7月14日 月曜日

指定よりも一時間早い新幹線、MAXとき309号で出発。
名前に違わず、鳥っぽい顔してるかも。
とき 終点の新潟よりも一駅手前らしい。目当ての燕三条は。

ひたすらトンネルの中を突っ走る。
弾丸ライナーで山中深くをゆく想像をめぐらす。

一時間以上前の到着ながらカレーを食べているうちに
スクールバスが来てくれて中で少し眠る。
他校のバスも来て、この辺は免許合宿のメッカなのかと。

着いた学校を見て、
「予想はしていたけど、まさかここまでとは・・・」
というような声が一様にあがる。
はて。
田んぼと民家。学校の周りにはそれ以外ないが。
それがどうしたというのだろう。
東京の生まれだとそう言う感覚?

簡単な漢字の読み書きテストをさせられる。
合間をぬって、写真撮影と視力検査。
そして大まかな流れの説明。

僕は強烈な腹痛と戦っていた。

カードキー 寮に戻ると大下痢。
経験上、この手の下痢は出し切ると良い。
ということは体内に悪いものが入っていたと。
カレーか?

寮のカードキーで困っていると助けてくれた人あり。
どこへどうやって差し込めばいいものやら、と。
寮の入口、部屋のロック、乗車の手続きなど、すべてこのカードを使って行うらしい。

今日このあと、授業がなんと5限もある。
学科3の技能2。

シミュレータを一度しただけで、やって来たその日に、もう実車なのか。
模擬運転たって、ビデオに合わせてペダルの位置とハンドルの回し方を覚えただけ。

まずは助手席に座って
半クラッチを習う。
クラッチを軽く離すだけで車は動くらしい。

その後、白線やポールで囲まれた場所へと移動して
車両感覚を教えてもらう。
ゆっくり進んで行って、目の前のポールの根元が視界から消えるか消えないかのところで停車。
「何メートルくらい残っていると思う?」
うーん。5メートルかな?
「(笑)5メートルかあ」

車を降りてみる。
「この車の長さは4.7メートル。大まかでいいから何歩分くらいあるかな」
1歩、2歩・・・6歩です。
「じゃあ今度は車の先から歩いてみて」
・・・8歩!? そんなに!
「そう。もう一台分くらい入るスペースがあるね」
「5メートルって言ったから。中には2メートルくらいを言う人もいるよ」

でもまさか、一台分もあるとは思ってもみませんでした。

「じゃあ今度は運転してもらおうか」
い、いよいよ。運転席側に座る。
高揚感はあるが意外に落ち着いてもいる。
助手席側は白線ぎりぎりに止まっていた。
「この先のポールはどこに見える?」
ま、真ん中?! 車体の真ん中に見えます。
白線の先に立っているポールが、運転席からは、フロントガラスの真ん中付近に。

だから左の車輪は真ん中、右の車輪はアクセルの先
後輪は後部座席の折り目くらいなのだという。
感覚的には。

どこから車は動き出すのか。
クラッチを少しずつ離していき、動いたら踏み込み、動いたら踏み込み。

ボーリングの玉にセロテープでヒモをつけて
はずれないように手繰り寄せる感覚なのだそうな。
一気に引っ張るとテープは外れてエンストする。

ブレーキをかけて停車するときにもクラッチをふまないとエンスト。
火を小さくするときに火種は残す、と理解した。

ガンガン運転するように指示される。
アクセル2000回転で。

ギアもローからセカンド。
教習場を何周も何周も。
「はい、アクセルをいっぱいに踏み込んで」
ひええ。
む、ムチャクチャ速い感覚なんですけどお
「これで時速20キロくらいだよ」

前のほうで車が詰まっていたりバイクが止まっていたり
こ、こええええええええええええ
マリオカートだったら コースアウトのみならず
逆走くらいはしかねねええええ
スーパーマリオ1−1をクリアしたことのないこの僕がぁぁぁぁぁ!

ここへ来る前にやった『免許をとろう』(PS) は光の速さで挫折。

だけどなんかハンドルを切れている。
「ブレーキの位置もわかってるみたいだね」
あ、あれ。いまたしかに。とっさに。
不思議だなあ。

名馬を乗りこなそうとでもいうような高鳴りがある。
面白いかも。
しかし。
車のほうが手加減して助けてくれている感じ。





7月15日 火曜日

昨日の20号車にプリントを忘れてきたらしい。
エンスト急ブレーキのオンパレードで荷物が飛んだらしく、
一時はメガネケースまで行方不明になったくらい。
受付に話して20号車に行ったら、あった。

これにカードを通すと自分の教習原簿が飛び出してくる 原簿機械にカードを通すもエラー。
受付に行くと、スケジュールを変更してほしいと。
2時間続けて技能教習に。

学科。
進路変更には何があると思うか?
右折、左折、転回、追い越し、ときて僕にあたる。
・・・じゃあ、バック?
「バックは違うんだなあ」
発進と停止。

技能。
ハンドルの保持
感覚と我慢。

クラッチ踏み忘れでチェンジできて、「しかしよくできたな」
焦ってしまって、「はい逆走」
アクセルをはなしクラッチを踏んでギア入れるイメージトレーニングをしておく。

ハンドルは軽く握る。必ずしも持ち換えなくても。
エンジンきるときもギアはいれる。ギアを噛ませた方が重くなるから。





7月16日水曜日

A内さん、という背の高い今風の青年に話し掛けられる。
順調に来ていたつもりだったけれど、遅れている模様。

先、先をイメージ
ポンピングブレーキ
車体がふらつく
(視線のズレ、カーブ後の車体のズレ、白線に対して平行するようにハンドルを切る)
初めてオートマチック車に乗る。
オートマチックはエンジンブレーキがききにくくスピードが出やすい感じ、カーブ注意
ただしオートマチックの足ブレーキはわかりやすい










7月17日木曜日

32号車  山K先生  ややイヤミはいうものの、ふつうな人
実施項目8,9
復習項目9

悪名高い坂道発進。
アクセルはもちろん、クラッチ操作の微妙なことを身を持って嫌って言うほど体験。
もっと車の言うことを聴く必要がある。
楽器に似ている。
自分の出している音がわかるというだけでも結構なレベルではあるが
違う音が出ていれば押さえ方を変えないと。



21号車  Y川先生  ほそみで黒縁メガネながら言葉使いがときどき熱い
実施項目9,10
復習項目なし

坂道の復習と
直線バック、直角バック
バックは行きたいほうにハンドルを切れば良い。

「坂道はこれで最後ね」
しかしなかなかうまくいかず 「もう一周いくか?」
はい! 「よし!」

直角バックで進んだ道を、今度は前進で戻ることに。
バックでこれたものをまっすぐ進めないはずはねェ、と。
「わたし前に立つから、ついてきて」 あわてる僕に
「人殺したくなければ真剣にやれ」

「必死でクラッチを小刻みに使ってたでしょ それくらい繊細なものなんだよ」
「人はこれくらい真剣にやらなきゃ覚えないんだよ」
「どこみてた?」
「私見てたでしょ ハンドルとか見てなかったでしょ」
「どこ行きたいかをちゃんとイメージして見ていれば、ハンドルとか」
 自然に
「捨て身の」と、ふたりで大笑い

この小刻みなクラッチ操作!

「質問はない?」
今は・・・ありません! 今はあの微妙なクラッチの感覚を覚えようっていうので。
ありがとうございました!



午後は探索に出る。薬局、レンタルビデオCD本屋、ジャスコ、コンビニなど。





7月18日金曜日

52号車  M先生  二度目。やはりていねいでいいひと
実施項目11
復習項目なし

狭路の通行
昨日の小刻みで繊細なクラッチ操作がすばらしく役に立った。
脱輪も接触もなくクリア。
ポイント
1、接触しそうなときは、逆ハンドルでバック
2、脱輪しそうなときは、そのままのハンドルでバック(脱輪したときも)
ギリギリだと思われるときには無理せず切り返す姿勢をほめてもらえる。
狭路ばかりを通っていると
ふつうの道やカーブが広くみえる。



35号車  M田  説明は丁寧にしてくれるけど
実施項目12〜14
復習項目12〜14

交差点等、右左折
とにかく30メートル、ミラー、合図、半クラッチ、巻き込み確認、ギアチェンジなどなど
やることが多すぎて追いつかない。すべて復習に。
コース図を丸暗記してくるようにとのこと。
右折で半クラッチを作らなくて良い理由、交差点の内側に入る時点ではセカンドに入れることなど
実に僕の疑問に丁寧に答えてくれた。
学科の効果測定に早めに合格しておくようにと言われたので
残りの午後を使って合格。





7月19日土曜日 やや雨

21号車  Y川先生  相変わらずクールに熱い
実施項目12〜14
復習項目12〜14

「お、びれっじさんまたきたね」
「S字一発だったか」

なんだけど・・・僕が全然。
「できねえならできねえなりにできることをやりましょう」
「もっと乗り込む必要があるな?」

はい!
「バックでクラッチあんなにうまかったんだから ・・・がんばってください」

曲がりたいという気持ちが足りないのかもしれない。
もっとその角を右左折したいと強く願えば、曲がるための行動を体がするのでは。
とにかく次の時間までイメージトレーニングを繰り返すことにする。
その場で考えなければならない量を減らすために。



22号車  S藤先生  厳しいけどほめられた
相変わらず12〜14
復習項目13,14
イメージトレーニングの成果かかなり上達したものの、やはりまだまだ。

「ソレ、なにやってるの?」
えっ。発進ですけど。クラッチを少しずつ離して行って
「アクセルも踏まないとエンストするよ」
ぴーん! クラッチさえ踏み込んでおけば、
アクセルでエンジン回転を上げたとしても暴発することはないのか!
そっかそっか。
「・・・そうですよ(笑)」

一番最初、初めてハンドルを握ったときに、クラッチを離すだけでも車は動く、ってやったから。
こりゃあいい、スタートに使える! って。
一時停止などのあと、動き出すのに手間がかかってた。かかってた。

停車したときに
ギアをローに入れることをよく忘れる。
野球でいうならアウトカウントも知らずに塁上につっ立っているようなもんだろうなあ。
セカンド発進をなんどかやらかす。

今晩はブレーキ、クラッチ、ローのイメージトレーニングでクセになるまでやる決心。
ハンコを押すのに、復習行程から12を外してくれたのは先生の優しさか。
最後に
「脱輪したときに、バックしたのは良かったので、そういう風にやっていってください」





7月20日日曜日

15号車  T澤先生  ソフトでとにかく普通
実施項目13,14
復習項目なし

・合図の継続
・コース確実に覚えてくるとgood。
・体全体で目視はや、り、す、ぎ。
・左折時、余裕を持って速度をつくる。

以上、手帳から引用。
(左折の速度は曲がるためというより、確認の余裕を作るために作る)

路上では臨機応変だが、コースでは合図の場所は厳密にしなければならない。
指導者になるにも試験があって、そこでは
白紙にコース図を書いて、合図場所を書き込ませられたりするんだそうな。



27号車  M田先生  もたもたするのがキライな人らしい。
実施項目15,16
復習項目なし

発進の手間がかかりすぎる。できなくてもクラッチ上げてアクセル踏む練習。
動けばセカンド。早めにサード。
短い直線でも加速。
ブレーキはしっかり踏み込む。エンジンブレーキに頼らない。
カーブでも車体が振動するくらいまでブレーキを踏み込む。そうすればアクセルで曲がれる。
右折時、視線がブレている。中心点を見たあとは、角と左のラインをみてイメージ。
右折時の目視はいらない。いらないものをしては脇見になる。





7月21日月曜日 小雨

13号車  S井先生
実施項目17,18
復習項目なし

左折時の左確認は対向車ではなく、自分の進行方向が安全か見る。
みんな視線が対向車線に向いているそうな。
それで前が詰まっていることに気付かずに曲がってスペースがなくて困る。

課題はいくつかあるが、なんとしてもこれだけと思うのは、合図の継続。
曲がっているときにカチカチ言わなきゃ違和感があるくらいにしないと。
曲がり終わったら自分で消すから勝手に消えない仕様希望。
やっぱマズイか。意思のないところで点滅するのは。



第1段階の最短は15時限。なのでスケジュール表にはここまでの予定しか書かれていない。
だけど第1段階では技能は1日2時間まで設定できるので。
急遽、このあとにもう1時間乗ることに。



22号車  T島先生  今までの先生の中ではベテランさんか
実施項目19,20,23
復習項目なし
明日は検定やってー!

「鉄砲を撃つとき、どこを見る?」
的です。
カーブも同じなのだという。カーブの出口の左側に行きたいならそこを見る。
「これが内輪差なんだよね」
・・・内輪差・・・ですか???
「左折するときに一番内側を通るタイヤはどれ?」
左後輪です。それが内輪差ですよね。でもそれがなんで???

カーブの曲がっている部分を見つめるということは、そこへ前輪を合わせようということ。
もしも僕の腕が完璧で、そこへ確実に前輪を合わせることができれば・・・後輪は脱輪!
「だからカーブそのものは、あんまり見てほしくないんだよね」
前輪が最終的に行きつく理想的なゴール地点、つまり的を見れば
後輪もそれに合わせてついてくる、と。
直線で遠くを見るのも、的を見るということなのだという。
実行すると、いままでなかったくらい、綺麗にキープレフトで曲がれて驚いた。
遠くを見ろ、とは何度も言われていたけれど、よくわからなかった。
こういうことだったのか。

アクセルの踏む量がどうも両極端。少ないか多すぎるか。
うーーーん?
「アクセル、こうやって踏んでませんか?」
かかとをつけて、足を立てて・・・
はい。そうやって踏んでます。
違うらしい。
えっ! かかとはもっと後ろ?!
ど、どうりで。
やってみると、足の角度がゆるい分、実に簡単に微調整が可能に。
なんということだ。
だがもっと驚くべきことが。

エンスト。
今のは、エンジン回転が足りなかったということなのでしょうか?
「・・・わかった。 そこを入って、はい、ハンドルいいですか?」
停車して。
「クラッチはどうやって踏んでいます? こうやってませんか?」
はい。そうやってます。
床にかかとつけて、アクセルと同じように。
ええっ?! かかとは着けないんですかぁぁぁ!?
た、たしかにそうだ。
クラッチは全域を使うものだから、足首の可動範囲だけでは足りない。
「だから足りなくなって、いきなり膝で大きく」
あ、あ、あ。
「シートをもっと下げてみて。はい。もひとつくらい下げて」
あーあーあー、クラッチがこんなに滑らかに。
「自然とアクセルを踏むかかとの位置も下がらない?」
下がります・・・。
まるで違う世界の車のようになめらかに発進するぅー。

みきわめ、良好に丸をつけて、ポンとハンコ。
「はい。これで全部終わりましたので、受け付けで検定の申し込みをしてください」
いつのまにか、
みきわめられてるッ?!

「この感じを忘れないようにね」
あ、ありがとうございました。衝撃。

あとで気が付いたんだけど、T島先生って、ここの副管理者の人・・・?



空き時間に歩きまわり、商店街のおもちゃ屋さんを見つけて。とあるカードを探しているので。
詳しい子供を紹介してもらえるも、そのカードの存在自体を知らなかった。





7月22日火曜日 午前

どうも寝付きが悪かったが、とび入りで相撲大会に出て、一敗で敢闘賞をもらう夢をみた。
ちなみにその前は、犬くらいの大きさのラクダになつかれる夢。

検定は11時からなので、少しおそめの8:46に食堂へ行くと・・・片付いてしまっている。
呆然としている僕に、食べ終わった人が
「あげる」と海苔の小袋を。ど、どうも。
「もう少し早く来てください」 おばちゃんはそう言いながら用意はしてくれたが。

食べていると海苔をもらった嬉しさが沸いてきて、部屋まで持ってきてしまった。
くれたのは、あれかな、昨日、効果測定用のパソコンの前で。写真を撮っている僕に
「なにしてるんですか?」
い、いや、ソフトの名前?が武蔵っていうのはヘンやなあ、と思って。
二枚撮って、よし!
「それだけかーい」
とツッコミをくれた人かな。


武蔵



修了検定  受験番号4番


同じ車に乗って、僕のひとつ前に受けた、Y沢さんという人は実にうまかった。
先生はM田さんだったと思う。

僕の検定の様子はというと。
恥ずかしくて詳しくは書けないけれど、とても合格できるものではなかったと思う。
普段にワをかけて酷かった。


受験番号7番の人が
坂道でバックギアに入れて逆走した様子をオモシロおかしく話している。
「ウウーーーンってイッキにくだった!」
「セカンドのままとかならわかるけど。ありえないっしょ。バックに入れるなんて」
Y沢さんがツッコミを入れている。
「だからオレ、踏切もクランクも行ってないんだよ!」



そうこうしていると合格の発表。電光掲示板にランプが灯っていく。


受験番号4 1,2,3,!? 5,6 ・・・ 8,9
なんとっ。
わが目を疑う。
信じられないが、せっかくのチャンスだ。
これから13:30に学科試験がある。
前髪をつかんだりはしないけど、逃してなるものか。