Fight!  vol. 2


「へぇ〜、それじゃガウリイもパートナーがいるんだ。」

紅茶を片手にリナは感嘆の声をあげた。

「ああ、昨日の夜頼まれてな。お兄さんの恋路地を手伝いたいらしいぞ。」
「どんな子なの?」
「倉紫色のウェイビーな髪と瞳で肌が真っ白いかわいらしい子だが、なんで聞くんだ?」
「・・・何となく。ガウリイを選ぶ馬鹿ってどんな子かな〜と思って。」
「悪かったな。それでリナは?」
「ゼルが一緒に行ってくれるって。」
「そうか。アメリアは?」
「内緒らしいわ。今日はまだ起きてない、みたいだしね。」
「いつもは一番なのにな。ゼルは?」
「近くのお寺に調査中。」
「で、俺達は朝飯か・・・それにしてもこの頃ちゃんと食ってないだろリナ。」
「え?」
「気付けろよ。今日は大会だしな。」
「・・・気が付いてたの?」
「ああ、喧嘩、堪えてるのか。」
「・・・」
「まあどうでもいいが、早く良くなれよ。」

くしゃ くしゃ

ガウリイがリナの頭を撫でた。

「・・・わかった。」
「よし、じゃ食うか。」
「うん。」


「という事で、ゼラス様、休暇をください。」
「・・・」
「勝手なのは解ってますが、・・・」
「しょうがないな。いいぞ、行っても。そのかわり・・・」
「そのかわり?」
「お土産に、少し悲しみの感情を、持ってこいよ。」
「わかりました、やって見せましょう。」
「・・・行ってこい、ゼロス・・・」
「・・・でわ、マスター。」

ブゥーン

ゼロスは深々と敬礼し、空間を渡って行った。

後に残された、紫色の髪を垂らし優雅に座る影の肩が震える・・・



「遅いですね、アメリアさんが指定した場所なのに・・・」

タッタッタ

息を切らしたアメリアが角を曲がりゼロスの元に走って来た。

「・・・すい・・ません、・・遅れま・・したか?」
「いいえ、遅れてはいませんよ。私も来たばっかりですし。」
「それで、今回の競争の為の、作戦ですが、何かありますか?」
「競う要素は運動神経、洞察力、観察力、精神力、耐久力、集中力、魔道知識の呪文と実践に夜には残ったチーム同士対決らしいです。最後の対戦には四組残るらしいですよ。」
「最後には私達を加えリナさんの組で、後二つは解りませんね。」
「私の妹も出るらしですよ・・・」
「ゼロスさん妹なんて、いたんですか?」

驚くようにアメリアの瞳は大きく見開いた。

「ええ、人間学習の為、今、色々な街で人間と触れあう事をしてるんです。今回はガーヴ様がサポートするらしいですし、魔族チームが二組ですかね〜。」
「そうなんですか、魔族も勉強大変なんですね。」
「あはは、まあ妹は優秀ですから。きっと残りますね。最後の四組の中に。ガーヴ様はきっと上から観ているだけで、チームは組まないでしょうし。」
「魔族でしたら残りますよ、人間より知識が豊富ですし。でも後一組は謎のままです。」
「そうですね〜、しかしアメリアさん。約束忘れないでくださいよ。」
「解ってますよ、でも一日だけですよ。」
「丸一日ですよ、アメリアさん。」
「承知してます!」
「それでは、私はこれで、そろそろ行かせて、もらいます。」
「それではゼロスさん、あとで。」
「また、十二時半にこの路地で、アメリアさん。」

シュン

ゼロスは物の見事にアメリアの目の前から、いなくなっていた。
アメリアはゼロスが一秒前にいた場所をふと眺め、少しした後、宿に向かい歩いた。



「それじゃ、お前、人間となんか組むのか?」
「ええ、そうですけど。不都合でもあるのでしょうか?」
「いや、そうじゃないが・・・」

歯切れの悪そうに赤い髪の男は呟いた。

「お兄様は他の人と組むらしいので、しょうがないんです。」
「そうか、まあいい。ゼラフィン、とにかくドジを踏むな。お前は余りにも前ばっか見過ぎで爪が甘いからな。」

ポンポン

男は少女の頭を軽く叩いた。

「わかってますよ〜ガーヴ様。がんばりますから。」
「それじゃ、行ってこい。できるだけ悲しみの感情を煽る様にな。」
「は〜い、それではガーヴ様!また〜!」
「おお、がんばれよ〜。」



「ガウリイさん!」
「うわわわわわぁ!」

少女はガウリイの肩に両手を置いた。

「何だ、ラフィーか。」
「覚えてもらえて嬉しいです。」
「あ、リナこれが俺のパートナーのラフィーだ。」
「へぇ、本当に深い倉紫色の髪の毛なんだ。よろしく、ラフィー、リナよ。」
「こんにちわ、初めまして、リナさん。」

リナを紹介した時、少女の顔色が少し悪くなったのを、リナは見逃さなかった。

「それで、リナさんはガウリイさんのお仲間さんですか?」
「そうよ。」
「大会には出るんですか?」
「ええ。」
「どなたと?」
「仲間のゼルって人と。」
「そうなんですか。」

胸を撫で下ろすように少女が安心したのをリナは一発で見抜いた。

「ねぇ、ガウリイちょっと、ここで待ってて。」
「何でだ?」
「ちょっと今、行かなきゃいけない所を思い出したの、ラフィーは今暇?」
「ええ。」
「ちょっと一緒に行かない?」
「あっ、はい、喜んで。」
「じゃ、行きましょ。」

カラン カラン

リナとゼラフィンは宿場の食堂を出て、外の丘へと向かった。



「ルーク、ちょっと、いい加減降ろして下さい!」
「お前な〜怪我してるだろ?俺のスイートハニーが怪我してるっていうのに俺がのんきに隣で歩いてられるか!」
「だからって、おぶらないで下さい!」
「もう少しで宿だ、我慢しろ。」
「・・・もう・・・ブツブツ・・・」
「おぉ、あの目の前を歩くのは・・・」

ルークは指で前方を歩く茶色の髪の人を指差す。

「あれ?ルークとミリーナ?」
「・・・げぇ、リナか。」

バシ

「ちょっと「げぇ」とは何よ!蹴るわよ!」
「蹴った後にいうな!!」
「お久しぶりです。」
「久しぶり、ミリーナ。どうしたの脚?」
「ちょっと、折っちゃた、みたいで・・・」
「ふぅ〜ん。・・・ねぇ〜ルーク。何度も私とガウリイのおんぶの事、べちゃべちゃと言ってたわよね〜。」
「げっ・・・」
「さ〜って、私もさっそく・・・」
「り、リナ久しぶりに合えたのは嬉しいんだが、ミリーナの脚を医者に見せたいから、じゃ、またな。」
「あっ!ルーク!こら走って逃げるな〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

リナの声がこだまするが、ルークはミリーナをおぶりながら全速力で走り抜けた。

「リナさん、今のは誰ですか?」
「旅で知り合った人よ。仲間だった二人。」
「だった、ですか?」
「・・・とにかく行くわよ、ラフィー。」
「あっ、はい。」

リナはゼラフィンを引き連れ、丘の頂上へと目指した。


セラフィーナ様よりのコメント!!

きょん太のリクのガーヴを入れてみました。と〜っても短いし、軽い。さっぱりした魔族さんです。(ちなみにこれは魔族に反乱を起こす前のガーヴです)
もう私自信何書いてんだか、わかんない物です。教訓:やっぱり朝の3時にお話しを書くのは止めましょう。それでも読んでくれた、そこの貴方!えらいです〜感動です、ありがとう!。ほんじゃ!皆さんの怒りが飛んでくる前に、退散。

セラフィーナ


きたきたきた!
やったー、やりましたーー!
ガーヴ様だーーー!ナイスだ、セラちゃん。野性的な20歳くらいのハンサム。(ここがミソ)
この後が非常に楽しみだ。
がんばってね〜〜。
それと、私もラフィーちゃんの頭をかいぐりかいぐりしたい・・・・(馬鹿タレ・・・)

そういや・・・今回・・・・ゼルは・・・・・・?


三下管理人 きょん太拝


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