□電源 (2006.1.21)

LX200では、電子制御による追尾や自動導入などの機能を享受するために電源供給が必要になりますが、本体に装填可能な単2のアルカリ乾電池8本で一晩ギリギリといった感じです。自動導入頻度が多かったり、気温が低いと途中電池を交換しなければならないこともしばしばで、乾電池の出費だけでも馬鹿になりませんし、エコロジーを考えると、つぎつぎと電池を廃棄しなければらならいことに後ろめたささえ感じます。LX200のほかにも、DOGを搭載したEM10赤道儀やスカイセンサー2を接続したSP赤道儀、オートガイドに使用するDSIが接続されたノートパソコン、デジタル一眼、結露防止のヒータシステムなど、とのかく手持ちの機材のほとんど全てが電源を必要とします。

充電可能な二次電池をと思い、ホームセンターでカーバッテリーなども見てきましたが、専用のチャージャも含めるとそれなりに高価で、また、倒したら希硫酸が漏れる、ガスが発生するなど取り扱いが厄介です。また、一般的なカーバッテリーは充放電を繰り返すディープサイクルでの使用に向きません。そこで、ディープサイクルでの使用が可能で、しかも取り扱いが容易なシールドバッテリーを探すことにしました。

 

以前、PIC関連の部品を購入した秋月電子通商でこの用途に使えそうなシールドバッテリーを扱っていましたので、チャージユニットのキットと一緒に購入することにしました。

 

・秋月電子通商(http://akizukidenshi.com/catalog/

 シールドバッテリーのページ(http://akizukidenshi.com/catalog/items2.php?c=pb12v

 

購入したのは、以下の2点です。

 

@完全密封型鉛蓄電池WP22−12 12V・22Ah・重量6.3Kg(カタログ番号:B−20)  5,200円 

A鉛蓄電池充電器パーツキット (K−74) 1,000円

 

充電キットには別途トランスが必要ですが、手持ちのものがありましたので、今回購入品はこれだけです。トランスの代わりにACアダプタも使うことも出来ますが、この場合は同サイトで推奨されている以下が良いでしょう。12V22Ahrの容量のバッテリを充電するためには、18V2A程度の電源トランスが必要ですが、これは通常3000円以上しますから、手っ取り早くこちらでACアダプタを購入した方がお得です。

 

B60W級スイッチングACアダプタ 19V 3.2A  STD-1932(M−408) 1,700円

 

セレブ嗜好には、以下で同じメーカの18Ahrの容量でケース・既成チャージャがセットになったものを扱っています(16,800円とちょっと高め)。また、同サイトには100Ahrクラスのディープサイクルバッテリーもあり、割安感がありますが、重量が20Kgを超えますので今回は選考基準からはずれました。体力のない私には、重量もそれなりに大きなファクタだったりするのです。

 

・(有)海遊社(http://www.kai-you.com/battery.htm

 

チャージユニットは部品のハンダ付けが必要ですが、こういう作業は私は好きなのでストレス発散にもなります。作業は仕事から帰ってきて食事が終わって寝るまでの時間を使って、部屋を暗くして電気スタンドの明かりのみで作業をします。(このように部屋を暗くしといたほうが、作業を止めて床に入った時の寝つきがよいのです。)

 

 

トランスに要求される18V・2Aの電圧・電流容量に対し、生憎手持ちのトランスは12V・6Aだったので、そのままでは電圧不足です。このトランスを活用するためには、ちょっとした工夫が必要です。といっても付属の整流用ブリッジダイオードの接続を変えて、コンデンサを一つ追加することで、倍電圧両波整流回路が構成できますので、それほど難しくはありません。これは片波ずつ整流して平滑して作ったDC電圧を2段積み上げるような格好をとりますので、電圧は2倍ですが、電流容量は1/2となります。手持ちのトランスは、2次側のAC10V端子を使い、倍電圧整流で電圧・電流容量的にはピッタリでした。ケースに組み込んだほうが安全上よろしいですが、お金をかけたくなかったので、以前アンプの試作に用いた残骸をつかうことにしました。また、これも安全のためですがヒューズの追加は必須でしょう。必要に応じてスイッチやパイロットランプを追加しますが、今回はめんどくさいのでやめました。

 

 

このキットの調整個所は、充電完了時の最大電圧と充電中の最大電流の2点のみです。最初は最大電流で充電を開始し、充電が進み、少しずつバッテリーの電圧が上がってくると電流も減少し、バッテリー電圧が設定最大電圧につりあうと電流は流れなくなります。その後はバッテリー電圧が自然放電で低下すると電流が流れて補充されるトリクル充電の状態になります。このような動作ゆえ、設定電流・電圧さえ間違えなければ、非常に安全な動作をします。

 

実はこのキットで22Ahrの容量を充電するためには容量の1/10の2.2Aの充電電流が推奨されていて、この電流容量を得るためには出力段の容量強化のためPc100W程度のパワートランジスタを追加してダーリントン接続し、さらに放熱も強化する必要があります。私は今回このための強化は行ってません。1Aを最大電流として時間をかけて充電してあげれば、ちゃんと完充電時の最大電圧(13.68V)に到達します。

これで、しばらく試してみようと思います。

 

update 2006.4.15

これまで、シールドバッテリはバラック状態の充電装置で、充電していました。それなりに使用実績も積み重ねもありましたので、この状態でしばらく使い続けるつもりでした。ところが、つい先週にバッテリの充電を行ったときに、充電途中でワニ口クリップが外れてしまい、そのときにショートが生じてリードが溶けて煙が立ち上るという事故を発生させてしまいました。これには少々ひやっとしました。

これはやはりちゃんとケースに組み込まなければと思い、ようやく今日実施しました。ヒューズ・スイッチ・パイロットランプを取り付け、整流用Siダイオード、パワートランジスタはケースにネジ止めして放熱させことにしました。

 

あとは電圧計が必要ですね。最近はなかなか秋葉原に行く機会がなかったのですが、近いうちに出かけて仕入れてこようと思います。切り替えスイッチで、電流と電圧を読めるようにすると完璧ですね。これもそのうちやっつけてしまう予定です。

 

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