馬の性質

馬と言う動物

馬は基本的に物凄く臆病な動物です。
草食動物ですので外敵から身を護るために臆病な性格になったと言われております。
その為、我々も馬と接するときは十分に気を配って馬を驚かさないようにしなければなりません。
まず、馬と一緒にいる時は以下の注意を厳守する必要があります。

大きな声や物音を立てない:
馬は非常に耳が良いので物音には特に敏感です。
馬に乗ったときに人間が驚いて大声や悲鳴を上げるとその声に対して馬が驚いてしまう事があります。
敏感な馬になると風の音だけでも驚く場合があります。
馬のそばで爆竹など大音量の花火は特に絶対厳禁です。

馬の目の前にいきなり手を出さない:
馬の目の前でいきなり両手を上げたり目の前に手を出したりすると、驚いてしまいますので目の前での動作は少しゆっくり落ち着いて動いてください。

走らない:
バタバタ足音を立ててけたたましく走ると馬が驚いてしまいますので、静かに歩くようにしましょう。

後ろやお腹の下に入らない:
特に馬が気付かないうちに後ろに回ってしまったりしますと、馬は驚いて反射的に後肢で蹴ったりします。
またお腹の下にいても蹴られる危険がありますので絶対にお腹の下にも入ってはいけません。


ご機嫌さん

馬も人間と同じく感情の動物ですので、そのときの機嫌などもあります。
馬と一緒にいる時間が長くなってくれば、顔の表情からご機嫌を察する事が出来ますがもっと簡単に手っ取り早く馬のご機嫌を察知する方法として、耳をみると分かりやすいです。

普通の状態では図のように起きています
機嫌が悪かったり、おびえている時などは耳が伏せています。こういう時は近づかない方が無難でしょう。ヘタしたら死ぬような目に遭わされるかも。(爆)
何かに興味を示している場合は耳が前を向いて立っており、そちらを見ています。

前掻

馬の行動でよくあるのが「前掻(まえがき)」です。
これは、前肢で地面を前から後ろに向かって何度も繰り返しガリガリ掻く行為です。
この行為は次の意味があります。

何かを要求している
例えば、ある馬にニンジンをあげたとします。それをたまたま他の子が目撃してしまいました。
そうすると、その目撃しちゃった馬は自分もニンジンが欲しいので前掻をします。

痛みがある
病気でお腹が痛くなったりすると、やはり前掻をします。
その場合の前掻の仕方は地面に前肢を叩きつけるような激しい前掻でいかにも苦しそうな感じです。


悪癖

コレは読んで字の如く悪い癖です。
悪癖には以下のようなものがあります。

サク癖(さくへき)
サク癖とは、馬栓棒など水平の棒に自分の上前歯を引っ掛け棒を押し付けながら空気を飲み込む癖です。これを行うと、お腹に空気が溜まり疝痛(ガス疝)などの病気を引き起こす原因となります。
サク癖の事は空気を飲み込む音から「グイッポ」と呼ばれる事もあります。
咬癖(こうへき)
これは人を見ると噛みつく癖です。
この癖を持っている馬は幼少の頃に人間に虐待された可能性があります。
咬癖を持っている馬に近づく時はよほど注意して近づきましょう。
蹴癖(しゅうへき)
これは馬の後ろに行ったりすると味わえます。(爆)
反射的に蹴ったりする事ですね。
ただ、咬癖と同じく幼少の頃に虐待された馬は人に対してわざと蹴ってくる事がありますので、十分に注意が必要です。
熊癖(ゆうへき)
馬のクセに熊の癖?
これは、小屋の中で手持ち無沙汰になった時に、上体を左右に揺らす癖です。
この癖があると、左右のバランスが崩れるので良くありません。

※疝痛に関しては馬の健康でご説明いたします。


馬との接し方

以上の事を踏まえて馬と接するにはどうすれば良いのか?と言うことを説明します。
まず、優しく声を掛けましょう。
「ホーラ、ホーラ」でも「どうどう」でも「ヤッホ〜」でも良いので、まずは自分がここに居ると言うことを優しくアピールします。
馬に接近する際は必ず、斜め前方から接近します。出来れば左斜め前方が良いです。
馬の目は顔の両側についており、斜め後方まで一気に見渡せる視界を確保していますが、逆に近くの真正面は自分の顔で死角になってしまってよく見えません。

そして、馬が完全にこちらを認識して機嫌も悪く無さそうだったらゆっくり近づいて頬や首を撫でてあげましょう。
馬によっては頬を撫でられるより、額や鼻梁を撫でられる方が好きな子もいますので、その辺は臨機応変に・・・


帰巣本能

馬は帰巣本能が優れています。
外で道に迷ってしまったら、手綱を緩めて馬の好きなように歩かせましょう。
きっと自分の乗馬クラブへ戻ってくれます。(自分の経験です(^^;;)

また、馬場で運動していて騎乗者が落馬して手綱を離してしまうとその馬は迷わず自分の厩舎(きゅうしゃ)に帰ってきます。
たまに間違えて1個隣にはいっちゃう子もいますが・・・・(^^;;

更に、北海道の方であった話らしいのですが、馬艝(そり)で出かけて出先でしこたま飲んで酔っ払って帰った際に、そのオジサンは酔いつぶれて眠りこけていたけど馬は何10キロも自分で歩いてオジサンを家に連れ帰ったと言う涙ちょちょぎれそうなお話もあるくらいです。


こちらに書いた内容はあくまで一般的な事ですので、1つ注意していただきたいのは馬はキャラクターを持つ動物であると言うことです。
マニュアル通りに行かないのが馬。
馬はこの世に2頭と同じ馬は居ませんのでここの内容はあくまで参考にするくらいにしたほうが良いです。
馬とのコンタクトは人間と同じです。
馬によってそれぞれ違ってきますので、沢山の馬とコンタクトをとって慣れるようにしましょう。


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