インドの『生き物たち』 「哀しい親子牛特集」 2000-09

親子牛 1984 Pattamangalam

子牛:「母ちゃんの乳、おいしいなあ、ほんとに」

親子牛 1983  Pattamangalam

子牛:「乳、もっとちょうだーい!」

親子牛 1984  Pattamangalam

母(人間):「子牛はかわいそうに、病気で死んじまったよ。獣医さんが子牛の張り子があれば、母牛のミルクが枯れないと言ってたから。

勘弁してくれろ。あんたにゃ、たんとミルクを出してもらわなあ、家もこまるんじゃけえ」

母牛:「もう少しの辛抱だよ。あんたにゃあ、あとでたっぷり母ちゃんの乳を飲ませてあげるからねえ」

子牛:「・・・・・・・」

ある日、パッタマンガラム村のメイン・ストリートにあるアンナラニ茶店の裏手で、死んだ子牛の張り子を見た。

子牛の皮を剥がして、中にワラを詰めて生前の姿を模している。

つい先日までつやつやしていた毛並みはカサカサに乾いて、どう見ても屍(しかばね)でしかないが、母牛は、これを子供と思ってミルクを出し続けるという。

左の絵は、子牛の張り子を自転車で運んでいたシーンのスケッチ。

どこへ持ち去ったのか?は定かではない。まさか、別の母牛の所に持っていくのではあるまいか? それとも、張り子作りの業者が納品する途中だったのか?

酪農に詳しい方がいらしたら、是非教えてくださいませんか。牛って、これほど賢くない動物なのでしょうか?

母牛:「おっちゃんよー、あたいの可愛い子をどこへ連れていくんじゃあ!」

子牛:「・・・・・・・」

母牛はどこまでも後をついていった。

(以上、緑色の部分は創作でした)