ファインダーの交換 (2006.4.9)

望遠鏡の装備の中で、主鏡や赤道儀と同じくらい活躍するのがファインダーです。LX200にも標準でD50mmx8倍の光学ファインダーが付属しますが、初めてこのファインダーを覗いたとき、あまりにも見え方が悪いことに驚いてしまいました。星像がまともに見えるのは視野の半分以下の中央部付近に限られ、それより外側では酷く星像が伸びてしまいます。ファインダーは星の明るさと位置関係から、自分がどこを見ているかを把握する役割がありますが、これではその役目を果たすのでさえ危うい状態です。また、クロスヘヤが太すぎ、星が後ろに隠れてしまいます。

下図はデジカメをファインダーの見口に近づけコリメート法で撮影した地上の風景ですが、視野が狭く周辺部の歪と減光が見られます。コリメート法では、カメラレンズと接眼部の位置関係でケラレの様子が変わってしまうので、減光については正しく再現できていないかもしれませんが、直接接眼側から観察すると視野の周辺では実際に像が暗く見えます。

対物はアクロマートですが、外側1面のみARコートされてるものの反射が強く、それ以外の面はノンコートです。フードや鏡筒内の反射防止処理もよくありませんが、これは安価なファインダーでは仕方がないかもしれません。しかし、もっとも問題なのは接眼レンズです。実は像の乱れは殆ど接眼レンズが原因のようです。これはminiBORG50の対物をMeade製ファインダの接眼部と組み合わせてみて確認しました。

LX200には自動導入機能があるので、コンピュータ架台のアライメント時に基準星を導入するには、この程度の品質のファインダーでも十分なのかもしれませんが、もっと自由に星空を探索するためには、ファインダの交換が必要と考えました。

ファインダーにも幾つか選択肢があると思いますが、暗視野照明付で比較的広い視野のものを探したところ、価格的にも手ごろなビクセン製品がありましたので購入しました。

・Vixen web shop(https://www2.vixen-m.jp/marketingshop/webshop/telescope/index.jsp

暗視野7倍50mmファインダー

 

 

ビクセン製のファインダーはD50mmx7倍、実視界7.2°ですが、Meade製より見かけ視界が広いため(50°ほど)、実効的な倍率はMeade製と変わりありません。長さは少し短めで接眼部には暗視野照明装置があります。対物は両面ARコートで、写真では違いがわかりずらいですが、Meade製より反射光が暗く、コーティングの品質そのものも良いように思えます。

実際、ビクセン製ファインダーで同じ対象を覗いてみると周辺部まで比較的像の状態もよく、また、見かけ視野も広いため、すがすがしい感じがします。また、クロスヘヤはMeade製のような針金ではなく、ガラス版に微細なパターンが書き込まれているレチクルタイプで、中心のパターンが抜いてあるため星が隠れるといったことはありません。パターンの明るさも照度調整機能があるため、大変使いやすいです。

これから、このビクセン製の広視野ファインダー、50EDによる中倍率サブスコープをLX200に同架して活用していこうと思います。

 


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