唄は、『てくてくと一人、気丈に、しかし気ままに、野を歩いてゆく光景』が見えるようでとても好きだ。
気持ちよく鼓舞されるので、絵を描くときにもよく聴いている。

 


「イフンケ」(01年)

 
 

「ウポポ サンケ」(03年)
 
    

鍋に水とちぎった梅干しを煮立て、こんがり焼いた厚揚げを切り揃えて入れる。昆布も醤油も粉末だしもみりんも使わず、塩分は梅干しによるものだけ。それだけでもじゅうぶんおいしかった。塩分ひかえめの工夫が成功すると嬉しい。

(参考 ●厚揚げと梅干しのさっぱり鍋

 
 
5月10日  


ボックス 小冊子付き 

 


いよいよ届いた。
私の最も好きな浪曲師、初代・京山幸枝若『浪曲・左甚五郎シリーズ』。全10巻だ。
3日後には夏場所が始まり、忙しくなる。それまでに聴いておきたい、と気持ちがはやる。

ご近所からセロリをもらう。このあたりでは人気がないのか、店で売っていないことが多いので、ありがたい。
トマト味のスパゲッティに、細かく刻んだセロリをふんだんに加える。爽やかな風味だ。

 
 
5月15日  

グループ展に出品する作品の制作は終了。サインを入れる。
そして、新しい作品に取りかかる。

「今日は何曜日だ?」「火曜日」「まだ火曜日か」
近頃、金曜日が待ち遠しくてならない。それは、このドラマを見たいからだ。
鉄道好きの私にはたまらない魅力なのである。初めのうちは自信だけが満々の主人公・田中が痛々しく鬱陶しくてならなかったが、段々いとおしい奴に感じるようになってきた。

●ニラとエリンギのポン酢和え

 
 
5月16日  

先日、漢方医の待合室で“湯たんぽ”に関する本を手にした。冷えはさまざまな病気の温床、冷えを解消すれば体が丈夫になり、ひいては美容にもよろしい、という主旨。湯たんぽの効果的な使い方を紹介してあった。
今年の一月に湯たんぽを導入し、就寝時に布団の足下に置いて暖を採っていたのだが、その本によると、
 ・暖める場所は、お腹、おしり、太もも、二の腕の裏側である。
 ・睡眠時だけでなく日中から暇があれば繰り返し暖める。
 ・入浴前に各部分を暖めておくと入浴効果が高まる。
 ・そして、それらを一年を通して(夏場も)行う。
のだそうだ。
せっかく導入した湯たんぽを、私はフルに活用していなかったのだ。
今日の朝、もう暖かくなってきたので必要ないだろうと仕舞っていた湯たんぽを再び出し、4カ所を暖めてみた。今後は、描きかけの作品を見る時間の儀式として取り入れてみよう。

『湯たんぽを使うと美人になる―4つの筋肉を温めるのがコツ』 / 著・班目 健夫 / マキノ出版

●和風ポテトサラダ

 
 
5月17日  

近所から新たまねぎをもらった。10Kgだ。
まずは、薄くスライスして、酢醤油で和える。この食べ方が、結局いちばん美味しいような気がする。玉ねぎのスライスは高血圧にもいいらしい。

高血圧と中性脂肪に要注意という診断の下った夫が食事の節制をしている。
料理の味つけを薄くするよう心がける私であるが、食事量を減らすのには、本人の強い意志が不可欠である。彼はそのために“よく噛む”ことを心がけている様子だ。そんななか、「これはいいな」と感じる献立がある。

 
 
  ニンジンスティックである。
辛子マヨネーズをどっぷりと付けて食べたいところであるが、そこをぐっと我慢して、何も付けないで食べる。
歯応えのあるニンジンは、噛めば噛むほど甘味が増し、思いのほか美味しくなる。そうして噛んでいるうちに、脳に満腹情報がやって来るのだ。「もうちょっと何か食べたいな」と感じる時、とりあえず、ニンジンスティックをポリポリと噛んでいると、空腹をしのげるのである。
食事の節制をしたい人にはおすすめの一品である。ニンジンを切るだけなので簡単でもある。

●れんこんの梅煮
 

毎日ニンジン一本分
 
 
    

展覧会を終えて群馬に帰ってくると、用水路を流れる水の量がぐんと増えている。カエルの鳴き声も多く聞こえてくるようになった。もうそろそろ田んぼに水も入るのだろう。

展覧会は無事終了。
自分の作品だけが展示される個展と違い、他の作家さんの作品の間に自分の作品が展示されるグループ展は、ひじょうにためになる。自分の作品の特徴や足りないこと、これからの課題があからさまに見えてくる。
褌を締め直し、前へ進もう。

 
 
5月30日  

やっと…、いや、あっという間にか… 、いよいよこの日がやってきた。

白鵬が横綱になったのだ。
午前から普段は見ることのないワイドショーをつける。生中継される横綱伝達式を見ているうちに、感極まってきた。この人は必ず横綱になるだろうと安心した期待を持っていたのだが、いざ現実となると、人ごとながら事の大きさに胸がわさわさする。横綱になることは大きな目標であっただろうが、横綱になってからが新たな始まりなのだろう。人ごとながら身が引き締まる。

 
 
 

白鵬が夏場所の優勝を決めた十四日目(先週の土曜日)は、夕方からグループ展の搬出だったので、相撲放送を見ることが出来なかった。
今夜は夫がビデオに録画しておいてくれた『大相撲夏場所・十四日目』を見ながら晩酌をする。
結果を知っていてもドキドキし、ふたたび感動する。

いつもは場所が終わると「しばらく相撲観戦を休める」と少しだけほっとするのだが、今度ばかりは次の名古屋場所が楽しみでならない。

●ニラとエリンギのポン酢和え