かつては自転車で通っていた我が家とS家の間を、昨秋から歩いて通うようにしている。歩くと足腰が軽く楽になる。また、近頃吹きつける強い風に向かって自転車を漕ぐと、腰痛が増してしまうからでもある。 ここ数日は、田んぼの脇の土手を斜め横から見るように歩いている。ツクシを見つけるためである。 なかなか見つからないが、一つ姿を見つけるとその周辺に、ぽっぽぽっぽっ…と生えていることに気がついて、わくわくする。
歩いて8分ほどの我が家とS家の間の道の脇に、今日はこれだけ見つけた。 ギザギザの硬い「袴」をいちいち手で剥くように取り除き、水に浸して何度か洗い、下茹でして、水にさらし、何度か水を換え、ザルに空ける。 油でさっと炒めて、みりんと醤油で佃煮風にする。 歯触りがオツ。ご飯によく合う。
口に入るまでには面倒な作業の連続だけれども、自転車に乗っていたならば気づかずに通り過ぎていた出会いである。
雨降りの多い4月。 半ばには雪まで降った4月。 いつまでも寒い4月だ。
菜の花が咲くのも例年より遅いのだ。
まだ3月なのでは…という気分である。