Altec Lansing Corporation
The Voice of the Theater


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Altec Lansing社は、米国の映画産業の音響設備を牛耳っていたWestern Electric社が1936年に設立した保守会社 "All Technical Services" Company (Altec Service Company) を発祥とする。そして、著名なスピーカ技術者 James B. Lansing が創業した Lansing Manufacturing Company を1941年に吸収合併し、カリフォルニアの Anaheim を本拠地として、Altec Lansing Corporation として創業した。

上の写真は、Altec Lansing社が1945年に発表した「The Voice of the Theater」(VOTT)の名称で知られる劇場用スピーカ群の1975年頃のカタログ写真である。1940年代に開発されたものが形を変えずにずっと使われている。この時代まで、映画館や劇場などの音響設備は、Altecが独占していた。

写真にはA2からA8までしか映ってないが、オリジナルにはA2を2つ並べたA1が最大システムとして存在していた。このうち、A5,A7の2機種がかろうじて家庭に入るサイズなので、これらはオーディオ用としても利用された。もっとも、こうした劇場用のスピーカを家庭に持ち込むという発想は米国には無く、もっぱら日本のマニアが中心であった。

288B.jpg 左の写真は、Voice of the Theater シリーズのために設計されたホーンドライバ 288B 。我が家の288-16Gは、この288の設計を受け継ぎ改良したもの。JBLの375と並び称されるホーンドライバ史上の銘器である。

ALTEC Lansing社は、1997年にElectoro Voice社(EVI)に吸収された。映画館の音響設備は、EVIとJBLが2大勢力になり、2000年に Altec Lansing Professional Division は廃止された。これをもって、ALTEC Lansing社の創業以来のプロ用音響機器の輝かしい歴史は幕を閉じた。