Vixen Super Polaris R150S (プロファイル)

スーパーポラリスR150Sは、1984−1991年に製造されたビクセンの普及価格帯の反射赤道儀です。D=150mm、FL=750mm(F5)、λ/8の面精度の放物面鏡によるニュートニアン鏡筒と、1軸モータドライブ・極軸望遠鏡内臓の赤道儀を組み合わせたベーシックなセットで、写真撮影などにも対応できるはずです。写真に写っているもの以外に、追加ウェイト1個、K20mm,Or5mmの24.5mm径アイピースが標準添付されていて、実売価格は15万円くらいであったと思います。これは、私がかつて子供時代に使っていた反射赤道儀のセットと主鏡スペック以外はほぼ同じ構成です。

このセットはネットオークションで入手したもので、標準添付品のほかに、純正のx2エクステンダとセレストロンのNDフィルタ・サングラスが含まれていました。出品者による説明には主鏡にカビ、モータドライブ不調との記述があったため、かなりお安く落札できました。現物到着後に状態を確認しましたが、主鏡はホコリの堆積が多く、モータードライブは動かず、更に赤経軸の遊びがひどくて、写真撮影にはちょっと、、、という状態でした。

でも、外観はとっても綺麗です。

問題点をひとつひとつ見ると、意外となんとかなりそうなことが分かりました。

まず、主鏡のカビ?についてですが、主鏡セルを取り外して調べてみると、表面にホコリが厚く堆積していて、且つ、なにかベタベタしたような状態になっているものの、カビ?とは少し違うようです。ビクセンのカタログに、主鏡のメッキの耐久性が半永久的であるとうたわれているように、強固な多層膜コーティングが表面を保護しているので、思った以上にタフなものです。マニュアルには、主鏡がひどく汚れた場合の手入れの方法として、中性洗剤を使って水洗いしてもよいと書かれていたので、流水で大きなホコリを流したあと、ママレモン風の洗剤を少し溶かしたぬるま湯に付けて、やわらかい布で軽くなでてあげました。もう一度流水で洗剤を流してブロアで水を吹き飛ばすと、おおかたの汚れを取り除くことができました。若干鏡の周辺部、特に、鏡を固定する爪があたる部分はメッキが変質しているのと、表面全体に少しぽつぽつと汚れは残りましたが、この程度なら、それほど性能には影響しないでしょう。

モータードライブの不調については、電池ボックスを接続するコネクタ部の腐食による接触不良が原因だったので、少しだけやすってやることで、これも復活しました。ちゃんとモーターは動いているようです。

さて、肝心の赤道儀の遊びについては、ギヤが損傷しているのか、調整可能なレベルなのかが分からない状態です。何れにしても分解が必要なので、この部分については、まず、十分に情報を入手してからにしたいと思います。

 

R150S鏡筒の合焦機構はR100L反射鏡筒や多くの屈折鏡筒において採用されているラック&ピニオン方式とは異なり、接眼部と副鏡ごと移動するミラーシフト方式です。合焦範囲は30mm、精度はバーニヤを併用すれば0.1mmで眼視には問題ないのですが、F5でこの精度では、写真撮影時のピンだしにやや苦しむかもしれません。

 

 

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