*ビークラブ バンダイ刊


模型情報(バンダイ刊)の拡張版別冊で始まって総合アニメ情報誌で終わった、
よくこの本の創刊で模型情報(バンダイ刊)がなくなったとする勘違いが多いが
両誌はその後もそれぞれに継続してそれぞれに終わっている。
バンダイの発行ながら、ゾイドネタが載っていたり、ガオガイガーを熱心に
特集していたり、それなりに自由度のある誌風であった。
また、バッシュのバスターランチャー事件の経緯を載せるなど
内輪話もよく載っていた。好調に十年以上に渡って、号を重ねたが、
セガバンダイ合併が進行していた「たまごっち」ショックの98/2頃に
通巻148号にて終了。最終号の紙面にて公式にメディアワークス社の
新雑誌「電撃B magazine誌」への移管を発表するという極めて異例の廃刊となった。
しかるのち「電撃B magazine誌」が創刊するが、奮わなかったのか、
アニメ作品の記事を「電撃animetion magazine」へ、ホビー記事を「電撃hobby magazine」へ
分割する形で再創刊し、現在に到る。この間、母体の合併/併合によって
出版元がメディアワークスから主婦の友社、さらに角川書店と
変遷し、この影響か、角川書店から断続的に発売されていた同一指向の雑誌、
「キャラクターモデル」誌が休刊している。


以下の号に特集記事を確認。マクロス7/プラスのタイアップ記事多し。

総じて模型に使える設定画を豊潤に収録しておりモデラーにとっては便利な雑誌だった。
情報誌としてもそこそこに活用可能。


86/2 3号(創刊2号)
*通しナンバーと号数が合わないのは第一号が「模型情報」の別冊、MJマテリアル扱いだった為。
この号はBクラブガレキの1/6リンミンメイフィギュアの作例収録。
模型そのもののレビューはうちのマクロス模型リスト2を参照してもらうとして
この記事ではバービー用の服を着せた状態の写真が載っている
(チャイナドレス/レオタード)、服を脱いだ素の状態はビークラブガレキの
通販のページに白黒写真がある。言うまでもないが現在もバンダイのガレキ部門として
残っているビークラブは元々、本誌作例の複製パーツを通信販売したのが始まりで、
当時は商業ベースというより読者サービスに近いものだったようだ。

ちなみにMG誌もごく初期において同様に作例の複製パーツの通信販売を行なっており
現在インジェクションキャタピラで知られる「モデルカステン」はその時に
立ち上げられたブランドであった。

なおこの号では月刊化されておらず、不定期刊での刊行だった。また
内容も、新作バンダイキットのレビュー中心で後のイメージとはかなり違っている。


86/3 4号
*バルキリーのペーパークラフト(?)収録。但し今様のそれではなくセイカノートの表紙に印刷で
入っていた女のコ向けの平面着せ買え人形のような構成で、折り曲げ、重ねで、アーマード/スーパー
を再現できるもの。一応三種変型で立ち上がるが、キャノピー/ノーズは真ッ平。
ガレキ新製品情報に下着姿(バービー服用だそうだ。)のミンメイキットの紹介あり、
この頃ビークラブがヌードフィギュア連発していたのがわかる、いまさらフォウのヌードぐらいで
驚くに当たらないということか?セイラもフォウもみなヌード。バスタオルもなし。
出発点は魔改造の世界であったか、、。


87/8 22号
フラッシュバックの予告で河森画(白黒)を収録。VF-4のコクピットが分かる内容。
(劇場版VF-1で消えた正面のHUDが復活している。)ダンガイオーも載ってる。


88/5 31号
VF-4のスクラッチビルド作品の作例収録。作者は藤井聡氏。
フラッシュバック2012リリースの時点の製作なので当然変型は考慮外。
(VF-4の変型設定はPSゲームVF-Xで初めて公式のバトロイド図版が公開されているがこれとは別に
VF-X-4ではあるがガウォークがアニメージュ83/10で、バトロイドはPCエンジンゲームマクロス2036で
公開されていた、が、後のものと全く違う変型のためいまでは否定されたことになっている。)
ここでは胴体裏面のパネルラインが脚収納庫(のちに太股収納庫にされた)になっているが、
同時期(87年の記述有り)に描かれた詳細設定画(ムサシヤのキット用の書き下ろしらしい)では
左右のエンジンの底に設定されている。ちなみにこれによるとVF-4には後に肩と腕に
変型するエンジンの上半分のブロックを強制排除するYF-21ばりの
軽装モード(リミッタ−解除?)が設定されていて、ムサシヤの当該キットではそれが
選択式で再現可能になっている。このほかこの頃、烈風などからもVF-4のガレージキットが
発売されたが、前述の書き下ろしのためムサシヤのものがオフィシャルというような
状況があり、逆に烈風のものは機体中央部後端のラムジェットノズルが
再現されておらず(当時流通の設定画では真後ろの絵がなかったため。
当該キットでは上面と下面がそのまま繋がって、ただのエッジとなる口そのものが
ない解釈になっている。)情報の流れに凸凹があったようだ。
ただ烈風版のエキセントリックな鶴首形状はこれはこれで捨てがたい魅力がある。
さらに蛇足ながら、烈風のキットは総ソフビパーツであったものが途中で翼パーツ類を
キャストに変更している(筆者はソフビ版を購入して泣きを見ている。)ので
中古を探す場合は翼関係パーツの確認をしたほうがいい。ソフビ仕様は翼を自作の覚悟が必要。
なおVF-4はこの後の別のGK発売時に小隊長用のS型ヘッドの設定が書き下ろされており
これも設定画が一般に公開されなかった。とういうわけでVF-4の設定画は歴代
入手が面倒臭いのであります。
*この稿に関連して「tac1991」様に新情報を頂き、追記させていただきました。
どうも有り難うございました。


88/12 38号
アーマードガウォークのスクラッチモデルの記事。作者は藤井聡氏。ほぼ設定画をそのまま再現。
見えない後方や砲塔右側面など自作する場合には参考になると思われる。マクロスコレクション
(アニメージュ83/3の付録冊子)が入手困難なためデザインワークスの再録までは唯一の資料だった。
ただ腕と肩のアーマーパーツに関しては元の図版を見るかぎり
アーマードバルキリーのそれを流用したものと考えるのが自然なのだが、
当作例ではオリジナルなデザインになっているので注意が必要。
あと作例ではわかりにくいがインテイク周りにも増加装甲が追加されている。
なお冊子の河森氏の解説によるとアーマードガウォークは超重量過多のため
ホバリングすらままならないことが分かり、
ペーパープランに終わった機体で試作もされなかったという設定だったが。
藤井聡氏ほこれをOT技術の更新から後に実用性が生じて生産された機体という独自設定で
モデリングしている。カラーリングも元絵が白黒線画なので独自解釈。
加えてガンポッドも元の河森図版では持っていない。


90/9 58号
ビークラブのメインライター(当時)小林とおる氏による、
1/72VF-1Sバトロイドバルキリー(バトロイド固定モデル)の作例記事。
この時期、旧イマイキットがバンダイでの再販に当たって金型改修を受けて発売となり、
これに伴う販促記事だったようだ。したがって内容も徹底改修なんかではなく、
キットを活かしたディテールアップに重点をおいているのだが、
細かい処理の上手さから、「このキットってこんなにカッコよかったっけ?」
という出来になっている。また比較用として可変1/72の作例写真(粗組み)も
載っている。


91/12 73号
*ビークラブのマクロス2のプレ特集として「SUPER AIR CRAFT」のタイトルで
アニメ航空機の紹介。巻頭に大型スクラッチモデルのVFーSスーパーバルキリーの記事。
(ファイター。作者は”げしょー郎”氏)なかほどにまとまったVFー1の設定資料有り。
模型雑誌らしくそこそこ使える図版が入っている。このほか歴代1/55の紹介あり。


92/6 79号
*「変型革命 バルキリーが生んだ可変新時代」のタイトルでマクロス以下の
アニメ変型メカを紹介する。中味はマクロス2主体。巻頭カラーでVFー1各タイプの
紹介、アタックバルキリーのカラー図版有り。なかほどは河森氏インタビューと
VA-3初期設定を含めて4枚の未公開VF図版(当時)。うち2枚は日の丸付きで槍を持った
VFー11/19似のバトロイドとファイター、残り一枚は鍵十字に鳥かごキャノピーの
レシプロライトニング1様の機体。この2機種はいまも謎。日の丸は一部でVF-X-3の
表記がある謎の機体だったが、デザインワークスで正体が判明。 鳥かごはアーケードの1941やらに出てきそうな機体でこれもデザインワークスに詳細あり。。

蛇足ながらこの号、別縞、東京ロボット新聞のモトネタ。


94/10 107号
*マクロス7特集。初代はマクロス歴史のおさらいで言及のみ。
表紙には河森氏のインタビューとのアオリがあるが、実際は1ページに満たない。


95/7 116号
*マクロスプラス/7小特集。プラスのCGの解説。
初代に言及なし。


97/12 145号
*「大研究マクロス」のタイトルで15周年特集。ダイナマイト7のプレ特集。
例によって歴史のおさらいと河森氏インタビュー、内容は7/プラスまでの総括。
次回作ダイナマイト7の登場メカとしてVFー3000のファイター/バトロイドの図版あり。 (従来と同じ図版。デザインワークで再録されたが、白黒。)

補足:当ページでは枠外のプラス/マクロス7関係の記事に言及すると、
106号にプラスのメカ/キャラ設定、7のキャラ設定の抜粋、
107号に特集記事、この後しばらくは7の放送予定とプラスの発売記事だったが
113号より「マクロス魂」のタイトルで連載記事化される。これは設定資料と
読者投稿の小特集記事で130号まで続いた。


おまけ:ビークラブスペシャル アートミックデザインワークス

*アートミックの設定集。マクロス関係の記事は企画段階の参加ということで
初期設定図版が入っている。マクロスパーフェクトメモリーとは
微妙に違う図版も多い。また河森氏のインタビューに度々登場する
ジェノサイダス(当時はメガロード名義のマクロスををかませ犬にしつつ、
売り込もうとしたぬえのガチンコ企画)のガウォーク状主役メカの図版と
立体による機構試作 の写真も合わせて収録。なおアートミックはマクロスでは企画参加のほか、
模型ボックスアートの提供、同ボックスアートを担当した高荷氏のサポートなどで参加していたらしい。
高荷氏によるマクロス模型のボックスアートも同時に収録。





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