監察軍の工作室サブテキスト
〜「マクロス・クロニクル」正誤表補足〜
   劇場版とTV版について



監察軍の工作室を補足するサブテキストです。


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初代マクロスのTV版と劇場版について


*初めに翁のぐちぐち

 近年、この2作品の立ち位置についてきちんとした理解をしないまま
設定他について記述する向きが少なくない。設定以前に劇場版は見たが
TV版は見ない、あるいは見始めたが見る価値がないと見なした。もちろん
劇場版のリニューアルされたメカが当時最高峰の作画で動くんだから
そっちのほうが印象深いのも良く分かる。でも劇場版があればTV版は不要なのか?
確かに「1stガンダム」なんかはサンライズの担当者自体が
「劇場版3部作のエピソードが公式です」
というくらいだからTV版は不要らしい。でもマクロスのTV版って
そういうものなのだろうか?多くのマクロスファン(自称)がガンダムと
同様にTV版不要論を公言する。そして今日も彼等はマクロスに関してしたり顔で
劇場版の印象と孫引きの知識(ウイキとかね)だけをひけらかして、マクロスを語る
挙げ句の果てには「マクロスはメカと設定はいいけどドラマは
お話にならないね」やら、「バルキリーはかっこいいけどマクロスの
ストーリーなんて本気で相手するもんじゃないよ」やらの罵詈雑言。
だけどもいざバルキリーの話になると「俺、マクロス世代だから〜云々」
と能書き三昧。でも「マクロスオタク=マクヲタ」と称する人の過半数が
TVシリーズについて特にストーリーについて総括的に理解していない。
にもかかわらずふたことめには
「劇場版は最高、ドラマなんかなくてもメカがかっこいいのがマクロスなの」
と断ずる。で、TV版のストーリーを尋ねると劇場版と混同していて話にならない。
例えばあなたの側にいる自称「マクヲタ」さんにこう聞いてみましょう?
 「ボドル基幹艦隊、旗艦 フルブス・バレンスに突入して
             これを殲滅したのは誰が操るどんなメカ?」

と聞いてみましょう。(答えはこのテキストにあります。)

 かように劇場版至上主義は蔓延している。そして「ドラマ部分は適当なんだから
設定なんかこだわる必要ないんだよ、だってマクロスって歌でなんでも解決しちゃう
デタラメが楽しいんだから。本気じゃないのがマクロス、マクロス。」
そうして2作品の設定、時空列はおざなりに扱われる。真面目に取り扱う価値なしと
(自称)ファン自身が蔑む。もちろんマクロス7等、製作側が設定、時空列を混同して
しまっているケースもあるし、なにより河森氏自身が
「すべてのマクロス作品は(映像化されていない)
マクロス世界の中の映像作品に過ぎず、作品そのものは正史ではない」

旨の発言をしたため、これら2作品の設定を云々することはお笑い草とされる。
しかし、ここであえて否なりと言う。ここではそういった声、流れを一切無視して
大人気なくこの2作品についてごちゃごちゃ語ったあげく、
なぜそういうことに至ったかを考えるものとする

まず制作的には82年11月からはじまったTVシリーズがあり、
これが好評の内に終わり、83年後半に劇場版映画の制作が決まる
問題はこれがTV版の再編集版や編集+追加映像版ではなく
全編新作、新作画での制作となった。それにあたり、それぞれのメカはもとより
設定や世界観、人物の経緯、ストーリーまでリニューアル
(部分によってはわざと逆のシークエンスを構成している所もある)
してしまったために現在の混乱があると思われる。
また、劇場版の当初のシナリオでは地球からの緊急フィールド
やミリア/マックスの結婚式とそれに伴う
メルトランディ軍による中継放送、カイフンによる命がけの歌詞解読ミッションなど、
映像化されなかったシーンがあるのだがそれらの一部は
ゲームソフトPS版/SS版「超時空要塞マクロス」において
映像化されており、これらに収録されたムービーは劇場版を
補完するものとして半公式化されている。

さてここでTV版と劇場版(ゲーム版での追加シーンもふくむ)について
おおまかな差異を書き出してみよう。(以下「T」はTV版、「劇」は劇場版)

 T:「この宇宙では男女混成の巨人によって構成される「ゼントラーディ軍」と
   それに敵対する「監察軍」との間で気の遠くなるような長きに渡り戦争が続いていた」

 劇:「この宇宙では男の巨人によって構成される「ゼントラーディ軍」と
   それに敵対する女の巨人によって構成される「メルトランディ軍」との間で
   気の遠くなるような長きに渡り戦争が続いていた」

   *解説 最も大きな世界観の違いである。この変更はもともとTV版の構想では
   監察軍に関するエピソードが予定されていたのだがスタート時点で
   全26話に圧縮を要求されたため、これがなくなり、結果として本編に
   監察軍は落着したマクロス本体と破壊された艦艇の残骸しか登場しないこととなった。
   (のちに好評のため逆に放送延長となるが後の祭。)この辺の不自然さと
   「男女混成のゼントラーディ内部では放っといても自然発生的に
   恋愛(文化)が生じるのではないか?」といった
   TV版の設定上の問題を同時に解消する方策だったのではないかと思われる。
   いわば後出しジャンケンに近い変更改良の類いだが後述するメカ設定にかんしては
   その傾向が特に強い。そのほか注意すべきは、
   TV版では「メルトラン/メルトランディ」という言葉は存在せず、劇場版で初めて
    設定されたというところ。マクロス7以降のエクスキューズで
    「(劇場版、TV版を問わず)ゼントラーディ軍の女性兵士をしてメルトランと呼ぶ」
    いった解釈が出現したが、後述の通り、TV版と劇場版をごっちゃにしたまま
    マクロス7を作ってしまい、あわててあとから言い出した話だというのを
    忘れてはいけない。
    またゼントラーディ軍と敵対するものが変わったことでマクロスそのものの
    オリジンが別物となってしまったことにも注意。

 T:「1999年地球に落着した監察軍艦船は地球人類によって修復されマクロスとなった。
  かくして地球人類は異星人の存在との戦争に備えることを余儀無くされる。」

 劇:「1999年地球に落着したメルトランディ艦船は地球人類によって    修復されマクロスとなった。かくして地球人類は2001年に統合政府を樹立し、
   統合宇宙軍を編成した。(また、来るべき異星人の攻撃によって地球が
   壊滅した場合でも地球人類が存続しうるよう、太陽系外惑星への
   移民=『種の拡散』作戦をスタートさせた。)」

    *解説 オリジンが違うためそれぞれ元の状態の設定画が存在している。
      「落着した監察軍艦船」=ホビーハンドブック収録
      「落着したメルトランディー艦船」=豪華本マクロスザムービー収録
     また、いずれも統合政府樹立とそれに伴う統合戦争、さらに宇宙軍の成立が
     マクロス進宙以前の主な出来事だが、「種の拡散」作戦のくだりは
     後述のLDボックス「マクロス・ザ・ムービー パーフェクトエディション」の
     ライナーノートの年表による


 T:「2009年2月、一応の完成を見たマクロスは宇宙でのアームド1/2とのドッキングならびに
    月面での艤装作業のため、地球を発進するべく進宙式をおこなっていた。
    (一部資料で10月の表記もあり)

 劇:「2008年12月、完成を見たマクロスは進宙し
    アームド1/2とのドッキングならびに艤装作業をおこない、
    艦内に5万人以上が何年にも渡って居住可能なモジュール式の市街地ユニットを
    搭載した。2009年1月(ゲーム版では南アタリア島で)一般市民から
    公募された5万人の移民が乗船、マクロスはフォールドシステムをアイドリング
    させた。」

     *解説 ここのミソは腕がどうなってるかです。(劇場版では艦内の都市の建設が
      織り込み済みですが、これはLD年表に因ります。)

 T:「地球近隣に出現したゼントラーディ軍艦艇に反応したマクロスは地球人類側の操作を
    無視して勝手に主砲を発砲、そのままゼントラーディ軍との交戦状態に陥る。
    地球の危険を感じたグローバル艦長は火星へのフォールド(空間転移)を試みるが
    マクロスは南アタリア島周辺の市街、避難民が詰まったシェルター、周辺地域の
    防衛のために停泊していた空母、強制揚陸艦等を巻き添えに冥王星へ」

 劇:「2009年2月フォールドシステムのアイドリングによる空間の変異を
    ゼントラーディ軍が関知。地球に侵攻を開始、(ゲーム版ではマクロスは地球人類側の
    操作を無視して勝手に主砲を発砲、そのままゼントラーディ軍との交戦状態に陥った。
    大気圏外からのビームによる激しい爆撃の中、)危険を感じたグローバル艦長は
    天王星へのフォールドを試み、交戦中の統合軍戦闘機他を
    巻き添えに天王星へジャンプしてしまう)

     *解説 TV版ではマクロスにつけるべき腕がないので飛ばされた冥王星で
     無理矢理空母と強制揚陸艦をくっつけることとなる
     (付ける予定だった腕部分のアームドは地球の衛星軌道上でゼントラーディ軍と
     遭遇し、交戦、大破してしまう。)これに対して
     劇場版ではフォールド前に両アームドが接続されている。
     これはTV版で実現しなかったアームド装備の「本来あるべき状態を
     ビジュアル化する」という意図によるものらしいのだが、もともとの
     「最新鋭の宇宙戦艦なのにやむなく海で使うべき船が無理矢理付けてある
     というアンバランス」こそがマクロスの旨味であり、
     これを踏まえた上での「ワザとちゃんとしてなかったものを今さらに
     ちゃんとしてみる」という自虐的な表現だったりする。
     また劇場版ではスカル小隊(劇場版ではスカル小隊の面子は最初から軍人である)の
     発進直後に(おそらくフォールドのきっかけとなった)上空からの爆撃で
     空母プロメテウスが分断、爆発している。加えて言うと劇中のミンメイと輝との
     台詞のやりとりから想像するにこの爆撃で地球は壊滅したようだ。
     これに対してTV版ではマクロスの冥王星へのフォールドに伴い、
     ゼントラーディ軍がマクロスを追ったため地球は壊滅することなく
     27話まで延命する。
     なお、劇場版の本編にない地球での出来事はエモーション版3枚組LDセット
     「マクロス・ザ・ムービー パーフェクトエディション」のライナーノート
     (「劇中劇」宣言以前の資料で、TV版とは別世界として書かれている。
      現在は否定されているようだ。92年製)の年表と後年のゲーム版による。
      * 但し、この年表の地球での出来事はこれ以前の劇場版の資料では
       見られないため、(絵コンテや初期シナリオにプロメテウス沈没や
       マクロスのフォールドの描写はある)92年に仕切り直して作られた
       可能性がある。このページの巻末にこの年表の全文を書いておきます。
     なお本編になくてゲーム版にのみ存在する映像は以下の通り。
     *スカル小隊のプロメテウス発進シーン、爆撃でまっ二つに
      分断されるプロメテウス。
     *南アタリア島上空を浮遊するアームド付きのマクロスのフォールドシーン。
     *巻き込まれて消えるスカル小隊、

     (ただし、ゲーム版とLD付属の年表では多少の相違がある)

*マクロスの戦略と軌跡について
 T:「冥王星の果てに飛んだマクロスは巻き込まれた各種物資、建物、艦船類を
    取り込んで体制を立て直し、一路地球への帰還を目指す。
    マクロス(とその文化)に興味を示したゼントラーディ軍ブリタイ艦隊指揮官
    =ブリタイと記憶参謀=エキセドルは戦力で圧倒しているにもかかわらず
    マクロスを殲滅することなく地球への帰還を妨害しつつ、
    マクロスそのものを観察し始める。一時的にせよ地球人を
    捕虜し、本隊に報告するブリタイ艦隊であったが、やがて
    本格的な調査のためマクロスに人類サイズに小型化した巨人のスパイを
    送り込む。ほどなくしてマクロスは地球に帰還するが、異星人との戦闘を公に
    していない統合政府はマクロスの受け入れを拒否。北米自治区に
    受け入れを打診したマクロスだったがゼントラ−ディとの戦闘の結果
    都市を蒸発させてしまい地球外退去を命ぜられ再び宇宙へ去ることとなった。
    ブリタイ艦隊より興味深い報告を受けたゼントラーディ軍本隊=
    ボドル基幹艦隊は「ふたたび地球人の捕虜を捕獲せよ」
    との指示を出す。ブリタイ艦隊は帰還したスパイの報告で混乱しつつあったが
    本隊の命令ゆえやむなく自らをオトリとし、マクロス内部への潜入作戦を
    展開するが、地球文化に憧れるゼントラーディ人とマクロスからの放送に
    よって、捕虜の捕獲以前にマクロスへの亡命者が続出し作戦は失敗に終わる。
    マクロスは統合政府にゼントラーディ軍との和平を働きかけるが、
    地球は理解を示さない。
    一方ブリタイ艦隊は本隊から地球とマクロスの殲滅を指示されるが
    マクロスの放送したマックス、ミリアの結婚式の影響も重なって
    艦隊内部でマクロスとの停戦を求めて暴動がおこる。
    ついにマクロスと停戦し合流するブリタイ艦隊とマクロス
    であったが、本隊であるボドル基幹艦隊はすでに
    地球と地球人に汚染されたブリタイ艦隊をもろとも殲滅するべく
    地球に向かって行軍し始めた。かくして事態を理解しない地球、
    そしてそれぞれの本隊から見捨てられたマクロス+ブリタイ艦隊と
    ボどル基幹艦隊との最終決戦が始まろうとしていた」

 劇:「天王星からの帰還を目指すマクロスは断続的な戦闘(?)を
    続けながら土星まで戻ってきていた、遭難事件以来、親密なミンメイと
    輝は私用でバルキリーを飛ばして土星の輪の遊覧飛行を行い、止めにきた
    未沙とカイフンとロイとともにゼントラ−ディ軍の捕虜となってしまう。
    ミンメイとカイフンは旗艦ボドルザーに送られ、これをきっかけに
    艦隊指令ゴル・ボドルザ−は古来より保有する文化の断片=太古の曲が
    なんであるかが地球人類なら分かるのではないかと考える
    ロイを犠牲にフォールド中のゼントラーディ艦から逃亡した未沙と輝は
    フォールド中のゼントラーディ艦から脱出に成功するが
    バルキリーごと放り出されて落着した先は壊滅した地球だった。
    蒸発した海の底から現れたプロトカルチャーの遺跡から
    べつの文化の断片(実は太古の流行歌の歌詞部分)が発見される。
    ほどなくしてマクロスが地球に帰還。2人と合流。
    一方、地球に飛来したメルトランディ軍を深追いしたマックスは
    ミリアとの激しい戦闘の末、メルトランディ艦に捕われる。
    そこへ旗艦ボドルザー飛来、ボドルザーはミンメイに
    保有していた太古の曲(歌詞は無い、ハミング)を歌わせて
    これをメルトランディ艦に放送。戦意を低下させ、混乱したメルトランディ艦は
    地球を撤退する。(マックスはその後ミリアと恋に落ち、巨人として
    生きる道を選んだらしい)ゼントラーディとマクロスは停戦し
    ミンメイとカイフンはマクロスに帰還。
    ゼントラーディとメルトランディの最終決戦が近付く中
    未沙が遺跡からの文化の断片がボドルザーの持っていた曲の歌詞と判明、
    輝に報告にいくが、ちちくりあっているところをミンメイに見つかり
    修羅場発生、ミンメイマクロス内で行方不明。
    太古の流行歌の翻訳作業を急ぐが、戦闘は始まってしまう
    激しい戦闘の波に飲み込まれるマクロス。
    (初期シナリオではここでメルトランディがミリアとマックスの公開結婚式の放送を
    ぶちかましてゼントラ−ディを混乱に陥れます。)期待された太古の歌も
    間に合わず、もはやこれまでとマクロスごとメルトランディの
    殲滅戦を開始するゴル・ボトルザ−(ということなのかなあ?)
    (初期シナリオではここでカイフンが被弾しながら命がけで翻訳を
    やり遂げたりします。)しかして完了する翻訳、
    やっと見つかるミンメイ。それを説得する輝。
    ついに歌詞の揃った太古の流行歌を歌うことを承諾するミンメイ。
    さらに激しさを増し、荒れ狂う戦闘の中ミンメイの歌は果たして、、、、。」

     *解説 書いててつくづく思うのですがTV版というのは
     ブリタイとエキセドルがキーマンでありまして彼等2人がおもしろがって
     戦力比で勝負にならないマクロスを殲滅せず様子を見始めたところから
     話が転がって行くわけです。微妙な首の皮一枚で繋がっていく状況が
     やがて、最後の最後に行き場がなくなったマクロスとブリタイ艦隊が手を結び
     アイドルの歌謡曲を盾に嬉々として大ボドルザ−艦隊に立ち向かっていくという
     オチに収束していくという、、、。これに対してすでそういうオチありきで
     いちおうそういう展開になるんだけど、、なんか辻褄が合わないって言うか、
     どこか部品が足らない劇場版。要は一本の映画としてストーリーの成立より
     TV版の名場面ダイジェスト集の側面を優先した結果のようにみえます、
     結果、なぜボドルザーがマクロスを見捨てるのかとか、なぜブリタイが
     ゼントラーディ軍を裏切ってまでボドルザーと戦うのかにいまひとつ説得力が
     ありません。
 T:「地球に現れた500万隻のボドル基幹艦隊は地球に攻撃を開始、ふりそそぐビームの
   雨、数分で地球人類のほぼすべてが蒸発した。唯一生き残ったアラスカ統合軍指令本部基地は
   そこに備えられた地球重力波兵器「グランドキヤノン」で反撃を開始。一撃で
   80万隻の敵艦船を葬るが、本部基地は反撃を受けキヤノンもろとも壊滅。
   残ったマクロスとブリタイ艦隊は翻訳したミンメイの歌を友軍各艦から発信しつつ、
   グランドキヤノンの開けたボドル艦隊の隙を縫って侵攻、
   歌とミンメイとカイフンのキスシーンの放送でボドル艦隊は混乱。
   激しい戦闘の中、輝は早々に被弾、戦線を離脱して地球へ降下、早瀬未沙の
   いるアラスカ基地へ(輝は基地内で唯一の生存者の未沙を救出。2人は基地の爆発を
   逃れて破損したVF-1で終戦を迎える。)やがてマクロスは
   ボドル艦隊旗艦、フルブス・バレンスに突入。多数のミサイルと
   全方位バリヤーを展開、基幹艦隊は崩壊し、戦闘は終結した。」

 劇:「輝の説得で歌うことを決意したミンメイはブリッジの仮説ステージへ。
   太古の歌と歌詞を発信しつつマクロスは旗艦ゴル・ボドルザーに突入、
   輝はVF-1で発進、ボドルザー中枢を破壊する。旗艦ゴル・ボドルザーは崩壊。
   かくして戦闘は集結した」

    *解説 TV版は輝と未沙が決戦の決着に関わらず、再会を喜ぶラストシーンに
    なっている点に注意。(このシークエンスは7話の「バイバイマルス」等が
    伏線になっている)また、ボドルザーを倒すのは輝でも未沙でもなく、
    艦長と未沙以外のブリッジオペレーターである
点も注意。
    たいして劇場版は未沙のオペレーションで輝が飛び、ボドルザーを倒すという
    至って普通と言うか(ロド的につまらん)お約束をはみ出さないラストシーンと
    なっている。
    *追伸:最新のゲーム「マクロスエースフロンティア」で
     「ボドルザー」の表記が「ボドル・ザー」になっているらしい。
     年表改竄に続く表記変更の可能性があるけど、詳細は不明
     ちなみにTV版は
  「ボドル基幹艦隊の旗艦フルブス・バレンスにいる艦隊指令ボドルザー(普通の巨人)」
     劇場版は
  「超大型生体指令コンピュータ ゴル・ボドルザーを中心に
     全システムを組み上げた機動要塞 ゴル・ボドルザー」となっている。



    人物編

 T:「ロイに会うべくマクロス進宙式にやってきたアクロバットパイロット一条輝は
    地元の中華料理店の看板娘リン・ミンメイと出会うが、直後に起ったマクロスの
    発砲に始まるゼントラーディ軍との交戦に巻き込まれ、VF-1Dを
    発進させざるえなくなる。結果としてミンメイの命を救った輝だが、
    これを縁にミンメイとの腐れ縁が始まることとなる。
    応急的にマクロスに収容された彼等であったが、意に沿わず、
    輝のアクロバット機での脱出を試みる。が、時を同じくしてマクロスは火星への
    フォールドを敢行。宇宙空間にいることに気付いた輝は慌ててマクロス艦内に
    飛び込むがそこは無人の閉鎖ブロックであった。かくして2人のサバイバルゲームが
    始まった」

 劇:「南アタリア島防衛のためマクロス進宙式に派兵された空母プロメテウス所属の
    戦闘機パイロット一条輝は寮機と共に空母から発進するやいなや、上空よりの爆撃で
    母船プロメテウスを失う、さらにその直後、マクロスのフォールドに
    巻き込まれマクロスと共に運命を共にすることなった。
    (ここは初期シナリオとゲーム版)
    スカル小隊共々、地球への帰還を目指すマクロスの防衛力として活躍する輝。
    上官、早瀬未沙と罵り会う日々を過ごす輝だったが、土星タイタン上の戦闘で
    命令を無視して、艦内へ侵入した敵機を追った結果、
    マクロス艦内で大人気のアイドル、リン・ミンメイの命を救った。が、
    2人が飛び込んだのは無人の閉鎖ブロックであった。
    かくして2人のサバイバルゲームが始まった」

     *解説 TV版ではアイドルでないただの中華料理屋の看板娘のミンメイと出会って、
     事件以降、彼氏のような友だちのような状況になるがあれよあれよと言う間に
     有名人になっちゃって、、、だが、劇場版ではすでにアイドルになっている所がミソ。


 T:生死を共にして運命の絆で結ばれたと思っていた輝だったが脱出後はただの友だち状態。
  ただのお友達では納得いかない輝はミンメイに勧められるまま軍人に。昔馴染みのロイの
  後ろ楯とアクロバットレーサー上がりの腕で小隊長扱いで即実戦。
  火星基地の補給作戦で死んでしまった元カレの感傷に耽って自殺しかけの
  口うるさい上司の未沙を助けて昇進。部下として柿崎とマックスが増員。
  もらった勲章をミンメイにやっちゃたり粉をかけるがお友達。輝が戦闘中に
  ミンメイはミスマクロスコンテストで優勝、そのままアイドルで人気急上昇。
  ミンメイと疎遠になっていく中、輝と未沙と部下の柿崎がゼントラーディ捕虜に。
  ゼントラーディ軍内で見せ物にされる3人。未沙は輝とチューをすることで
  脱出、マクロスに帰還を果たす。帰ってきたらミンメイはさらに大人気になっている。
  でもお友達といいながらいいように使われる輝は一時帰還した地球で下船禁止を無視して
  ファンライナーでミンメイの横浜への里帰りを手伝う。結果、のちに恋敵
  となるミンメイのいとこのリン・カイフンをマクロスに連れてきてしまう。
  これが未沙の自殺未遂の原因になった元カレとそっくりだったのでさあたいへん
  それが仕事に影響して、未沙はオペレーションに失敗、その所為で輝は
  大怪我、入院。が、ミンメイは見舞いに来そうで来ない。
  入院中に戦闘があるが輝は不在。戦闘に出たマックスは戦闘中に遭遇した
  ゼントラーディ兵ミリアに目を付けられ、ロイは戦闘の怪我で帰還後死亡。
  ロイの機体を引き継いで復帰するも、新技術「全方位バリヤー」の暴走で
  行き場のないマクロスにラブコールだった北米の都市「オンタリオ」消滅。
  同時に部下の柿崎速雄も消失。追い出されるように地球離脱。
  どさくさに紛れて人類サイズになったミリアがマックスを倒すべくマクロス侵入
  ミンメイは映画が出来てコンサートやって、大人気、ついでに
  いとこのカイフンとチュー。
  輝は未沙はひょんなことからトランスフォームに巻き込まれて
  小部屋に幽閉。やむなく話をするうちにちょっといい仲に。マクロスへの
  ゼントラ亡命者続出でゼントラとの和平を模索するマクロスは、
  未沙を地球へ説得に向わせるが、かぎつけた敵の強襲を受け緊急発進する輝。
  新型オプションスーパーバルキリーの威力は絶大で未沙は無事地球へ。
  喧嘩がこじれて恋仲になったマックスとミリアの結婚式が
  あって、ついに最終決戦。輝はミンメイに
  別れを告げて出撃、歌って、踊るミンメイはついでにカイフンとチュー。
  地球を未経験の基幹艦隊ゼントラ兵はびっくりするやらぼう然自失するやらで
  無力化。戦闘開始早々被弾した輝はさっさと戦線離脱、地球に降りて未沙救出。
  (別にチューはしない)主人公の不在のマクロスブリッジ一同、マクロスで
  ボドルザーに突入、もはや制御不可の全方位バリア炸裂。撃破。戦闘終了。
  でもまだTV版は終わらない。」

 劇:サバイバル中、映画ごっこでチューをしてるところを発見された2人は
  大騒ぎとなる。が、へっちゃらなミンメイは土星のワッカの遊覧飛行を要求。
  実行したら上司の未沙とミンメイのマネージャーのカイフンが追ってきた。
  、、だけならよかったが敵も来た。ロイも助けに来たが
  結局みんな捕まった。ミンメイとカイフンは旗艦送りになって連れていかれた、
  残りの3人は見せ物になってチューしたら大騒ぎになって
  脱出するが、ロイ戦死で逃げられたのは輝と未沙のみ、しかも
  フォールド中に放り出されて、良く分からない惑星に漂着。
  よくみたら死滅した地球だった。サバイバルして太古の超文明の
  遺跡をみつけた頃にはいい具合で出来ちゃった。
  やがて飛来したマクロスに回収された二人。
  地球に停泊するマクロスにメルトランディ艦が強襲、柿崎戦死、
  マックスは機体ごと敵艦に拿捕される。そこにボドルザー旗艦が襲来
  ミンメイがハミングする太古の歌でメルトランを排除。マクロスは
  ゼントラーディと停戦し、ミンメイ、カイフンもマクロスに
  帰還。ミンメイ、輝と未沙が怪しいのに不服。いよいよ決戦。
  未沙遺跡で拾ったプレートが太古の歌の歌詞カードと分かって翻訳。
  輝に届けるがそのままちちくりあってたのをミンメイにみつかり
  輝はミンメイとマクロス艦内で鬼ごっこ。激しい戦闘の続く中
  ミンメイ見つかるが、歌うことを拒否。輝、説得成功。
  歌詞が揃ったミンメイソングは無敵でいつのまにかメルトランディ軍に
  入っていたマックスまでミリアとアベックでマクロスに合流。
  輝出撃。ボドルザー撃破。戦闘終了。ミンメイと未沙は
  分かり合えたような、そうでもないような、、、。」

   *解説 こうしてみるとTV版にあった人間模様のまん中辺がごそっと
    抜けてるので、劇場版ではお話上、輝とそれほど恋仲ではない
    ミンメイがなぜ決戦にあたって歌うことを拒否するのか
    分からなかったり、不足の部分が多いといいますか、別の物というのが
    理解いただけると思うのですが、、、。
    基本的にTV版は相当にめちゃな展開も必然の積み重ねで展開していきます。



*メカについて
 基本的にTV版を踏襲した形ではあるがそのまま設定画が流用された
「アーマードバルキリー」「リガード」「グラージ」「デストロイド類」
などを除いてなんらかの形でリファインが入っている。
特に「ヌージャデルガー」は描き手も宮武氏が出渕裕氏に変わってしまったため
大幅な変化が起きている。(これはゲストデザイナーのような扱いだったらしい
出渕氏は劇場版ではこのほかゼントラーディ軍の小型艦船類もデザインしている)
「クァドラン・ロー」は外見はあまり変化が無いようにみえるが、
細かいディテールが変化している。また所属がゼントラーディ軍→メルトランディ軍
に変わったため、技術ベクトルの違いを示すためか、コクピット部は全く別物となっており
TV版では機械的な操作+パイロットスーツの腹部への機械的なコネクタ接続だったものが、
劇場版では無数の触手にまとわりつかれながら神経接続的なリンクで
コントロールする設定になっている。また名称自体も(およそですが)
TV版「クァドラン・ロー」
劇場版は「クアドラン・ロー」
と、「ア」の大小の書き分けがあるようです。
「バルキリー」自体もリファインとともに、監督、演出に忙しい河森氏を助けて
宮武氏が画稿を追加しているのでフォルムやディテールに変化が
起きている。マクロスそのものは宮武氏によるリファインだが
もっとも大きいのは前述の通り、腕の差異だが、実際には左右に分離/合体しない
ブリッジ(のアイランド)やフォルム全体の変化もあり、トイや模型などで腕を付け替えて
TV版と劇場版を再現するといったことはできない。これに類して、同じパーツで
デカール替えのみで「TV版」「劇場版」としたハセガワVF-1キットは厳密には
間違いで、コクピット、シート、ディテールも別物である。
またバルキリーを巡る小隊構成もTV版では
ロイをスカル大隊長(VF-1S、他の小隊も統括している)輝はバーミリオン小隊長(VF-1J)
その部下にマックス、柿崎(いずれもVF-1A、のちにマックスは昇格にともないVF-1Jへ)
の構成だが、劇場版ではロイがスカル小隊長(VF-1S)で部下は、輝、マックス、柿崎
(全員VF-1A、のちにストーリーの展開でマックスが昇格して小隊長となりVF-1Sに、
輝もラストでは小隊長扱いなのかVF-1Sで出撃)となっていて、
基本的に小隊長機としてVF-1Jが登場しません。。

*そしてその後のてん末。
と、ここまで読んでもらえばマクロスの劇場版というのがあくまでTV版という前提が
あって成立しているもので、独立しては成立しにくいことが分かってもらえると思う。
同時にTV版では「なぜ戦力比で全くかなわないマクロスは殲滅されないのか?」
「なぜブリタイの部隊はマクロスに味方してゼントラーディ本隊と戦うのか?」
がきちんと説明されていることがお分かりいただけたと思う。
もはやくり返しとなるが、TV版は劣悪な作画のため、劇場版に比べて再視聴しないファンも多く、
近年になってマクロスに興味を持った人ははまず間違いなく劇場版から入るため
劇場版だけで評価、批評する場合が多く、だいたいが「作画はいいがお話はたいしたことない」
とされる。それは当たり前の話でストーリーの無理な流れや必然は全部TV版で補うように
なっているんだから当然そうなる。ゆえに映画版は根本的に独立した作品ではないと
筆者は考えている。あえていうなら劇場版はTV版の壮大なプロモーションビデオと見るべきだろう。
不明な部分の答えや理由、必然は全てTV版のエピソードできちんと(作画はメロメロだけど)
示されている。ゆえにTVこそマクロスの本質と筆者は考えている。

さて、ここで正史の問題に移る。劇場版の時点ではこの2作品は漠然とパラレルですよ
という取扱いであったし、(宣伝的にTV版のキャラクターが劇場版の役を
演じているというような振りはあったが、映画そのものが劇中劇や歴史劇と
いう考え方は存在していなかった。)大図鑑等の年表もまたTV版準拠であって、
劇場版の公開当時、劇場版準拠の年表は存在しなかった。
(劇場版がお祭りに近い短期間の展開で宣材的に作成がされなかったことと、
TV版の物があったのでその後もそのまま利用されたためだと思われる。
前述のLD年表は92年時のものであることに注意。)
また劇場版に続くビデオ作品「フラッシュバック2012」はそのほとんどが
TV版と劇場版の名場面集で新作部分は数分のミンメイのコンサートシーンと
VF-4の飛行シーンとメガロード出航シーンだけなのでどちらの続編になるとかは
全く問題にならなかった。(むしろこのなかでメガロードに乗って旅立つミンメイを
地球のミンメイが見送るように見える映像のため、TV版と映画版の構造のメタファーだと
言われたりする)
続く「マクロス2」は作品自体が旧マクロスから大きく離陸した内容だったこともあり
これまたTV/劇場版の正史論とほとんどリンクしなかった。なにより設定が旧マクロスから
100年後なのでキャラクター的にもリンクせず、お話もほとんど関係がなかった。
メルトランという言葉が出てきたり、旧マクロスがアームド装備だったり、
ブリタイ艦(みたいな大砲)がパックリ開いて発砲したり、いちおうは
劇場版世界の延長だったようだが。
(現在の年表にも載っていないため、よくこの作品が黒歴史となったと言われているが、
確かに河森氏と板野一郎氏が参加しておらず、両氏がこれを見て激怒し、
のちのマクロス・プラス/7の製作の契機となったのだが、
年代的には最新作のマクロスFでもまだ60年後でしかなく、今後も年表に接続可能なことを
忘れてはいけない。)
 問題はマクロス7である。
作品の世界観からすれば監察軍が存在する関係上、TV版の年表上に連続するものなのだが
この劇中に「マックスはメルトランになったことがある。」、ボドルザー戦再現ビデオに
登場するミンメイと輝は劇場版仕様の衣装だとか、劇場版に属する
出来事がある一方、ガクラン風軍服でカムジン役の俳優がでてきたり、
ミリアが「私は元ゼントラーディ人だ」と言ったり、
両作品の内容が混濁してでてくるため正史の問題が大きくなった。
劇場版の取り扱いはマクロス7の劇中で
「ボドルザー戦終結30周年を記念して作られた映画」として
畳み込もうとしたらしいのだが、(このため劇場版のメカニックは2040年前後の
機体を撮影のために用いたものとの解釈も可能となった。)前述の問題など
ファンの批判は激しく、うまい解決には至らなかった。
そこで出てきたのが我々が見ている一連の「マクロス」作品は「マクロス世界の現実」では
なく「マクロス世界」の史実を元にしたマクロス世界の中で公開されたTV番組や劇場映画である
(従って、史実と完全に合致しなかったり、作品ごとに主観が入るため相互に矛盾が生じても
しょうがないのだとする)という説明である。つまりこの「劇中大河ドラマ」は
修正不能な作品間の矛盾を包括する方便として出てきたものなので、決して最初のマクロスが
そういう設定で始まっているわけではない。
個人的にはもともと非常に完成度の高いシナリオと作品世界を持っている旧TVシリーズを
(作画とは言わないよ)製作した側がわざわざこういう否定的な形で
「フィクションなんだからあんまり細かいこと気にスンナ」というのは自らの作品
そのものに対する侮辱であると思うし、熱狂したこちら側は行き場のない悲しみを禁じ得ない。
  *これに類して「エネルギー変換装甲問題」というのがあって、
   マクロス7の前後くらいの時期に河森氏が(VF-1が丈夫すぎる点で
   批判があることに対して)「OTによって機体に加えられた
   物理エネルギーを別種のエネルギーに変換することで防御することが
   可能な装甲をバルキリーに設定しておけばよかった」という旨の
   発言をしていて(原本不明)がいつの間にか「そういう装甲だった」
   に変わってしまい、いまではそれが元からあったような設定に
   なってしまっている。(筆者は近年知って驚いた。)
   *さらにかつては「事実上の核兵器だが、放射性物質などが残存しないクリーンな兵器」と
   (TVで子供相手に放送する上でやむなく)説明されてきた「反応兵器」ですが
    現在では「対消滅反応を利用した兵器」とされているため、
    マクロス世界では「反物質」を生成するか、収拾できるようです。



というわけでそういう方便とは関係なく例え「フィクション」扱いであっても過去に
示された設定、画面について細かく、大人気なく、執拗に、気にして
今後ともサイト運営していきます。よろしくおねがいします。ハイ。

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92年製 エモーション「マクロス・ザ・ムービー パーフェクトエディション」
    三枚組LDのライナーノートの「PRE STORY」全文


 「この『愛おぼえていますか』は地球に向かって土星周辺を航行するマクロスより
始まる。本編には描かれてはいないが、そこに至るまでには幾多のドラマがあった。
これらは作品の世界観を解釈する上で重要な意味を持っているのでここにその概略を
紹介する。

1999年7月、地球上の南アタリア島に、莫大な質量を持った物質が落下した。
 その衝撃波により、ヨーロッパやアメリカなどの世界各地で大災害が発生する。
  その後の調査で、この物質が人類の知識を超えた技術(オーバーテクノロジー)に
 よって建造された、巨大な宇宙航行用の構造物であること、搭乗者のサイズが人間の
 5倍程度の身長の生物で、極めて長期間に渡って大規模な戦闘を行っていることが
 判明。
  以上の報告を受けた各国首脳は、この巨大な宇宙生命体の侵攻が明日にでも地球に
 及びかねないことを理解し、地球統合政府の実現へ向けて動き出す。。しかし
 この地球統一が一部の大国主導によって行われようとしていることへの反発も噴出
 民俗・宗教問題ならびにオーバーテクノロジーの所有権も絡めて世界各地で紛争が
 勃発する(統合戦争)
2001年、紛争の全面解決を見ないままではあったが、地球統合政府が樹立される。
 それと同時に、地球統合軍を設立。対異星人用宇宙艦隊の編成と、たとえ異星人の
 攻撃によって地球が壊滅した場合でも、人類を始めとする地球種族が存続しうるよう
 にと「種の拡散」計画---太陽系外惑星への移民がスタート。その一環として
 落下宇宙船を改修し統合軍宇宙艦隊の中軸および移民船としての使用が決まり、
 この人類史上初の外宇宙船は、SDF-1(Super Dimention fortress)と
 呼ばれることになる。 SDF-1の改修建造ならびに宇宙艦隊の拡充に併せて、
 対巨大異星人戦闘兵器としてのデストロイドや可変戦闘機バトロイド、
 宇宙空母アームド・シリーズなどの各種戦闘システムの開発・生産が行われる。
 これらの設計・製作に、異星人のオーバーテクノロジーが多用されたのはいうまでもない。
2007年、統合戦争終結。「種の拡散」計画が本格化する。
2008年12月、SDF-01進宙。マクロスと命名される。このマクロス艦内には、
 様々な建設会社が共同開発した、モジュール式の市街地ユニットが搭載され、
 5万人以上もの人間が地上と変わらぬ文化生活を営みながら、何年にも渡って
 居住可能である。宇宙空母アームド1・2、マクロスと接続。最終艤装を行う。
2009年1月、統合政府の一般市民から公募された移民団、マクロスに乗船開始。
 超光速航行機関、フォールドシステム(オーバー・テクノロジーを使用)が
 アイドリング状態に起動される。
2009年2月、フォールドシステムが引き起こす空間の変異を、ゼントラーディ軍
 ボドルザー基幹艦隊が探知。地球に向けて侵攻を開始。総数5000万隻以上の大艦隊に
 よる攻撃を回避するため、マクロスはまだ解明されていないフォールド・システムに
 よる空間転移を試み、天王星軌道へとジャンプする。だが、不完全なコントロールより
 システムは破損、太陽系外への航行は不可能になり、通常航法による地球への帰還を
 よぎなくされる
2009年7月、マクロスは土星軌道上に到達。リン・ミンメイが艦内一般居住ブロックにて、
 初のコンサートを開催する。」
    *注 この年表では2008年に進宙とあるが、84年の劇場版パンフでは「2009年2月7日、(中略)
     記念すべき進宙式が行われた」とある。また同パンフではフォールドも
     どこへ向けて行ったかは明示されておらず、到着先も「冥王星軌道上に出現。」と
     されている。 -----------------------------------------------------------------------------

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