映画VS原作@ばとろわ
 
  バトル・ロワイヤルの原作本を読んだ。
全650ページ前後。これを約10時間=600分ということは、1頁/分ペースかしらん。これって・・・速いのかな、遅いのかな??

・・・全っ然違う・・・。
まぁ、ディテール記述ぐらいは原作本の方が情報量が多いのだろうなぁ・・・とは予想していたが、そんなもんじゃない!
真説(原作)外伝(映画)みたいな関係かしら。
なんと言ってもプロローグ・エピローグが違うのと、キタノ(映画)坂本きんぱつ(原作)の違いが大きいか。
徹底比較は、下の表で。

さてさて、原作付き映画でよく言われるところの「順序」ですが、この作品においては間違いなく映画→原作でしょう。

映画の映像イメージがあったほうが、贋作を読む時に文字だけではちょっと分かりにくいシーンに引っ張り出してこれる
映画でほんの数秒しかなかったシーンの裏側にある伏線・背景を、原作で解きほぐされていく感覚は心地良い
映画で顔立ち・体格みたいな外見部分のデータがあれば、原作読みながらの人物整理は楽になる(とワタクシは思いますが)
話の深さ/複雑さ/細かさは圧倒的に原作の方に分がある(ま、2時間やそこらじゃ、原作を全部カバーするのは無理でしょう。40人の死に際を原作並みにやろうとするなら、何時間の映画になることやら・・・)。というわけで、おそらく映画を後で見ると、「うわぁ、薄っぺらいぃ」と感じるでしょうね

ま、映画の解決編として原作を読むのが正しい楽しみ方なのではないかと思うのですわ。だって映画だと、答えを一応言ってはいるけど、あまりに曖昧&説明不足な表現で、どうして3人生存できたか絶対わからんて。
映画は、原作に今流行りの(?)「少年犯罪」というテーマをMixして再編集したといったところでしょうか。原作の原案は、1997年にはすでにできあがっていたみたいですし。
てなわけで、映画を見た人は、原作も読んでおくべきでしょう。
原作読んじゃった人は・・・失望すること覚悟で観てくださいな(笑)
いや・・・映画の出来がそんなに悪いとは言わないけど、2時間に詰め込もうとしたムリがちょっとね。。

作者、実は阪大文学部美学科卒なんですね(!)。どうりでエピローグが阪急梅田・BIG MAN前なわけだ。ちなみに映画では、渋谷かどこかでしたね。
 
     

 

- 原作 映画
国内情勢 この現実の世界とは似て非なる世界。大東亜共和国という半鎖国状態のファシズム国家。 おそらくは、今の日本に近いイメージで作られていた(と思う)。今以上に「少年犯罪」が横行している。
プログラム 「徴兵制の無い」国家における、徴兵制の代わりとしてのゲーム(ま、これはタテマエ)。大衆に対して「人を信じることの無意味さ」を本能的に感じさせ、クーデター等を抑止するために行われる。 これからの世の中を生き延びるために十分な体力・知識を持ち合わせる人間を選抜する(これもタテマエ)。相次ぐ少年犯罪に、大人たちがもう耐え切れなくなり、その少年達の去勢・間引きが目的。
プロローグ 大東亜共和国の中央情報コンピュータにハッキングが行われ、プログラムについての情報が盗まれた旨を示す内部文書から始まる。 2年前。キタノが担任していたクラスの教室に入ると、黒板にクラス全員からのサボり宣言文が。中川典子がそこに「遅刻しました」と現れるが、キタノは教室を出て行く。が、廊下を走ってきたノブのバタフライナイフがキタノの太腿に。床に落ちたナイフを典子は拾い上げ後ろ手に隠した・・
担当教諭 坂持金発といういかにもふざけた名前。まぁ完全な下っ端役人体質(いわゆる上にへつらい、下に傲慢) 2年の年を経て、プログラム担任としてキタノがやってくる。かつて少年達に怯えて過ごした面影はまったくなく、かつての強い教師の顔に。娘がおり、携帯に2度ほど電話がかかってくる。
生徒達 川田を除けば、もう数年同じクラスで過ごす、見知った者同士。川田にしても、転校して来たのは数ヶ月前で、ただ怪我(前回のプログラム時のもの)で入院していただけ。その他、ほぼ全員にそれなりのエピソードがあり、死に際にも大きく関係。 桐山と川田は完全に「プログラム用転校生」として登場。他のメンバーとは全く面識なし。それぞれの生徒についての詳細は、やはり2時間枠で収める必要から、主演・助演については説明があるが、たった数秒の映像で殺される人多数。
プログラム説明 全部まとめて坂持が説明。 バトルロワイヤル実行推進委員会編集という「正しいバトルロワイヤルの戦い方」なるビデオにて。アーミールックのノリノリおね〜ちゃんが解説。
武器 結構銃火器が配当されている。銃火器でなくとも、ボウガンやバット、ナイフといったそれなりの武器が。しかし原作者は銃好きだねぇ。銃火器については名前・口径・装填方式などが詳細に書かれている。 これ・・・武器じゃね〜って(^^;というもの多数。秋也は「鍋のフタ」、典子は「双眼鏡」だし・・・。他に変わったところでは「スタンガン」というものもあった。
秋也・典子・川田
の動き
大木(ナタ男)に襲われてからはずっと行動をともに。一度目の桐山との遭遇で秋也がはぐれ、灯台で事件が起きた後、バードコールをたよりに合流。 一度目の川田との遭遇時には、川田とは行動はともにしていない。その後、典子の風邪を治療しようと診療所に向かったところ、川田がそこを拠点としていた。一度目に桐山に襲われたのもこの診療所。はぐれた秋也を見つけたのは、典子の直感(キタノのさしがね??)
首輪 爆破(禁止エリア)で死ぬのは、桐山のコバンザメ作戦を展開していたオカマ野郎。 禁止エリアで爆死する人は実は一人も出なかった。ただ、スタート前、ゲーム説明中に一人首輪爆破のサンプル代わりに。。
桐山ファミリー 桐山がゲームに乗った(さらに武器がマシンガン)ので、集合場所に現れたファミリーは全員やられる。唯一の生き残りオカマ野郎もまんまと罠に・・・。 桐山が「志願転校生」つまり殺人マシーンとして現れたのでファミリー自体が存在しない。ただ、整合を保つためか、原作での桐山ファミリーは、桐山を第一危険人物として集団で拉致・・・するも返り討ちにあい全員マシンガンの餌食。
三村ファミリー 三村は豊と組んで、本部のPCハッキング&爆破をこころみる。ハッキングはバレて失敗に終わる(これで首輪の盗聴に気づく)が、ウイルス注入には成功。だが、爆弾投下作戦実行寸前に桐山に見つかってしまう。三村が使うPCは「パワーマック150」となっている。また、三村の尊敬する叔父は反政府組織メンバー。 三村は他に2人を連れて、3人で行動。ハッキング・爆弾製作などの頭脳労働を三村が行い、他の2人が材料集めなどをする。見事ハッキング&ウイルス注入に成功するが、爆撃直前にやはり桐山にみつかる。どう見てもPCはWin(アイコンが左端に寄ってたし)。叔父は海外で民族解放軍みたいなところのメンバー。
川田の前回戦績 愛する慶子という女性とは2度遭遇。一度目は逃げられ、二度目に会った時にはすでに・・・。そのため、川田には信じてもらえなかったという思いが残っている。 慶子と行動をともにし、守りきり、最後の二人になる。だがそこで、慶子が川田に銃を向けたため、思わず撃ち返してしまった。だが、倒れゆく慶子は笑顔・・・。川田はその意味を理解できていない。
the end of game 一応の勝者は川田。しかし、政府中央コンピュータのハッキングによって、首輪の外し方を知っていた川田は、空砲2発を撃った後、2人の首輪を外す。そして、勝者の船を秋也・典子が乗っ取り(川田の入れ知恵)、安心しきっていた坂持・兵士達を倒す。秋也に操船法を教えた後、川田は安心しきって絶命。 首輪を外すところまでは原作と同じ(ただ説明が少ないので、映画だけで「首輪は外せる」と気づくのは至難の技)。本来なら兵士が死体確認をするところを、キタノが制止し、全部隊を退去させる。分校の司令室で、キタノと川田が話す(内容は、原作で坂持と川田が船室でしてた話と同じ)。そこへ現れる秋也と典子。「ルール違反だ」と銃を抜くキタノ・・・反射的に撃った秋也・・・キタノの持つ銃からは水がぴゅ〜・・・呆然とする3人、倒れるキタノ。そこにキタノの携帯が鳴る。娘からだ。「もうお父さん、家に帰れなくなった」という言葉に「あ、そう。帰ってこなくていいから」と娘。携帯を投げ捨て、本物の銃で携帯に向けて2発。
それから、場面は船(釣り舟みたいな小さい船)の上。「一休みするわ」と横になる川田・・・手に持っていたタバコが落ちる。「慶子の笑顔の意味、分かったような気がするわ」といって目を閉じる。
エピローグ 全国指名手配されている秋也と典子。場所は、大阪阪急梅田・BIG MAN前(BIG MANとは書いていないが。大阪人なら誰でも分かるわい)。警察に追いかけられたところで話は終わる。 映画でもやはり全国指名手配中。逃亡準備をして、ガード下の自動販売機前で待ち合わせたようで。典子はプロローグでキタノが刺されたバタフライナイフをちらりとのぞかせた。そして、街の雑踏(どう見ても東京のどこか)の中へ消えていく・・・