2008/3月
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3月である。さすがに暖かくなってきた。
「あけまして おめでとうございます」と、今頃やっと言いたいような、ようやく体が動き出している感がある。やはり気温は10数度を超えないといけません。

 
 
3月4日   

S家の庭では、いつも決まった数匹の野良猫がうろうろしている。

数日前から、そのうちの一匹の様子が急に悪くなった。ほんの数ヶ月前までは数匹の中でもいちばん体が大きく、貫禄があり肝も据わっているオス猫であったが、今では毛並みも悪く、痩せ細り、動きも鈍く弱っている。もうそろそろあの世へ逝ってしまうのだろう。

ほとんど動かずに目を閉じている。大きく腹を波打たせ、ただ息をしている。
体に触れると「ニャー」と鳴く。表情は穏やかだ。「ニャー」と声をかけると「ニャー」と応える。何度でも応える。
運命をただ受け入れるようなその様子を見ていると、死が怖いとか悲しいとか、そういう思いを超えた何か強いことを感じる。死ぬという当たり前のことがあるのだなぁということだろうか。

カラスが屋根の上に留まって猫の様子をうかがっているように見えた。以前、子牛が病気になって死んだとたんに、カラスが目玉をえぐりに来た。そんなことを思い出し、なんとなくカラスを威嚇してみた。


桃の節句には、母がたくさんの太巻きやいなり寿司を作ってくれる。たくさん作るので、2日連続である。寿司に合いそうなこれを作っておいた。

●れんこんの梅煮

 
 
    

その翌日、猫は死んだ。

 
 
3月21日   

例年、2月の初めには姿を現すふきのとう。まだかまだかと2月から地面を探していた。近所のおじさんに「現金でも落ちてるんか?」などと声をかけられたりしながら、日課のように探していた。

そして、ここへきてようやく、ふきのとうの姿を見つけるようになった。
今年の冬はやはり寒かったのだな、と思い知る。
畑や田んぼの周りの雑草も、今年は遅めに生えだした。それでも生え出すと生長は早く、急ぎ足で春めいていることを感じる。

盛り上がってきた大相撲春場所の13日目、結びの一番が終わっても(午後6時前)、まだ空が明るいことが嬉しいこの頃である。

ゆでふきのとうの醤油和え

 
 
3月22日   

寒い時季にはまるでダメになってしまう私だが、それでも昨冬よりはずっとよかった。すっかり忘れていたけれど、昨冬は20日もの間、S家へ通えずに寝込んでいたのだった。今年はそこまでにはならなかった。
これが良かったのかな、ということを記しておこう。

 
 
      ●絹の5本指靴下とレッグウォーマー  
   

友人の薦めで毎日着用するようになって一年が経つ。
絹は肌馴染みがよく、気持ちよい暖かさを伝えてくれるのだ。

 
 
      ●スパイス入りの白湯をつねに飲む  
   

スパイスは、シナモンやカルダモン、ショウガ、ターメリック、クローヴなどから、その時の気分で思い思いに入れた。
コーヒーや紅茶の味やほどよい刺激を好んでそればかり飲んでいたので、はじめはもの足りなかったが、白湯に慣れるようになった。
その後は、時々コーヒーを飲む際にも白湯で薄め、スパイスを入れるようにしている。

 
 
      ●ヴェレダの入浴剤で入浴、その後のオイルマッサージ  
   

ヴェレダの入浴剤は香りもよく、ほんとうに暖まる。「入浴する甲斐があるぜ」としみじみ感じる楽しいものである。
風呂上がりに浴室で、足の裏、指、足首、ふくらはぎを重点的にオイルマッサージする。
体の不調が無ければ、こんな面倒くさいこと、続かなかっただろう。しばらく続けているうちに、やめられなくなるほど心地よくなってきた。
“自分の手で自分の足に触れて、いたわる”という行為とその気持ちが大事なことなのだろうなと感じている。

 
 
      ●ストレッチ  
   

腰を痛め、1月から通っている整形外科のリハビリ科で教わり、始めざるをえなかったストレッチ。これもかなり面倒くさいこと。続けていられるのは、痛い思いをしたお陰かもしれない。

 
 
      ●足湯、湯たんぽ  
   

椅子に座って机上のパソコンに向かう場所は、台所に次ぐ底冷えの厳しい場所である。だから、なるべく机には向かわないことにしていた。それでも向かうときには、面倒がらずに足湯バケツや湯たんぽを足下に置いた。ヒーターやブーツなど試してみたが、お湯のぬくもりは、体の芯まで伝わるようだ。
また、足湯の後はもちろんオイルマッサージである。

 
 
      ●温野菜中心の少食  
   

腹一杯食べると疲れることに気がついた。特に肉を食べると疲れる。
温野菜といっても、ただ茹でてポン酢醤油をかける程度のものや、簡単な煮ものや鍋ものだ。
野菜だけで腹5分目くらいにして、肉や魚はちょいとたしなむ程度にし、あとは御飯を少し食べ、もの足りない感触を残したままで夕食を終えるのだ。
さみしいけれど、疲れが違う。
これは、昨年に体をこわし、その後20kgの減量をした夫の食生活につきあっただけことであるが、思いがけない効果のようだ。

 
 
      ●寒さを受け入れて、あきらめること  
   

体が思うように動かなくても「寒いんだからしょうがない」と腹をくくる。これが精神衛生上とてもよかったような。

 
 
    

とまあ、ケガの功名のようなことばかり。こういうことを忘れないで、今度の冬を迎えたいものである。

 
 
3月23日   

お彼岸の最終日。上新粉で作ったお団子と花と線香を持って、S家から数分歩いた墓へ墓参りをする。「どのように生きても、最後はこの地面の下に行き着くのだな」なんてことを思う。

 
 
    

大相撲春場所の千穐楽。
今日は午後3時半過ぎから、我が家のテレビ桟敷にて夫婦二人で宴会をしつつの観戦である。
明るいうちから相撲を見ながら飲む酒の、実に旨いこと。
ちびちびと飲み、ちびちびとつまみ、取組を堪能する。
今場所は先場所と同じく、千穐楽に横綱どうしの相星決戦なのである。
千穐楽に勝った方が優勝。しかも両横綱。そんなものが見られるなんて、なんと幸せなことだろう!と、数日前からいやがおうにも気持ちが盛り上がり、ドキドキし、酒やツマミを準備し、結びの一番を心待ちに迎えているのだ。
が、結びはあっけなく終了。
期待しすぎたか …。

そして、宴会は夜中まで続いた。

●こんにゃくのにんにく醤油炒め

 
千穐楽はこうでなくちゃ