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1993.7.10 マツハヤ・リアル・リゾート

 曲:

大滝詠一/バチェラー・ガール

売野: えー、こんにちは、売野雅勇です。マツハヤ・リアル・リゾート、今月はこの方をゲストにお迎えしております。

大滝: あっ、こんにちは、大滝詠一です。

売野: えー、先週はですね、大滝さんと初めてお会いしました1979年のことをお話いただきましたけれども。

大滝: はいはい。それで売野さんがね、ところがその、あれなんですよ。そのー、まぁ、この、今のペンネームになる前にね、違うペンネームで、あっちの方が最初でしょ?

売野: そうですね。

大滝: そうでしょ?

売野: えぇ。

大滝: なんでしたっけ(笑)?

売野: えーっとね、麻生麗二。

大滝: 麻生麗二さん。何で麻生麗二にしたの?

売野: いや、突然、あのー、「名前変えろ」っていわれました。

大滝: その前に、またなんかあるわけ?

売野: いや、ないです。あっ、えー、あるんですけど、売野だったんですけど、

大滝: 本名?

売野: えぇ。

大滝: ふーん。

売野: 突然いわれまして、

大滝: 誰にいわれたの、目黒?

売野: 目黒さんですね。

大滝: (笑)、すぐ変えるんだからね。

売野: (笑)。

大滝: かっこつけて、わかったように、えらそうに。ディレクターなんですよ。そのー、以前シャネルズと呼ばれたところの、今のラッツ&スター。で、その、彼らの詞、ずいぶん、ほとんど書いてるでしょ、アルバムなんて?

売野: そうですね。

大滝: でしょ。

売野: えぇ。

大滝: 「ランナウェイ」だけでしょ、書いてないのは。初期でいえば。

売野: いえ、あの辺のヒット曲は書いてないですね。

大滝: ヒット曲だけはみんな別で、

売野: えぇ。

大滝: それ以外のアルバムのものはっていうんでね。

売野: えぇ。

大滝: ほんと、冷遇しましたね、

売野: (笑)。

大滝: 目黒は。ひどいやつだね。ほんとにひどいやつだ。あー、そう。でね、すんごいおもしろい詞を書いてたんですよ、この人が。これ、知られてないですけどね。

売野: うーん。

大滝: で、目黒ディレクターがもうひとり担当してたんですよ。そのー、当時、ラッツ&スター以外のね。で、女の子だったんですよ。誰でしたっけ?

売野: 河合夕子ですね。

大滝: 河合夕子!

売野: えぇ。

大滝: 河合夕子の詞がね、すごくよかったの。

売野: ふ、ふーん。でもあれ、大滝さんのあれですよね。スタイルですよね(笑)。

大滝: (笑)、私のスタイルって、そんなものは全然、

売野: 「よかった」とかいうより、その、大滝さんの趣味性に、

大滝: 合致した。

売野: 合致したみたいですよね。

大滝: 俺は驚いた。あれ、全曲、詞書いたでしょ?

売野: そうですね。

大滝: そうでしょ。

売野: えぇ。

大滝: もう、プロデュースみたいなもんでしょ。

売野: といいますかね。

大滝: ある意味合いではね。

売野: えぇ。あれを3枚やりましたからね。

大滝: あれを3枚、あの路線で行ったの?

売野: あの路線で。

大滝: あの路線で3枚行っちゃったのか。

売野: えぇ。だから、ちょっと行き過ぎ(笑)。

大滝: それちょっと問題かな(笑)。それはちょっと彼女に悪いかな。うーん。

売野: でも、10何年経ちましてね、そう思いました。「悪かったかなー」って。

大滝: ちょっと路線をポンポンと、

売野: えぇ。

大滝: あのー、変えて、4度目ぐらいにもう1回あの路線出したらいけたかもしれないし、

売野: そうですね。

大滝: かもしれないけど。でもね、これ、ずいぶん、あのー、あまりにも評価されなさすぎですよ。僕は好きですよ、とにかく。

売野: あー、ありがとうございます。

大滝: だから、まぁ、おしてても、時代が時代だったら、いってるんですよ、とっくに。

売野: うーん。

大滝: うーん。まだまだあれを受け入れるだけの感性が時代になかったんでしょうね。今、まわりを見てみると、あの種類よりも、ずいぶん、まぁ、いっちゃぁなんですけどね。あれよりもちょっと薄まったもんでも、ある程度みんな聴かれてるみたいだし、

売野: うーん。

大滝: あれはよかったなー。ただ、あれがあれじゃないですかね?あのー、ちょっと、あのー、自然発生的なところから出てきたんだったら、まだ受け入れられたかもしれないけど、

売野: えぇ、そうですね。

大滝: 割合ね、ちょっとこう、ショウ・ビジネス的な感じの、普通の、通常の売られ方したのが、「少し残念だったかなー」っていう感じはしましたけども、

売野: うーん。

大滝: ただもう、中身はね、すごくよくて。僕はね、もう、麻生麗二さんは、もう、ずいぶん評価していた。

売野: うーん。

大滝: うん。これは、「もう、すごい人が出てきた」というふうに思ってました。

売野: 多分、大滝さんおひとりぐらいですね。

大滝: そういうこといってたのは?

売野: えぇ、評価してくだすったのは。

大滝: はぁー。

売野: えぇ。

大滝: 変わりもんだからね、私はね。

売野: (笑)。

大滝: (笑)。それ以外は?じゃ、みんな、目黒ディレクターといっしょにやる仕事が、まず最初のとっかかり?

売野: そうですね。

大滝: あー。この人がね、売野さんだと知るのはね、結構あとのことなんですよ。うーん。二人の作詞家が僕のなかでは存在していたんですよね。麻生麗二さんと売野雅勇さんというのが。

売野: そうですか?

大滝: うーん。売野さんの特集やりましょうよ、今度ね。

売野: (笑)。

大滝: ねっ、ついでだもん。やってないでしょ?聞くばっかりでね、自分のこと語ってないもんなんですよ、こういう番組って。

売野: でも、あのー、あっ、それで思ったんですけど、その、河合夕子と、えーっとですね、今回、あのー、大滝さんの全部聴かせていただきまして、えーっと、誰だっけ?西田敏行さんが歌ってられますよね。

大滝: 「ロンリー・ティーン…」、「いかすぜ!この恋」、

売野: えぇ。「いかすぜ!」、

大滝: の方?うーん。

売野: あれ、あれがタイトルですよね?

大滝: えぇ、そうです、そうです。

売野: タイトル全部並べたやつですよね?

大滝: タイトルがプレスリーの楽曲のタイトルを並べて、ひとつのお話をつくりあげるという、まぁ、よくあるパターンですけどね。

売野: そうですね。

大滝: えぇ、ニール・セダカの「恋の片道切符」とか、

売野: えぇ。

大滝: ああいう、いわゆる「おりこみ」、「おりこみ都々逸」っていうのが日本にあるけど、

売野: えぇ。

大滝: 向こうにも、ああいう、タイトルをこういうふうに折り込んでいって、ストーリーをつくりあげるっていうのが、

売野: 全部が?

大滝: うん。

売野: あー、そうですか。

大滝: まぁ、そういう典型的なスタイルで。

売野: 僕も、それ、河合夕子で、僕、発明したと思ったんですよ。実は。

大滝: あー、そういう種類のものを?

売野: えぇ。

大滝: はぁーん。

売野: それ、「タイトル・スーパー・マーケット」ってやつなんですけどね、

大滝: へぇー。

売野: それで、これは、あのー、かつてあったタイトルじゃなくて、

大滝: うーん。

売野: 「将来、未来書くだろう」と、

大滝: なるほど。

売野: 思われるタイトルを、

大滝: なるほど。

売野: えぇ。

大滝: そこに並べて?

売野: 並べて。

大滝: へぇーっ。それは新しいですよ、全然。

売野: そうですか?

大滝: うーん。

売野: そこだけですね。

大滝: (笑)、なーに、いやいやいや。アイディアはいいんですよ、アイディアは新しきゃいいんですから。中松さんもそういってましたよ。

売野: うーん。

大滝: なんせ、「発明は必要の母」ですかね。

売野: (笑)。

大滝: 「必要は発明の母」か、まぁ、どっちでもいいや。

売野: えぇ。

 曲:

シリア・ポール/夢で逢えたら

 曲:

大滝詠一/空色のくれよん(「DEBUT SPECIAL」より)

売野: で、最近は電池に凝ってるって聞きましたけど(笑)。

大滝: 電池に凝ってる(笑)!飛び方がいいよね。

売野: えぇ。

大滝: 作詞家の人は話題の飛ばし方がいい。いや、電池は前々からね、

売野: えぇ。

大滝: 必要にかられて。「凝ってる」ったって。

売野: どこがいいですか?

大滝: どこがいいとは、あのー、会社名とかは、ああいった類じゃないですけど。

売野: えぇ。

大滝: まっ、

売野: いや、会社名でもいいです。

大滝: あのー、うーん、というんじゃなくて。まぁ、これはもう、商売柄ですけど、

売野: えぇ。

大滝: 単純な話。例えば、ほら、「オーディオ・マニア」とかね、もう、今は絶滅しましたけどね。

売野: は、はー。

大滝: もういませんけど、今、「オーディオ・マニア」なんて人種はね(笑)。

売野: うん。

大滝: あのー、一番、音にとって、一番大事なのって、電源なんですよね、単に。もんのすごく単純に。

売野: ほーっ。

大滝: あの、電気が変わると、もう、根本から変わるんですよ。

売野: ほーっ。

大滝: そのー、ほんとうは。で、それを、だから、ほんとの「オーディオ・マニア」って、確か九州の人かな?

売野: えぇ。

大滝: なんか、どっかの会社の社長さんで、自家発電してますよね。

売野: あー、そうですか?

大滝: そうそうそう。で、向こう、アメリカなんかで「オーディオ・マニア」で、自家発電してる人はずいぶんいるし。

売野: はー。

大滝: 要するに、そのー、なんていうの?電気の音を聴いてるんですよ。だって、電気じゃないですか、結局は。

売野: そういえばそうですね。

大滝: うん、音に関してはね。

売野: えぇ。

大滝: というのに、だから、あのー、かなり前に気がついて、

売野: えぇ。

大滝: だから、いろいろ、そのー、電源とか電気についていろいろやっているうちに、

売野: えぇ。

大滝: 例えば、だから、そのー、ウォークマンとかあるじゃないですか。

売野: えぇ、えぇ。

大滝: まっ、ああいう種類を稼動させるには、どうしても電池ですよね。

売野: えぇ。

大滝: だから、それの、そのー、「電池が違う」っていうことは、ほら、「電源が違う」っていうことになるんで。

売野: ほーっ。

大滝: だから、そのー、いろいろな電池を試して(笑)。だからヨーロッパ系の電池はこうだとか(笑)、アメリカ電池はこうだとか、

売野: (笑)、えぇ。

大滝: 日本の電池でもいろいろとやって。

売野: マッチングとかもあるわけですね。

大滝: まっ、それも、機械によってもありますけどもね。それは「凝る」っていうよりも、ほとんど、そのー、職業的なことですからね。

売野: えぇ。

大滝: 別に、あまり、とりたてて、大きくいうことではないと思うんですけど。

売野: は、はー。

大滝: 「よい」、「悪い」っていうよりは、ただ、まぁ、その人のね、耳に、

売野: えぇ。

大滝: 違うんですよ。とにかく違う。

売野: そこがすごいですね。

大滝: うーん。これがやっぱり電気のものですから、やっぱり電気が違うと。

売野: ほー。

大滝: それで、やっぱ、ある「オーディオ・マニア」の人で、ヨーロッパと日本と両方にうちがあってね、

売野: はい。

大滝: 半年ずつ、例えば暮らしてるとかいうような人がいるじゃないですか。

売野: えぇ。

大滝: そうすると、そのー、クラシックは「夏はヨーロッパの方がいい」とか(笑)、「日本の方がいい」とか、なんとかかんとか、そういうようなことをいってる人もいますしね。

売野: あー、そうですか?

大滝: おなじレコード盤持って歩いてね。で、全くおなじシステムを、ヨーロッパと日本で全く、つくっても、電源の違いがあるじゃないですか?

売野: あー。

大滝: そういうようなことで。まっ、こんなもんはね、とりたてて「どうだっ」っていうことはないですけどね。

売野: ほーっ。

大滝: えぇ。

売野: これは本質的ですね。

大滝: うーん、まぁ、そうですね。そういうような、意外や意外、そのー、例えばだから、「電気が違うと全部違う」っていうのは、多分そのー、人間の暮らしにおいて、例えば、「空気が違う」とかいうのに近いと思います。

売野: 空気、水。

大滝: まぁ、水も全くそのとおりですけどね。だから、空気なんかは気が付かないじゃないですか。

売野: 気が付かないですね。

大滝: 電源でも、例えば、出てくる音とか、そういうようなことには考えは及ぶけど、

売野: えぇ。

大滝: 電源がどうだっていうようなことにまで、なかなか考えが、普通及ばないじゃないですか。

売野: そうですね。

大滝: うん。だからなんか、そういう、根源的なところっていうんですか、

売野: えぇ。

大滝: そういうようなことを考えたりもしてますけどね。

売野: へーっ。

 曲:

シリア・ポール/The Very Thought Of You

売野: えー、福岡は、まぁ、ミュージシャン多いですけど、

大滝: えぇ。

売野: 大滝さん、岩手県でしたよね?

大滝: そうです。岩手県はね、ミュージシャン少ないですよ、はっきりいって(笑)。

売野: 少ないですか?

大滝: 少ないんじゃないですか。千昌夫と新沼謙治ぐらいしかいませんからね。

売野: (笑)。

大滝: ただー、なんといっても、宮沢賢治の、

売野: そうですね。

大滝: 出身地ですから。これぐらいのもんですかね。宮沢賢治と千昌夫といっても、あんまり説得力ないですけどね。

売野: (笑)、うーん。

大滝: ただ、あのー、「風の又三郎」がありますけど、あそこに出てくる景色の中で生れて育ったんですよ。

売野: はー。

大滝: あのー、一番最初に映画化された「風の又三郎」の、

売野: えぇ。

大滝: 一番最初の映画化されたところの、ロケ地のすぐそば。

売野: あっ、そうですか?

大滝: うん。だから、最初にあの映画を観たときに、全く自分の場所のように思いましたけど。

売野: えぇ。

大滝: 学校でやったんですよね、やっぱりそういうときって。

売野: えぇ。

大滝: やるじゃないですか。

売野: えぇ、えぇ。

大滝: だから、ああいうところで育ちましたね。

売野: あー。

大滝: うーん。まぁ、福岡のミュージシャンの多さはすごいですね。

売野: すごいですね。

大滝: やっぱ、もう、日本の芸能を語るには、もう、福岡を抜いては語れません。やっぱ、そのー、まぁ、ミュージシャンに限らず、芸能に関して、

売野: うーん。

大滝: 多いしねー、やっぱ九州が一番ですよ。

売野: うーん。

大滝: うん。大丈夫、北海道はオン・エアしてないんだよね、確か(笑)?なにいってんだ?

売野: (笑)。

大滝: これ、ほんとうに。

売野: あー、そうですか?

大滝: うーん。

売野: でも、あれですね、あのー、岩手県から、噺家を目指してきたわけじゃないですよね?

大滝: (笑)、噺家を目指してきたわけじゃないんですけど。うーん、

売野: やはり、そのころは、ミュージシャンになろうと、

大滝: いや、全然。

売野: 思ってました?

大滝: いまだに。

売野: いまだに(笑)!

大滝: まったくミュージシャンのつもりもないし、なりたいと思ったこともないですね。ただ、プレスリーは好きでしたけどね。

売野: えぇ。

大滝: だから、プレスリーも好きだったけど、長嶋も好きだったし、

売野: えぇ。

大滝: 一番、先代の若ノ花も好きでしたからね(笑)。

売野: (笑)。

大滝: だいたい同等に好きでしたから、「格別、プレスリーだけが」っていうわけでもなく、植木等も好きだったしね。

売野: えぇ。

大滝: 小林旭も好きだったしね。

売野: はい。

大滝: だからー、ほんとにミュージシャンっていうことはないです。今もない。

売野: そうですか?はぁーっ。

大滝: うん。

売野: で、なんでまた?

大滝: なんででしょうかね?たまたま時代のあれで、人がいなかったんでしょうねー。

売野: (笑)。

大滝: 70年って、ほんっとに人がいなくてね、

売野: えぇ。

大滝: だいたい、あのー、明治以来ね、洋楽輸入してきたわけでしょ。

売野: はい。

大滝: 学校で教わる歌って、みんな洋楽ですからね。

売野: うーん。

大滝: 不思議に思いません?どうして「ソーラン節」教えないんだろうか、学校でね?

売野: あー、そうですね。

大滝: なぜか、あのー、「炭坑節」、九州の人だって、学校で「炭坑節」習ったりしないでしょ?まっ、「いまさら、あえて習わなくても覚えてる」っていわれれば、それまでですけど。なぜ、日本の音楽教育なのに、日本の民謡がないのだろうかと。

売野: ふん、ふん。

大滝: というようなことを、ほんとに、当時から、あのー、いって、音楽の先生を困らせたりした生徒だったですけどもね。

売野: 高校生、中学生?

大滝: まぁ、中学から、中学、高校。高校、音楽なかったですが、中学のときはね、ずいぶんそういういろんなこといってましたけども。だから、そのー、いろんなね、そういう音楽が、まぁ、行き着いて、芸能もある種行き着いて、

売野: えぇ。

大滝: で、1970年のころっていうのはですね、

売野: はい。

大滝: 戦後の、いわゆるベビー・ブーマーが学生になってね、

売野: えぇ。

大滝: 「そろそろ自分達でもなんかやりだそうか」って時期だったんですね、ちょうどね。

売野: えぇ、えぇ。

大滝: だから、そのー、新しい世代交代の始まりだったんですよね。ちょうど、70年代っていうのは。

売野: えぇ。

大滝: だから、そのー、いろんな人が、いろんなことやってたですよ。

売野: はーん。

大滝: だからそのー、例えば、コンサートなんかやっても、ジャンルに関わらずいろんな人間が「わっ」と集まるとか。

売野: ほーっ。

大滝: 例えばだから、70年代ぐらいに、あのー、本なんかがあるじゃないですか。

売野: はい。

大滝: そうすると、そこに出てくるイラストなんか、今見ると、そのー横尾忠則さんがちょっとした絵描いたり、

売野: えぇ。

大滝: 和田誠さんがちょっとした絵描いたりとか、そのー、してるんですよね。まだ、そろそろ名前の出るころですけど。

売野: うーん。

大滝: だから、そういうようなことを含めて、「誰がなにをやろうか」って、全員が暗中模索の時代だったようですね、若者が。

売野: はぁ、はー。

大滝: ただ、依然として芸能界は既にできあがってはいたんですよ。

売野: うん、うん。

大滝: その、美空ひばり、島倉千代子ね。それから御三家。橋幸夫、舟木一男、それから西郷輝彦が終わって、

売野: えぇ。

大滝: そのー、郷ひろみや、

売野: ふん、ふん。

大滝: そのフォーリーブスやそういう人たちも出始めて、

売野: えぇ。

大滝: グループ・サウンズも終わって、

売野: えぇ。

大滝: というような、ちょうどそういう、1970年ってそういう時期で。

売野: えぇ。

大滝: で、若者は自分達で、なんかこう、やり始めて行こうっていう、そのー、あれが一方はいわゆる「関西フォーク」といわれる種類の人たちで、

売野: えぇ。

大滝: あれはだから、ほら、芸能界の上の人が、

売野: えぇ。

大滝: 何かをやろうとしたわけじゃないから。

売野: うん、うん。

大滝: 下の方から、まぁ、一般の学生とか、若者がやり出そうとしたことでしょ。

売野: えぇ。

大滝: だからね、そのー、誰でもやれたんですよ。

売野: うーん。

大滝: で、手本は、まぁ、その、アメリカのボブ・ディランだったり、ピート・シガーだったりね。いろんな人たちがいたんだろうけれども。

売野: うん。

大滝: で、そういうのを、なんかこう、自分達流に、適当にアレンジして。日本では新しいわけですから。

売野: うん。

大滝: 残念ながら、そのー、三橋美智也さんがボブ・ディランを聴いて、なんかやったって、「おんな船頭」の歌を歌ったっていう歴史はないわけで。まぁ、だから、結果的には、そのー、目新しいものになったんでしょうけど。

売野: はぁ、はぁ。

大滝: だって、資格がいらなかったわけですから。

売野: うーん。

大滝: ねっ?芸能界から、なんかやろうと思えば、そこのプロダクションや、なにがしや、いろんな人たちに、そのー、資格を問われるわけでしょ。

売野: えぇ。

大滝: 「おまえは歌が下手だ」とか、

売野: うーん。

大滝: 「こんな詞じゃダメだ」とか。

売野: うん。

大滝: ねっ?

売野: うん。

大滝: で、あのころはなんでもいいんですもの。

売野: うーん。

大滝: 岡林なんて、「ガイコツの唄」だって、なんなんだよね。

売野: (笑)。

大滝: (笑)、なに考えてるんだかね。そういう、そのー、変な歌ですよ。

売野: ほーっ。

大滝: そういうのを、みんな好きに歌ってたんでしょ?

売野: うーん。

大滝: で、若者がそれをそのー、まぁ、楽しんで聴いてたんですかね。

売野: うーん。

大滝: ほんの一部でしたけどね。一部でしたけど、そういう動きが着実と、こう、着実に段階を経て、なっていって、あのー、今があるんじゃないですか。

売野: うーん。

大滝: だから、資格がいらなかったから、

売野: うん。

大滝: 人手不足だったと。

売野: うーん。

大滝: そこで、そのー、噺家にもなりたいし、野球選手にも、相撲力士にもなりたい(笑)、いろんなことをやりたいあれが、たまたまそこに呼ばれて、

売野: うーん。

大滝: たまたまそこで、まぁ、やってしまったというような歴史でしたね。

売野: はぁー。

大滝: うーん。

 曲:

大滝詠一/レクサイド・ストーリー

 曲:

大滝詠一/Sheila〜シャックリママさん〜Love's Made A Fool Of You(「DEBUT SPECIAL」より)

売野: えー、そろそろお別れの時間になってしまいましたが、ここでまた、大滝さんにですね、この週末の過ごし方を福岡のみなさんにご紹介いただきたいと思います。

大滝: そうですね、まぁ、個人的なあれですけどね、みなさんが、まぁ、みんな、そういうことできるとは思いませんけども、

売野: はい。

大滝: 今、電池に凝ってますんで、

売野: 電池です。

大滝: ちょっと今度、福岡に電池を買いに行こうかとね、

売野: (笑)。

大滝: 思ってますけどもね。

売野: はい。

大滝: 週末の過ごし方としては、なかなか変わってていいんじゃないでしょうか。

売野: 変わってますね。

大滝: やっぱりね。

売野: はい。

大滝: はい。

売野: では、また来週。よろしくお願いします。

大滝: よろしく。

 大滝さん、番組では「福岡まで電池を買いに」とおっしゃってますが、実際福岡に来たのは、いつが最後なんでしょうか。「ALL ABOUT NIAGARA」によりますと、プロモーションやコンサートなどで何度か来福されているようですが、「2001年」のプロモーションとかを兼ねた「DJパーティー」とかで全国行脚やってくれませんかね。もしそうなったら、何があっても見に行くんですけど。でも、私には会う資格があるのか心配です(これについての詳しい内容は次回をお楽しみに)。

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