マクロスメカ図版探しは賽の河原。基本MOOK編1

仮運用、暫定駆動中。

さあ、長谷のVF-1も出た。スーパーも出た。作るとなればさあ、資料でも探そうかい。
でも有りそうでなかなか揃ったのは見つからない、古本屋やヤフー巡って、有名書籍を
集めてもそれで終わらないのがマクロスの資料群。河森センセと宮武センセは手まめです。
散りに散ったり、雑誌のグラビア、付録の小冊子。ならば集めてみましょうと初めたのはいいけれど、
あああ、行方もしれぬ賽の河原、いつまで続く無限の虚空。

補足:初代マクロスのメカデザインはおよそ河森正治氏と宮武一貴氏によって起こされている。
VFー1などのメインは河森氏、デストロイドなどのサブは宮武氏となっているが、実際は
相互に入り組んでおり劇場版のストライクバルキリー等のように河森氏のデザインを宮武氏が
書き加えたものや作画用に起こし直したものもあるため完全な区分けはなされていないようだ。
また劇場版のヌージャデルガーのように出渕裕氏がゲストでデザインしたものもあり、
マクロスデザインワークスでかなりの図版の描き手が示されたが、全てが示されたわけではない。
出来うる限り正確な情報を記すつもりではありますが、描き手に関しては
タッチやインタビュー記事などからの推測の部分も含んでいることを了解いただきたい。




INDEX
*河森正治デザインワークス
*別冊宝島 僕たちの好きなマクロス
*河森正治マクロスデザインワークス
*宮武一貴マクロス&オーガスデザインワークス
*EB 27 超時空要塞マクロス大図鑑
*EB 51 最新超時空要塞マクロス大図鑑 増補改訂版
*EB 6 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.1機動兵器編
*EB 9 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.2宇宙戦艦編
*THIS IS ANIMATION ザ セレクト 超時空要塞マクロス 上中下(全3巻)
*OUT増刊マクロスパーフェクトメモリー
*THIS IS ANIMATION マクロス資料集1、2 *ホビーハンドブック1 超時空要塞マクロス
*マクロスグラフィティー
*THIS IS ANIMATION  セレクト・カード 超時空要塞マクロス
*THIS IS ANIMATION 超時空要塞マクロスオリジナルイラストレーション(全2巻)
*THIS IS ANIMATION ザ セレクト 劇場版 超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか
*マクロス・ザ・ムービー
*マクロス劇場版スペシャルプレビュー愛おぼえていますか
*愛・おぼえていますか  ストーリー&絵コンテ
*超時空要塞マクロス愛おぼえていますかポストカードブック
*超時空要塞マクロス原画集
*テレビ名作アニメ版 超時空要塞マクロス 全7巻
*テレビ名作アニメ版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 全2巻
*超時空要塞マクロス Flash Back 2012 グラフィティ
*THIS IS ANIMATION special マクロスプラス
*コロタン文庫90 超時空要塞マクロス全(オール)百科
*コロタン文庫 超時空要塞マクロス ガイドブック
*アニメディア 生写真 アイドルフォトパック 超時空要塞マクロス



*河森正治デザインワークス(定価3500円+税)インプレスコミュニケーションズ刊
油断してたらいきなり刊行。06/3。こないだ出たムービックのやつと紛らわしいが、タイトルの通り
マクロスに限らない河森デザイン集。表表紙はエウレカで裏表紙はマクロスゼロ。
古くはゴーディアン、ダイアクロン、ダイモスあたりのちょいメカからレムナント、ガンへッドなんかの
特撮もののデザイン、もちろんパトレイバーのサブメカ、ザ・ウルトラマン後期のゲストメカ、
サイバーフォーミュラ、クラッシャージョー、ゲーム関係ではアーマードコア、アウトライブまで
よくばった内容ですが、本家風紋BBSでの評にあるように、本とシテは甚だ怪しい内容となっております。
一応、テキストのリードでは河森メカの流れを追ってる格好になっていて画稿もそれにあわせて
ダイジェスト的に展開するんですが、準備稿、事前のラフ、決定稿が綯い交ぜになっている上、
河森稿でない画像(劇場版スーパーバトロイド稿は全て宮武稿です)まで入っている上、
表裏、前後も揃わないものが多いのでほとんど模型の資料にはなりません。
(たとえばこの本ではゴルドバもミネルバもガンダムGP-01もダンガイオーもスクラッチできません。)
手描きのラフ等、なかなか本にならない画稿もあるのですがそれらを順序だてて見せないので効果半減です。
また、編集者が分かっているようでよく知らない人がやっているのが見える作りで、
自分に酔ったようなテキストを付けるまえに各画像の年代と必要なキャプションを付けてほしいところ。
双葉社のメカ雑誌であるところの「グレートメカニック」的というのは言い当て妙といえるでしょう。
マクロス関連では「マクロス・ゼロ」以前の物に関しては前述の通り混濁したチョイスで
ほぼ無価値なため、(バトロイド/ファイターの正面画像だけ全機種載せられてもなあ)
実用的にはムックの発売が中止となった「マクロス・ゼロ」関連が主な価値となります。
とりあえずVF-0系(アーマードも含む)とSV-51系の2機種のみですがスクラッチ可能な画像が入っています。
あとは「エウレカ」と「アクエリオン」ですがうちのカテゴリーでないので割愛。
総じて実用性は薄く、値段に見合わないといったところでしょうか。
少なくとも、各表題のメカの画稿を集められるだけ集めて構成していたムービック版の
デザインワークスのほうが遥かに実用的で良心的な作りになっています。
(値段も安いしなあ。)


*別冊宝島 僕たちの好きなマクロス(定価1048円)宝島社刊
03/12より流通の一番新しいマクロスムック。但し、宝島社なのでどの記事も話半分に聞いておいた方が
いいでしょう。例によってサブカルが得意そうでその実体はあまりお薦め出来るものではありません。
「モンスターの生産数はたった2輛」など基本的なエラーが散見されますし、
「マクロス正史」と称して年表を載せるのもなかなか笑わしてくれます。
(河森氏自身が「全てのマクロス作品はマクロス世界の映像作品に過ぎない。」と宣言されているため、
作品や作品ムックから年代や経緯を推測しても正史とは呼べない。) 細かい指摘はそのうち正誤表を作るとして、本の作り自体がマクロスを恋愛ものと捉えているので
ここではうちの守備範囲である巻末の初代プラモデルの紹介記事にだけ突っ込んでおきます。
「システム要塞 南アタリア島」ネタを引っぱり出してきたのは天晴ですが、
箱絵のスーパーバルキリーを笑う前に、この絵がA型ベースのストライクバルキリーなのと、
そもそもこのキットにはストライクバルキリーはおろかスーパーバルキリーなんか
入っていないことをつっこむべきなんですが、、、、。加えてザ・アニメージの
再生合体商品なのも知らないのかも、、。実物を調べないで写真だけで
記事を書くとこうなるって見本ですなあ。

どうせPS2のゲームの勢いで作ったんならもっとゲーム用の新作ムービー部分を載せればいいのに、、、。


*河森正治マクロスデザインワークス(定価3000円)ムービック刊
ついに01/11/21より流通開始。ああ、長かった。
さてさて、満を持して発売されたこのMOOK、決して設定資料集ではないのがミソ。VF-1に限っていえば
デザインの歴史を追うという点では興味深い資料だが、すべての図版が揃っているわけではない、
書き下ろしのカラー図版類はまったくないし、ゲーム/模型用の特殊なものは版権がらみからか、
収録されていない(R系やSOL系など。)全体からすると淡白な取り扱いだが通常の知られた図版のほか、
いままで入手が難しかった図版がかなり載っている。まずこれを列挙。
*ブレストソルジャー/ブレストファイター関連。
*初期設定のドラムマガジン付きのガンポッド装備のバルキリー(背面ブースターを持たないもの。)
*オモチャ用ディテールアップ図版(但し、関節の軸位置を示したものや、後ろからの図はなし。)
*VF-1変型過程、連続図版。
*スネ用スーパーパック(ミサイル内蔵型)ラフ。ここでは82年の表記があるがおそらくVF-X1の頃に起こされたもの
*背面用ブースターパック内部。
*ノーマルVT-1関係。
*VE-1バトロイド背面図。(この本では長谷川キット用新規図版は載っていない。)
*アーマードガウォーク(ラフ付き。涙の再録、なお初出はアニメージュの付録「マクロスコレクション」)

続いて、VF-1関係で今回初めて収録されたもの
*J型ヘッド各種ラフ。
*VF-1ファイターディテールアップ図版(ラフ)
*変型過程連続図版後半部。(バトロイド直前の4枚、前半はTV版の頃のもので、後半は90年代以降に書き足されたようだ。)
*ノーマルVT-1バトロイド図版。同、バトロイド時のコクピット説明図。
*OVA(ダイナマイト7)用VT-1C関連。

こうして書き出すと意外と少ない。このほか初代マクロス関係はリガード/グラージ/空戦ポッド/
カリョービン/ドラゴン2。(但しこれ以外の非可変航空機やマクロス等の宮武メカは載っていない。)
が紹介されている。
このほかアドバンスドバルキリーとしてミッシングリングな機体が充実している。
以下に列挙。

*VF-X-7ゴーストバルキリー(初収録。3モードとも収録)
*VF-X-11
*VA-X-3
*V-BR-2
*VF-3000クルセーダー(M3版の改修図版も合わせて収録している。)
*VF-3000Bボンバーバルキリー(初収録?)
*VF-9カットラス(かつてVF-X-10だったもの。M3版の改修図版も合わせて収録している。
もちろんゲーム版の変型過程は初収録。バトロイド状態も詳しい図版がある。)
*VF-4ライトニング(VF-X-4とデイフォルメ版も合わせて収録。ラフは多いがVF-X攻略本に収録
されていた変型過程は載っていない。また、アニメージュ誌上で公開されていた旧ガウォークは
ラフが載っているがPCエンジンゲーム版バトロイドは収録されていない。黒歴史となった昔の変型システムは
画稿を無くしたのでヤメになったんだそうな。げげ。個人的にサイレーン再び。)
*スタンビートバルキリー(公式の公開は初めて。PCゲーム用デザイン。
但しゲーム本編にはアイコン状でしか登場しない。造形無宿氏の作例で有名。VF-11に発展したそうな。)
*フェイオスバルキリー(かつてエネミーバルキリーの名称だった。ゲームVF-Xに登場のメカ。
ゲーム攻略本にあったポリゴンモデリング用の解説図は収録されていない。)

収録はいずれも白黒線画。ゆえに一部にあったカラー図版はやはり模型情報かEB6のみの収録。
VF-9はやっぱ変型に無理がある。
さらにマクロスプラス/マクロス7/ダイナマイト7関係の収録。但し、VF-11の
マクプラ版ガンポッドはやはり収録されず。(追記:現在VF-11のマクロスプラス版ガンポッドの
図版の収録が確認されているのはウエーブ製1/100VF-11バトロイドマクロスプラス版ガレージキットの
インストのみ、これは内部構造まで示された精密なものだが、どうやら河森/宮武両氏の筆ではないようだ。
この図版はTIAマクロスプラスほか、いずれのムックにも収録されていない。情報は風紋さんより。)
巻頭カラーにもマクロス7/プラスのアーリーデザインを多数収録している。
この辺新発見も多いが、うちの守備範囲外なので詳細は各自で。
またVA-3/VF-5000関係が変型過程も含めて豊富に収録されている。
ちなみにVF-22はMOOKで、ちゃんと紹介されたのは初めてではなかろうか。
以下はゲーム版バルキリーの収録内容。

*ケーニッヒモンスター(初期のラフが豊富。変型過程、各モードの図版はよく知られたもの。)
*VF-14バンパイア(MOOKとしては初収録。変型過程はないがエルガーゾルンを参照すべし。)
*ネオ/バリアブルグラージ(MOOKとしては初収録。)

いずれもスクラッチが可能なレベルの図版を収録。ただスケールはノンスケールになるが。

そして、この本で解明された最大の謎。星嵐99。
後述のBクラブの項で言及している河森氏のインタビューに収録されていた謎の機体、
とてもマクロス関係とは思えなかった日の丸バルキリー/鳥かごバルキリーは、
マクロスとは全く別のアニメ企画用デザインで、後にエスカフローネに繋がって行く機体であった。
特に日の丸メカは他の航空機と合体して水中用、重装甲タイプに化ける、
グレンダイザーとスペイザーちゅうか、Gディフェンサーと合体するZガンダムといえば
理解いただけるだろうか?凄まじい機体。また以前に図版にあった槍は変更されたようだ。
(空中で飛行機同士が合体するんだろうなあ、さながら空中換装か?)
バトロイド時は日本刀で戦うらしい。この2機以外の機体も巻頭カラーに収録。異世界。

総じて初期設定のラフに大きくページを割いている反面、劇中での設定類はスペック/ストーリーも含めて
全く載っていないし、(機体の大きさが載っていない点に注意。)
当然、宮武メカは収録されていないので、決してマクロス世界の研究本ではない。
(コクピットなど補足的に必要な宮武氏デザインの画稿は入っている。) ゆえにマクロスの設定資料だと思って購入すると困るかも。あくまで河森氏のデザイン集。
とりあえず必読ではある。すでに基本図版を入手している人に特にお薦め。
これまでの謎のいくつかは解決する。ただし意外に今までの資料の肩代わりにはならないので注意。
マクロスの作品世界についてはやはり従来書籍を要する。
パーフェクトメモリー/マクロス ザ ムービーは不滅だった。


*宮武一貴マクロス&オーガスデザインワークス(定価3000円)ムービック刊

予告から数回のしかも数年に渡る延期を経てとうとう05/6/16より発売となった。
前述、河森デザインワークスの姉妹編にあたり、同様の体裁、同様の内容と思いきや、
カラー無し、白黒も大幅なページ減等、そこここに問題有り。
宮武氏と言えばいうまでもなく70年代前半から猛威を奮った万能メカデザイナー。
マジンガーZの内部図解に始まってゼロテスターを筆頭に東映系のメカアニメから、
同東映の松本零士モノのほぼ全て、さらに東映ロマンロボ3作から(ガンダム前の)
サンライズ3シリーズと、、、筆者が物心ついた頃から中学校に上がるまで、
カッコイイと思ったメカはほぼ全部、宮武氏が関係したモノだったという、
あたしにとっては師匠とかセンセというよりもはや空気に近い存在であります。
従いまして、もし漠然と宮武氏のデザインでくくった場合、年代別/種別に集めて行くと
おそらく百科事典に近い状態になるわけで、今回マクロス/オーガスでくくられたのは当然と
いえば当然の展開なのであります。

さて、マクロスにおける宮武デザインといいますとまずSDF-1マクロス艦を筆頭に
艦船類のほぼ全て、デストロイド系、(スパルタン除く)ゴースト系、ゼントラ系では
ヌージャとクアドランで、基本稿はこの本でもほぼ収録されているのですが、
初期稿やラフの中で「MBR-08」系等、パーフェクトメモリーに載っていて
この本に無い図版も随分あり、河森ワークスのように徹底した収録は期待出来ません。
また河森ワークスに収録されたVF-1/YF-19のコクピット等はなく、初代関係は今回初めて収録された
未公開図版もほとんどありません。ただマクロス7関係は以前該当ムックが途中で終わって
いるため結構はいっているようです。(パンツァ−ゾルン辺りは初めてかな?また後述のマクロス艦の新画稿も…)
およそ既出のムックに載ったもののダイジェスト版の感じでちょっと薄めの内容ですが
今回は画稿ごとに宮武氏のキャプションが付いているので読み物としての価値は高いといえます。
(河森氏との仕事の割り振りなど興味深い記述あり。)ただ一部画稿がジャギーの出ている荒いものに
なっているんだけど此れ等は原本が失われた可能性あり。(近年のマクロスムックで基本画稿ではなく
どこで発掘されたのかいままで未公開だったおもちゃ用関節構造図解が載せられていることが
もそういう事情なんだろうか?)
河森ワークスでは荒い画稿がほとんどなかったのだが、この辺、河森氏と宮武氏の物持ちの問題もあるのかな?
あと個人的にはホビーハンドブックの墜落前マクロス(TV監察軍仕様。劇場版メルトラン仕様は収録されている)
や第ニ次偽装後のマクロス(宇宙用ゴースト付き)なんかの収録を期待したけど載ってませんね。
あとVF-X1/2関係の敵メカが載ってるのが特記かもしれません。巻末には河森氏/宮武氏の対談が付いてます。
なお

*EB 27 超時空要塞マクロス大図鑑(91/2 定価780円)バンダイ刊
意外に入手が容易で収録図版も豊富でおよそ一通りの設定資料を見ることができる。
ただ惜しむらくは製本サイズが小さいため、収録されていても完全に判別できない部分が
出ていること。模型製作等でまず一冊目に購入するならこれがお買得か?
TV/劇場版/フラッシュバック2012までを収録。

ちなみに下のEB51増補版で失われた内容は以下の通り
TV版ストーリー紹介7ページ。(本編のカラー画面有り、でも凄い)
見開きでマクロスの2形態のカラー図版+カラー内部透視図。
バトロイドJ/S/A/D/スーパーS/マックス後期/ミリア機のカラー図版(それぞれ前後有り)4ページ。
同7種のガウォーク/ファイターのカラー図版。(それぞれ前後ないし表裏あり。)4ページ。
でデストロイド5種のカラー図版(同、前後あり。)3ページ
劇場版統合軍メカ紹介図版。マクロス/アームド1/スーパーバルキリー(s)/VT-1/VE-1/
連絡艇/ボトルザー(表記なし)/ブリタイ艦/連絡艦(ここは全てコマ焼きで前後が揃わない。)5ページ
TV版リガード/グラージ/ヌージャ/クアドラン/一般ゼントラスーツ/
ケルカリアの図版(前後)戦闘ポッド(一枚)3ページ。
劇場版ゼントラ/メルトラメカ、(ヌージャ/重攻撃機/ラプラミズ/ミリア機/青赤クアドラン)
コマ焼き図版。(ヌージャは前後上からで色が分かる。)3ページ。
TV版の色の確認に便利であったがセル画とおもちゃ用の陰影付きの彩色画が混在しているので
正確な色味としてはやや難有りか?またマックス初期のA仕様/TV版柿崎のA仕様のカラーは収録されていない。
巻末のストーリー全解説(テキスト)6ページ

追記:ちなみにこの2仕様の色見本がまともに収録されているmookは
「マクロスからオーガスへSUPER PLASTIC MODEL MANUAL」の可変キット作例が唯一。
ただ旧今井のキットのインストに塗装バリエーションとして収録されているので
該当キットを探すほうが効率がいいかもしれない。但し尾翼端のマーキングはガウォークと
バトロイド/ファイターとで色指定そのものに矛盾があるため最終判断は各自で。
マックス/柿崎/一般兵仕様A型の塗装は微妙に統一性に欠けるので罪作りなのよね。
追記:TV版マックスAのマーキングは長谷川1/72VF-1マックス&ミリアの取り説に
収録されたので現状ではこれがオフィシャルとなる。


*EB 51 最新超時空要塞マクロス大図鑑 増補改訂版(93/4 定価880円)バンダイ刊
上記27にマクロス2とPCエンジンゲームマクロス2036に登場したアタックバルキリー(VF-1SR/AR/JR)
の設定資料を追加したもの。(2036のゼントラ/メルトラのメカや艦船は収録なし。)
なぜか前述EB27より割高なので追加図版に興味がなければ27で十分。27にあった巻頭のカラーページは前述の通り
マクロス2のものに差し替えられているし、巻末のストーリー紹介もなくなっているので、
その点でも27のほうがお買い得。
なおここでのアタックバルキリー関係の図版は後述ビークラブ79号で補える。

*EB 6 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.1機動兵器編(89/10 定価800円)バンダイ刊
およそ昭和の時代のぬえメカをダイジェスト的に収録している。(ガンヘッドまで)
マクロスメカの記事は少ないが巻頭のカラーページでアドバンスドバルキリー
(原本は模型情報85/12、VF-3000、VF-X-10、VF-X-11、VA-X-3、V-BR-2)
の図版と作例の再録をしている。但し模型情報85/12とでそれぞれに足りない画像や追加の線画があるので
両方で初めて全部揃うという罪作りな図版だったが、線画は全て河森デザインワークスに再録されたので
カラー図版以外はあまり価値はないと思われる。なおここに収録された作例は企画の発表も兼ねて
ホビーショーなどで公開されたそうな。(たしかに企画がダメになりそうな作例ではある。
当サイトのバンダイ模型情報の項に関連記事あり。)

*EB 9 スタジオぬえ メカニックデザインブック PART.2宇宙戦艦編(90/2 定価800円)バンダイ刊
同じくぬえ艦船メカのダイジェスト的な紹介本。マクロス関係も載ってはいるが
特に大きな価値はない。ちなみにこの二冊ともそれぞれの図版に元の作品名が入っておらず
戦車/航空機/ロボット等の分類で並んでいるので非常に使い勝手が悪い。

*THIS IS ANIMATION ザ セレクト 超時空要塞マクロス 上中下(全3巻)(83/2〜定価各780円)小学館刊
小学館のシリーズでは普通の本。キャラありメカあり、ストーリー紹介、画面からのコマ焼き、
書き下ろし図版、設定画、模型パッケージ用図版とバラエティーに富んだ内容がほどほどに
揃っていてそこそこに便利。TV版の概容を理解する向きか?
ちなみに上は7話まで、中は18話まで、下は最終回まで。中古市場では三冊セットがごろごろ
しているので、バラで集めるよりまとめて買うのが吉。数が多いので割安。下の資料集2冊とで
TV版の表設定はほぼ補完できる。

*THIS IS ANIMATION マクロス資料集1、2(全二巻)(83/10〜定価各1200円)小学館刊
上記3冊の補足的な資料集。よってTV版。カラー図版と設定線画、後半は全話の脚本とより抜きコンテ集。
画面では切り捨てられた描写など興味深いものも多い。これも2冊セットの中古があるので
まとめて購入が吉。2の単品売りなんか見たことがない。また2の巻頭の綴じ込みポスターには
田中精美氏による精緻なリガード/バトロイド(全百科やオリジナルイラストレーションのものとは別の図版)
/スパルタンの内部構造図解の線画が収録されているのでこれの切り抜きには注意。

*OUT増刊マクロスパーフェクトメモリー(84/8 定価2800円)みのり書房刊
いわばガンダムセンチュリーのマクロス版。TVシリーズの設定群をわかりやすい順序で
網羅した上、企画段階の設定資料なども豊富。TVシリーズに限ればこれ以上の資料は
ない。この本における各メカの設定の記述がそのまま後の書籍に流用されている
ふしがあるほど。いずれにしてもスタンダードにして究極のマクロス本。
市場的には高価な部類だがそれに見合う内容。上記小学館の5冊に匹敵するボリューム。
特記事項としてはマクロス要塞型/強攻型などオモチャ用三面図がそろっているのと
河森氏によるマルイチモールドの詳細図版が載っている。また空白の2年間の記事に
挿し絵として入っているジャンクなVF-X-4?(VF-1ベースにスーパーパック等のパーツで構成されている。)
の画稿はこの本のみ。これもデザインワークス発売なるも価値は衰えず。
なお本来は生頼範義氏による巨大ポスター(要塞艦マクロスを艦首より望む B2版)が付属するので
中古で購入の場合は有無を確認したほうがいい。


*ホビーハンドブック1 超時空要塞マクロス (83/5 定価480円)小学館刊
放送初期に発売されたプラモデルの改造作例や書き下ろし図版によって
番組のバックボーンや裏設定を解説するMOOK。
体裁はジュブナイルというより絵本に近いのだが、(全文、漢字にルビあり。)
VFー1の開発過程(秘密裏に試作、試験飛行が行われ、その中で事故もあった等。ガウォーク開発秘話も有り。)、
各デストロイドの内部構造図やパーソナルマーク、機体マーキングの解説、
アーマードバルキリーの分解図、マクロスの落下前想像図、(マクロスザムービー収録のモノとは別稿。
ここでは監察軍の艦船で、ややレトロ風にデザインされている。)
マクロス第二次艤装計画、(腕をアームドに変えて、レーダー周りを強化等)
バルカン装備ファランクス、デストロイドマーク1、プロトタイプモンスター、(両腕を持たない機体)
スーパーやエリントシーカーに繋がるバルキリーバリエーション、トマホーク流用のビームバズーカ装備VFー1
ディフェンダー流用の高速マシンガン装備のVFー1、挌闘戦強化型VFー1、
宇宙用に球形プロペラントタンクを増設したゴーストなどを収録。
作例そのものは時代なりであるけれどデザインワークスでも再録されていない
河森、宮武両氏の書き下ろし図版も交えて立体化していて、
隠れたマニア本となっている。いわばプロが作った同人誌か?
なおスタッフリストに横山宏氏、青井邦夫氏ほか有名デザイナー/イラストレーターの名前が。
市場的にはレアな上高価。すくなくとも楽しい本であるのは間違いない。
追記:別項「マクロス作例集その2」に同書の作例紹介を追加しました。あわせて参照ください。

*マクロスグラフィティー (83/8 定価780円)秋田書店刊
TV放送終了時点で出たマクロスムック。これの母体と思われるマイアニメ誌でも
同人作家にさし絵を描かせてキャラの人気投票をしたり、模型コンテストを
開催したり、時代に先がけてフィギュアの魔改造記事を載せていただけに
キャラ中心でなおかつ画面のコマ焼き乱発のよくわからないアニメ少女ノリで構成されている。
せめてミンメイ以下の女性キャラの設定資料だけでも集めてあればそれはそれで価値もあるが
メカはおろかキャラの線画類もまったくない。
当時のはしゃぎ過ぎのムードがよくわかる一冊。巻末のインタビューが救いか?

*THIS IS ANIMATION  セレクト・カード 超時空要塞マクロス(定価780円)小学館刊
TVフィルムを元に作られたハガキ大のカード。表が画像で裏が解説。「セル起こし」でない上に、
適当にフィルムから抜粋しているため、カードとしての質は最低だが、レアという意味では
コレクターズアイテムといえるかも。入手は困難と思われる。なお、以下は本カードで確認できた設定。
ただし、その内容が正確かどうかには疑問が残る。
・偵察型リガードの名称はリガード・スカウト
・ヌージャデル・ガーは大気圏内では推力不足のためジャンプ程度しかできない
・クワドラン・ローのミサイル収納数は126発
・マクロス発進時のトマホーク搭載数は440台
・地球発進時のプロメテウス搭載バルキリー数はA型120機、J型30機、S型20機、D型12機の
合計182機
(この項、下忍さんより。多謝。)
ロドリゲス追記:本稿の通り、この本はどういう根拠なのか数字関係が充実(?)しているので
ほかの数字も合わせて紹介。とても罪作り。こまったもんだ。
・ミリアの身長178センチ、体重53キログラム(マイクローン時)
・ダイダロスアタック時のデストロイド。トマホーク5台、モンスター6台!!
(ディフェンダーかスパルタンの間違いなのか?)
・スーパーバトロイドの武装。マイクロミサイル 肩20発×2 腕20発×2(!!!)
・バルキリーのガンポッドの発射速度は毎分1200発 装弾数200発(!!!!!)
・ミンメイの名前を漢字で書くと鈴明美 3サイズ B80 W58 H87


*THIS IS ANIMATION 超時空要塞マクロスオリジナルイラストレーション
メカニック編/キャラクター編、全ニ巻(83年頃 定価各880円)小学館刊

それぞれB4サイズのイラストが厚手のボール紙に印刷されたモノ(バラ)が同じくボール紙製の
ケースに納められた形態の商品。大判のポストカード集だと思えば分かりやすい。以下に内容を列記。
*メカニック編
 「肉弾」(装甲服のカムジンと破壊されるバトロイド、カラー。)宮武一貴氏
 「警戒」(マクロス艦橋付近をかすめて移動するガウォーク、カラー。)西川増水氏
 「マイクローン・シティー」(都市にそびえ立つマクロス強攻艦、カラー。)宮武一貴氏
 「出撃」(火星基地のデストロイドモンスター、カラー。)佐藤広明氏
 「クァドラン・ロー」(ガウォークと激しい戦闘を行うクアドラン、カラー。)宮尾岳氏
 「マクロス要塞艦」(地表近くを巡行するマクロス、カラー。)高荷義之氏
 「スーパーバルキリー」(疾走するTV版VF-1Sスーパーファイター、カラー。)河森正治氏
 「迎撃」(ノプティー・ガバニスを防衛するリガード、カラー。)鈴木敏充氏
 「バトロイド図解」(マクロス全百科/映画パンフレット等に収録されている内部構造図。
なお、キャプション等の解説は付かないソリッドな状態のイラスト、白黒線画。)田中精美氏
 「ガウォーク図解」(同じく映画パンフレット等に収録されている内部構造図。
これもキャプション等の解説は付かないソリッドな状態のイラスト、白黒線画。)田中精美氏
以上10枚

*キャラクター編
「幼い頃の未沙」(森の道をゆく幼少の未沙、2色カラー。)美樹本晴彦氏
「カムジンとラプラミズ」(2人のバストショット、カラー。)平野俊弘氏
「バルキリーとヌージャデル・ガー」(艦船表面のドッグファイト、部分着色。板野氏ゆえなぜかメカ。)板野一郎氏
「輝と未沙」(パイロットスーツの輝と普段着の未沙、カラー。)しまだひであき氏
「再会」(背後にマクロス強攻艦、ハッチの開いたスーパーファイター
浮遊する宇宙服の未沙に向かうパイロットスーツの輝、劇中にはないシークエンスのイラスト、カラー。)河森正治氏
「リン・ミンメイ」(私服で寝そべるミンメイ、カラー。)美樹本晴彦氏
「ミリア・ファリーナ」(ビキニのミリアのバストショット、カラー。)平野俊弘氏
「シャミー」(ベットに寝そべるオフデューティーのシャミー、カラー。)垣野内成美氏
「リン・ミンメイ」(夏の砂浜で寝そべる夏服のミンメイ、カラー。)しまだひであき氏
「マクロスギャルズ」(ミンメイ/未沙/クローディア/キム/シャミー/ベネッサのコラージュ的イラスト、
白黒線画。)門上洋子氏
以上10枚

総じて他のムックで収録されている図版も多く、ミニポスター集とみても
資料的に大きな価値があるわけではない。市場的にはややレアなため高価で割高感あり。


*THIS IS ANIMATION ザ セレクト 劇場版 超時空要塞マクロス 愛おぼえていますか 
(84/9 定価1200円)小学館刊 

ここからは劇場公開時のMOOK。本家が出した一番スタンダードな作りの本、そこそこのストーリー再録
キャラ、メカの基本的な設定資料などおよその図版が揃っている。加えて「L.CATO」氏名義の
(かつて個人で同人誌「notice」を刊行していたメカ/人物ともに恐ろしく達者な才女の方。
MATの同人誌に転載されたVF-3Sの図版が秀逸。現在は宮武氏の夫人という噂は本当でしょうか?)
書き下ろし図版(VF-1変型過程、スーパー、ノーマルの比較側面図、メカ身長対比図)など、
ここでしか見られない精緻な図版多し。白眉はぬえ謹製の艦載連絡艇(未沙とカイフンが乗ってるやつね。)
のスーパーパック付きガウォークモード図版とVF-1S/Aの上ではしゃぐ女性キャラ図版か?
劇場版の資料としてはこれだけでもなんとかなる。部数も多いのか市場でもよく見かけお買い得。

*マクロス・ザ・ムービー(84/12 初版特価8800円)小学館刊
劇場公開時に出た豪華本。値段もスゴイが中身も豪華な作り。
前半はカットごとにコマ焼きの画像を用いた完全なストーリー再現。コンテの指示も同時に
入っている凝りよう。もっともビデオやLDが普及していない時代なのでこういう構成に
なっているようだ。後半に入って美術ボードの収録、そしてメカニックなのだが
そのほとんどが詳細なVF-1の資料に費やしている。とても作画出来るとは思えないような
詳細なコクピット設定や外版パネルの資料や無数の書き下ろし画像
(長谷のウエポンセットにある5連ミサイルポッドの、上下左右のフルートの刻まれた形状など
はこの資料によっている。)は劇場版の画面を超えて河森氏のめざした本当の
バルキリーの姿が示されている。このほか、他の資料では割愛された
VF-1のキャノピーやモニターに映し出されるコーションマークや、敵味方識別表示など
の作画指示の詳細も資料そのままに収録され、まさに劇場版VF-1の完全な資料集となっている。
もっともバルキリー以外のメカに関してはタンパクな内容であるので上記「TIA愛おぼ」とで
一対ということかもしれない。近年再版もあり、そこそこ数があるので市場的にはお買い得か?
なおこの本には田中精美氏画のスーパーバルキリー内部透視図のポスターが付属しており、
黒地に銀の凶悪な印刷ながら、精緻を極めた航空機としてのVF-1の魅力を再現しており、
中古購入の際は有無を確認したほうがいい。このほか特記事項としてはマクロス落下前の状態
(ホビーハンドブック版とは別稿、劇場版においてはメルトランディー艦。シャープな三角基調の
突撃艦)の書き下ろし図版も収録されている、
やはりデザインワークス発売後も価値は変わらない。また初版にはフィルムしおりが付属した。

*マクロス劇場版スペシャルプレビュー愛おぼえていますか(84/7 定価800円)小学館刊
劇場公開前のプレリリース本。予告編再録と設定、ストーリーのさわりの
部分のみ収録。劇場版製作中ゆえかぬえの書き下ろしなどはほとんど無く、
作者不明のバルキリー変型過程やマクロス変型過程の図版を
収録している。また劇場版と関係なくメガロード関連やTV初期設定の図版など、
未公開の画像を無理に集めて集めて構成したようだ。このほかトイのTVCM
の再録、加えて後のハイコミカルVF-1の開発資料の収録があったり、
マクロスプラモマニアの紹介や作例が載っていたりして
(一戸寛氏を筆頭に当時の若手モデラーによる。)不思議な作りになっている。
ちなみに河森氏によるTV版の反応弾の搭載方法の詳細が図で示されているのはこの本のみ。
(長谷ウエポンセットはこれに準じていない。つうか強度的に無理?)
これはこれで面白いといえば面白いが、劇場版の資料としては巻頭のカラー図版以外は
前出の劇場版資料二冊があればいらないかも?
追記:別項「マクロス作例集その2」に同書の作例紹介を追加しました。あわせて参照ください。

*愛・おぼえていますか  ストーリー&絵コンテ(84/9 定価980円)小学館刊
前書きに「この本は実際の製作に使用された絵コンテ及びレイアウトをもとに、
フィルムとして完成される以前のマクロスの姿を構成してみました」とあるように、
絵コンテそのものが収録されているのではなく、絵コンテの各コマを抜粋して掲載し、
その周囲に劇中の台詞がズラーっと書かれている本。いってみれば、絵コンテをイラストとして
使用した台本的ノベライズ(なんのこっちゃ)。資料的価値は低いものの、
河森氏によるコンテが(部分とはいえ)一通り確認できる唯一の本である。
(2007年12月に発売されたHDリマスター版メモリアルボックスにきちんとした絵コンテが特典として付いた)
巻末の1ページは河森氏の当時の心情が吐露されている。(この項、下忍さんより。多謝。)

*超時空要塞マクロス愛おぼえていますかポストカードブック(84/9 定価380円)秋田書店刊
劇場版の画面から抜き出したありふれた図版のポストカードがまとめられた本。
と思いきや、問題は巻末に収録された初期稿と思われる劇場版シナリオ。三角関係は決着せず。
未沙と輝が辿り着いたのは地球ではなく始祖のマイクローンの惑星。後半、歌詞翻訳のアイディアを
発想し、決戦の中その実行中に負傷しその歌詞を輝に託すかっこいいカイフン。ミンメイソングを悪意をもって
利用し、その失敗に(メルトランディーはマックス/ミリアの結婚放送を行い、先にゼントランを混乱させる。)
メルトランもろともマイクローンを抹殺宣言するボトルザー。そしてそれに反旗をひるがえすブリタイの
描写の濃厚さは決定稿の比ではない。後半やはり新統合軍に組みすることができず戦線離脱するカムジン。
ロイ死亡(カムジンと相打ちではない。)、マックス逃亡によってスカルリーダーとなり新米の部下を失いながら、
ボトル旗艦に血路を見いだす輝、そして合流するマックス(ちなみにマックスは決定稿より青臭く描かれている)。
これって良くない?すげえいいよ。そしてボトルザーに決着をつけるのは未沙操るマクロスのダイダロスアタック。
この後、十数年を経て復活したサターン版マクロスはその構成をこの稿に影響されている節あり。


*超時空要塞マクロス原画集(84/10 定価1200円)ムービック刊
劇場版マクロスの美樹本氏による原画を集めたモノ。巻頭に書き下ろしイラスト一点、
そのあとセル画の再録。以降に線画状態の原画、巻末にキャラ設定という構成。
なんとなく集められたといった感じで統一性には欠ける内容。
特記事項は何ページ置きかに挿入されているメカ設定図版なのだが
何故かディフェンダーの図版に「トマホーク」のキャプションが入っている
これが手書きで原本に入っているもののように見えるため、どうにも解せない。
劇場版においては従来ディフェンダーと思われていたものは「トマホーク」という名称だったのかもしれない。
もちろん従来トマホークの図版も載っているのだがこれにキャプションはない。
通信販売で良く見かけた大判の設定資料とともにアニメイト系で販売されていたようだ。
市場ではほとんど見ないが美樹本氏の線画にこだわる人以外に資料的な価値は無いと思われる。


*小学館テレビ名作アニメ版 超時空要塞マクロス 全7巻(83/5〜定価各690円)小学館刊
放映されたフィルムを元に漫画のように再構成(コマのとりかた、ふきだし、擬音など)したフルカラー本。
いわゆるフィルムコミック。ビデオの普及率が低かった本放送当時においては、多くの人気アニメ作品が
フィルムコミックになっていたが、これもそのうちのひとつ。ビデオやLD、はてはDVDまで普及した
現在においては価値がないという人もいるが、それは誤解である。各話の各シーンがすぐにチェックできるため、
検索資料としての利便性の高さは抜群といえる。フルカラー印刷ゆえに、購入時には印刷の色ズレを
確認したほうが良い。入手は比較的簡単だが、全巻揃えるとなると手間取るかも。
ヤフオクにも定期的に出品されている模様。(この項、下忍さんより。多謝。)
ロドリゲス追記:入手してみましたがほんとに便利でした。
せっかくなのでさらに追記:本稿中にもあるようにビデオ/LD/VHDが高嶺の華だった当時は
このようなアニメのコミカライズ本購入が本編をコンプリートする唯一の方法でした。
(音声はドラマ編といった名称でレコード化されていて、画像はコミカライズ本で補うのが一般的だった。)
劇場版999、劇場ルパンのカリオストロの城/マモー編、火の鳥2772などが存在していました。
ただ、編集者にマンガのセンスが要求されるため、ものによってはストーリーが
よくわからなくなってるものもあって玉石混合な印象がありました。

*テレビ名作アニメ版 超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 全2巻(85/3 定価各980円)小学館刊
これもフィルムコミック。劇場版なのにテレビ版と銘打ってるのはご愛敬。高密度な劇場版の画面を
できるだけ大きなコマで収録しており、TV版に比べかなり綺麗で見応えのある本となっている。
もちろんフルカラー。「マクロス・ザ・ムービー」前半部分と補完の関係にあるといえる。
確認作業などが非常に便利なのは、さすが紙メディアといったところだろうか。入手は比較的簡単。
(この項、下忍さんより。多謝。)
ロドリゲス追記:入手してみましたがやっぱり便利でした。

*超時空要塞マクロス Flash Back 2012 グラフィティ(87/10 定価880円)秋田書店刊
恐らく唯一のフラッシュバック本と思われる(他にあるとしたらムービック刊行のものぐらいだろうか?未確認)。
内容は、OVAで使用された美樹本氏のイラスト(未使用含む)の掲載、
天使の絵の具Part1(愛・おぼの幻のエンディング)とPart2(ビデオ新作部分)を解説つきで収録。
と、ここまでがカラー。以下2色刷りで各曲の歌詞と使用されたシーンを掲載。最後に白黒で、
設定資料、原画、河森氏と美樹本氏へのインタビューが掲載されている。
注目すべきは、パーフェクトメモリー等で発表されたものとは形状がまるっきり違うメガロードや
VF−4、新型パイロットスーツの画稿だろうか。ただし、VF−4はファイター形態だけしか
設定されていない(当時)。また、カラー部分においては、メガロード艦長席の様子も確認できる。
入手はやや困難かもしれないが、丹念にさがせば安価でみつかる事も多い。
なぜかヤフオクでは高値になりやすい。(この項、下忍さんより。多謝。)
ロドリゲス追記:新設定のメガロードはエンジンとアームド部分が合体しているような、よくわからない構造の
ガラス張り船。しかもなんか構造が辻褄合いません〜〜。(本編見てもわからな〜〜い。)
どっかで見たような気がすると思ったらフォルムはアルビオンとクリソツなのね。


*THIS IS ANIMATION special マクロスプラス(95/3 定価1400円)小学館刊
プラスの前半リリース時に出たMOOK、しかしその実体は、、、、。
前半は従来通りプラスの設定資料、ストーリーの再録。
後半は打って変わって、航空機としての歴代バルキリーを解説した、
いわば”バルキリーインアクション”となっている。
MGでおなじみの二宮氏によるこの記事は、
順を追って、VF-1、2、3、4、VA-3、5000、11、14、17、19、21、各機の
開発過程、運用秘話、機体の二面図と各種マーキング、
(2、3、14、はテキストでのみ言及、5000はファイター形態の図版を収録
マーキング表と図面は版権無視サイトでパクられることしきり。)
などで構成されており、特にVF-1は従来の図版に加えて新規の画像を効率よく配置し、
いままでの設定の集大成となっている。なおTV版/劇場版を初期生産型、後期生産型として
扱うことで両者の差異の矛盾を解消しているのもこれが原本だと思われる。
ゆえにこれらの記事によってVFに関して史上最も有益な資料となっており、
同時に半ばオフィシャルに近い影響力を持っている。
なお、超レア、あっても高価。でもそれに勝る価値あり。
なおこの本の後半の内容はデザインワークスでは補完されません。


*小学館コロタン文庫90 超時空要塞マクロス全(オール)百科(83/4 定価480円)小学館
いわゆるお子様向けのポケット百科の類。内容は、キャラクター及びメカ紹介、ストーリーダイジェスト
(第12話ビッグエスケープまでを収録)、マクロスQ&A、プラモガイド、雑学百科(いわゆる辞典)など。
本の性格上、内容は推してしるべしと言いたいところだが、妙なところでマニアックなネタが
転がっていたりするので侮っては行けない。画稿としては、バトロイド正面透視図や、
決定稿直前のファイター図版や、決定稿とは異なる三面図(玩具用か?)などが収録されていて楽しい。
その他マクロス要塞艦・強行型の内部図解、トランスフォーメーション手順なども掲載されている。
プラモガイドはリリースされている主な製品の簡単な紹介だけでなく、製作するうえでのワンポイント、
ジオラマの作り方、写真の撮り方までも書かれている。しかしながら、かなりおおざっぱな記述のうえ、
子供にそんな事ができるのかと疑問に思える方法もあったりで、あまり役には立たないように思える。
なお、マクロスQ&Aは違う意味で必見といえる(笑)。ゼントランの甲状腺分泌異常による巨大化説は傑作と
断言したい。入手はやや困難。ネットよりも町の古本屋を丹念に探したほうが早いかもしれず。
(この項、下忍さんより。多謝。)
追記:別項「マクロス作例集その2」に同書の作例紹介を追加しました。あわせて参照ください。

*コロタン文庫 超時空要塞マクロス ガイドブック(84/9 定価480円)小学館刊
50音順に用語の解説と図版が入ってる。子供向けと見せて意外に丁寧なつくり。
上記、大百科が放送中に発売されているため、TV後半を補足する内容になっている。
結構使える。特記事項は今は亡き”かがみあきら”氏の漫画収録。
全(オール)百科に引き続き、模型使用のディオラマや改造作例を収録。
追記:別項「マクロス作例集その2」に同書の作例紹介を追加しました。あわせて参照ください。

*アニメディア 生写真 アイドルフォトパック 超時空要塞マクロス
 マクロスミニ文庫付き 全三巻?(83年〜 定価980円)学習研究社刊

ポラロイドサイズのやや小さなサイズの写真が10枚
(印刷物でなく本当に焼き増しされたもののようだ。)と、とても文庫とは呼べない
小さなチラシ状(有井の15周年のミニカタログを想像してもらえば分かりやすい)の
小冊子がセットにされてカセットケース状のプラ箱に納められている。
要するにブロマイド集。学研はこのころ薬師丸ひろこや原田知世など実在アイドルの
ブロマイド集も販売しておりその流れでこういった体裁になったようだ。
またマクロス以外にもミンキーモモやクラッシャージョウなどのブロマイド集も販売されていた。

写真そのものの内容はアニメディア本誌と同様、書き下ろしの図版
なんか一枚もなく動画から引っ張ってきたヘロヘロなもので、写真だということ以外、
特記事項はない。小冊子もミンメイやミサの独白やらが載っているほか、
若干のクイズも入っているが、どうでもいい内容。総じてムックとしてはほぼ価値がなく、
値段を考え合わせると、例え販売促進のためにベタ誉めの文章を書いてくれと言われても
「さあどうでしょう?」という状態。

ただ、パッケージのキャプションが「本商品は生ものなので開封後はお早めにお召し上がりください」
になっいてたり、取り扱い注意の文章が無法地帯状態で薄ら寒い笑いをを呼ぶものになってまして、
二の語が継げません。 たしかにバカとエッチの80年代ですが、あまりにもあまりにも(以下略。)
とりあえず再録しておくので堪能してください。

*これはナマですがくれぐれも煮たり焼いたりすることはやめて下さい、
 ナマのままがおいしいのです。
*あまりにナマナマしいからといって、なめてみたりしごいてはいけません。
 そっと触れる程度、まあA、Bまでにしましょう。
*下敷きにはさんだり定期入れに入れるのは大変正しい使い方ですが、まちがっても
 踏み絵なんぞに使ってはいけません。バチがあたります。
*自分の写真とアイドルのナマ写真を一緒に入れてフォトパックデートをするのは
 大変清い交際方法です。ただしプリント面同士がキスすると離れにくくなるので注意してください。
*ナマ写真はなるべくひとり密かに楽しむことを正しい使用法としていますが、
 どーも後ろめたいという人には図のようにケースをフォトスタンドにすることを
 おすすめいたします。

  「どーも」「まあA、Bまでにしましょう」あたりにどうにも「E気持ち」(BY 故沖田浩之)の
影を痛烈に感じたりしますが、こういう頭いいんだか悪いんだか
サッパリ分からないノリの文章ですが、学研の社員さんにはかなりの苦痛だったのかもしれません。
まあ、どうでいいことですが。


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