コミック感想記録(1999-12)


02-Dec-1999

【コミック】「ロスト・ユニバース」3巻 義仲翔子(神坂一)  角川書店(角川コミックスドラゴンJr)
 最終巻。画の人は原作のイラストの人ではあるものの、 どちらかといえばアニメ版の方のコミック版であるこの作品の結末は、 見たことないので確たる事はいえないが、TV版に準じたものなのだろう。 少なくとも原作版とは異なっているのでそう思うのだが、 個人的には原作の結末よりこっちの結末のほうが好みにあう。 どうでもいいが、ラストのミリィはなかなかよい。


03-Dec-1999

【コミック】「クロノクルセイド」1巻 森山大輔 角川書店(カドカワドラゴンコミックス)
 「悪魔祓い」と「ガンアクション」、「封印された能力」という、 はっきりいってよくある系統のネタを使っているけれど、 地に足がついているというか、なんとも面白いマンガであると思う。 キャラもたっているし、クロノとロゼットの関係、クロノの能力、 修道会の組織などしっかりと描かれていて非常によろしい。 正直、連載で1話づつ読むと何がなんだかわからないところもあったけれど、 1巻にまとまるとここまで面白くなるとは思わなかった。 作者はイラストレーター上がりの人で、絵はもちろん、演出や時おり入るギャグもいい感じ。非常にお薦め。


04-Dec-1999

【コミック】「ヒカルの碁」4巻 ほったゆみ・小畑健 集英社(ジャンプコミックス)
 この巻に収録されている「インターネット」編は、 「対戦する場合に顔を合わせねばならない」囲碁の世界で、 ヒカルを通してしか囲碁の出来ない佐為が思うままに囲碁を打ち、 その能力で世界を震憾させる、という舞台装置として非常に良い効果を上げている。 静かに、しかし確実に世界の囲碁愛好家の間に波紋を広げる様はやはりうまいと思う。 ただ、思ったよりもその期間が短かったのは、 やはり実際に対面して勝負をつけるのが囲碁の醍醐味、だということなのだろうか? それはいいとして、そうなると佐為の活躍の場がかなり限られ、 彼の存在意義がどんどん減少してしまうが、 さすがに佐為を「使い捨てキャラ」にするとは思えず、 そのあたりをどのように消化するのかが、今後のこの作品の展開を左右するような気がする。

【コミック】「シャーマンキング」6巻 武井宏之 集英社(ジャンプコミックス)
 シャーマンファイト編に入って、やはりどうも作者に「迷い」があるように見える。 対ファウスト戦はややうやむやな形で終わってしまうし、 まん太を犠牲にしかけたことで、彼を傷つけないため、あえて突き放し、 修行に赴く葉、という図はともかく、追ってきたまん太をあっさり受け入れるあたりの 演出が少々未消化な気がする。修行の場面が描かれなかったことで、 葉がたどり着いた結論の根拠があやふやで、あまり説得力を感じなかったのは、 少々問題があるのではないかと思う。 新登場のたまおやなかなかカッコ良くなってきた木刀の竜など、 脇にはいいキャラがいるので、そのあたりはいいのだが…

【コミック】「ライジングインパクト」3巻 鈴木央 集英社(ジャンプコミックス)
 2巻までが「打ちきり」のところまでで、この3巻からが再開となる。 やはり投書などで「学院の連中がとても小中学生にみえない」 というのがあったらしく、作者がそれについてのコメントを書いてるのが笑えた。 新たに仲間になったリーベルらとの圧轢や和解などのエピソードが主であるが、 リーベルが敢えてガウェインに勝利を譲ろうとする原因が、 2巻の猿の面かぶったおっさんと同じというのは、 これ以外に自責の念を覚えさせるネタがなかったためだろうか? これはちょっとカブりすぎていて、ちょっと気になった。


06-Dec-1999

【コミック】「カードキャプターさくら」10巻 CLAMP 講談社(KCデラックス)
 学校の模擬店大会に雪兎を招待したさくらはついに告白。 「好き」の種類もいろいろあって、さくらの「好き」はちょっと違う「好き」が入っているけど、 お父さんに対する「好き」と似ていて、雪兎の「一番好き」はさくらじゃなくて、 要するに「失恋」というわけだけれど、そのあたりのさくらの表情と、 小狼にその話をするときの表情がなかなかよくて、小狼とも良い感じになってきて 「少女マンガ」っぽくてよろしい。 ただ、雪兎と桃矢の関係はどうみても「その手の同人誌のおねーさんたちが好きそうな関係」 にしか見えないのが難。このあたりを「恋愛」ではく「友情」的にもう少しうまく描いてくれると さわかやな少女マンガのようでさらにポイントアップなのだが、CLAMPにそれを求めるのは酷かな。
 今回は一押しキャラの山崎くんが不発だったので残念だけど、 ぼちぼちキャラクター間の相関関係に決着が付きそうな雰囲気(桃矢のシスコン炸裂な発言が結構良い)と エリオルと藤隆お父さんとの関連が見え隠れしてそろそろクライマックスが近いことを予感させる。 2人が融合してクロウ・リードが復活…ということはないだろうなぁ。


08-Dec-1999

【コミック】「ヘルシング」2巻 平野耕太 少年画報社(YKコミックス)
 英国国教会騎士団…HELLSINGの本部に招集された「円卓会議」を強襲するバレンタイン兄弟率いるグールの群れ。 屈強の警備隊をも潰滅させる不死の軍隊に立ち向かうセラス、ウォルターそしてアーカード。 バレンタインの口からもれた「ミレニアム」とそれが示す真の敵とは…
 掲載誌でも最早「不定期連載」の気配が濃厚で「次はいつッ!?」というようなものだが、 実際、思わせぶりな「ミレニアム」などでてきて話がすすんでいるようでもあり、 でも結局あまり進んでないようでもあり、なんだかよくわからないけれど、 このマンガはそういうことじゃなくて、「化物」達のこの世ならぬ戦いを楽しむもので、 封印を一部解除して圧倒的な強さを見せ付けるアーカードの 妙に人を見下したような態度やキレてイってしまったようなバレンタイン兄弟などが なんといっても読ませるものなのだ。 こういうのを描かせると平野耕太は圧倒的に上手い。


09-Dec-1999

【コミック】「有閑倶楽部」18巻 一条ゆかり 集英社(りぼんマスコットコミックス)
 究極の目的「玉の輿」のためパワフルに活動する可憐が殺人事件に巻き込まれる「玉の輿料理天国」と 清四郎の師匠、雲海和尚の初恋の君の幽霊が悠理にとりつく騒動の「初恋の鎮魂歌」および、 エッセイ的マンガを収録。 さすがに巻数が1桁台のころのワクワク感はないけれど、 水準以上の面白さを保っているところはさすがベテラン。 十数年前から始まったシリーズのキャラクターがほぼそのまま、今でも使えるというのは、やはり作者の力量だろう。


10-Dec-1999

【コミック】「銀河戦国群雄伝ライ」22巻 真鍋譲治 メディアワークス(電撃コミックスEX)
 五丈八百万対南天千二百万が対峙する北京沖会戦。 しかし兵の練度も装備も劣る南天は師真の采配の前に為す術もなく瓦解していく。 羅侯は起死回生を期して雷に一騎打ちを挑むがかわされてしまう。 羅侯は姜子昌によって救われるが南天首都は陥落、勝利にわく五丈だが、そのころ西羌では変事が…
 この巻の会戦によって事実上、雷の銀河支配の形勢が固まった。 南天は全滅はしてないものの、最早最後の足掻きしか残っていない。 西羌は反乱するけれど、これも天下統一前の最後の事件の1つに過ぎないのだろう。 雷vs羅侯の一騎打ちは昔ならこれがクライマックスとなるところだが、 あえてそれで決着つけないのは作者の良心か、「歴史もの」風にしようという計算か? もうまともに入っている、という感じがしないでもないが、実際、あと2〜3巻というかな。
 「書き下ろし」の「竜王様の一日」は同人誌のネタみたいだが、 こういうのも目先が変わって案外面白かったかも。


13-Dec-1999

【コミック】「(有)椎名百貨店」 椎名高志 小学館(少年サンデーコミックスワイド版)
 「GS美神」以外の短期連載・短編などを収録した作品集で、 以前新書サイズで3巻分で出版されたものを1冊にまとめたもの。 作品は新書サイズに収録されたものの再録だけで、新規の作品は、 表紙のカラーと内表紙の四コマのみ。 サイズからして「Dr椎名の教育的指導」「ノンポリ魂」の収録が危ぶまれていたが、 しっかり収録されていたのがうれしい。 新書サイズを保持している人はとくに買う必要はないけれど、 「GS美神」とは違った椎名作品に興味有る人は読んでも損はないと思う。

【コミック】「デビデビ」10巻 三好雄己 小学館(少年サンデーコミックス)
 魔界四元将との戦いもこの巻で決着。 正直なところもっと引っ張るかと思っていたのだが、 ずいぶんとあっさり決着した印象がある。 なまじ長引かなかったのは潔いといえるけれど、 四元将の長、水の魔将バジルvsソードの戦いがあっさりしすぎていて、 あまり印象に残らなかったが、少しもったいない気がした。
 その後に現れたラスボス(多分)。こいつが今のところ、 妙にチンピラっぽくて威厳がないのがかなり嫌。 狂気に突っ走るか、妙に威厳があるか、どっちかに偏らないと ラストバトルでの感動が得られないのではないかと思うのだが…。 まああれでも子持ちだからなぁ…


17-Dec-1999

【コミック】「新世紀エヴァンゲリオン」5巻 貞本義行(GAINAX) 角川書店(角川コミックス・エース)
 「2年ぶり」の新刊。あれだけ騒ぎを巻き起こした「エヴァンゲリオン」もTV放映終了から、 3年半以上も経過して、いつのまにか沈静化してしまったけれど、 コミック版の方は休みが入りながらも一応続いていたりする。
 基本的にはTV版に準じているから、ある程度の流れや、 おそらくは「人類補完計画」も劇場版などに準じた形にいくのだと思われるが、 トラウマ抱えた人格破綻者(言い過ぎ?)が伏線引きまくった挙げ句に「わけわから〜ん」という結末に陥ったTV・劇場版と異なり、 コミック版はなんとなく前向きな主人公シンジを始め、微妙にあるいは明らかにアニメ版とは性格が異なっており、 話の流れもTVのエピソードを上手い具合にシャッフルして、 キャラの性格以外では「第1使徒アダム」をミサトのみならずシンジも見てしまい、 さらに母の最期(?)の記憶を取り戻したりと、独自の演出と展開をみせているあたりが興味深い。 続きが気になるところだが、次がいつでるのか全く不明であることがいささか不満であるが、 独自の、そして納得できる結末がじっくり描かれることを期待したい。

【コミック】「Q.E.D.証明完了」5巻 加藤元浩 講談社(月刊少年マガジンコミックス)
 音楽の僕となることを選んだチェリストが犯した犯罪を描く「歪んだ旋律」、 古いカメラに残されたフィルムから現像された写真が語る過去の事件「光の残像」の2編を収録。
 掲載誌の関係で1つの話がまとめて掲載されるので、 妙な「引き」や過剰な演出もなく淡々とすすむ、 「ミステリーマンガ」としては大変良質な作品である。 今回収録分の2話のうち、前半部分の「歪んだ旋律」の方は、 なんだか「刑事コロンボ」のような形式で、 犯人が「音楽の僕」ならんとするのはわからんでもないけれど、 他者に犯行をなすりつけるあたりがいささか往生際悪く感じた。 後半の「光の残像」は「千里眼」の謎はあっさり分かってしまったけれど、 哀しい結末がなかなかよかったと思う。
 とりたてて「すばらしいっ」と感激するほどではないけれど、 コンスタントに一定レベル以上のミステリーを提供できるのはすばらしい。 今後もこの調子で続けていってほしいシリーズではある。


18-Dec-1999

【コミック】「エルフを狩るモノたち」14巻 矢上裕 メディアワークス(電撃コミックス)
 「食えないカレー事件」他4編を収録。 前巻で 一応元の姿に戻ったセルシアだが、このマンガでそんな状態が長続きするわけもなく、 「ヒゲ犬」「パンダ」「猿」に続く第4の姿は「アホウドリ」。 バカだバカだといわれ厭きたのか、今回は「アホ」といわれまくってるのが、案外面白い。 「空から降ってくるアレの話」は前にあった「地動説」の話とにてるような気がして、 いささかネタ切れか、という印象を与えるけれど、 「エルフに狩られる律子」でこれまでと違った方向を模索してるので、 その過渡期のせいかもしれない。 これからはしばらくメインキャラ一人一人にしぼった話になっていくのだろうか。 もしかして「まとめ」に入っていくのだろうか?


20-Dec-1999

【コミック】「ベターマン」 山田秋太郎(矢立肇・米たにヨシトモ) メディアワークス(電撃コミックス)
 「勇者王ガオガイガー」のスタッフが制作して、 1999年4月から9月にかけてTV東京系深夜枠で放映されたアニメのコミック版。 アニメの方はよくも悪くも「ガオガイガー」のスタッフがつくった、と思わせる作品で、 10話までみた時点ではそれなりに楽しんでいるのだが、このコミック版は…
 絵的は決して嫌いではないし、コマ割りもそう悪いとは思わないのだが、 率直にいってこれだけ読んでも何がなんだかさっぱりわからん という作品に仕上がっている。 半年にわたって放送された作品を単行本1冊に押し込めたら、 こうなるだろうといわんばかりの「圧縮されまくった総集編」以外の何者でもない。 これでは「副読本」にもならんのだが、一体どういう意図でこういうコミック版をつくったのだろう?


21-Dec-1999

【コミック】「藍より青し」2巻 文月晃 白泉社(ジェッツコミックス)
 ほとんど済し崩し的に同居生活をすることになった薫と葵であったが、 「2人だけ」ということが許されるわけもなく、葵の後見人、雅のみならず、 薫のサークルの女の子が2人も転がり込んでくるとこになった第2巻。 前巻ほど「のた打ち回るほどベタな」展開ではなく、 「お約束」的展開はあるけれど、騒動のタネになるであろう、薫の友人の新キャラの登場と、 女の子2人が転がり込んでくるシチュエーション作りに手一杯であった印象を受けた。 このマンガのすごさは1巻でみられた「ついニヤニヤしてしまう」ベタな展開であって、 シチュエーション作りではないのだから、次巻ではそういう楽しい展開が復活することを望む。


23-Dec-1999

【コミック】「地球防衛少女イコちゃん」全2巻 あさりよしとお(河崎実) 白泉社(ジェッツコミックス)
 同名の特撮作品のコミック版。原作となるビデオ版がウルトラシリーズ等の特撮作品の パロディというかオマージュといえる作品ではあるが、 コミック版は、表紙のカバー絵だけみるといわゆる「美少女」系のコミックと勘違いされそうではあるが、 あさりよしとおが描いているだけあって、 随所にパロディとギャグの散りばめられた無茶苦茶楽しい作品に仕上がっている。 特撮ファンはよむべし。


24-Dec-1999

【コミック】「強殖装甲ガイバー」16巻 高屋良樹 角川書店(角川コミックス・エース)
 2年半ぶりに出版社も変わって敢行された最新巻。 最初の10頁ほどが「15巻までのあらすじ」となっているのが、 中断前までの時間の長さを表しているなぁ、と感じる。 ガイバー・ギガンティクと獣神将プルクシュタールとの戦いの裏で暗躍する3人の獣神将と、 「ゼウスの雷」を再結成して、部下たちを「調整」することでさらなる力を得て 自らの野望に突き進む巻島顎人。 クロノス内部の権力闘争が表面化して、いよいよ結末へ向って突き進んでいるようではあるが、 相変わらず連載が不定期で、次がいつでるのかが大問題。 いいところで「つづく」になっているので、早く続きを読みたいものである。


Author : suita@terra.dti.ne.jp