Fight! vol. 1
「だから〜、この大会に出よ〜!」
「声が辺りに響くから大きな声出さないでください、リナさん!!」
「そう言うアメリアの声の方が大きいじゃない!」
「リナさん!一々うるさくしないでください!」
「アメリア、あんたの方が声がデカイわよ。」
「おいおい、また喧嘩かよ〜。」
「ガウリイさんは黙っててください。」
「そうよ、ガウリイには関係ないでしょ。」
「それでもよ〜。」
「それとも何、文句ある?」
リナに睨まれ、ぷるぷる首を振るガウリイ。
ガウリイは助けを求めるようにゼルガディスの方を向くが、彼はコーヒー片手にのんきに魔道書を読んでいる。
最近、アメリアとリナの間には亀裂があり、前のように上手く一緒に旅が出来なくなって来た。何か大きな事があった訳では無いが、朝のメニューから誰が街に出たら何をするとか、その他色々な小さな些細な事が幾度となく起こっていた。アメリアがこの頃けっこうリナの怠ける所をつき、売り言葉に買い言葉で仲が悪くなってしまい、意地になりながら喧嘩しているのである。
その日の晩ご飯の時、リナとアメリアは対決する事を決心した。
「じゃ、朝決めた件はこれで決まりね。」
「そうですね、でもリナさんは誰と組むんですか?」
「さあね、アメリアは?」
「勝つ為に、誰と組むかは決めましたけど、リナさんには内緒です。」
「そう、ちゃんと正々堂々に戦いましょうね。」
「それはこっちの台詞です!」
とげとげの会話は終わり、アメリアは部屋に戻り、リナはテーブルに付きデザートを食べ始めた。
「何の事話してたんだ?」
「ちょっとね。この村で二人のチームで競うゲームがあるの、そこでアメリアと対決する事に決めたから。」
「アメリアと対決?!」
「そうよ、そう決めたの。」
「おいおい、いくら何でも、そこまで・・・」
「私とアメリアの問題よ。」
「・・・そうだけどよ〜。」
「ガウリイは黙ってて。」
「・・・わかった。でも明日俺はどうするんだよ。」
「誰か見つけて参加すれば?」
「リナは誰と組むんだ?」
「う〜ん、まだ考え中。」
「そうか、良い奴見つかるといいな」
「ガウリイだとちょっと魔道知識が無いからね〜。」
「・・・おい、酷なぞ〜そんな・・・。」
「クラゲ頭のくせに。」
「いくらアメリアと仲違いしてるからって、人にあたるな。」
コッツン
「ちょっと頭叩かないでよ!」
「俺は部屋に上がるぞ。」
「・・・わかった、おやすみガウリイ。」
「おやすみ、リナ」
「リナさんに勝つ為です。だから仕方ないんです、手伝ってください。」
「・・・貴方が私を呼ぶとは思いませんでしたよ、アメリアさん。」
「・・・私も嫌なんですよ、本当は・・貴方に手伝ってもらうなんて、でも・・・」
「クスクス・・・解りました、面白そうですね。良いでしょう、手伝います。しかし・・・」
「しかし何?」
「アメリアさんは何を私に下さるんですか?」
「・・・何が欲しいの?」
「・・・う〜ん、そうですね〜。」
「焦らさないで、欲しい物は決まってるんでしょ。」
「・・・アメリアさんを一日貸してください。」
「・・・私を?」
「ええ、私と一日一緒にいてください。」
「一日だけですか?」
「そうですよ。・・・何を期待していたんですか?」
「き、期待なんてしてません!!」
「クスクス、真っ赤ですよ。それでは、明日。おやすみなさい、アメリアさん」
「おやすみなさい、ゼロスさん。」
シュン
妙な音と共にゼロスは空間を渡った。
床には大きな複雑な魔方陣、隣には山とかした魔道書。
「明日、片付けないと・・・ああ〜、・・眠くて・・・おきて・・られ・・ません・・・」
「・・・リナ。」
「あら、ゼルも寝れないの?」
「ああ。隣いいか?」
「どうぞ。」
ゼルガディスはリナの隣の椅子に腰をかけ、グラスをもらいウイスキーを水割りで飲み始めた。
「・・・どうしたんだ?やけに淋し気だな。」
「そう?そうでもないわよ。」
「・・・おいおい、酔ってるのか?」
「うんん、酔って無いわよ。ただ、ちょっとね。」
「どうしたんだ、話してみろよ。」
「・・・明日、競争があるのよ、アメリアとね。でもパートナがいなくて・・・」
「旦那は?」
「魔道知識ゼロでしょ。・・・それで、ゼルは明日あいてる?」
「・・・あいにく明日はやる事があってね。」
「そうか・・・」
「・・・・・・・だが、・・・手伝ってやってもいいぞ。」
「ほ、ほんと?」
「ああ、いいぞ。」
「・・・・ありがと。」
「やけに素直だな。」
「そう?」
「ああ。」
ゴクゴク
「何杯飲んだんだ、リナ。」
「3杯」
「おいおい、そんなにつぐな。」
「いいじゃないの。」
「ほら、明日競争だろ。」
強引にゼルガディスはリナの持つウイスキーボトルを奪った。
「ちょっと、勝手にボトル取らないで!飲みたいなら自分で払えば?!」
「・・・駄目だ。」
「・・・わかったわよ、そうすれば?オッチャン呼んでもう一つボトルもらうから。」
「寝たよ、さっき出て行っただろうが。」
「・・・・・・そうだっけ?」
「やっぱり酔ってるな。」
「あはは、そうでも、ないよ〜。」
「やっぱり・・・ほら、行くぞ。」
「引っ張んないでよ〜。」
「おら、こっちだ。おいおい、寝るな!」
「だっこして〜〜。部屋に連れてってよ〜。」
「・・・」
「はやく〜。」
「・・・今回一度だけだぞ。」
「だから、ゼルって好き〜。ありがと〜〜。」
「はぁ〜。」
カツン カツン
「階段せまいね〜。」
「・・・」
「ぜるぅ〜、かお真っ赤っか〜。」
「・・・」
「あはは〜。」
「・・・うるさいぞ。夜中なんだからな。」
「わかってるぅ〜よ〜。」
「・・・」
「ぜるって、あったかくて気持ちィ〜。」
「・・・おいおい、抱き着くな!!」
「ぜる、うるさくしちゃだめらろ〜。」
「・・・」
「ぜるもっと赤〜い。」
「うるさい。」
「ZZZzzz」
「寝てる・・・」
カチャン
ドテッ
「おやすみ、リナ。」
「うみゅ〜・・・」
「(ふっ)また、明日。よく寝ろよ。」
ゼルガディスは優しくリナの髪を撫で、べッドをシーツをリナにかけた。
カチャン
「さて、部屋に戻るか。」
「すいません!お願いします。」
「う〜ん、でもな〜。」
「お願いします。お兄様の恋を手伝いたいんです。」
「そのお兄さんは本当にその子が好きなのか?」
「はい!とっても確かです!」
「・・・それなら、俺の仲間達もその大会に出るらしいし、いいよ。」
「ほ、本当ですか!ありがとうございます!!」
少女はかわいらしい笑顔で嬉しそうに飛び跳る。深い青色の髪がそれに合わせ跳ね、大きい銀紫の瞳をキラキラさせた。
「どういたしまして。それで明日何所で待ち合わせだ?」
「下の食堂で・・・大会が一時に広場で始まるので、十一時頃にあいません?」
「おお、いいぞ。」
「ありがとうございます、剣士さん!」
「ガウリイだ。」
「え?」
「名前。」
「こちらこそ、よろしくガウリイさん!」
「君の名前は?」
「ゼラフィンです。ラフィーって呼んでください。」
「それじゃラフィー、また明日。」
「お休みなさい、ガウリイさん。」
「おやすみ。」
セラフィーナ様よりのコメント!!
下手ですいません。お軽いのを久しぶりにと思って書きました。最後はラブラブです、もう皆ハッピ〜街道まっしぐら。安心して読んでね〜、でもカップリング、メチャメチャ。オリキャラのゼラフィンも再登場。(けっこう気に入ってるもんで。)それでは、コメント、批評書いてくれると嬉しいです。
セラフィーナ
お山修行の後、すぐに送っていただきました。
ありがとうございます!!!
うふふふふふ。出たわね。ラフィーちゃん・・・・。
また、かわゆく今度こそ幸せにしてあげて下さいね。
前回は死んでしまったものねぇ(;;)
今回だ!今回こそ!!!
で、ひとつ気になった事が・・・もしかして・・・ゼロアメ?(爆死)
三下管理人 きょん太