「赤毛のアン」の作者であるLucy Maud Montgomeryの生まれ育った島であり、アンの物語の舞台、
アヴォンリーのモデルのこの島は、世界中のAnne を愛する人たちがその面影を訪ねておとずれることを裏切らない
ためにたくさんの努力や工夫やおもてなしをしてくれる、そんな気がしました。


ハリファックスの空港からシャーロットタウンに行く飛行機はこんなに小さなプロペラ機。1時間足らずで着くので
客室乗務員は大忙しです。
非常口の説明をしながら、「非常の際には、なんて考えたくもないけどね」なんてことを言ってのけちゃうベテランの女性。
ちなみに副操縦士も女性でした。

さて、私はP.E.I  の中でもAnne’s Landと呼ばれ、物語の舞台の架空の村
アヴォンリーのモデルとなっているキャベンディッシュを中心に滞在してきました。


ゆりかごと呼ばれる島のちょうど真中あたり、海岸に面した静かな村です。
  私の「こんなところに住み たい」 が具現化されたような村で、アンの物語や、モンゴメリーの生活を再現する
景色や建物が数多くあり、私も一日は「赤毛のアンツアー」に参加して、アンゆかりの地をめぐりました



= グリーンゲイブルズ =

グリーンゲイブルズは建物はモンゴメリーが良く訪れた古い農家再現し、部屋の中はアンの物語に忠実に再現されています。
日本から来た老夫婦がアンの部屋をのぞいて、おじいちゃまが「あれがマシューが買った服だな」といっているのがなんとも
ほほえましく、この島に憧れてやっと訪れた、少女に戻った奥様がかわいらしくみえました。

 緑の切妻屋根という意味のグリーンゲイブルズは
 美しい花壇に囲まれています。
 建物の裏手が恋人の小道に続き、正面がお化けの森に
 面しています。
 輝く湖水は物語ではすぐそばにあることになっていますが
 実際にはかなり離れた場所にその モデルの湖があります。
 アンの家、資料館の納屋、恋人の小道、おばけの森を含めた
 施設になっていて、一度お金を払うとグリーンゲイブルズの絵の
 丸い シールをくれて、それが入場券。
 洋服に貼ってお けば何度でも入ることができます。
 私は3度訪れ、恋人の小道をのんびり歩いたり 写真だけ撮りに
寄ったりしました。










   アンの部屋。
  マシューからのクリスマスプレゼントである、茶色のふくらんだ袖のドレスが
かかっています。

 左手前にあるのは、ギルバートの頭で割った石盤。
    そして、ベッドにはマリラが作ったドレス、
窓ぎわにはダイアナと信号を送りあったランプも置いてあります。
アンがみたてたバラの花模様の壁紙など、本当に忠実に再現してありました。
実はこのアンの部屋、以前はマシュウの部屋として展示されていた部屋のようなのです。
15年前に出版された新潮社文庫「赤毛のアンの世界」では、この部屋のつくりは
マシュウの部屋となっています。手に入る方、見比べてみてください。
 
        おばけの森 
 
        恋人の小道
   最初の赤毛のアンの原稿は手書きですが
その後のアンシリーズはこのタイプライターによって
綴られました。
AとNとEのキーが磨り減っていました。
もちろん ANNE がたくさん登場するからですね。

    
  
= 郵便局 =

 
       キャベンディッシュ郵便局
  モンゴメリーが暮らしていた頃は島には村ごとに少人数で全学年ひとクラス
という小さな学校があり、モンゴメリーはその学校の先生をしていましたが、
おじい様が亡くなったあと郵便局を継ぎました。
いま建っているのは観光用に再現されたものですが、実際に郵便局の機能を
果たしていて、ここで郵便を出すとグリーンゲイブルズのスタンプを押してくれ
ます。残念ながら我が家に出したものはスタンプがかすれてしまっていましたが。
物語の中で、アンがマシュウに
なぜ、この島の道はこんなに赤いの?と
訊ね、マシュウがわからんな、と答える
シーンがあります。
その後アンはマシュウに「なぜこの島の
道が赤いか学校で習ってわかったわ」と
言うのですが、物語では、そのなぜ、を
明かしてくれていないので、私は、なぜ
PEIの道は赤いんだろうと、理由が知り
たくてしかたありませんでした。
答えは土に二酸化鉄が多いからだそう
です。この島の地面はどこも赤く、海岸も
赤い砂岩と赤い砂なので、海の色は、
あまりきれいには見えません。

       赤い道
湧き水でできた小川がたくさん流れこんでいる
きゃべんディッシュビーチ。」涼しいのに、泳ぐ人も
たくさんいたのには驚きました。

近くの小川にはビーバーがいます。

  



砂岩と赤い砂のキャベンディッシュビーチ
アンが物語りの中で生まれて初めて
アイスクリームを食べたピクニックは
この輝く湖水のほとりです。
アンの学校はこの湖を見下ろせる所
にあったという設定になっているので、
アンが頬づえをついてこの湖をみている
シーンがたびたび出てきます。
ほとりにはルピナスが咲いていて
放し飼いの馬がいたり、素敵なところです。
キャベンディッシュから少しはなれていて
一度きりしかいかれなかったのが心残り
です。

      輝く湖水
= アンの人形=

せっかくだから、アンの人形を買おうとあちこち見たのですが、どれも私のイメージのアンとはかけ離れていました。唯一、これは近いかな、と思えた人形は大きくてとても高くて、ため息をついてあきらめてきました。

それでも、イメージとはだいぶ違うけれど、2種類の人形を買ってきました。どちらも本棚に飾れる、小さなものです。

アンはやはり、それぞれの心の中で自由に生きていてもらうのが一番なのでしょうね。
  


モンゴメリーの生家の前にある、島の
手芸品の店メモリーズだけにある、
布製のアン人形。

アンのチョコレートのパッケージの
イラストと同じ、アン人形

  アンの世界のほんの一部しかご紹介できていませんが、あとはみなさんが 想像力の翼をひろげて、島の美しさを思い浮かべてみてください。
 
 またいつか、もう一度(もう2度くらい?)行きたい、と思っていますが しばらくはたくさんの思い出と、まだ見ていない地を思い浮かべつつ
 想像の世界のPEIに時々遊びに行こうと思っています。

                                                    
P.E.I  Top へ