9月4日 木曜日

    東京駅から、あさまという長野新幹線に乗る。
    MAXときの姿もみえる。
    それにしてもすごい混雑。
    指定席はグリーン以外に空きはなく、ここ自由席では立っている人も。
    上野から乗ったら座れなかったろうな。

    軽井沢で降りて、しなの鉄道に乗り換え。
    軽井沢はいかにも話に聞く軽井沢という感じ。
    おしゃれな屋根がホームからも見えて、やや肌寒いくらいの気温。
    しなの鉄道は30分に1本くらいで、15分前にならないと改札が開かない。

    軽井沢 しなの鉄道

    3つめの、御代田(みよた)。
    そこから迎えに来てもらって、事務所へ。

    迎えに来てくれたのは、眼鏡と鍛えられた体とがよく調和している働き盛りの男性。
    話をした感じ、英傑っぽい雰囲気がする。
    あとで聞くと、社長さんではないか、ということだった。

    住む場所として事務所の2階があてがわれる。
    お昼に出た、ホイルで包まれたさんま美味しかったなあ。
    午後からは長靴をはいて、さっそく畑へ。

    おばちゃん 車に乗り込もうと・・・
    「帽子は?」
    えっ。先に乗っていたおばちゃんに。
    えっと、いりますか?
    真っ黒になるって。

    駆け戻って帽子を借りてきて、乗り込もうと・・・
    「手袋は?」
    再び駆けだす僕をみて、助手席の若い女の人が笑い声を上げていた。

    運転していた若い男の人、それに年配の男の人を加えた5人で作業。
    ハサミを持ち、レタスの畝、3本ごとに1人が担当して、草を抜いていく。
    抜けないものは切る。
    「兄ちゃん、百姓ははじめて?」
    はい! よろしくお願いします。
    力を入れなくても、快感を残して草は抜ける。
    畑の外で同じ種類の草を引いてみたら固かったので、土が柔らかいからかなあ。

    休憩。お茶とお菓子。
    お菓子の中からプリンが出てきた。常温では悪くなっているかなあ?
    「大丈夫。なんか入ってる」、おばちゃん。
    うわ。なんか?!
    「カビを生えさせない」ものの味がするって。
    おお! そんな味までわかりますか?
    「骨を溶かしてガンにする」って!?
    うへえ。骨のガンっていうと白血病とかかなあ。
    出来合いのサラダなんかには、よくまぶしてあるんだって・・・!

    休憩後は、隣の畑へ。なんの畑だろう。

    今度は半円の刃に長い柄のついた農具で、まわりの草をこそげ落とす。
    草かきホーって書いてある 実に操作が難しい。中心に生えている野菜は傷つけてはいけないし、
    畝の土をこそげすぎてもいけない。
    なんか畑のヒゲを剃っているみてえ。このカミソリは安全ではないが。

    今日の作業はここで終わり。
    ちょっと腰にきたかな。
    戻ってコンテナの積み込みを手伝って、近所の施設を聞き取って。
    「おつかれさま」
    おつかれさまです!

    福祉施設な銭湯 カギついてないけど盗られない

    さっそく福祉施設にあるというお風呂へ。
    移動にはマウンテンバイクを貸して貰って。つつーと前の坂を下り降りて行く。
    車の運転は自信がないので。

    たしかに聞いた通り、知っていないと、ここにお風呂があるとはわからないなあ。
    入口は小さくて福祉施設があるという看板が出ているっきり。
    入っていくと、広い駐車場の奥に御殿のような建物。

    そこでF井さんに会う。
    あれ? F井さんっていうと、家にお風呂がある人じゃなかったっけ?
    広いお風呂で手足が伸ばしたかったんだって。
    よくわかる話だ。
    20代前半、常に頭に巻いたタオルと、人なつっこい笑顔が印象的。

    コンビニに寄って戻ってくる。晩飯はまあいいや。
    食欲がなくなったら終わりなのは心得ているけど。
    きのこの山とポンジュースで済ます。
    これを書いているうちに20時か。
    朝は5時10分に下の事務所集合。
    4時起きだともう寝ないと8時間睡眠にならないや。




9月5日 金曜日

    ねずみでもいるのか、夜中に物音が激しい。
    神経が昂ぶっているのか、なかなか寝付けず、意識を保ちながら夢のような映像を見つづける
    なんていう器用な体験をしてしまった。

    5時、畑へ出発。レタスを収穫。
    腰の包丁を抜いて、レタスを根元から切る。
    葉、外葉というらしい、を3〜4枚残し、切り口をきれいにするため底を水平に切る。
    とても難しい。
    まず根元から切るのが難しい。浅ければ葉が外れ、深すぎては刃を土で汚してしまう。
    うまく切れたと思っても、次に、どの葉を残せばいいのか・・・。

    詰めている人 こんな切り口


    積み込みの手伝いとか、マルチ剥ぎとかにまわる。
    マルチというのは畑の畝にひいてあるビニールのこと。
    ビニールの穴からレタスが生えているという感じ。
    収穫の終わった畑から、そのビニールを取り除く作業。

    収穫後の畑はこんな状態

    マルチ剥ぎは実に大変。
    土の端に埋まっているビニールを、その上に散らかっているレタス屑や雑草を弾き飛ばしながら
    ビニールが土に残らないように剥いでいく。
    ビニールの上の屑が重い。
    うまくやらないと、剥いだ部分の屑が剥ぐ前のビニール上へと累積してしまう。
    つまり下手だと、剥げば剥ぐほど雪だるま式に重くなっていく。
    う、腕の力が。

    後ろ向きに、45度の角度で斜めに剥ぎ、屑は自分のほうに向けて弾き飛ばす、
    というのがコツだと教えてもらったのは、
    今日のマルチ剥ぎはもう終わりって頃。
    こうすれば体重を利用して引けるから腕は楽だし
    屑もビニール上に溜まりにくい。

    そしてみんなは引き続き他の畑へと行く中、僕ともう一人の方とでマルチの回収。
    回収用の機械の積み込み。重いこと重いこと。
    ふたりがかりで持ち上げるのだけれど、膝をついたら立ち上がれなかった・・・。
    その回収機械も半ばでガス欠となり、手まき回収。
    畑の端から端まであるビニールが手許に集まると結構、重い。
    さらについでということで1ヶ月分のゴミをトラックいっぱい回収。

    昼にはもうボロボロ。
    F井さんが、長い昼休みのうちに寝ておくのがコツだって教えてくれた。
    12時から14時まで昼休み。

    午後。草かき。

    半円形かまぼこ型の金具がついた長い柄の農具。それで今日も草をこそげとる。
    僕のは削り切れていないって。
    削ったあとは見えるけど、そこに草が残っているって。
    たしかに。僕は土を削るのが恐ろしくて恐々とやっていたから。

    遅い人でも僕の倍のスピード。
    となりに人がきたときに質問してみる。
    なるほど。
    土はある程度削ってしまうのは仕方ないのか。
    そして草を一本一本見ているのではなく、面でとらえているらしかった。
    そうみると、このかまぼこ型の農具は実に合理的な形をしている。
    なるほど。

    お茶の時間。
    「百姓に向いてね」 、おじさんやおばちゃんに口々に言われる。
    やっぱりなあ。
    「ひとめでわかる」
    うお。
    「管理職だな。向いているの」
    いきなり管理職。

    マルチのあるところでは、さっきの農具は使えないので午後の後半は
    手での草抜き作業。

    実にハードな力仕事の一日だった。
    作業は基本的にレインコートでやるのだけれど、日中は暑いから脱ぐわけで。
    服も泥だらけ。

    福祉施設な銭湯でO野塚さんに会って、露天風呂で話し込んだり
    無料のマッサージチェアでうなったり。
    むう。まさかこんな人間くさい、もみ加減とは。
    ふたりとも思わずヘンな声を上げてしまう。
    腰を温めて、マッサージまでしたのだから痛くならないといいなあ。





9月6日 土曜日

    寝る前にウォークマンを聴いて。止めて。その後、いきなり意識が瞬間跳躍する。
    時計を見ると4:29。めざましは4:30セット。なんだこれ。

    M渕さんと朝一で空のコンテナをトラックいっぱいに積み込み。
    一部のおじさんとおばちゃん以外は、みんな若い。20代かな?
    この、M渕さんというのも若い人。
    次にみんなのいるレタス畑へ。レタスの入ったコンテナをトラックに積み込むお手伝い。
    さらに軽トラックいっぱいに独りで黙々と積み込み。


    空のコンテナ、通称:空コン


    そして今度はキャベツ畑へ。
    みんなで切ったあと、僕とM渕さんだけを残して、みんなは他の作業へと移動。
    M渕さんが詰めて、その段ボールを僕が独りでトラックへと積み込み。

    ・・・いつのまにかブリニーに転生してる?・・・

    キャベツの積み込み

    気がつけばトラックいっぱいに独りで載せきっていた。
    そんな馬鹿な。
    もしもトラックいっぱいの段ボールを独りで降ろせと言われたら、目をまわすだろう。
    目の前のキャベツ段ボール、1個だけを見てたのがよかったのかなあ。
    目の前のその1個を運ぶことだけ、考えていた。


    これは後の話。最後の夜、M渕さんが言うには
    「うん。あのときは、ああするしかなかった」
    切羽詰まっていたらしい。



    昼食後はめいいっぱいの昼寝。


    午後は草抜き。
    おばちゃんに、あんた草抜きなんかしたことないんじゃないか、と。
    そうですねえ。今日の掃除当番、中庭は草抜き、ってとこですかね。
    だけど、畑のなかの草って簡単に引けますね、外の草より。
    そういうと、それをリズムよくやるのが秘訣だって!
    リズム!
    気がつかなかった!
    心がけてみたけど・・・そうそうやれるものではなかった。


    風呂にマッサージチェア。極楽。


    晩ご飯は、楽しく、岐阜屋という中華料理のお店で会食。
    O野塚さんと若い女の人、女の人の名前がなんでか憶えられないんだけど。
    K保さんだっけか。
    僕がお茶の時間、おやつに出た 『バターしるこ』 の袋を欲しがっているのを
    憶えていてくれて、仕事が終わったあと渡してくれた。
    実に感激。  これでnontanさんにみせることができる。

    バターしるこ

    そのバイトのおふたりが今日までということで。
    名残惜しく。仕事のできるふたりが抜けて、できない僕が残る不安と。

    I藤さん主催、それにF井さん、M渕さん、社長さんなどなど。
    I藤さんというのは白髪の混じった、
    たまに時代劇がかった口調になるので、おばちゃんたちに 「悪役の侍」 と言われている人。
    M渕さんは社員さん。
    F井さんは、あまりに馴染んでいるので、てっきり社員の方かと思っていたのだけれど
    僕と同じくボラバイトで来たらしい。

    ボラバイト というのは、半分ボランティア半分バイトで、体験優先って感じ。

    安い。なのに食べ物がどれもでかい。
    もやしラーメン、揚げ麺、中華丼の三点セットを一気に食べると
    社長さんから5000円出るというくらいに。
    女性ではなかなか完食が難しいという中華丼を
    なんとか残さずに食べることができたが、これでやっと一点。

    楽しく会食 中華丼

    朝が早いから、9時を過ぎて飲むとお酒が残ってしまう、とか
    いただきます、と、ごちそうさま、は言えるように
    というお話が聞けた。

    社長さんから、サラリーマンの方が農業の体験にこられて
    2階の部屋に一晩だけ泊まるから布団などよろしくと言われる。





9月7日 日曜日

    竜王襲来?!
    妙に迫力のある和音で奏でられるアレフガルドのテーマで飛び起きる。
    ・・・H坂さんの携帯か。

    昨晩の10時過ぎに社長さん自ら
    「こんばんは」
    とH坂さんを2階のこの部屋へと。
    今日一日だけだけど相部屋なのだった。

    H坂さんは、僕より少し背が低いくらいで、眼鏡の感じからか将棋の羽生名人を思わせる。
    造園のお仕事をされているということだった。

    レタスの収穫、積み込み。
    それに今日は初めてサニーやらリーフやらいう野菜の収穫と積み込みも。
    H坂さんは、さすがに収穫には手間取っているようだったけど
    段ボールやコンテナは楽々と二段重ねで運ぶし
    昼休みもけろっとしてみえた。
    ちなみに僕は最初の昼休み、放心してた。

    サニーレタス グリーンリーフ

    えっと。左がサニーで、右がリーフ。
    ほとんど形状は変わらなくて、赤いのがサニーで緑のがリーフ。


    午後、これまでは草取りだったのだけど、今日は午後も収穫。
    今度はキャベツ。
    キャベツの一番内側も外葉だと知って愕然。本体の一部だと思っていた。
    キャベツは外葉を1〜2枚残すのだけれども、これなら外葉を外しすぎる恐れは少ない。
    一刀目をもっと攻めていける!
    自分のなかではだいぶスピードがあがったと思う。

    H坂さんは、今日一日だけ。今晩中に千葉へ帰られる。
    それで少し早いのだけれども上がられた。

    最後に積み込み。
    昨日はキャベツを3段で積み込んだのだけれども、今日は4段!
    もう僕では顔面まで使って、なんとかその高さまで持ち上げるのでやっと。
    そんな頭の上の高さでもコントロールしちゃうF井さんはすごいなあ。

    部屋に帰ると、H坂さんからの置き手紙があって
    びっくりするやら嬉しいやら。
    たいしたお世話もできなかったのに。

    F井さんによると、今日は積み込みが遅れてしまったのだそうな。
    やはり、O野塚さんとT木さんの穴は大きいようだ。
    あ、女の人の名前はK保さんじゃなく、T木さん。





9月8日 月曜日

    昨晩、コインランドリーから戻ってきたら、誰かが
    僕の布団から顔を出す!
    S木さんという人だった。

    お、驚いた。そういう人が来るらしいとは聞いていたけど・・・
    いつ頃で、この部屋に来るとも、聞いていなかった。

    2日くらい前から寝る場所が圧迫されるくらい、荷物が大量に運び込まれてくるので、
    なんやろなあ、などとは思っていたのだけれど。
    S木さんの家財道具だったようだ。

    洗濯に行く前とは様相が一変していて、もうすっかりS木さんの家という感じ。
    さっきまでは動いてさえいなかった冷蔵庫からは冷えた缶ビールが出てくるし。
    1缶頂く。

    上半身裸で仕事をする、ターザンみたいな人だと聞いていたが、たしかにワイルドな風貌。
    以前、一時ここで働いて、作業のスピードがとても速かったそうな。
    その腕であちこち渡り歩いていた、とか。
    だけど今回はここに社員として腰を落ち着ける、のだとか。
    そういうようなウワサは、聞いてはいたけど。

    ビールを飲みながら、今度は本人の口から色々語ってもらう。

    農業大学を卒業して青年海外協力隊を志した話。
    一度は有機農業をしているところへ勤めたものの、除草剤を使うインチキに嫌気がさした話。
    収穫なら収穫だけというような分業化された作業だけではなくて、
    どの畑でどれくらい利益が上がったり損したりしているのか知りたかった話などなど。

    よい気分で明けた、S木さんの朝はとても早かった。
    3時台には起きていたと思う。

    僕はM渕さんと空のコンテナ積みからはじまって
    レタスの収穫、積みこみ
    マルチはぎ
    リーフの収穫、積みこみ
    さらにはキャベツの収穫と積みこみ
    となかなかハードな午前中。

    S木さんの作業はやっぱり速い。すごいなあ。

    午後は、またM田ムネさんとふたりでのマルチの回収。
    M田さんというのは2人いるので、
    本人の前では名字、三人称で使うときは下の名前で呼ぶんだとF井さんから教わる。
    へー。
    M田さんはふたりとも社員さんで
    ムネさんというのは、やや線は細いけれど細やかな気配りと計算のできそうな人。

    M田ムネさんと重い機械をトラックに積みこんで。
    畑では、風で飛ばされていたりもする剥いだマルチの残骸を、ふたつ、あるいは3つ4つと
    適当な長さに結ぶのが僕の役目。

    たとえば
    となりの畝のマルチとを奥で結び合わせて、その隣のマルチを手前で結べば
    3本が1本にまとまる。
    そうやって間違わずに結べたマルチがするすると機械に吸い込まれていくのを見るのは
    ドミノのような一種快感がある。

    本当は僕を連れていく予定ではなかったそうなんだけど、
    時間の関係で僕を降ろすヒマがなくなったとかで
    マルチを捨てるゴミ処理場へ僕も行くことに。
    ラッキーだ。なんでも見たい。

    民間のゴミ処理業者らしい。
    捨て場は、とても口では息ができないような、目がしょぼしょぼするような。

    このへんの行政はゴミに厳しいんだそうな。
    ゴミの種類ごとに指定のゴミ袋があり、プラスチック、燃えるゴミ、だのと
    各種類一式そろえるだけで五千円くらいにもなり
    しかも一ヶ月に一度しか回収日のないゴミもあるそうな。

    なるほどお。一律に税金を上げると、出すゴミの少ない人は損をするから
    ゴミを出したら出しただけ、出した人に払ってもらおうということですかねえ。
    「まあそんなとこだと思います。だからこの辺はとても綺麗です」
    あれっ。
    ゴミの回収がそれだけ厳しかったら、その辺に捨ててしまう人が増えませんか?
    どうやらその高いゴミ袋から出たお金で人を雇っているらしい。
    やたらゴミ拾いをするお年寄りを見かけるんだって。

    長野県・・・というとあの知事の影響なのでしょうか?
    「ああ、T中さん? ふつーのおっさんだったよ。会ったけど」
    あ、そうなんすよね、ここの会社に興味を持ったって、社長が新聞に出てましたよね。
    おお。M田さんも会ったのですか。
    ふつー・・・ですか?
    報道されているのを見た限りでは、キザでサギっぽいおっさんに見えますけど。

    そんな話をしながら送り届けてもらった畑で草取りをして今日は終了。


    F井さんがインターネットカフェへ行くというので一緒につれていってもらう。
    携帯に、自動車学校から掲示板へ書き込みがあったとか報せが来たもんだから。
    ネット後は一緒にココイチでカレーを。

    畑でみるトンボって、迫力ありますよね。英語じゃドラゴンフライとかいうだけあって。
    ドラゴンとは言わないまでもワイバーンくらいはあるんじゃないかなあ。
    あ、すいません、わかりませんよね。ワイバーンなんて。
    ネットカフェ 「わかりますよ」
    というところから
    えらいマニアックな話題に突入。
    まさか、ここでこんな話をすることになろうとは。
    F井さんも笑っていた。





9月9日 火曜日

    S木さんは今朝も早い。今日から新しいボラバイトのO合さんが加わる。

    午前中はレタスの収穫と積みこみ。
    M渕さん、「切り方はそれでいいので、あとはスピードだな」
    それから草取り。
    午後も引き続き草取り。

    3日ほどヒゲをそっていなかった。

    おばちゃん 「強い(こわい)ヒゲだな、ヒゲの強い人は情が深いっていうわな」
    大丈夫、それが好きな女の人もいるから、と言って
    みんなの笑いが起こる。

    I藤さん 「びれっじくんは、真っ黒になるだろうね」
    真っ黒?
    ヒゲと日焼けを指しているというジェスチャー。
    それじゃあ悪人顔じゃあないですか。
    「そうだよ。山賊

    昨日は風呂が休みだったので、うきうきと風呂へ。
    風呂なしはやっぱりキツイ。体は汚いし、疲れもとれない。
    F井さんが早く風呂へ行けるように手伝ってくれたり。

    若い野郎どもの団体が来ていて。ものすごく混んでいる。
    脱衣所でおじさんに
    いつもは空いているのに、今日はどうしたのだろう
    洗い場は空いているかな

    などと話し掛けられる。
    ええ、本当に。それが心配ですね。
    そう答えていると、おじさんが服を脱ぎ終わって。
    わっ、いれずみ。

    少し遅れて中へ入ると、手招きしてくれて、空きのない洗い場を
    「交代で使うべ」みたいな。
    実に親切な人だった。

    心当たりというと、僕のヒゲ顔と、右腕の真っ赤なあざ、かなあ?
    ヒゲは剃っておく。