オフアキシスガイダーの接続(2005.2.20)

機材

赤道儀ウェッジを用いて、そこそこ正確に極軸合わせを行っても、いろいろな形で入り込むエラーによりノータッチの1軸追尾では長時間露光に限界があります。ファインダーとして使用しているBORG50EDをガイド鏡として使うことも考えましたが、f=500mmの短焦点鏡筒では、ガイド性能に疑問を感じます。

そこで、オフアキシスガイダを用いたマニュアルガイドを試してみることにしました。オフアキシスガイダは主鏡筒の使用しない光束の一部をガイドアイピースに導き、ガイドに利用するものです。これなら2500mmもある鏡筒のfを生かして、かつ、短焦点のレチクルアイピースを用いることで、十分なガイド性能が得られるはずです。

Meadeのオフアキシスガイダを中心にBORGの部品を幾つか追加しています。

じつは、マイクロフォーカサについては、少々使いにくさを感じています。惑星観望などの目的で、短焦点アイピースを用いた高倍率での眼視観察の場合、高精度のピントだしができるため利用価値は高いと思います。しかし、20Dを用いた写真撮影の場合、ファインダーからの高精度なピント出しはほぼ無理です。パソコンに画像を取り込んでのピントだしになりますが、目盛りや数値でピント位置を指定できるわけではないので、いつも苦労しています。そこで、100um位の精度でピントだしが可能な目盛り環付のヘリコイドを光路に挿入しています。

以下では、直焦点の場合と、f/6.3レデューサを挿入する場合について、シュミカセリアセルからの接続順序をご紹介します。種々の部品でかなり光路長をとっていますが、マイクロフォーカサとの併用においてもちゃんと無限遠に合焦することを確認しました。

Figure 1 F10直焦点の場合

 

ゼロミラーシフトマイクロフォーカサ2"スリーブ→2"オスネジアダプタ(以上、LX200付属品)

⇒ シュミカセ→M57/60AD【7424】 ⇒ M57ヘリコイドDX【7758】 ⇒ M57→2インチオスAD【7502】(以上、BORG)

⇒ Meade オフアキシスガイダ + BORG メタル延長筒【4604】 + Meade PL9mmレチクルLX200/GPS用コード付

⇒ M42P0.75→M57AD【7528】 ⇒ M57回転装置【7351】 ⇒ カメラマウントホルダーM【7000】(以上、BORG)

⇒ BORG カメラマウント キヤノンEOS用 【5005】 ⇒ Canon 20D

ネビュラフィルターなど、48mm径のフィルタはM57→2インチオスAD【7502】の内側に切ってあるM48Sネジに取り付けることができます。今回はヘリコイドを挿入したかったのと、手持ちの部品を活用したため、少々複雑な構成になっています。通常はオフアキシスガイダ、Tリング、レチクルアイピースのみで使用します。Meadeの純正部品を使用した場合に比較して、オフアキシスガイダから撮像素子までの距離が長くなったため、レチクルアイピース側の光路長を手持ちのBORG延長筒を使ってあわせています。

Figure 2 48mmネジのフィルタの挿入

 

Figure 3 f/6.3レデューサを挿入したの場合

 

レデューサを使用する場合は、オフアキシスガイダの直前に挿入します。撮像素子までの距離が長くなったことで、レデューサの縮小率が若干が異なることを今回は許容します。

 

□視野の確認

オフアキシスガイダを使用した場合、カメラ視野の外の使わない光束の一部を切り取って、ガイドアイピースに導きます。カメラの視野に対して、イメージサークルのどこらへんを切り取っているのか興味深いところです。直焦点の場合と、f/6.3レデューサを併用した場合の夫々について、地上物を使って調べてみました。結果をFigure 4に示しました。

カメラとオフアキシスガイダがちゃんと直角になっていなかったようですが、おおかたのイメージは分かると思います。F10の直焦点ではカメラ、ガイド側ともに干渉も無く、ガイド側もイメージサークルの比較的良好部分から光束を切り取っているようです。

一方、f/6.3レデューサを併用した場合です。今回、オフアキシスガイダとカメラの接続のためにBORGバーツを使用しており、回転装置なども挿入したことにより、レデューサとカメラの撮像素子との間の光路長が若干長くなっています。f/6.3という値はレデューサとカメラの間に純正のTアダプタ+Tリングか、オフアキシスガイダ+Tリングを組み合わせた場合の値であり、光路長が長くなると実効的にイメージは更に縮小されます。今回の場合は、イメージサイズからの見積もりでf/5.3相当でした。また、この組み合わせでは周辺減光も目立ちはじめます。従ってガイド側で切り出している光束も若干減光が生じている領域から切り出しているようですが、ガイドアイピースには極端な光量低下や像の歪みがないことから、実用上問題ないと思われます。

Figure 4 直焦点(左)およびf/6.3レデューサ(右)を併用した場合のカメラ視野とガイドアイピース(Meade 9mmレチクル)視野の関係

      赤四角:APS/Cカメラの視野、赤丸:ガイドアイピース視野、青四角:F10直焦点の視野


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