三木二寸のあれも言いたいこれも言いたい

ハリー・ポッターの不思議 その3

2002年3月10日

不思議その4  ◇物置に蜘蛛がたくさんいるのはなぜか◇ 

 ハリー・ポッターの寝起きする階段下の物置は蜘蛛がいっぱいいます。
33ページの13行目から引用します。
ベッドの下で見つけた靴下の片方にはりついていたクモを引きはがしてから、ハリーは靴下をはいた。 クモにはもう慣れっこだ。なにしろ階段下の物置はクモだらけだったし、そこがハリーの部屋だったのだから。

 ハリーに手紙が来るようになったところにも蜘蛛が出ていきます。58ページの6行目から引用します。
「だまらっしゃい!」
おじさんの大声で、天井からクモが数匹落ちてきた。 おじさんは2、3回深呼吸して、無理に笑顔を取りつくろったが、相当苦しい笑顔だった。

  第2巻「ハリー・ポッターと秘密の部屋」 でも蜘蛛の出てくる場面があります。
ハリーは、ロンの家から魔法でダイアゴン横丁に行こうとして、間違ってノクターン横丁に行ってしまいます。
その横丁の描写の中に蜘蛛が出てきます。第2巻の80ページの12行目からの引用です。
… うさんくさい横丁だった。 闇の魔術に関する物しか売っていないような店が軒を連ねていた。 … 向かいの側の店のショーウインドウには、気味の悪い、縮んだ生首が飾られ、 二軒先には大きな檻があって、巨大な黒蜘蛛が何匹もガサコソしていた。…

 このように、悲惨な状況、不気味な状況を表すために蜘蛛が登場してきますが、 実は、作者のJ.K. ローリングは、蜘蛛が嫌いなのです。 「J.K.ローリングその魔法と真実―ハリー・ポッター誕生の光と影」 ショーン スミス (著), Sean Smith (原著), 鈴木 彩織 (翻訳) という本がありますが、 その27ページの12行目です。
 ジョアンがどうしても我慢できなかったのは蜘蛛だった。  … J.K. ローリングはいまだに、嫌いな物は? と聞かれれるたびに 「蜘蛛」と答えている。
 ジョアンとあるのは、作者の名です。

 この本では、第1巻の題名については、こう記しています。
252ページの12行目です。
…大西洋の向こうで一巻の題名を変えることについては譲歩した。 賢者という意味の「Philosopher」が米国の子供たちになじみのある言葉ではなかったので、 代わりに「Sorcerer」という単語が選ばれた。 その結果、ハリウッドの映画会社が映画を製作する場合も 『Harry Potter and the Sorcerer's Stone』という題名をつけなければならなくなった。
ハリー・ポッターの不思議「題名が違う」 (2002年1月20日)の続報です。

続報  ◇英国版と米国版の比較◇ 
 英語版にも、英国版と米国版があって、
米国版を読み終わったので、英国版の最初の方を読んでいますと、
前回ご報告しました。
 読んでいてたまたま気が付いたことを、日・英・米比較でご報告していますが、
第2章まで読みましたので、追加し、表も見やすく整理してみました。

 第1章では、それほどの違いに気が付かなかったのですが、
第2章では、英国ではセロテープ、米国ではスコッチテープというらしい、と少し興味深い違いも出てきました。
英国ではなくて、米国で「スコッチ」とはこれいかに。

 本の外観など
事項 日本語版 英国版 米国版 備考
タイトル ハリー・ポッターと賢者の石 Harry Potter and the Philosopher's Stone Harry Potter and the Sorcerer's Stone  
出版社 静山社 BLOOMSBURY SCHOLASTIC  
HP(URL) ハリー・ポッター友の会 出版社のハリー・ポッターのページ 出版社のハリー・ポッターのページ  
体裁 ハードカバー、455ページ ペーパーバック、223ページ ペーパーバック、309ページ 私の買った物がという意味です
定価 \1,900 £5.99 $6.99  
表紙 画像をクリックすると、アマゾンの大きな画像にリンクしています
 第 1 章
事項 日本語版 英国版 米国版 備考
6-1 ダズリー夫妻 Mr and Mrs Dursley Mr. and Mrs. Dursley 点を付けるか付けないか
12-10 「イヤッ!」という新しい言葉 a new word ("Won't!") a new word ('Shan't!')  
21-6 噂が飛ぶ the rumours that are flying around the rumors that are flying around 綴りの違い
24-8 ハリー・ポッター記念日 Harry Potter Day Harry Potter day 大文字で始まるかどうか
 第 2 章
事項 日本語版 英国版 米国版 備考
34-3 ダドリーはハリーをお気に入りのサンドバッグにしていた Dadley's favourite punch-bag was Harry Dadley's favourite punching-bag was Harry  
34-8 セロテープ Sellotape Scotchtape 英国ではセロテープと言うらしい
40-11 セロテープだらけのメガネ Sellotaped glasses taped glasses
41-7 食堂の外にあった大きな容器の陰に飛び込もうとした jump bihind the big bin jump bihind the big trash cans  
42-4 口ひげをはやした巨大な赤かぶのような顔で his face like a gigantic beetroot with a mustache his face like a gigantic beet with a mustache  
43-3 ダドリーはチョコレート・パフェが小さいとかんしゃくを起こし、 Dudley had a tantrum because hei knickerbocker glory wasn't big enough Dudley had a tantrum because hei knickerbocker glory didn't have enogh ice cream on top 米国版では、のっているアイスクリームが少ないとより詳細
事項の欄の「6-1」とかは、日本語版のページと行です。
この場合は、6ページの1行目ということです。



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