馬装開始、乗馬準備

!ちゅうい!
当たり前の事ですが、馬の手入れや馬装など、馬に直接接するもしくは接近する作業を行う場合はヘルメット(乗馬用でいいです)などを着用して頭部を保護しましょう。
また、馬の作業は基本的に馬から向かって左側から行ってください。
死にたくない方はネ。(^^;;


馬装開始

まず、馬に無口(寝張頭絡)を掛けて馬繋場へ繋ぎ肢の手入れやブラシがけをします。


肢の手入れ
小屋の中で、ボロや湿ったオガクズを踏んで蹄の裏に汚れが詰まっているので鉄皮(てっぴ)で穿り出しましょう。これを裏掘り(うらほり)と言います。
裏堀の順番は左前肢、右前肢、左後肢、右後肢の順番で行います。

左前肢の裏掘り

まず、馬から見て左側に入って、馬の後の方を向いて左前肢と並んで立ちます。
そのまま前屈をして、左手を左前肢の後ろから回して球節の内側あたりを軽く持ちます。
その姿勢のまま、自分の左肩で馬に体重を掛けると馬は左前肢を上げるので、左手で左前肢の蹄(蹄壁)を持ちます。右手で鉄皮を持ってまず、蹄叉側溝に沿ってゴミを掘り出します。次に蹄底のゴミを落としますが、これは蹄鉄に沿って外周をなぞって行くとゴミが落ちます。

右前肢の裏掘り
左前肢が終わったら人間は位置を変えずにそのまま左手で右前肢の後から手を回して、管の外側を持ち、馬を自分の方へ引き寄せます。
そうすると、馬は重心がこちらへ移動して右前肢を上げてくれます。
裏掘り自体は左前肢と同様のやり方でOKです。

左後肢の裏掘り
馬の後の方を向いたまま、左後肢に並んで立ちそのまま前屈をします。
左手で左後肢の前から手を回して、球節を軽く持ち自分の肩で馬を押すと馬は左後肢を上げるので、上げたら左手で蹄(蹄壁)を持ち、さらに馬から見て後の方へ軽く引きます。
そうすると、後肢は固定されて変に動かさなくなります。

右後肢の裏掘り
左後肢が終わったら人間は位置を変えずに、そのまま左手で右後肢の後ろから手を回して管の外側を軽く持ち、そのまま自分の方へ馬を引き寄せます。
そうすると、馬は重心がこちらへ移動して右後肢を上げてくれますので、あげたらそのまま蹄(蹄壁)を持って馬から見て後へ軽く引っ張ります。
蹄の裏はグレーに塗られた部分を中心にヨゴレが溜まりやすいです。

ブラシがけ
鞍を載せる前に、必ず全身をブラシがけしてあげましょう。
ブラシがけの事をブラッシングとも言います。

ブラッシングの方法
最初は硬いブラシを使って、馬体にこびりついた汚れをゴッシゴッシ落としてあげる必要があります。
その際、馬がくすぐったがってイヤがる可能性があります。そう言うときは、逆に強めでブラシがけをやると大人しくなったりします。
硬いブラシでヨゴレを落としたら、柔らかいブラシで毛並みを整えてキレイにしてあげましょう。

ブラッシングの方向
馬の毛並みは図の通りの方向に流れていますので、その方向にそってブラッシングをします。


足回りの保護

プロテクターや肢巻で肢の保護をします。

プロテクター
一部、物によって違う場合もありますが、基本的に4肢セットになっていて、大きい(長い)方が前肢用で小さい(短い)方が後肢用です。
左右の違いはプロテクターを巻いた際に、止め具のベルトが外側でベルトの余った部分の先端が後ろに向くように装着します。

肢巻
肢巻は4肢とも同じものを巻きます。
巻く方向は肢の前面を肢巻が内側から外側へ流れるように巻きます。
肢巻は必ず一人で同じ力で巻きます。
巻く力が肢によって変わると、歩葉が乱れたり跛行の原因にもなります。


装鞍(そうあん)

さあ、いよいよ鞍を載せます。
頑張ってください(^^ゞ

ゼッケンの装着
とりあえず、鞍の下に汗取り用のゼッケンを装着しましょう。
鞍を載せる位置ですが、馬の重心のチョイ後です。
目安としては腹帯が帯道を通るようにします。
なので、ゼッケンを置く場所は鞍の前端よりやや前よりにずらします。
具体的にはき甲を完全に隠すくらいの位置で良いでしょう。
装鞍
鞍をゼッケンの上に置きます。
鞍は重量がありますので、(5kgくらい)そっと静かに馬の背に置いてください。
置く場所は馬の重心のちょっと後ろです。
場所を確認する為に、鞍を置いたらあおり革を上げて腹帯託革が帯道の真上に来ているか確認します。
鞍下ゼッケンのき甲にあたる部分がき甲と接触しないようにすこし持ち上げます。
腹帯
まず、右側のあおり革をめくり、腹帯を繋げます。
基本的に腹帯は腹帯託革の1番と3番に繋げます。
腹の下に腹帯を通して左側の腹帯託革に繋げます。
この際、最初は鞍がずれない程度に少し緩めにしておきます。
もし、マルタンガールや折り返しをつけるのであればこの時に腹帯に通してしまってください。

腹帯を締める際に、馬が逆ギレして噛み付いてくることがありますので、気をつけましょう。
また、馬装中の馬には近づかないほうがイイですよ。
ヤツアタリで噛まれる事がありますから。(爆)

装勒(そうろく)

装鞍したら装勒していよいよ乗馬です。(^^ゞ

最初に・・・・
最初に手綱を首に掛けます。
こうしておけば、装勒中に馬が逃げようとしても簡単に捕まえられます。
無口(寝張頭絡)外し
自分の右肩に頭絡を引っ掛けておき、馬の頭を右肩の上に載せるような感じで右手で馬の顔(鼻梁あたり)を抱えます。
両手で無口の項革を少し上に持ち上げて馬の耳を刺激しないように前にずらして無口を外してください。
外した無口は左手で馬繋場の左側の支柱に掛けます。
装勒
まず、右手で頭絡の頬革を纏めてもって、右腕で馬の頭を抱えて頭絡を持ったまま右手で馬の鼻梁をホールドします。
左手を開いてハミを持ちます。
親指のほうに左のハミ環、小指の方で右のハミ環をもちます。
そのまま、馬の口の方へ手をもって行き、親指と小指で両方の口角あたりから指を入れます。
そこは歯が生えていない場所なので すこし奥まで指を入れると馬が口を開きます。
そうしたら頭絡を持っている右手をそのまま静かに馬の頭の方へずらします。
ハミが口の中へ完全に入ったら、方耳ずつ静かに刺激をしないように項革を耳の後ろへ持っていきます。

仕上げ
通常、頭絡は鼻革と顎革が外れた状態になっているので、それを接続します。
鼻革はフランス鼻革の場合、頬側の下に鼻革を通し、馬の顔とのスキマは指1本分くらいで少しキツめに締めます。
顎革は握り拳1個分のスキマを開けて繋げます。


基本的な馬装はこんなカンジでしょうね。
ここまで出来たら、馬場に出していよいよ騎乗です。
頑張ってください。(^^ゞ


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